ページ

2013年11月17日日曜日

◆敗色ムード変えた!大迫 スタメン起用に応えるアピール弾(スポニチ)


http://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2013/11/17/kiji/K20131117007026740.html

国際親善試合 日本2―2オランダ (11月16日 ゲンク)



 小さくジャンプして右拳を握った。欧州組を含むベスト布陣で初めて先発1トップに抜てきされた大迫が日本の窮地を救った。

 0―2の前半44分、中盤をドリブルで抜け出した長谷部の縦パスに反応。相手DF2人の間を走りながらダイレクトで右足を振り、ゴール左隅に流し込んだ。「最初は右を狙おうと思ったけど、途中で変えた」。コンマ数秒の判断でGKの位置を見極めてシュートコースを変える難易度の高い一撃。7月25日のオーストラリア戦以来出場2試合ぶりの得点はチームにとって実に242分ぶりのゴールだった。

 試合前のミーティングで先発を告げられたが「緊張はしなかった」と動じなかった。後半15分には右アウトサイドキックのダイレクトパスによる絶妙なポストプレーで本田のゴールを演出。後半28分に途中交代するまで存在感を示した。鹿島では今季リーグ18得点を記録。欧州遠征直前の10日の湘南戦ではクラブ史上初のシーズン2度の4試合連続弾を決めている。決定力、勝負強さは国際舞台でも不変だった。

 欧州での試合は関塚ジャパンの一員として出場した08年5月のトゥーロン国際大会以来。当時はフランスの足元が粘土のように軟らかいピッチに苦しんだ。関塚監督から失格の烙印(らくいん)を押され、ロンドン五輪メンバーから落選した苦い過去を持つ。W杯メンバーへ生き残りを懸けた一戦で同じ失敗を繰り返すわけにはいかない。試合前日の公式練習でピッチ状態を入念に確認して、スパイクはグリップ力の増す取り換え式を使用。過去の教訓を無駄にはしなかった。

 昨年から欧州にパイプを持つ代理人と契約。鹿島との契約を2年残すが、移籍金は推定3000万円に設定され、移籍への障害は少ない。視察に訪れたドイツ、オランダなど複数クラブのスカウト陣にもアピールし、今冬の欧州移籍も現実味を帯びてきた。「相手DFは大きかったけど、全然、問題はなかった。試合を重ねればもっと良くなると思う」。ザックジャパンに新たな息吹を吹き込み、世界の強豪オランダ相手に決めた一撃。インパクトは絶大だった。