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J1 第34節 サンフレッチェ広島戦 マッチレビュー
鹿島、ホーム最終戦で敗北。広島の逆転優勝を許し、5位に転落。
前半アディショナルタイムにエースの大迫が退場処分を受けるなど波乱もあった鹿島はホーム最終戦で実に16年ぶりとなる敗北を喫し、実に7年ぶりの無冠に終わった。先の天皇杯で2ゴールを決められた高萩のアシストから石原に先制されると、80分にも致命的となる2点目を取られ、0-2というスコアで2013シーズンを終了し、5位へ転落。3年ぶりとなるACL出場権も失うという厳しい結果に終わった。
逆転優勝のためには勝たなければいけない両チームの激突とあって、序盤から試合は攻守の切り替えの早い展開となった。鹿島が小笠原、柴崎を中心にボールを支配しようと試みれば、広島はイマジネーション豊かな高萩が攻撃を組み立てる。
そんな中、何度かチャンスのあった鹿島だったが、35分、痛恨の先制点を献上する。中盤で小笠原がボールを奪われると、そこから高萩のノールックスルーパスを受けた石原に冷静に決められる。これで1点ビハインドを背負った鹿島はさらにプレスのタイミングを早め、同点に追いつくべく圧力を強める。
そして前半アディショナルタイム、相手選手から正当にボールを奪ったかに見えた大迫にこの日2枚目のイエローカードが宣告され、まさかの退場処分となる。キャプテンの小笠原が猛抗議を見せたが、判定が覆うわけはなかった。
1人少ない鹿島だったが、後半に入っても攻めの手は緩めない。57分には中村に代わり、ダヴィ、68分には土居に代わり、本山を入れるなど次から次と手を打つトニーニョ セレーゾ監督の意思をピッチ上で表現しようと10人が必死戦ったが、なかなか広島ゴールを割ることはできない。すると80分、前がかりになったところの裏を突かれ、石原に再びゴールを奪われた。
2失点を喫した鹿島は為す術もなく、眼前で広島の2連覇を見る結果に終わった。そして川崎F、C大阪が勝利したため、順位も3位から5位と落とし、現実的な目標でもあったACL出場権も失った。トニーニョ セレーゾ監督が8年ぶりに復帰しての1年間、必死に戦ってきた鹿島ではあったが、この悔しさを来シーズンにおける糧にしないといけない。戦いは、これからだ。
【この試合のトピックス】
・無冠に終わったのは、7年ぶり。
・リーグ戦におけるホーム最終戦での敗北は1997年2ndステージ(vs C大阪 1-2)以来、16年ぶり。
・リーグ戦での広島戦はここ2シーズンで2分2敗と未勝利。
・野沢の先発は、8月17日第21節新潟戦(1-0で勝利)以来、約4ヶ月ぶり。
・大迫がプロ入り初の退場。
・前節にJ1通算400試合出場を達成した小笠原のセレモニーがキックオフ前に行われた。
・今季限りで退団する岩政のセレモニーが試合後に行われた。サポーターに胴上げされる。
監督コメント
[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:トニーニョ セレーゾ
・いかなる状況においても勝利を追い求めることに変わりはない。勇気をもってチャレンジしろ!
・下を向かず、チームのために全員が献身的に走り続けること。
・残り45分、強い気持ちとプライドをピッチで表現しろ。
サンフレッチェ広島:森保 一
・後半の入りは集中すること。
・常にボールを動かしながら攻撃を組み立てよう。
・後半も守りに入らないこと。
[試合後]
鹿島アントラーズ:トニーニョ セレーゾ
・(逆転優勝の可能性もあったが)現時的に言って、非常に厳しい条件だった。実際は2位で終わるのか、5位で終わるのかで来季への影響も大きいし、Jリーグからの賞金も違うということを現実的に考えた。広島は勝たないと優勝できなかったし、我々も2位という位置を確保するためには勝たないといけなかった。
・試合内容は悪くなかった。ただ、ここ最近好調だったジュニーニョ、遠藤、そして伊東らが負傷で不在だったことでチームの勢いが落ちた。これは代わって出た選手たちが悪かったということではなく、勢いという意味で変わったということ。また広島を称えなければいけない。彼らは連覇する力のあるチームということを証明した。
・この結果を受け、私を含めスタッフ、選手、クラブ関係者、そしてサポーター全員が心を痛めている。この苦しみを消化するには時間がかかるだろう。しかしやらなければいけないことははっきりしている。
サンフレッチェ広島:森保 一
優勝するには勝たなければいけないという状況で、大きなプレッシャーの中、いい準備をして勝利のために戦い、そして勝利した選手たちを称えたい。こういうタフなメンタルが必要とする試合で一丸となって勇気を持って戦ってくれたことを誇りに思う。優勝を信じてあきらめないで戦ってきて、それが実ったことが何より。カシマにも多くのサポーターの皆さんが駆けつけてくださったし、全国にいるサポーターの皆さんに感謝申し上げたい。
選手コメント
[試合後]
【曽ヶ端 準】
悪い内容ではなかったと思うが、結果が出ない事には何を言っても仕方がない。グラウンドに立てば貢献できるようにしっかり準備はしているが結果が出ていない。広島との差というよりも1年間の結果だと思う。
【土居 聖真】
僕自身、まだまだ勉強しなくてはいけない事がある。サッカー選手として大きくしてもらった。使ってくれた監督、信頼してくれたチームメイトに感謝したい。前半で10人になってしまった。それでも結果を示せるような選手にならないといけない。後半、全部しかけろという指示だった。
【山村 和也】
失点がゲームを運ぶ上で痛かった。広島が前線に人をかけてくるのでチームでコンパクトにして戦おうと思っていた。序盤は出来ていたが、失点してしまった。そういう部分が勝敗を分けた。
西選手、本山選手、岩政選手のコメントはアントラーズモバイルをご覧ください。