日刊鹿島アントラーズニュース

Ads by Google

2017年10月26日木曜日

◆ケルンが公式戦13試合ぶり白星! ヘルタ撃破で独杯3回戦へ…大迫が途中出場(サッカーキング)


ケルン

 DFBポカール2回戦の2日目が25日に行われ、日本代表MF原口元気が所属するヘルタ・ベルリンと、同代表FW大迫勇也が所属するケルンが対戦した。原口と大迫はともにベンチスタートとなった。

 試合が動いたのは35分。ケルンは右サイドのレオナルド・ビッテンコートがシュート性のクロスを入れると、エリア内左のセール・ギラシが頭で合わせたボールを、ファーのシモン・ツォラーが右足ボレーで押し込み、先制点を挙げた。さらに43分、左CKでミロシュ・ヨイッチからのボールを、ゴール前でDFと競り合ったドミニク・マロフが倒れ込みながらも合わせて、ケルンが追加点を挙げた。

 2点リードで折り返したケルンは65分、エリア内左に抜け出したツォラーが絶妙なループシュートを放つが、これは右ポスト直撃。だが、ゴール前に詰めていたクリスティアン・クレメンスがこぼれ球を流し込み、3点差に広げた。

 しかし、ヘルタも69分に反撃が実る。左CKで中央のカリム・レキクがヘディングで合わせるが、シュートはクロスバーに弾き返される。そのこぼれ球をゴール前のニクラス・シュタークが頭で押し込み、1点を返した。

 ケルンは77分、ティム・ハントヴェルカーを下げて大迫を投入する。試合はこのままタイムアップを迎え、ケルンが3-1でヘルタを破り、3回戦進出を決めた。ケルンはシーズン初戦のDFBポカール1回戦レーアー戦以来となる公式戦13試合ぶりの白星となった。なお、大迫は77分から出場、原口に出番は回ってこなかった。

【スコア】
ヘルタ・ベルリン 1-3 ケルン

【得点者】
0-1 35分 シモン・ツォラー(ケルン)
0-2 43分 ドミニク・マロフ(ケルン)
0-3 65分 クリスティアン・クレメンス(ケルン)
1-3 69分 ニクラス・シュターク(ヘルタ)

ケルンが公式戦13試合ぶり白星! ヘルタ撃破で独杯3回戦へ…大迫が途中出場

◆鹿島PKで連覇逃す「体休めてリーグ戦に切り替え」(ニッカン)




<天皇杯:神戸1-1(PK5-4)鹿島>◇準々決勝◇25日◇神戸ユ

 鹿島アントラーズがPK戦の末にヴィッセル神戸に敗れ、連覇を逃した。

 後半18分、MF小笠原満男(38)がフワリと浮かした縦パスを、角度のない右サイドで受けたDF昌子源(24)が絶妙なトラップから右足シュート。「ふかさないことだけ考えてました。本当はGKのここ(ニアサイドの上)を狙ったんですけれど、全然違うところにいっちゃった」と苦笑いした弾道は、GKの脇の下をかすめてゴールに転がった。

 だが、勝利目前の後半ロスタイムに、中盤でボールを失うと、相手のカウンターに屈して痛恨の失点。延長前半には途中出場のDF西大伍(30)がネットを揺らしたが、オフサイドの判定にも泣いた。PK戦では5人全員が決めた神戸に対し、3人目のMF中村充孝(27)の右足シュートはクロスバーに当たる不運も。昌子は「ほぼすべて、ボールをとられてカウンターが多かった。最後の場面もシュートを打って相手のゴールキックで良かったんですよ。時間の使い方を考え直さないと」とチーム内で意思統一できていない戦い方を反省。リーグ戦の21日横浜戦から中3日続きで、29日にはリーグ戦アウェー札幌戦を迎える。「連戦で延長になってしまい、120分戦ったのはつらい。体も休めて、次の札幌戦に切り替えていかないと」と残り1つとなったリーグタイトルだけは逃すわけにはいかない。

 また、小笠原は天皇杯デビューとなった98年12月13日の3回戦筑波大戦(3○1)でプロ初ゴールを挙げて以降、積み上げてきた通算試合出場を57試合に伸ばした。同期のGK曽ケ端準や、世界のストライカー釜本邦茂氏の59試合に迫り、読売クラブ(現J2東京V)などで活躍した加藤久氏に並ぶ歴代3位タイとなった。

鹿島PKで連覇逃す「体休めてリーグ戦に切り替え」

◆鹿島、連覇夢散…ロスタイム追いつかれPK戦負け/天皇杯(サンスポ)


鹿島、連覇夢散…ロスタイム追いつかれPK戦負け/天皇杯(1)

 天皇杯全日本選手権第7日(25日、神戸ユニバー記念競技場ほか)J1勢による準々決勝4試合が行われ、前回覇者の鹿島が神戸に敗れて姿を消した。鹿島は日本代表DF昌子源(24)のゴールで先制したが、終盤に追い付かれ、1-1のまま突入したPK戦に4-5で敗れた。神戸は17大会ぶりの4強。横浜Mは磐田を1-0で退け、2大会連続のベスト4。C大阪は大宮に2-0で快勝し6大会ぶり、柏は前回準優勝の川崎を1-0で破り2大会ぶりに準決勝へ進んだ。準決勝は12月23日、決勝は来年元日に埼玉スタジアムで開催される。

鹿島、連覇夢散…ロスタイム追いつかれPK戦負け/天皇杯(2)

 連覇の道が閉ざされ、日本代表DF昌子は天を仰いだ。後半ロスタイムに追い付かれ、PK戦の末に敗退。こみ上げる悔しさを糧に、リーグ戦でのタイトル獲得を誓った。

 「勝たないと意味がない。(勝利を)口で言うのは簡単。次で(勝利をファンに)みせないと」

 前半は昌子が守備を統率し、元ドイツ代表FWポドルスキ擁する神戸の攻撃を完封。0-0で迎えた後半18分には、左CKの流れからMF小笠原のラストパスを受け、自ら右足で先制点を決めた。これを機に徐々に攻勢を強めたが、あとが続かず。後半ロスタイムに悪夢が待っていた。FWハーフナーに同点弾を決められ、1-1のままもつれ込んだPK戦の末、力尽きた。

 天皇杯と、首位に立つリーグ戦の2冠を狙っていた鹿島。21日のJ1横浜M戦はミスを連発して2-3で敗戦。2位川崎に勝ち点2差まで詰め寄られた。左膝痛の日本代表DF植田と、腰痛のエースFW金崎が欠場。横浜M戦から先発8人を入れ替えて臨んだが、“負の連鎖”を断ち切ることはできなかった。

 ルヴァン杯も既に敗退しているため、今季獲得可能なタイトルはリーグ戦のみとなった。「悔しい気持ちでいっぱい。最後の締め方が思った通りにいかなかった。内容は悲観するものではない」と大岩監督は気持ちを切り替えた。リーグ戦の残りはあと4試合。敗退が決まっても声援を送り続けたサポーターのために、残る“獲物”は逃さない。 (一色伸裕)


鹿島、連覇夢散…ロスタイム追いつかれPK戦負け/天皇杯

◆鹿島連覇ならず…後半ロスタイム痛恨失点 延長で誤審?後味悪く(スポニチ)


天皇杯準々決勝   鹿島1―1(PK4―5)神戸 ( 2017年10月25日    神戸ユ )


 前回王者が激戦の末に姿を消した。鹿島は1点リードの後半ロスタイム。前線でボールを奪われ、カウンターから被弾。常勝軍団らしからぬ試合運びで、延長、PK戦の末に敗退した。先制点を決めたDF昌子は「時間の使い方(の悪さ)がまさしく出た敗戦」と唇をかんだ。

 延長前半3分にはMF永木の左クロスをDF西が決めたが、判定はオフサイド。だが、試合後にマッチコミッショナーに確認したクラブ幹部は「オンサイドと言っていた」と明かした。クラブは今後、日本協会への意見書提出を検討する見込みだ。

鹿島連覇ならず…後半ロスタイム痛恨失点 延長で誤審?後味悪く

◆天皇杯 鹿島、4強スルリ PK戦で神戸に屈す(茨城新聞)


神戸-鹿島 PK戦で敗れ肩を落とす鹿島イレブン=神戸ユニバー記念競技場、村田知宏撮影

サッカーの第97回天皇杯全日本選手権(日本サッカー協会、Jリーグ主催、共同通信社など共催)第7日は25日、神戸ユニバー記念競技場などで準々決勝4試合が行われ、前大会王者の鹿島は神戸にPK戦で敗れ、連覇を逃した。1-1のまま90分を終え、延長戦でも決着がつかずPK戦に突入。鹿島は3人目の中村が外し、神戸は全員成功した。

C大阪は大宮を2-0で下し、6年ぶりの4強入り。横浜Mは1-0で磐田に勝ち、柏は昨年準優勝の川崎に1-0で競り勝った。

12月23日の準決勝は神戸-C大阪、横浜M-柏のカードとなった。

■鹿島・大岩監督 悔しい気持ち
残念な結果。悔しい気持ちでいっぱい。最後の締め方が思っていた通りに行かなかった。内容は悲観するものではない。(次戦の札幌戦に向け)時間は短いがしっかり準備したい。

■鹿島・昌子 時間の使い方悪かった
時間の使い方のまずさが出た。1-0で勝っていたが、(ボールの)奪われ方が悪く失点場面も含め、カウンターで攻められていた。

天皇杯 鹿島、4強スルリ PK戦で神戸に屈す

◆90+4に追いついた神戸がPK戦で王者鹿島を破る!!GK曽ヶ端は“釜本氏超え”ならず(ゲキサカ)




[10.25 天皇杯準々決勝 神戸1-1(PK-5-4)鹿島 神戸ユ]

 第97回天皇杯全日本サッカー選手権の準々決勝が25日に行われた。神戸総合運動公園ユニバー記念競技場ではヴィッセル神戸と前回王者の鹿島アントラーズが対戦し、1-1で突入したPK戦の末に神戸がPK5-4で勝利。2000年度大会以来、2度目のベスト4進出を果たした神戸は、12月23日の準決勝でC大阪と対戦する。

 神戸は直近のリーグ戦となる21日のJ1第30節・鳥栖戦(1-2)から先発3人を変更し、DF三原雅俊、DF藤谷壮、MF大槻周平を起用。フォーメーションは4-2-3-1を採用し、ゴールマウスにGKキム・スンギュ、最終ラインは右から藤谷、DF渡部博文、DF岩波拓也、三原が並んだ。中盤はMF藤田直之とMF高橋秀人がダブルボランチを組み、右にMF小川慶治朗、左にFW渡邉千真、トップ下にFWルーカス・ポドルスキ。1トップには、9月20日の天皇杯4回戦・松本戦(2-0)以来、公式戦5試合ぶりのスタメンとなる大槻が入った。

 一方の鹿島は21日のJ1第30節・横浜FM戦(2-3)から一気にスタメン8人を入れ替え、GKクォン・スンテ、DFブエノ、DF伊東幸敏、MF永木亮太、MF土居聖真、MF遠藤康、MF小笠原満男、FW鈴木優磨がスタートから出場。大会歴代1位の釜本邦茂氏に並ぶ通算59試合に出場していたGK曽ヶ端準は、記録更新とはならなかった。鹿島のフォーメーションは従来の4-4-2。GKクォンを最後尾に据え、最終ラインは右から伊東、ブエノ、DF昌子源、DF山本脩斗が入った。中盤の底には永木と小笠原を配置し、右サイドハーフに遠藤、左に土居。前線は鈴木とFWペドロ・ジュニオールが2トップを組んだ。

 サイド攻撃でペースを握った鹿島は前半8分、この日2度目の右CKを獲得すると、キッカーの遠藤が左足で鋭いクロス。ニアに飛び込んだ鈴木が軌道をずらすようにヘッドで合わせるも、わずかにゴール左へ外れる。同22分には遠藤のスルーパスに右サイドのP・ジュニオールが走り込み、PA内右から右足でシュート。しかし、これもゴール左外に切れてしまった。

 ホームの神戸は前半25分に敵陣中央でFKを獲得し、セットされたボールの前にはポドルスキ、藤田、岩波。ポドルスキが蹴る素振りを見せつつ、岩波が右足でストレート性のシュートを打つ。しかし、ジャンプした壁を直撃し、続けて藤田が跳ね返りに反応して左足を振り抜くが、大きく枠の外へ。同33分には左CKから藤田が右足でクロスを送り、ファーの渡邉が昌子ともつれながらネットを揺らすも、ファウルで得点は認められず。前半は鹿島のシュート2本に対して神戸も1本と、静かな展開のままスコアレスで終了した。

 ハーフタイム明けの交代は両チームともなし。鹿島は後半もサイドに起点を作って攻めると、後半4分に右サイド深くでボールを奪われるが、渡邉のクリアボールが敵陣中央にいた昌子に渡る。昌子はフリーの状態から左足に体重を乗せた強烈なシュート。しかしゴール左に外れ、立ち上がりのチャンスを生かせない。神戸も攻撃のリズムをつかみ、同9分には強引なドリブルでPA内左に持ち込んだポドルスキが左足を振るが、シュートは山本に当たってゴール右外にそれた。

 互いに守備を崩す決定打に欠ける中、流れを変えたのは鹿島の小笠原。後半17分にピッチ中央から一発で最終ラインを切り裂くスルーパスを送ると、右サイドから駆け上がった伊東が抜け出す。PA手前右から右足で打ったシュートはGKキムに当たってゴール左に外れるが、これで獲得した左CKから先制点が生まれた。

 後半18分、キッカーの遠藤が左足でゴールから遠ざかるクロスを入れ、飛び出したGKキムにパンチングで弾かれる。しかし、ボールの落下地点にいた小笠原がPA手前中央から右足でふわりと浮かせたパス。PA内右で受けた昌子がフリーで右足を振り抜くと、GKキムの股下に当たったシュートが転がりながらゴールラインを割り、ついに均衡を破った。

 先制を許した神戸は後半21分に高橋とMFニウトン、同22分に大槻とMF大森晃太郎を交代させて反撃に出るが、リードした鹿島が試合をコントロールしながら主導権を握る。同28分には永木の右クロスをファーの山本が頭で折り返し、PA内右のP・ジュニオールが右足で強烈なシュートを放つも、GKキムの正面を突いた。

 1点を追う神戸は後半29分に右CKを獲得し、藤田が右足で蹴り込んだクロスにPA内中央の渡部がドンピシャのヘッド。だが、ゴール右に飛んだシュートはゴールライン上にいた遠藤に胸で防がれる。ピンチをしのいだ鹿島は直後に連続でビッグチャンスを創出。同31分に遠藤の絶妙なスルーパスからP・ジュニオールがPA内右で右足を振り抜き、その数秒後には鈴木の右クロスにニアの土居が右足で合わせるが、いずれもGKキムのファインセーブに遭った。

 鹿島は後半34分に土居とDF西大伍、同38分に遠藤とMF中村充孝を交代。神戸も同38分に渡邉を下げてFWハーフナー・マイクを投入し、パワープレーに移行する。すると同40分、左サイドの三原が入れたロングボールをハーフナーが頭で落とし、相手DFに当たったボールに自ら反応して左足でシュート。ゴール左隅に向かうも、横っ飛びしたGKクォンに弾き出された。

 神戸はこれで左CKを獲得し、後半41分にキッカーの藤田が右足で速いクロスを供給する。PA内中央の渡部が飛び出したGKクォンより先に右肩で合わせるが、留守になったゴールへ向かったシュートは小笠原にヘディングで跳ね返される。鹿島は同44分にP・ジュニオールとの交代でMF三竿健斗を投入。守備を固めて逃げ切りを図るも、神戸の新ストライカー2人が王者のプランを狂わせた。

 4分と表示された後半アディショナルタイムの終わりが近づく中、ポドルスキがキープからPA内左に鋭いドリブルで持ち運び、左足で速いグラウンダーのクロスを入れる。ゴール前でマークを外したハーフナーが左足のヒールで流し込み、指揮官の起用に応える貴重な同点弾。今夏加入し、再登録が行われる準々決勝から天皇杯への出場が可能となったポドルスキとハーフナーのコンビで1-1とし、試合は延長戦にもつれ込むことになった。

 延長戦で先にチャンスを迎えたのは鹿島。延長前半3分、左サイドの永木が右足で正確なクロスを送り、PA内中央でジャンプしながら合わせた西がネットを揺らすが、惜しくもオフサイドを取られる。延長後半6分には神戸の左CKの流れからPA内右の岩波が右足でシュート性のボールを蹴り込むと、ゴール前でノーマークとなっていた渡部が反応。しかし、左足で合わせたシュートはゴール右に外れる。鹿島も同10分、山本が送った左クロスにPA内中央の鈴木が左足で合わせるが、GKキムに正面でセーブされ、1-1のまま勝負の行方はPK戦に委ねられた。

 PK戦では3人目の中村が失敗した先攻の鹿島に対し、後攻の神戸は5人目の岩波まで全員が成功。昨季4回戦で1-2の敗戦を喫した鹿島にリベンジを果たし、17年ぶりにベスト4へ駒を進めた。

90+4に追いついた神戸がPK戦で王者鹿島を破る!!GK曽ヶ端は“釜本氏超え”ならず

◆第97回天皇杯全日本サッカー選手権大会 準々決勝(オフィシャル)




天皇杯 準々決勝

鹿島、天皇杯準々決勝敗退。PK戦で神戸に敗れる。

連覇への道のりは、準々決勝で終焉を迎えた。天皇杯準々決勝、ヴィッセル神戸戦。神戸総合運動公園ユニバー記念競技場でのナイトゲームに臨むと、昌子のゴールで先制したものの、後半アディショナルタイムに同点ゴールを許す。1-1のまま延長戦でも決着がつかず、勝負はPK戦へ。4-5で敗れ、ベスト8敗退となった。

4日前、鹿島は雨の横浜で悔しさと向き合っていた。J1第30節、横浜FM戦。セットプレーとミスから2点を先行される、不甲斐ない展開となったものの、CKから2得点を奪って同点に持ち込む。しかし73分、一瞬の隙を突かれてペナルティーエリア内へパスを通され、痛恨の失点。曽ケ端と昌子がシュートコースを消しに入っていたために、悔やんでも悔やみきれない場面だった。2-3。21本ものシュートを放ちながら打ち合いに敗れ、勝ち点を積み上げることができなかった。冷たい雨に打たれながら、ビジタースタンドはブーイングで選手たちの背中を見送る。ともに戦う背番号12は、シーズン終盤へ向かうチームを発奮させるべく、メッセージを降り注いでいた。

あれから中3日。9日間でのアウェイ3連戦、第2ラウンドは元日決勝へと続く道のりだ。下を向く間もなく次なる戦いへと照準を合わせたチームは、横浜FM戦翌日からトレーニングを実施。先発組はコンディション調整に努め、出場機会に飢えた面々は必死のアピールを見せた。大岩監督は「技術的より精神的な部分が大きいと思う。この敗戦から立ち上がるための話をした」という。限られた準備期間を最大限に活用し、ミーティングとトレーニングを重ねて集中力を高めていった。試合前日のセットプレー練習は激しい攻防の連続となり、勝利への渇望がグラウンドに満ちていた。

前日練習を終えた指揮官は「前もって決めていた部分もあるし、横浜FM戦の結果を見て決めたところもある。マネージメントをいろいろと考えて選手を選ぶ」と明かした。目前の試合に集中して勝利を目指す姿勢を貫きながら、連戦のさなかである事実にも目を向けた大岩監督。複数のメンバー変更が示唆される中、虎視眈々と出番を待つ永木は「リーグ戦に出場できていない悔しさは、試合でしか返せない」と、意欲を隠そうとはしなかった。ケガからの復帰後、まだピッチに立てていない遠藤は「当たり前のことをしっかりやらないと」と、改めてチーム一丸で戦う姿勢を強調している。





果たして、先発メンバーは4日前から8名が入れ替わる形となった。GKはクォン スンテが務め、最終ラインでは伊東とブエノが先発に指名された。ボランチは永木と小笠原がコンビを組み、レアンドロを出場停止で欠く2列目には遠藤と土居が並ぶ。そして前線には鈴木が起用された。横浜FM戦に続いての先発はセンターバックの昌子、左サイドバックの山本、そして2トップの一角を成すペドロ ジュニオールの3選手だ。そしてベンチには、GKの曽ケ端、西、梅鉢、三竿健斗、レオ シルバ、中村、金森という面々が並んだ。



J1第21節が行われた8月9日に続いて、ミッドウィークの神戸遠征となった。水曜日のナイトゲームだが、2冠獲得への闘志を燃やす背番号12が続々とスタジアムへ足を運ぶ。青空に恵まれた神戸は日没とともに気温が下がったものの、アントラーズレッドの情熱が神戸の夜を切り裂いていった。ホーム側スタンドに人数では及ばなくとも、先発復帰を果たした選手たちへの信頼を声に乗せ、勝利への渇望をピッチに降り注いでいた。

19時3分、キックオフのホイッスルが鳴り響いた。立ち上がりは比較的静かな展開となったが、右サイドバックの伊東が果敢な突破で存在感を示し、鹿島の推進力となった。背番号24は5分、そして7分と、立て続けにオーバーラップ。スピードに乗って敵陣を切り裂き、クロスを供給してチャンスを作り出していった。8分には伊東の攻撃参加から得た右CKを遠藤が蹴り込み、ニアサイドへ飛び込んだ鈴木がヘディングシュート。相手の前でボールに触れてゴールを狙ったが、惜しくも枠の左へ逸れてしまった。



10分過ぎからは拮抗した展開となり、中盤でなかなかボールが収まらない時間が続いた。鹿島は神戸にボールキープを許したが、効果的な縦パスを入れさせず、しっかりとブロックを組んで応戦。久々の出場となったブエノが機を見たインターセプトと競り合いでの激しいボディコンタクトで攻撃の芽を摘んでいった。相棒の昌子も1対1の強さを見せつけ、落ち着き払った対応でボールを狩り取り続けた。



続いてのチャンスは21分、中盤右サイドでワンタッチパスを連ね、鮮やかな連係で神戸の守備網をかいくぐる。敵陣右サイド深く前を向いたペドロがペナルティーエリアに入って右足を振り抜いたが、古巣のゴールを狙った一撃は枠の左へ逸れてしまった。25分以降は神戸にボールを持たれる時間が続くこととなったが、土居と遠藤が献身的なプレスバックを見せ、山本や伊東との連係でサイド攻撃を封じていた。







スコアレスのまま、前半は終盤へ。なかなか起点を作れない鹿島は、昌子が最終ラインから鋭いフィードを連発して攻撃への意欲を見せる。失敗に終わるパスも少なくなかったが、前線の活性化を促すメッセージが込められたかのようなボールを鈴木やペドロが追い、チームのベクトルは前へと向いていた。前半は0-0で終了。スコアレスでハーフタイムを迎えた。



後半も拮抗した展開となった。神戸がボールポゼッション率を高めても、鹿島は動じることなく攻撃の芽を摘み、機を見た速攻で敵陣深くへと押し込んでいった。公式戦5試合ぶりの先発復帰を果たした小笠原が羅針盤となり、長短のパスを使い分けながらゲームをコントロール。チームのスイッチを入れる激しいプレスも連発し、背番号40はピッチの支配者であり続けた。





そして、待望のスコアもキャプテンの右足によってもたらされた。62分、正確無比のスルーパスで神戸の守備を切り裂くと、相手GKと1対1の好機を迎えた伊東のシュートは阻まれてしまう。しかし、このプレーで得た左CKからこぼれ球を拾った背番号40は、瞬時の判断でフィードをペナルティーエリア右側へ。昌子が巧みなトラップから迷うことなく右足を振り抜くと、強烈な一撃が相手GKの股下を抜けてゴールへ転がり込んだ。1-0。ついに鹿島が先制に成功した。









リードを得た鹿島は追加点を狙い、67分にはペドロが強烈なボレーで神戸を襲う。73分にも土居のスルーパスを起点にペナルティーエリア内へ入り、こぼれ球を拾って二次攻撃。再びペドロが狙ったが、ゴールネットを揺らすには至らない。76分にもペドロが相手GKと1対1となる絶好機を迎え、直後には鈴木のクロスに土居が飛び込んだが、いずれも歓喜にはつながらなかった。







1点リードのまま、試合は終盤へ。大岩監督は79分に西、83分に中村、89分に健斗をピッチに送り出し、配置転換を織り交ぜながら時計の針を進めていく。4分と表示されたアディショナルタイムも3分が経過し、ベスト4進出が目前に迫った。



しかし、最後の最後で落とし穴が待っていた。90+4分、ルーカス ポドルスキのラストパスからハーフナー マイクに押し込まれ、1-1の同点に。直後に後半終了のホイッスルが鳴り響き、15分ハーフの延長戦へ突入することとなった。





思いがけない展開となったが、再び戦いの場へと向かった選手たちは必死にゴールを目指した。93分には永木のクロスに飛び込んだ西がゴールネットを揺らしたが、判定はオフサイド。1-1のまま迎えた延長後半、115分には山本のクロスに鈴木が反応して左足ボレーで狙ったが、相手GKの正面へ。1-1。120分を経ても決着がつかず、PK戦に突入した。





歓喜は神戸のものだった。PK戦、スコアは4-5。元日決勝と連覇を目指した戦いの日々は、ここで終わりを告げてしまった。ともに戦ったビジタースタンドは胸にこみ上げる悔しさを、そしてそれでも立ち上がろうという意志をチームコールに込めて降り注ぎ続けた。













次なる戦いは4日後、J1第31節で札幌と対戦する。リーグ戦は残り4試合、すなわち今季は残り4試合。タイトル獲得への決意と高揚感を胸に走り抜ける終盤戦だ。チームは今この時から準備を進めていく。23日に初雪が観測された札幌の地で、総力戦で勝ち点3を掴むために。結果で示さなければならない。這い上がらなければならない。





【この試合のトピックス】
・小笠原がフル出場を果たし、天皇杯歴代3位タイとなる通算57試合目の出場を記録した。加藤久氏と並び、首位タイの釜本邦茂氏、曽ケ端の記録に2試合と迫った。
・クォン スンテとブエノが8月30日のルヴァン杯準々決勝第1戦・仙台戦以来の先発出場を果たした。
・小笠原と伊東が9月20日の天皇杯ラウンド16浦和戦以来、公式戦5試合ぶりの先発復帰を果たした。
・遠藤が9月9日のJ1第25節大宮戦以来、7試合ぶりの公式戦出場と先発復帰を果たした。
・鈴木が7月12日の天皇杯3回戦・山形戦以来、公式戦14試合ぶりの先発出場を果たした。


監督コメント

[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:大岩 剛
・低い位置でボールを奪った時、もっとボールを受けにいくこと。
・相手のボックスわきでポイントを作れるように、シンプルに味方を使おう。
・守備でも攻撃でも、後半は全体のギアをもっと上げていこう。

ヴィッセル神戸:吉田 孝行
・コンパクトに保てているので続けること。
・セカンドボールが拾えるかどうかで勝敗が分かれる。
・最後まで気持ちをきらさずに集中していこう。

[試合後]
鹿島アントラーズ:大岩 剛
非常に残念な結果になってしまい、悔しい気持ちでいっぱい。試合の締め方が思った通りに行かなかった。非常に悔しい敗戦。

Q.試合の締め方について

A.クロスへの対応もそうだが、攻撃でのプレー選択に悔いが残る。

Q.小笠原選手が久しぶりに出場したが

A.非常に素晴らしいパフォーマンスだったと思う。

Q.ここ2試合で結果が出ていない中、4日後に札幌戦を控えているが?

A.敗戦が続いているが、内容は悲観するものではない。これを継続すること。しっかりとリカバリーをして、準備をしたい。

ヴィッセル神戸:吉田 孝行
本当に、選手たちが最後まで諦めずに戦ってくれた。気持ちの勝負だったと思う。最後まで一体となってできたことが結果につながった。ミスの多い前半だったが、後半は相手にボールを持たれるようになって失点して、嫌な流れにはなったものの、チャンスは作れていた。特にセットプレーではチャンスを作れていた。決まっていれば違った展開にもなっていたと思う。とにかく内容云々より、次に進むことが大事な大会。気持ちを全面に出して良かった。


選手コメント

[試合後]

【昌子 源】
ボールを失ってカウンターを受ける形が多かった。時間の使い方が良くなかった。残り2つだったタイトル、両方を獲らないといけないクラブ。とても残念な結果。内容が良くても勝たなければ意味がない。結果で示さないといけない。

【遠藤 康】
1月1日に試合をしたかった。悔しい負け方。残りのタイトルはリーグ戦だけ。悔しさしかない。

【山本 脩斗】
負けてしまって悔しい。リーグ戦の残り4試合は、何としても勝って終わりたい。札幌もこの試合の最後のような戦いをしてくると思う。今日の反省を生かしたい。

【三竿 健斗】
締めに入ったのに失点してしまって悔しい。この悔しさを次の試合にぶつける。札幌戦では全てを出さないといけない。

【永木 亮太】
守備はうまくいっていたけど、最後にポドルスキ選手に左足で持たせてしまった。残りワンプレーで同点にされて、PKで敗れて悔しい。

第97回天皇杯全日本サッカー選手権大会 準々決勝

Ads by Google

日刊鹿島

過去の記事