日刊鹿島アントラーズニュース

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2018年7月6日金曜日

◆柴崎岳、移籍志願「欧州CLにチャレンジしたい」ドルトムントが興味(報知)






 ロシアW杯決勝トーナメント(T)1回戦(2日)でベルギーに2―3で敗れた日本代表は3日、ベースキャンプ地のカザンで取材に応じた。MF柴崎岳(26)=ヘタフェ=は22年カタールW杯での躍進に向け、欧州チャンピオンズリーグ(CL)出場を目標にすると明言。ドイツ1部ドルトムントが興味を示すなど、今オフの去就に注目が集まる。日本代表は4日にカザンを出発し、5日に帰国。海外クラブ所属の選手はオフに入り、J1の選手は18日のリーグ再開に備える。

 MF柴崎にとって初めてのW杯が終わった。全4試合に先発出場。ボランチで司令塔の役割を担い、1次リーグ突破の喜びを知った。積み重ねてきたことが「今の自分につながっている」と確信を得たプレーもある。最後はFIFAランク3位のベルギーに世界の強さを思い知らされた。今、去来する思い。それはW杯レベルの試合を「日常」にすることだった。

 「目標や責任感が体にまとわりついている。自分にとっての日本代表の考え方、とらえ方は変わってきている。今、考えているのはCLに出ることですね。レベル的にはW杯と同等、もしくはそれ以上の大会。そういうところに身を投じる。チャレンジすることが大事かな。チャレンジができるチャンスがあるのであれば、ぜひやりたい」

 移籍を視野に入れる。現在はスペイン1部ヘタフェに所属するが、今季は8位に終わった。上位にはRマドリード、バルセロナなど世界的クラブがひしめき、4位以上に与えられるCL出場権獲得は遠い。ヘタフェとは2021年夏まで契約を残すが、スペイン紙「マルカ」によるとヘタフェ側は売却交渉に応じる構え。来季のCL出場権を持つドイツ1部ドルトムントに加え、イタリア1部ACミランが獲得に興味を示していると報じられる中で「国のこだわりはないですね」とスペインに執着せず、進路を探す。

 今大会、海外メディアからは「宝石だ」と高く評価された。柴崎の頭脳と技術がなければ1次リーグ突破はより困難だった。だが、自身は「チームをまとめていくのは経験も必要。いろんな知識、感覚も必要。全体的に足りなかった」と厳しく、特に守備面には「まだまだ物足りない」という思いが強い。4年後に向けて克服できる場がCLであり、ビッグクラブだと考える。

 西野朗監督(63)は「ベスト8をカタール(W杯)で果たせるメドがついた」と手応えを口にし、MF長谷部誠(34)=フランクフルト=も「このままで続けていってほしい」とエールを送る。その中であえて厳しい目を向ける姿は、FW本田圭佑(32)=パチューカ=と重なる。「間違いなく、今の自分よりパワーアップしなければ、4年後も同じような結果になる」と柴崎。世界への扉を開くため、次の4年間に全てをささぐ覚悟がある。(内田 知宏)

 ◆スペインリーグのCL出場争いの現状

 スペインリーグのCL出場枠は「4」だが、出場権争いはかなりシビアだ。世界的人気と豊富な資金力を誇るRマドリードとバルセロナの2強時代が長く続いている。直近の10年で2クラブ以外がリーグ優勝したのは13―14年のAマドリードだけ。当時も“2強”以外の優勝は03―04年のバレンシア以来10年ぶりだった。

 今季のCLで3連覇を達成したRマドリードと、リーグ優勝25回のバルセロナのCL進出は毎シーズン堅い。残り2枠を18チームで争う構図になるが、2強以外にもCL準優勝経験が複数回あるAマドリードやバレンシアなど層は厚い。創設35年のヘタフェの最高順位は09―10年の6位。長い間勢力図が変わっていないだけに、CL出場権争いに割って入るのは容易ではない。

 ◆柴崎 岳(しばさき・がく)1992年5月28日、青森・野辺地町生まれ。26歳。青森山田高から2011年に鹿島へ入団。17年1月にスペイン2部テネリフェへ移籍し、7月から同1部ヘタフェでプレー。国際Aマッチ通算22試合3得点。J1通算172試合17得点。175センチ、62キロ。女優の真野恵里菜(27)と交際中。




柴崎岳、移籍志願「欧州CLにチャレンジしたい」ドルトムントが興味


◆「スローモーション」の悪夢~昌子が苦悩するベルギー戦の失点(読売新聞)



昌子源


サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会に出場した日本代表の各選手は3日、ベルギーに惜敗した前日の決勝トーナメント1回戦を振り返った。「頭の中で最後の失点シーンが、ずっと回っている。目の前で決められたのがしんどい」と語ったのは、DF昌子源(鹿島アントラーズ)。決勝点を奪われた後半ロスタイムの記憶に、さいなまれている。(読売新聞メディア局編集部)

2-2の後半ロスタイム。ベルギーのGKクルトワが日本のコーナーキックを捕球し、前方でノーマークになったMFデブルイネに下手投げでボールを託した。デブルイネはスピードに乗ったドリブルで日本陣内に突入し、タイミングよく右前方へパス。受けたMFムニエがゴール前へ斜めにボールを転がした。これをエースFWのルカクがスルーし、その裏に走り込んだ途中出場のシャドリが右足で決めた。


わずか9秒間あまりの、稲妻のようなカウンター攻撃だった。日本の守備は、MF長谷部誠がルカクをマークし、GK川島永嗣もそちらへ注意を引き寄せられた。決めたシャドリを後方から必死で追った昌子は、間に合わなかった。

一夜明け、キャンプ地のカザンで、昌子は絞り出すように語った。「ずっとあの失点シーンが頭にあって、今までの(大会全体の)振り返りができない。全然寝てないんだけど、眠くない。ツイッターをやっていると、見たくない最後のシーンがリツイートで流れてきて、すごく嫌」

相手の連係を一部始終見渡せる位置で、昌子は守備に全力疾走していた。「なんで俺はデブルイネ選手にボールが渡ってから、走りだしたんやろう」と、初動の遅れを悔やむ。後悔の言葉は止まらない。「ハセさん(長谷部)とルカク選手がゴール前に入った時は『頼むルカク、スルーせんといてくれ』って、走りながら思っていた。スルーされた時は、自分が肉離れしても、骨が折れてもいいから、とにかく(シャドリに)間に合ってくれと。あんなに願ったことはない。悲しいですね。何も出来なかった自分に腹が立つ」

シャドリのゴールが「めっちゃ、スローモーション」に見えるという悪夢のような感覚を、初めて味わったという。それでも、潔さを失ってはいない。「ベルギーは、あそこで走っていた全員が得点まで同じ絵を描いていた。パスも絶妙で、すごかった」などと、相手のプレーをたたえることも忘れなかった。





最後の失点については、昌子とともにDFラインで奮闘した吉田麻也(サウサンプトン)も「例えば僕が(コーナーキックの時点で)GKをブロックしておけば良かったとか、『たられば』を言ったらきりがないけど、そういうずるがしこさ、うまさがなかったと一晩考えていた」と語った。

試合終了直後には、西野朗監督が「ああいうスーパーカウンターを受けるとは、予測もできなかった。コーナーキックで攻めにいった選手たちも、ああいう流れで数秒後に、自陣のゴール前までボールを運ばれるとは予測できなかっただろう。それが紙一重の勝負どころだと思う」と話していた。




「スローモーション」の悪夢~昌子が苦悩するベルギー戦の失点




◆昌子源が届かなかった「50センチ」に世界との差を見た(iRONNA)






藤江直人(ノンフィクションライター)


 ロストフ・アリーナのピッチに仰(あお)向けに倒れながら、夜空を見上げていたDF昌子源(鹿島アントラーズ)がおもむろに体を反転させた。突っ伏した体勢で何度も、何度も拳を芝生に打ちつけている。

 悔しさ。ふがいなさ。無力な自分に対する腹立たしさ。ほんの数分前に刻まれた残像とともに、さまざまな思いが脳裏を駆け巡っている。あまりに残酷な幕切れとともに、憧れ続けてきたワールドカップの夢舞台から去る寂しさももちろん含まれていた。

 国際サッカー連盟(FIFA)ランキング3位の強豪にして今大会の優勝候補、ベルギー代表と激突した日本時間3日未明の決勝トーナメント1回戦。後半に入って日本代表が奪った2点のリードを追いつかれ、もつれ込んだ4分間のアディショナルタイムの最後に、未知の世界だったベスト8へ通じる道を断ち切られる悪夢のシーンが待っていた。

 勝ち越しゴールへの期待を託し、MF本田圭佑(メキシコ、パチューカ)が放った左CKを、GKティボー・クルトワ(英、チェルシー)が難なくキャッチ。199センチ、91キロのサイズを誇る絶対的守護神は、すかさずペナルティーエリア内をダッシュ。素早いハンドスローからカウンターを発動させた。

 ターゲットに定められたのは、すでに右前方でスプリントを開始していたMFケビン・デ・ブライネ(英、マンチェスター・シティ)。プレミアリーグで2年連続アシスト王を獲得している司令塔が、ドリブルをどんどん加速させながら中央突破を図る。

 日本のゴールへ近づく「7番」の背中に、大いなる危機感を覚えたのだろう。ゴールを奪おうと攻め上がっていた昌子が必死に追走を開始する。グループリーグで大会最多の9ゴールをあげた、ベルギーの強力攻撃陣と対峙(たいじ)し続けてきた。体力は削られようとも、気力は萎(な)えていない。

 ボールはデ・ブライネから、右サイドを攻め上がるDFトーマス・ムニエ(仏、パリ・サンジェルマン)を介して、ゴール前にポジションを取っていた190センチ、94キロの怪物FWロメル・ルカク(英、マンチェスター・ユナイテッド)へ渡ろうとしている。

 キャプテンのMF長谷部誠(独、アイントラハト・フランクフルト)がルカクのマークについていたが、昌子は自陣へ戻るスピードをさらに加速させた。デ・ブライネを追い越したその視界は、フリーで左サイドを攻め上がっていたMFナセル・シャドリ(英、ウェスト・ブロムウィッチ・アルビオン)をとらえていた。

 背後の状況を完璧に把握していたからか。シュートを放つと見かけて、巧みにスルーしたルカクのフェイントにGK川島永嗣(仏、FCメス)が体勢を崩す。走り込んできたシャドリがシュート体勢へ入った背後から、実に80メートル近い距離を突っ走ってきた昌子がスライディングを見舞う。

 それでも届かないと見るや、執念で左足を伸ばす。しかし、あと50センチほど及ばない。これが土壇場でカウンターを仕掛けられる世界との差なのか。体勢を立て直し、ダイブしてきた川島と交錯したその先で、ボールは無情にもゴールネットを揺らしていた。

 クルトワがボールをキャッチしてから、シャドリの左足から放たれた一撃がゴールネットを揺らすまで要した時間はわずか13秒。そのまま仰向けに倒れていた昌子が気力を振り絞り、立ち上がってから間もなくして、ロシアの地で繰り広げてきた波乱万丈に富んだ冒険が終焉(しゅうえん)を迎えた。

 開催国代表としてアントラーズが臨んだ2016年12月のFIFAクラブワールドカップ。破竹の快進撃を続け、アジア勢として初めて立った決勝の舞台で、ヨーロッパ代表のレアル・マドリード(スペイン)に2ゴールを見舞ったMF柴崎岳(スペイン、ヘタフェ)とともに名を上げたのが昌子だった。

 一時は逆転に成功し、世界中に驚きを与えたものの、最終的には延長戦の末に2-4で敗れた。ロシア大会でも4ゴールをあげたポルトガル代表のスーパースター、FWクリスティアーノ・ロナウドにはハットトリックを達成された。

 後半終了間際にはそのロナウドがカウンターで抜け出し、アントラーズのゴールに迫った場面があった。必死に追走した昌子がファウルなしで止め、ボールを奪い取る場面をファンの一人として見ていた中村憲剛(川崎フロンターレ)は、昌子に対してこんな言葉を残している。

 「試合ごとに成長していく彼の姿を見ていましたけど、特にレアル・マドリード戦では『最後は自分が守る』という気概を感じました。これだけたくましい日本人のディフェンダーが、若い選手のなかから出てきたことを、率直にうれしく思います」

 もっとも、昌子は心の底から喜べなかった。その後にテレビの向こう側で、ラ・リーガ1部やUEFAチャンピオンズリーグを戦うレアル・マドリード、そしてロナウドの姿を見た時に、もやもやした思いの正体が分かったと明かしてくれたことがある。

 「間違いなく自信になった大会ですし、あの時点では世界一をかけて戦いましたけど、彼らが本気じゃなかったことは対戦した僕たちが一番分かっている。ああいう選手たちともっと真剣勝負ができる舞台に立ちたいとあらためて思ったし、それはやっぱりワールドカップになるんですよね」





 米子北高校(鳥取県)から常勝軍団アントラーズへ加入して8年目になる。青森山田高校(青森県)から加入した同期生、柴崎が瞬く間に居場所を築き上げたのとは対照的に、昌子は我慢の時間を強いられた。

 「高校生の時にできていたことは、プロの世界では通用しないぞ」

 プロの世界に入っていきなり、一からたたき直せという厳しい言葉を浴びせられた。声の主はアントラーズの最終ラインを支え、前年の2010シーズン限りで引退した大岩剛コーチ(現監督)だった。その言葉を額面通りに受け取ることができなかった昌子は、すぐに伸びかけていた天狗(てんぐ)の鼻をへし折られる。

 高校時代はU-19日本代表候補に選出されたこともある昌子だが、最初の3年間はリーグ戦でわずか13試合に出場しただけだった。

 主戦場とするセンターバックではなく、けが人や出場停止者が出た穴を埋めるために、不慣れな左サイドバックで出場したこともある日々を「あのころはホンマにヒヨッ子だったからね」と苦笑いしながら振り返ったことがある。

 「やっぱり自信はあったわけですよ。高校の時にけっこう相手を抑えられていたから。それをそのままプロで出したら、まったく歯が立たんかったよね。(岩政)大樹さんや(中田)浩二さんに、何回同じことを言われたか。何回同じミスをするねん、何でそこでそんな余計な足が出るねんと。僕としては『いやぁ』と言うしかなかったですよね」
 
 歴代のディフェンスリーダーが背負う「3番」の前任者、岩政大樹(現東京ユナイテッドFC)。アントラーズのレジェンドの一人、中田浩二(現鹿島アントラーズ・クラブ・リレーションズ・オフィサー)から落とされた、数え切れないほどのカミナリを糧に昌子は成長を続けてきた。

 自信を打ち砕かれるたびに「絶対にうまくなってやる」と歯を食いしばりながら立ち上がってきた。機は熟したと判断したのか。2013シーズンのオフに、アントラーズの強化部は10年間在籍した岩政との契約更新を見送っている。

 そこには当時21歳の昌子に、世代交代のバトンを託すという判断が下されていた。クラブの思いを尊重し、笑顔で退団した岩政から「お前なら絶対にできる」とエールを送られた2014シーズン。リーグ戦で全34試合に先発した昌子は、翌2015シーズンから「3番」の継承者となった。

 もちろん、追い風だけが吹いていたわけではない。2015シーズン以降で、チームの低迷から2度の監督解任を経験した。2016シーズンこそチャンピオンシップを下克上の形で制し、クラブワールドカップを経て臨んだ天皇杯決勝も制覇。シーズン二冠を達成し、獲得した国内タイトル数をライバル勢に大差をつける「19」に伸ばした。

 一転して昨シーズンは、J1連覇に王手をかけながら終盤戦に失速。川崎フロンターレの歴史的な逆転優勝をアシストする立場となり、あまりのふがいなさに人目をはばかることなく号泣した。サッカー人生に喜怒哀楽を刻んできた中で、今では独自のセンターバック像を確立している。

 「ミスを引きずったら2点、3点とまたやられて負ける。失点に絡んだことのないセンターバックなんて絶対におらんと思うし、これまでのいろいろな人たちも、こうやって上り詰めてきたはずなので。大きな大会や舞台になるほど、失点した時の責任の重さは増してくる。そういう痛い思いを積み重ねながら、強くなる。もちろん無失点にこだわるけど、サッカーは何が起こるかわからんし、たとえまた失点に絡んだとしてもスパッと切り替えたい」





 日本代表における軌跡も然(しか)り。アギーレジャパン、そしてハリルジャパンに継続的に招集されながら、なかなかピッチに立つ機会を得られなかった。それでも失わなかったファイティングポーズが、ワールドカップ出場を決めた昨年8月のオーストラリア代表とのアジア最終予選における先発フル出場につながった。

 そして吉田麻也(英、サウサンプトン)とコンビを組むセンターバックのファーストチョイス争い。ロシア行きの切符を獲得した後、槙野智章(浦和レッズ)が台頭し、一時はレギュラーを不動のものとした。その槙野が不在だった昨年12月のEAFF(東アジアサッカー連盟)E-1サッカー選手権では、国内組だけで編成されたメンバーの中でヴァイッド・ハリルホジッチ前監督からキャプテンに指名された。

 優勝をかけた宿敵・韓国代表との最終戦で1-4の歴史的惨敗を喫すると、会場となった味の素スタジアムに駆けつけたファンやサポーターから痛烈なブーイングを浴びせられた。観戦した日本サッカー協会の田嶋幸三会長、Jリーグの村井満チェアマンから「この悔しさだけは忘れないでほしい」と檄(げき)を飛ばされた。味わされてきた艱難(かんなん)辛苦のすべてが、昌子を成長させてきた。

 「今回キャプテンをやらせてもらって、自分の未熟さをすごく感じた。でも、いい経験になった、という言葉で片付けるつもりはない。顔を上げて、ここからはい上がっていくだけなので」

 迎えたワールドカップイヤー。開幕直前に行われたパラグアイ代表とのテストマッチ(オーストリア・インスブルック)で演じた好パフォーマンスで、西野朗監督が描く序列の中で槙野との序列を逆転させた昌子は、コロンビア代表とのグループリーグ初戦で先発フル出場を果たす。

 しかも、前線で脅威を放ち続けた点取り屋ラダメル・ファルカオ(仏、モナコ)を封じ込めた昌子は、先発メンバーの中で唯一のJリーガーだったことと相まって、FIFAの公式サイトでこう報じられた。

 「一番の驚きはゲン・ショウジだ」

 同じ先発メンバーで臨んだセネガル代表との第2戦でも、スピードと強さを併せ持つFWエムバイェ・ニアン(伊、トリノ)と壮絶な肉弾戦を展開。攻めては果敢なインターセプトから、本田の同点ゴールにつながる鮮やかな縦パスを前線へ通した。

 ベルギー戦でも今大会で4ゴールをあげているルカクを、吉田との共同作業で封じ込めた。最後の最後に目の当たりにした残酷なシーンもいつかきっと、あの悔しさがあったからと、笑顔で振り返ることができる時が訪れる。





 今大会で与えたサプライズとともに、国際的な評価が急上昇した。もしかすると盟友・柴崎の背中を追うように、ヨーロッパへ活躍の舞台を移すかもしれない。もっとも、国内組から海外組に立場が変わったとしても、昌子の胸中に強く脈打つ信念は変わらない。

 「目の前の試合で、自分が一番いいプレーをしようとは思わない。チームが勝つために何をしなければいけないのかを考え抜くことが、自分のいいプレーにつながる。だからこそ、チームを勝たせることのできる選手にならないといけない」

 次回のカタール大会を29歳で迎える。経験も必要とされるセンターバックとして、ちょうど脂がのり切った年齢と言っていい。悔しさを次世代に伝え、夢の続編を追い求めていくためにも、強さと上手(うま)さ、そして泥臭さを融合させた昌子はロシア大会を通過点として、貪欲に未来へと進み続けていく。




昌子源が届かなかった「50センチ」に世界との差を見た




◆名波監督は昌子に賛辞「100%の力で戻っている」(ニッカン)



昌子源


 日本代表のW杯(ワールドカップ)ロシア大会は、16強で幕を閉じた。決勝トーナメント(T)1回戦でベルギーに逆転負けを喫し、初の8強進出はならなかった。しかし、FIFAランキング3位の相手から決勝T初得点を奪い、一時は2点のリードを奪った。優勝候補を追い詰めただけに、「勝ってほしかった」が正直な感想だった。

 戦前の下馬評を覆し、日本中に夢と感動を与えたベルギーとの激闘。ジュビロ磐田で指揮を執る元日本代表の名波浩監督(45)は、どう見たのか-。話を聞くと、後半49分に浴びたカウンターに対して必死に帰陣したDF昌子源(25)に賛辞を送った。必死のスライディングはあと1歩届かず、決勝ゴールを許した。だが、その姿勢が目にとまったという。

 名波監督 直前のCKでゴールを狙った昌子が、約90メートルの距離を100%の力で戻っている。届かなかったけど、Jリーグでそれをできる選手は少ない。これが当たり前になっていけば、日本の未来は明るいよ。

 この言葉を受けて、ピッチを何度もたたいて涙を流した昌子の姿が頭に浮かんだ。試合後には「何で追い付けんのやろ、という悔しさ、ふがいなさが残った」と唇をかんだ。目の前で決勝点を決められたのだ。簡単に、整理できるはずもない。ただ、人任せにせず、全力で戻ったからこそ、見えた光景があったと思う。戻ったからこそ、あと数十センチ届かなかった悔しさはより強くなり、残り27秒の試合時間からでも仕留めにくる世界と差も肌で感じられたはずだ。

 国内組で唯一のレギュラーとして3試合に先発した初の夢舞台。最後に味わったこの悔しさは、きっと22年のW杯カタール大会に向けた大きな財産になる。「しっかりと守って、日本を勝たせる選手になりたい」。こうコメントした昌子の4年後が、楽しみだ。

 ◆前田和哉(まえだ・かずや)1982年(昭57)8月16日、静岡市生まれ。小2からサッカーを始め、高校は清水商(現清水桜が丘)に所属。10年入社。一昨年までは高校サッカーを取材し、昨年から磐田担当。




名波監督は昌子に賛辞「100%の力で戻っている」




◆ベルギー戦で涙の昌子源、帰国後ファンに実直対応(ニッカン)



昌子源


 サッカー・ワールドカップ(W杯)ロシア大会に出場した日本代表DF昌子源(25=鹿島アントラーズ)が5日、帰国し、駆け付けたサポーターの求めにサインに応じ、握手した。

 昌子は代表チームの解散後、待ち構えたサポーターから「昌子さん!」、「サイン、お願いします!!」などと相次いで声をかけられると気さくに応じた。1人1人、丁寧にサインし、握手にも応じた後、その場を後にしようとすると、拍手喝采で見送られた。その中をぬって走り寄った女性にも握手するなど、プレー同様に実直に対応した。

 昌子は2日の決勝トーナメント1回戦・ベルギー戦で逆転負けを喫した後半ロスタイムの3点目の際、敵陣で攻撃していた中、カウンター攻撃を仕掛けたMFデブルイネを追いかけ、約90メートルを懸命に追いかけた。そしてゴール前のシャドリに向かってスライディングタックルを仕掛けたが、わずかに届かなかった。試合後、ピッチをたたいて悔しがる姿が、全世界で報じられ、反響を呼んだ。

 試合後、「何で追い付けんのやろ、という悔しさ、ふがいなさが残った」と語った昌子は翌3日、ツイッターで「このチームに。応援してくださった皆さんに。心の底から感謝と尊敬をしてます。ありがとうございました」とサポーターに感謝のメッセージを送った。そのツイートに対し、5日午後2時半現在、2万7746件のリツイート、25万364件が寄せられた。その反響通り、サポーターが熱烈に歓迎したことに、昌子は真っすぐに応えた。【村上幸将】







ベルギー戦で涙の昌子源、帰国後ファンに実直対応








◆昌子“燃え尽き症候群”回避へオフ延長「クラブに理解していただいた」(報知)



昌子源


 DF昌子が“燃え尽き症候群”回避へ、鹿島にオフの延長を申し入れたことを明かした。クラブからはセンターバックに負傷者が出ている影響もあり、11日の天皇杯3回戦・町田戦前の合流を要請された。しかし「気持ちを切り替えるのに時間がかかる。味わったことのない感情。もう少しいただけませんか、とお願いした。クラブに理解していただいた」と、数日間オフを延長したことを明かした。

 ベルギー戦の3失点目は、スライディングがあと一歩届かなかった。目の前で決勝点を奪われ「頭の中でずっとあのシーンが流れている。見たくないのに。しんどい。ほんまにしんどい」と大きなショックを受けている。今大会で主力としての大きな可能性を見せただけに、一日も早いメンタル面の回復が期待される。




昌子“燃え尽き症候群”回避へオフ延長「クラブに理解していただいた」




◆J1鹿島 札幌と練習試合 3バック対応で課題(茨城新聞)



西大伍 鈴木優磨


J1鹿島は4日、カシマスタジアムで札幌と45分3本の練習試合を行い、合計5-1で勝利した。得点者は1本目の西、鈴木(PK)、3本目の山本、山口、小田。いずれもセットプレーからの得点だった。

1本目は相手3バックにプレスを掛け、パス回しを分断した。攻撃では静岡キャンプで取り組んだビルドアップが機能し、横幅を使いながら奥行きをもたせるボール運びができた。前線は位置取りを変えながら、相手の守備ブロックを崩す動きを繰り返した。

金崎らが入った2本目の10分以降は流れが停滞。特に札幌がゲームメーカーのMF小野を投入してからはボールの奪いどころを見いだせず、失点を喫した。

リーグ中断期間前は苦しむ傾向があった3バック相手の戦いについて、遠藤は「相手は4-4-2を崩すフォーメーション。うまくいかなくても戦える力がないといけない。グラウンドの中で修正する力をつけないと」と改善点を挙げた。

鈴木は「2本目はチームとしてばらばら」と厳しく振り返り、「(天皇杯)町田戦の1週間前にできたのはよかった。やっていることは間違っていない」と課題が出たことを前向きに捉えた。

大幅にメンバーを入れ替えた3本目は山口や田中が果敢な仕掛けを見せるなど、若手がアピールしていた。(岡田恭平)





J1鹿島 札幌と練習試合 3バック対応で課題


◆ウッチー強し…イケメンJリーガー選手権中間発表(ゲキサカ)



内田篤人


 株式会社リクルートライフスタイルの『じゃらんリサーチセンター』は2日、一般投票により最もイケメンなJリーグ選手を決定する『第5回 Jマジ! イケメンJリーガー選手権』の中間発表を行った。

 1位となったのは、約7年半ぶりにJリーグに復帰した元日本代表DF内田篤人(鹿島)。そのほか、MF谷口彰悟(川崎F)が2位、MF鳥養祐矢(山口)が3位、MF川村拓夢(広島)が4位、MF増田誓志(清水)が5位に続いている。

 5位以下では元日本代表のFW大津祐樹(横浜FM)が6位、MF柏木陽介(浦和)が8位にランクインし、今回のロシアW杯メンバーではMF山口蛍(C大阪)が9位に入った。

 また、ツイッターに寄せられた声をもとにダークホース賞も集計しており、現時点での有力候補は昨年度優勝のMF土居聖真(鹿島)だという。

 同企画は、試合を観るだけではないサッカーの魅力を伝え、より多くの方にJリーグに興味を持ってもらうことを目的に実施しており、今年で5回目を迎える。

 Jリーグスタジアムへの若者誘客プロジェクト『Jマジ! ~J.LEAGUE MAGIC~ 』参画クラブから1名ずつ、合計26名の候補選手を選出しており、候補選手の中から、最もイケメンな選手を一般投票で決定。応募は5月31日から開始し、締め切りは7月16日となっている。

以下、中間発表のランキング

1. DF内田篤人(鹿島)
2. MF谷口彰悟(川崎F)
3. MF鳥養祐矢(山口)
4. MF川村拓夢(広島)
5. MF増田誓志(清水)
6. FW大津祐樹(横浜FM)
7. MF石原崇兆(松本)
8. MF柏木陽介(浦和)
9. MF山口蛍(C大阪)
10.FW富樫敬真(FC東京)

※応募フォーム




ウッチー強し…イケメンJリーガー選手権中間発表




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