日刊鹿島アントラーズニュース

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2018年9月27日木曜日

◆まるでキャプ翼「反動蹴速迅砲」鹿島三竿が必殺弾(ニッカン)



三竿健斗 Kento.Misao


<天皇杯:鹿島アントラーズ2-0サンフレッチェ広島>◇4回戦◇26日◇カシマ

人気サッカー漫画「キャプテン翼」の世界が、現実に生まれた!?

それは天皇杯4回戦の鹿島-広島戦の延長後半だった。1点をリードして迎えた同12分、鹿島FW土居聖真が懸命につなぎ、MF永木亮太を経て日本代表MF三竿健斗がボールを受け取った。そのとき、目の前にはスペースが空いていた。だが、最初に選んだのはドリブルだった。

「受ける前からシュートするイメージはあったけど、最初にボールの置きどころがあまり納得いくところでなくて…」。

シュートのタイミングがワンテンポ、遅れた。相手DFが目の前に迫った。覚悟を決めて右足を振り上げた。

「もう1回触ったら取られそうだったので、変な取られ方するより、ごちゃごちゃってなった方がいいかなって思った」。

ペナルティーエリアのライン上。シュートに行った。相手の方がわずかに先にボールに触れていた。それでも構わず、振り抜いた。その弾道は、相手のクリアを蹴り返した形になり、威力を増したか、ゴール右に突き刺さった。

「キャプテン翼と同じです」と三竿健は笑った。まるで、漫画内のキャラクターで中国代表の肖俊光が得意とする「反動蹴速迅砲」だった。相手のキックを蹴り返して威力を倍増させるシュートで、ペナルティーエリア外からはゴールを許さないGK若林源三からゴールを奪ったことでも知られる必殺技だが、現実でやってみせた。それが三竿健の今季初ゴールだった。

「打ったら入っちゃいました。もう1つ早く打ちたかったんですけど、体勢的にちょっと厳しかったので、持ち直した。あとは気持ち。パワーで打ちました」。試合を決める駄目押しゴールにもなり、歓喜の輪が生まれた。

直近のJリーグから中2日。今月だけで7試合目を数えた広島戦。アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)やルヴァン杯でも勝ち上がり、今後も超過密日程が続く。だが、三竿健は歓迎する。「こういう日程だからこそ、より一丸となれると思っている。どんどんどんどん勝って、日程を組んだ人を見返したいなと思います(笑い)」。もちろん、気を緩めることはなかった。「まだ僕たちは何も勝ち取っていない。最後につらい思いや、みんなで頑張ったというのが報われれば」。

リーグでも、一時は15位まで落ちた順位が暫定ながら4位に浮上した。鹿島の伝統の粘り強さが増してきている。




◆まるでキャプ翼「反動蹴速迅砲」鹿島三竿が必殺弾(ニッカン)


◆鹿島・三竿“漫画チックな一撃”で天皇杯3季連続の8強進出!(スポニチ)



三竿健斗 Kento.Misao


天皇杯4回戦   鹿島2―0広島 ( 2018年9月26日    カシマ )

 4回戦の2試合が行われた。鹿島は延長戦の末に広島に2―0で競り勝ち、3季連続の8強進出。延長前半6分にMFレオ・シルバ(32)のゴールで先制すると、延長後半12分には日本代表MF三竿健斗(22)が追加点を挙げた。磐田は札幌に4―2で勝利。2大会連続で準々決勝に駒を進めた。 

 漫画チックな一撃で勝利を決定づけた。1―0の延長後半12分、敵陣に進入した三竿健のドリブルがわずかに大きくなった。そのままシュートモーションに入ったが、クリアを試みた相手DF水本が一瞬早くボールにタッチ。クリアを蹴り返した形のミドルシュートが右隅に突き刺さった。漫画「キャプテン翼」に登場する、相手のシュートを蹴り返して威力を増幅させる技「反動蹴速迅砲(はんどうしゅうそくじんほう)」をほうふつさせる一撃。三竿健は「キャプテン翼ですね」と笑った。

 大岩監督は23日の札幌戦から先発6人を変更。ターンオーバーしながら公式戦5連勝を飾った。リーグ戦は4位に浮上しルヴァン杯、ACLも4強入り。過密日程が続くが、指揮官は「目の前の試合に集中して臨みたい」と一戦必勝を期した。




◆鹿島・三竿“漫画チックな一撃”で天皇杯3季連続の8強進出!(スポニチ)




◆天皇杯4回戦 鹿島8強入り(茨城新聞)



三竿健斗 Kento.Misao


サッカーの第98回天皇杯全日本選手権(日本サッカー協会、Jリーグ主催、共同通信社、NHK共催)は26日、カシマスタジアムなどで4回戦の残り2試合が行われた。J1鹿島は延長の末、2-0で広島(J1)を下し、3年連続で8強に駒を進めた。公式戦の連勝は5に伸ばした。

鹿島は0-0で迎えた延長前半6分、レオシルバの左FKがそのままゴールに吸い込まれて先制。同後半12分には三竿健がペナルティーエリア手前からミドルシュートを決めた。

磐田は札幌に4-2で勝ち、2大会連続の8強入り。

準々決勝で鹿島はJ2の甲府と対戦し、磐田は仙台との顔合わせとなる。

■鹿島・大岩監督 粘り強かった
120分間、しっかりとした守備から攻撃につなげ、判断を変えながらボールを動かすことができていた。そこからセットプレーのチャンスを決めることができた。粘り強くじれずにやったことが延長戦の勝利につながった。

■鹿島・犬飼 うまく対応できた
パトリックにうまく対応できていた。いいポジショニングが取れていた。これからもやり続けることが大事。

■鹿島・GK曽ケ端 いい攻守できている
バランスよく守れていた。いい守備からいい攻撃ができている。自信が付いていることが大きい。

■鹿島・レオシルバ
味方が相手DFの邪魔をしたおかげで点が入った。チームで取った得点だった。


▽4回戦
鹿島(J1) 2-0 広島(J1)
0-0
0-0
延長
1-0
1-0

▽得点者
【鹿】レオシルバ(延長前6分)三竿健(延長後12分)


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◆天皇杯4回戦 鹿島8強入り(茨城新聞)




◆【鹿島】内田「過密日程だか何だか知らないけど」異なる4大会で4連勝!天皇杯も8強入り(報知)






 ◆天皇杯▽4回戦 鹿島2―0広島(26日・カシマスタジアム)

 ACLとルヴァン杯で4強に進出している鹿島は、リーグ戦で首位に立つ広島を延長戦の末に2―0で破り、8強入りを決めた。

 FWセルジーニョのシュートが3度枠に直撃するなど運にも見放され、「途中からは我慢比べ」(MF三竿健斗)の展開となり試合は延長へ。だが0―0で迎えた延長前半6分、MFレオシルバの直接FKで先制に成功。同後半12分には三竿健斗のミドルシュートで追加点を奪い、試合を決定付けた。

 22日間7試合の過密日程を消化する中、これで全4大会の4試合(ルヴァン杯準々決勝第2戦、ACL準々決勝第2戦、J1第27節、天皇杯4回戦)で4連勝を達成し、公式戦5連勝で3戦連続無失点。フル出場したDF内田篤人は「センターバック2枚が本当によくやっている。俺?ウロウロしてるだけ」と笑顔を見せつつ、「過密日程だか何だか知らないけど。連戦でも延長でも、自分たちは4つ(タイトルを)取る目標でやっている」と力を込めた。

 中2日の戦いで120分を制したが、次戦(J1神戸戦)も中2日。その次は中3日でACL準決勝の大一番・水原三星戦が控える。大岩剛監督は「次々に試合がやってくる。目の前の試合に集中して臨みたい」と見据えた。


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◆【鹿島】内田「過密日程だか何だか知らないけど」異なる4大会で4連勝!天皇杯も8強入り(報知)




◆広島延長で力尽きる、城福監督「後はリーグ戦集中」(ニッカン)






<天皇杯:鹿島アントラーズ2-0サンフレッチェ広島>◇4回戦◇26日◇カシマ

120分間を戦ったが、広島に勝機はほとんどなかった。

直近のリーグ戦からメンバーを8人入れ替えて臨んだ試合。シュートは前半に1本、後半に1本のわずか2本だけしか打てなかった。反対に、鹿島には13本も許した。クロスバーに救われること、4度。粘り強く戦ったが、延長戦で力尽きた。

城福監督は「警戒していたセットプレーでやられたところが痛かったが、選手は今できることをやってくれた。こういう試合こそ、セットプレーで決まると思っていた。形として崩されたというより、セットプレーを多く与えてしまったことが敗因だと思う」と振り返った。

今季、残るは首位を走るリーグ戦だけになった。この日、残っていた試合を消化して同じ試合数となった川崎フロンターレが湘南ベルマーレに引き分けたことで、勝ち点差は「3」にしか縮められなかった。

「我々に残されたのは、後はリーグ戦だけなので、切り替えて集中したい」

リーグ後半の正念場に向けて、語気を強めた。





◆広島延長で力尽きる、城福監督「後はリーグ戦集中」(ニッカン)




◆120分の死闘を制したのは鹿島!粘る広島を振り切る…8強の全カードが決定/天皇杯ラウンド16(GOAL)



レオ・シルバ Léo Silva

天皇杯全日本サッカー選手権大会・ラウンド16の2試合が開催。鹿島アントラーズとサンフレッチェ広島の一戦は延長の末に鹿島が2-0で勝利した。

強雨の中、行われた一戦は開始3分に鹿島がチャンスを作る。金森健志がカットインしてマイナス気味にクロスを送ると、安部裕葵がフィニッシュ。しかし、枠へ飛ばすことができなかった。33分には山本脩斗のクロスにセルジーニョが頭で合わせたが、これは林卓人のセーブに遭い、ポストに直撃してしまった。

一方の広島は、この日先発入りした渡大生とベサルト・ベリーシャの2トップにボールが収まらず。決定的なチャンスを作れない。後半開始直後にベリーシャからフェリペ・シウバがPA手前からシュートを放つも決まらず。広島は70分、渡に代えて温存していたパトリックを投入。勝負に出る。

鹿島も金森に代えて鈴木優磨を、セルジーニョを下げて土居聖真を投入した。しかし、両者90分で先制点を奪ういことができず。勝負の行方は延長戦に持ち込まれた。すると96分、鹿島はFKのチャンスからレオ・シルバが直接叩き込んで、均衡を破る。さらに117分、三竿健斗がドリブルで持ち上がると、PA手前からそのまま右足シュート。これが決まり、鹿島が勝負を決定づけた。

試合はそのままタイムアップ。鹿島がリーグで首位を走る広島を延長戦の末に2-0で下し、8強進出を決めた。なお、準々決勝の全カードが決定。鹿島は山梨中銀スタジアムでJ2のヴァンフォーレ甲府と対戦する。

その他の対戦カードは以下のとおり。

■ラウンド8対戦カード

10/24(水)19:00一斉キックオフ
浦和レッズvsサガン鳥栖(熊谷陸)
鹿島アントラーズvsヴァンフォーレ甲府(中銀スタ)
ジュビロ磐田vsベガルタ仙台(未定)
川崎フロンターレvsモンテディオ山形(NDスタ)

■試合結果
鹿島アントラーズ 2-0 サンフレッチェ広島

■得点者
鹿島:レオ・シルバ(96分)三竿健斗(117分)
広島:なし




◆120分の死闘を制したのは鹿島!粘る広島を振り切る…8強の全カードが決定/天皇杯ラウンド16(GOAL)

◆鹿島が延長2発で広島を振り切る!!底力見せ3大会連続ベスト8進出(ゲキサカ)






[9.26 天皇杯4回戦 鹿島 2-0(延長) 広島 カシマ]

 天皇杯JFA第98回全日本サッカー選手権大会の4回戦が26日に行われ、鹿島アントラーズ(J1)はホームでサンフレッチェ広島(J1)と対戦し、延長戦の末に2-0で勝利した。延長前半6分にMFレオ・シルバ、延長後半12分にMF三竿健斗がそれぞれゴール。広島の反撃をゼロに抑え、3大会連続のベスト8進出を決めた。準々決勝は10月24日に開催され、山梨中銀スタジアムでヴァンフォーレ甲府(J2)と対決する。

 広島が平成30年7月豪雨により3回戦が延期となった影響で、他の対戦カードより約1か月遅れて行われた一戦。7月11日の3回戦で町田を5-1で下した鹿島は、直近のリーグ戦からスタメン6人を入れ替えて臨んだ。一方、8月22日の3回戦で名古屋を延長戦の末に4-1で退けた広島は、直近のリーグ戦から先発8人を変更。普段はDF和田拓也が務めている右サイドバックには、中盤が本職のDF稲垣祥が入った。

 通算対戦成績で23勝6分15敗と勝ち越す鹿島だが、今季に限ればリーグ戦で首位を走る広島に2連敗。勝ち点差も14と大きく離されている。それでもAFCチャンピオンズリーグ(ACL)でクラブ史上初の4強入りを決めた勢いを生かし、立ち上がりから主導権を掌握。雨が降る中、ボールを保持しながら前線の選手が精力的に動き、守備のギャップを狙っていく。

 前半26分にはレオ・シルバが自陣でのボール奪取からドリブルで持ち運び、PA手前やや右から右足でグラウンダーのミドルシュート。GK林卓人に正面で止められ、こぼれたボールに複数の選手が詰めるも、林に自ら処理される。同33分にはMF遠藤康のサイドチェンジから左のMF安部裕葵がキープし、追い越してきたDF山本脩斗にパス。山本の左クロスがニアのMF川辺駿に当たってコースが変わり、中央のFWセルジーニョが頭で合わせる。しかし、GK林に弾かれたボールは右ポストに嫌われた。

 チャンスの少ない広島も前半37分にようやく初シュート。左サイドのMFフェリペ・シウバからパスを受けたFWベサルト・ベリーシャがPA手前中央から強引に右足を振り抜くが、クロスバーの上を越える。互いに好機をモノにできず、前半は0-0で終了した。

 ハーフタイムが明けて最初にチャンスを迎えたのは広島。後半2分、右サイドのFW渡大生が胸で落としたボールをベリーシャが中央へつなぎ、PA手前からF・シウバが右足でシュートを放つ。しかし、惜しくもゴール左へと外れる。同6分には鹿島の遠藤が右サイド深くから右足で低いクロスを送り、ファーでフリーのセルジーニョが左足を伸ばすが、押し込むことはできなかった。

 後半の序盤を過ぎて我慢比べの展開が続く中、後半23分にDF内田篤人の絶妙な右クロスから安部が左足でボレーシュートを放つも、枠をとらえられない。鹿島は同24分にFW金森健志を下げてFW鈴木優磨を投入。鹿島が動くのを待っていたかのように広島も後半25分、渡との交代でFWパトリックを送り出し、互いに温存していたエースを切り札として起用した。

 すると後半25分、DF犬飼智也のロングフィードに鈴木が走り込み、PA内中央で飛び出したGK林と交錯。跳ね上がったボールがゴール方向に飛ぶが、DF馬渡和彰に頭でクリアされる。同26分、これで得た左CKからヘディングの応酬となり、犬飼の折り返しに反応したセルジーニョが至近距離からヘッド。クロスバーに当たり、跳ね返りを自ら頭で押し込もうとするが、ゴール上に外れた。

 後半31分には広島がF・シウバとMF青山敏弘、鹿島がセルジーニョとMF土居聖真を交代。両チームとも相手ベンチの動きをうかがい、探り合うようにカードを切る状況が続く。鹿島は同40分に3枚目の交代枠を使い、安部とDF安西幸輝をチェンジ。間延びしてきた展開で積極的に得点を狙いに行ったが、同アディショナルタイム2分に内田がPA内で倒されたシーンでも笛は鳴らず、スコアレスのまま90分を終えた。

 広島は延長前半開始からDF馬渡和彰に代えてDF佐々木翔を投入。だが、均衡を破ったのは鹿島だった。延長前半6分、敵陣左寄りのFKからキッカーのレオ・シルバが右足でクロスを入れる。ゴール前になだれ込んだ選手たちがブラインドとなったのか、GK林が弾き切れずに右のサイドネットに吸い込まれた。

 延長前半8分に広島は4枚目のカードを切り、ベリーシャを下げてMF柏好文をピッチに送る。鹿島も延長後半2分に遠藤との交代でMF永木亮太を投入。広島は最後の力を振り絞ってゴールに迫ったが、同12分に三竿の右足のミドルシュートを浴びて決定的な2点目を許す。そのまま0-2で敗れ、4大会連続の準々決勝進出は叶わなかった。





◆鹿島が延長2発で広島を振り切る!!底力見せ3大会連続ベスト8進出(ゲキサカ)




◆天皇杯 JFA 第98回全日本サッカー選手権大会 4回戦(オフィシャル)



レオ・シルバ Léo Silva


天皇杯 4回戦

意地と気迫の120分、鹿島が広島を撃破!レオと健斗のゴールで天皇杯準々決勝進出!

難敵相手のノックアウトマッチを制し、鹿島が力強く準々決勝へと駒を進めた。天皇杯4回戦、サンフレッチェ広島戦。90分をスコアレスで終え、迎えた延長戦で2度の歓喜が待っていた。レオ シルバのFK、そして三竿健斗の強烈なシュート。2-0。120分の激闘を制し、鹿島が3年連続の準々決勝進出を果たした。

3日前、鹿島は北の大地で力強く完封勝利を収めた。J1第27節の札幌戦、結果は2-0。遠藤の鮮やかなボレーで均衡を破ると、後半立ち上がりには鈴木がPKを確実に沈めた。北海道胆振東部地震の発生後、赤黒の強敵が初めて迎えたホームゲーム。フットボールのある喜びを噛み締めながら、幾多もの思いとともに立ち向かってきた相手との90分を制し、3ポイントを掴み取る。これで、公式戦4連勝。味スタ、カシマ、マカオ、そして札幌。4つのスタジアムで3つの大会を並行して突き進み、勝利を積み重ねてみせた。

「大きい大会を重ねることで経験を積んで、選手たちは自信をつけてきていると思う」と、百戦錬磨のクォン スンテは頷いていた。気迫の守備で2試合連続の完封を成し遂げた犬飼も「難しい試合でも点を取れているので“いつかは取れる”という雰囲気がある」と、手応えを掴んでいる。粘り強い守備を土台に、焦れることなく攻撃を仕掛けることができている今。練習時間を確保できない日々でも、チーム全員の意思は揺らぐことなく統一されている。

チームは月曜日の午後に鹿嶋へ帰還し、夕方にリカバリーのメニューを消化。そして火曜日、早くも迎えた試合前日には入念なミーティングを行った。次なる戦いは聖地でのノックアウトマッチ。広島をカシマに迎え撃ち、天皇杯準々決勝の切符を懸けて戦う。今月4つ目の大会、タイトル獲得への道のりを突き進むために――。今季のJ1で屈辱の連敗を喫した難敵を打ち破るため、選手たちは集中力を研ぎ澄ましていった。指揮官はシーズンダブルを食らった事実と向き合い、「気持ちの面で、そのことは大前提として持っておかないといけない。『悔しさをぶつけよう』という話をした」と、熱量をチームに注ぎ込んでいる。

札幌戦からわずか中2日で迎えるノックアウトマッチへ、大岩監督は6名もの先発変更を施した。ゴールマウスを曽ケ端に託し、右サイドバックに内田を指名。ボランチの一角には三竿健斗、2列目には安部、そして前線にはセルジーニョと金森を起用した。その他、センターバックはチョン スンヒョンと犬飼が務め、ミドルゾーンにはレオ シルバ、右サイドハーフには遠藤が並ぶ。そしてベンチにはGKのクォン スンテ、町田、西、安西、永木、土居、鈴木が座る。大岩監督は「相手の特長と分析を踏まえて、自分たちがやるべきことを整理した」と、信頼とともに選手たちを送り出した。



今月最後のホームゲーム、水曜日の鹿嶋は秋の深まりを感じさせる肌寒さに見舞われた。キックオフが近づくにつれて接近してきた厚い雲が、冷たい雨を聖地へ注ぐ。それでも、勝利への闘志を燃やした背番号12が足を運ぶと、高揚感と緊張感がスタジアムを包んでいった。ウォーミングアップへと姿を現した選手たちへ、大音量のチームコールが注がれる。強い雨の下、19時3分に戦いの火蓋が切って落とされた。



鹿島は開始3分、敵陣左サイド深くでボールを持った金森が仕掛ける。またぎフェイントから縦へ突破し、ゴールライン際まで進出。ラストパスは相手にカットされ、こぼれ球に反応した安部のプッシュも枠を逸れたものの、さっそくチャンスを作り出した。強い雨が降り続く中、試合は拮抗した展開に。ルーズボールを奪い合い、激しいボディコンタクトの応酬となる。全員が集中力を研ぎ澄まして応戦する鹿島は10分、レオが敵陣中央から対角線上の浮き球を供給。ペナルティーエリア右奥へ走り込んだ内田がスライディングでボールを収め、中央へ折り返したものの、惜しくもクリアされてしまった。



一進一退の攻防が続き、互いに決定機を作るには至らないまま時計の針が進んでいった。鹿島は18分、機を見たドリブルで中央のスペースを突いた内田が右足アウトサイドで守備網を切り裂くスルーパス。金森が反応してクロスを上げたが、ブロックされてしまった。26分には自陣右サイドでボールを奪ったレオがドリブルで突進。ペナルティーエリア手前まで運んで右足で狙ったが、グラウンダーのシュートは相手GKに阻まれてしまった。少しずつゴールへ迫っていったものの、均衡を破ることができずに30分を経過した。





前半最大の決定機は33分。遠藤が中盤右サイドから正確無比のパスを通すと、敵陣左サイドで安部がボールを持つ。すかさずオーバーラップを敢行した山本へ預けると、中央へのクロスは相手DFに当たってペナルティーエリア中央へ。自分の目の前でコースが変わる、難しい状況からボールを捉えたのはセルジーニョだった。ダイビングヘッドが広島を襲う。しかし、相手GKに弾かれたボールは右ポストに阻まれてしまった。0-0。前半はスコアレスで終了した。

ゴールを目指して迎えた後半、鹿島は右サイドを支配する遠藤と内田がチャンスの山を築いていく。51分には巧みなパス交換でスペースを突き、遠藤が右足でクロス。ファーサイドのセルジーニョが足を伸ばしたが、枠へ飛ばすことはできなかった。少しずつオープンな展開へと傾斜し始めたが、鹿島はセンターバックの犬飼とスンヒョンが激しいエアバトルとカバーリングを繰り返してピンチの芽を摘んでいく。58分には犬飼のパスカットからカウンターに転じ、最後はレオがミドルシュート。69分には遠藤がタッチライン際で巧みな反転を見せ、スルーパスに抜け出した内田が狙い済ましたクロスを送る。安部の左足ボレーは枠を越えてしまったが、背番号2と25の鮮やかな連係が広島を切り裂いていた。









大岩監督は69分に鈴木、76分には土居を投入。前線の活性化と待望のゴールを狙う。次第に激しいタックルの応酬となり、主審の笛を巡ってヒートアップする場面も増えていった。だが、鹿島が目指すものは勝利のみ。熱く、しかし我慢強く、安定した守備をベースに攻撃を仕掛けていった。



85分、安西がピッチへ。サイドの圧力と活動量を高め、広島を脅かしていった。そして後半アディショナルタイム、レオからの正確なパスを受けた内田がペナルティーエリア右側でボールを収めると、冷静に進路を見出してドリブル。次の瞬間、相手のタックルで倒される。しかし、笛は鳴らなかった。背番号2は大の字でピッチに倒れ込み、聖地は騒然。0-0。スコアレスのまま90分を終了し、延長戦に突入した。





雨中の激闘、延長戦。待望の瞬間は94分だった。敵陣左サイドで得たFK、レオのキックがゴール方向へ。「相手に強く引っ張られていて、ボールに触れなかった」という山本の動きがブラインドとなり、相手GKの動きが遅れる。雨に濡れたピッチを跳ねて加速したボールがネットを揺らした。1-0。ようやくたどり着いた先制点。鹿島がセットプレーで均衡を破った。



















反撃を期す広島に対し、鹿島は粘り強く応戦を続けた。ボールポゼッション率を高めてきた相手に自由を与えず、機を見たカウンターで脅威を与えていく。延長後半からピッチに立った永木も気迫に満ちたタックルを敢行。終盤には体を張ったボールキープで時計の針を進めていった。そして117分、健斗がペナルティーエリア右手前でパスを受けると、右足を一閃。相手DFとの競り合いから放たれたボールがネットを揺らすと、勝利を確信した聖地は歓喜に包まれた。







2-0。今季3回目の対戦で、ついに広島を打ち破ってみせた。3年連続の天皇杯ベスト8進出。2年ぶりの大会制覇へ、道のりはこれからも続く。準々決勝は11月21日、甲府とのアウェイゲームだ。



そして次戦は再び中2日、敵地での戦いだ。J1第28節、ヴィッセル神戸戦。公式戦5連勝の勢いと自信を胸に、今この時から次なる勝利への準備が始まっている。歩みを止める時間などない。

【この試合のトピックス】
・今季初の公式戦5連勝を果たした。
・3年連続の天皇杯準々決勝進出を果たした。
・天皇杯で広島と対戦するのは通算5回目で、4勝目を挙げた。
・今季3度目の広島との公式戦で初勝利を挙げた。
・先発復帰の曽ケ端がフル出場。天皇杯通算62試合目の出場で、自身が持つ歴代記録をさらに更新した。
・三竿健斗が今季初得点、プロ通算2得点目を記録した。
・レオ シルバが今大会初得点を挙げた。


監督コメント

[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:大岩 剛
・コンパクトな守備を後半も続け、しっかりと背後のケアもすること。
・ダイレクトプレーをもっと効果的に使おう。
・攻撃の時、セットプレーに変化をつけていこう。

サンフレッチェ広島:城福 浩
・守備は全体的によくやれている。
・このまま辛抱しながら戦っていこう!


[試合後]
鹿島アントラーズ:大岩 剛
結果的に120分戦い、選手たちはこのスケジュールのなかであれだけのパフォーマンスを見せてくれた。本当にすばらしかったと思う。選手の姿勢がすばらしかった。彼らのパフォーマンスに驚き、僕自身うれしかった。試合の後も、選手たちが次に向かうんだという気持ちを見せている。そういう姿勢をすごく評価している。素直にほめたいと思う。試合の総括にはならないが、今日の試合を振り返るより、次の試合に向かいたいという気持ちが強い。すばらしい120分だった。

Q.いい守備からいい攻撃というところが出ていたと思うが、どう評価しているか?

A. 120分、見てもらった通り。しっかりした守備からすばやい攻撃、サイドを変えてボールを動かすというところができていた。そういうところでセットプレーを取り、最後の最後にそのセットプレーを決めることができた。前半からたくさんのチャンスがあったなかで、なかなか決まらなかったところを、粘り強く、じれずにやったことが勝利につながった。

Q. 9月連戦が続いたなかで、結果が出ているが、どのあたりに手応えを感じているか?

A. 守備に関しては、選手たちが自信を持ってやっているところが大きい。そこが前提にあり、選手が思い切って前に出ていけたり、ボールを動かすところで整理されたり、ゴール前でのイマジネーションが出やすい状況ができている。前線から連動したいい守備があり、それがベースとなりいい結果につながっている。自信につながって、勝利につながっていると思う。


サンフレッチェ広島:城福 浩
平日のナイトゲームでアウェイまで来てくれたサポーターに本当に感謝している。彼らと次のラウンドに進むことを味わいたかったが、非常に残念だ。警戒していたセットプレーでやられたことが、非常に痛かった。選手は今できる、やるべきことをやってくれた。我々に残されたのはリーグ戦だけなので、切り替えて、リーグ戦に集中したい。


選手コメント

[試合後]

【内田 篤人】
リーグ戦で2度負けていた相手だったし、同じ相手に負けるのはアントラーズとしてはやってはいけないこと。絶対に勝たなければいけないと思っていた。今日のようなキツい試合でいかに耐えられるか。今、センターバックが頑張っているので、助けたいと思っていた。

【犬飼 智也】
こういうキツい試合で勝つことができて嬉しい。メンバーが入れ替わっていたとはいえ、リーグ戦で連敗していた相手だったので「同じチームに負けられない」と剛さんも話していた。うまく対応できたし、いいポジショニングを取れた。これを続けていきたい。

【曽ケ端 準】
バランスよく守れていた。前半からチャンスを作れていたし、いい試合だったと思う。まずは勝つことが大事。そのためには無失点で抑えることが一番の近道。いい守備からいい攻撃ができていた。過信せず、1試合ずつ戦っていきたい。

【山本 脩斗】
チームとして90分連動して、ミスをしてもカバーリングできていたし、いいタイミングで点を取れた。勝つことで自信もついてくる。過密日程の中でも、いい流れでできている。

【三竿 健斗】
固い試合になることは分かっていた。後ろがゼロで抑えていれば、前線が点を取ってくれると話していた。セットプレーで点を取れて、いい試合になった。(得点の場面は)パスを受ける前からシュートをイメージしていた。もう一つ早く打ちたかったけど、体勢が厳しかったので持ち直して打った。

【レオ シルバ】
残念ながら、リーグ戦で連敗していた相手。3連敗はダメだし、天皇杯というタイトルを掴むという思いでプレーしていた。山本選手がうまく入ってくれて、入ったゴール。チームとして取ったゴールだと思う。今日はゴールという形で貢献できてよかった。




◆天皇杯 JFA 第98回全日本サッカー選手権大会 4回戦(オフィシャル)

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