日刊鹿島アントラーズニュース

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2018年12月2日日曜日

◆脳を活性化する「ライフキネティック」の凄み(東洋経済オンライン)



深井正樹 Masaki.Fukai





「サッカー日本代表が世界で勝つには、もう認知能力・判断力を上げるしかないと思っています。

技術は世界のトップクラス並と言われていますし、フィジカル面だって圧倒的に弱いのかといったら、今はそこまで大差ない。身体能力は海外の大柄な選手にも引けを取りません。

そう考えたら、日本が世界の上位に食い込んでいくには、『脳』にフォーカスしたトレーニングを取り入れるしかないんです。僕はライフキネティックと出会って、日本サッカー界を変えるにはこれしかないと思いました」

鹿島アントラーズ、ジェフユナイテッド市原・千葉などで14年にわたり、Jリーグで活躍した深井正樹氏(現・ジェフ千葉普及コーチ)は、ドイツ発祥の脳活性化プログラム「ライフキネティック」との出会いにより、日本サッカー界の課題と未来への指針をこう見出した。


全世界で活用が進むライフキネティックとは


ライフキネティックとは、簡単な動きで脳を活性化させることを目的としたプログラム。ドイツ有数の運動指導者の1人であるホルスト・ルッツ氏が開発し、脳科学研究者や学習指導研究者との共同開発で独自のプログラムを開発している。

認知機能や学習能力、そして運動のパフォーマンス向上など、さまざまな効果を理論的に導き出したうえで成果へとつなげていくトレーニングで、注目が集まっている。

発祥地のドイツを中心としたヨーロッパ諸国はもちろん、アメリカや日本でも導入が始まっており、世界各国で広がりをみせている。

スポーツ界のあらゆるジャンルで導入が進んでいるが、特にドイツのプロサッカーリーグでは多くのチームがこのプログラムを活用。香川真司選手が所属するドルトムントも、ユルゲン・クロップ氏(現・リヴァプール監督)が監督として率いていた時代にトレーニングメニューに取り入れた。それもあって、2010年からリーグ2連覇を果たしている。

国内においては、深井氏が所属するジェフ千葉(普及育成)、そして来シーズン6年ぶりとなるJ1昇格を果たした大分トリニータ(トップチーム、普及育成)。さらには野球、水泳、格闘技、ソフトテニスなど、団体から個人まで幅広い競技に導入されている。

深井氏は引退後、古巣のジェフ千葉で普及育成コーチを務め、今年5月からライフキネティックアンバサダーとしても活動を開始した。

きっかけは、同チームで同じく普及コーチとして指導している伴英氏の存在だった。伴氏は、もともとライフキネティックトレーナーとしても活動しており、一緒にクラブの練習メニューを作っている際、脳活性化プログラムの話を聞いたという。

「めちゃくちゃいいメソッドじゃん!」

そう思った深井氏は、実際に体験会に参加し、自身もトレーナー資格を取得しようと勉強に励むようになった。

「ライフキネティックを学んでいくうちに、より多くの人たちに知ってもらって、それを活用してほしいと思うようになりましたね。スポーツだったら競技力向上のために、高齢化が進む社会では、認知機能低下予防・介護予防を目的としてトレーニングを取り入れてほしいなって」(深井氏)

アンバサダー就任後は、チームのスクールでトレーニングを実施し、各地方に赴いて定期的に体験会を開催するようになった。最近では、一般企業からも「ライフキネティックを教えてほしい」と依頼がくるようになったそうだ。

「ライフキネティックの魅力は、誰でも楽しく、簡単にできるところ。

企業内での体験会では、普段顔を合わせない他部署の初対面の社員も多く集まるのですが、トレーニングをしていくうちにすごく仲良くなるんです。体験会では毎回、その場はすごく和んで、笑顔が絶えない空間になりますね」(深井氏)

トレーニングそのものも、実際にやってみるとまったく難しくない。体験会でよく行われるのは、赤・青・黄色の3色のボールを使ったトレーニングだ。参加者数名で輪を作り、はじめは赤いボール1つを使って適当に投げて渡していく。その際、「〇〇です」と自分の名前を言いながら投げるのがルールだ。

ある程度時間が経ったら、次に黄色いボールを投入。黄色の場合は、“投げる相手”の名前を言いながら渡すことが条件となる。最後に追加する青いボールは“次に投げてほしい人の名前”を言いながら渡さなくてはならないため、3色のボールが目まぐるしく飛び交うと、何を言えばわからなくなってしまい、脳が混乱してしまう。

だが、それがこのトレーニングのミソだ。

自分の目で見てボールの色を認識し、その指示が何だったかを思い出して相手に投げる、という動作を同時に行うことで、脳を最大限に活用することができる。それを何度も繰り返していくことで、認知機能や視覚機能を高めることができるのだという。


眠れるパフォーマンスを引き出す視野拡大の重要性


ライフキネティックの考え方としては、そのトレーニングにおいて2つ以上の比較的単純な運動・思考を同時に行うことを基本としている。

サッカーの練習に置き換えると、足で蹴ってドリブルをしながら、手でもバスケのドリブルをしたり。あるいはリフティングをしながらお手玉をするなど、応用の仕方によってはあらゆる競技に合ったトレーニングが生み出される。

深井氏も、トレーニングを作る際は必ずテーマを決め、さまざまなサッカー要素を取り入れているという。

「特にライフキネティックの練習でテーマとして掲げているのは“つねに上体を上げてドリブルをできるようにする”ということ。ドリブルって、走りながらボールを扱って、周りを見ながらいろんなことを考えないといけない。普通に考えたら、サッカーってすごく難しい。

初心者や子どもたちなら、なおさら下を向いてボールを見ないとドリブルできません。だからドリブルをしながら何かほかの動きをする、というトレーニングはつねに取り入れています」(深井氏)

ドリブルやフェイントといった技術は、練習を積み重ねれば自然と上達し、視線も前に向くようになるとよく聞く。だが、必ずしもそうではない。逆にサッカーを始める頃から上体を上げる癖をつけることで、トップスピードでドリブルしながらでも、自然と周りを見ながらボールコントロールができるようになると深井氏は考える。

実際にライフキネティックを教えているジェフ千葉のスクールでも、そういったトレーニングを毎回取り入れた結果、選手たちのプレーはガラリと変わったという。ある日、指導している子どもの親が練習を見学に訪れた際、深井氏にこう話した。

「なんか最近、あの子、周りが見えるようになって、すごくプレーが変わりましたね」と、明らかにプレーが変化していたのだ。





ドイツのノイビーベルクにあるミュンヘン連邦軍大学では、2009年にギュンター・ペンカ教授のもと、ライフキネティックトレーニングの効果を30人の被験者(主にスポーツ学生)を対象に、平衡能力・目と手の協応・目と足の協応について検証。その結果、被験者の直立平衡感覚が改善されたと証明している。

目と手の協応と目と足の協応課題での処理速度は8.38%~11.32%増加し、課題が複雑になるほど改善されている。

ライフキネティック公認マスタートレーナーである中川慎司氏は、トレーニングによって視野が拡大する影響についてこう話す。




「視野の広さは、普通に生活していたら、どこからどこまで見えているのかを意識しないと思います。だから実際に視野が広がっても、すぐには気付かない。

でもトレーニングをする前と、ある程度の期間実施した後の視野の広さを調べると、何十センチも広がっている人も中にはいます。

自分でわかるようになると、“あぁ、視界が広がるとこんなに景色が違うんだな”って実感できるようになる。特に『目』に関しては結果が出やすいので、たくさんの方から反響をいただきますね」(中川氏)

深井氏も、実際にトレーニングを広めていくなかで、教え子のパフォーマンスが著しく向上する姿を何度も目の当たりにした。相手選手の動きを広い視野で知覚し、状況変化に瞬時に対応する。

そんな場面を見てきたからこそ、「日本サッカーが本当に世界一を目指すなら、個人的にでもいいから選手は取り入れるべき」だと深井氏は断言するのだ。


障がい者の行動範囲を広げ、生活そのものを変えていく


また、深井氏は、2018年6月にCPサッカー日本代表に対してライフキネティック教室を開いた。CPサッカーとは「脳性まひ者7人制サッカー」のことで、杖なしで、歩行・走行可能な肢体不自由者を対象とした競技。

東京パラリンピックの競技種目からは外れてしまったが、1984年よりパラリンピックの正式種目として採用されていた。

教室を開催したのはこの1度だけではあるが、深井氏は実際に指導するなかで、確かな手応えをつかんだ。

「CPサッカーの選手は、症状が重い順からFT1、FT2、FT3の3つのクラスに区分されているのですが、試合中は7人中で必ずFT1を1人以上、FT3については1人以内のメンバーで構成しなければなりません。その中でライフキネティックを教えると、やはり重度の選手はなかなか動くことができませんでした。

それでも、“わかんねー”とか言いながら、すごく楽しそうなんです。その姿を見て、この選手たちなら、やり続ければ絶対もっとできることが増えるだろうなって。だから続けてほしいと思いました」(深井氏)

パラアスリートを含め、障がい者は自分の中でどこか行動を制限してしまう。実際に聞こえなかったり、見えないのだから、仕方がない部分もある。サポートする周りも、危険なことをやらせることはしないだろう。

だが、練習や日常生活でやらないことを経験するだけで、多少なりとも脳は必ず刺激を受ける。

それによって昨日より今日、そして明日と、できることが増えていく。

「子どもの時は誰でも無茶したと思うんです。遊びの中で足を擦りむいたり、骨折したりして。でも大人になると、知らず知らずのうちに無茶なんてしなくなる。特に障がい者の方々は、無茶どころか、制限が非常に多いと思います。だからこそ、制限を取り払って挑戦してほしい。ライフキネティックは、そのきっかけとなるトレーニングでもあるんです」と中川氏。


「CPサッカーの選手は、症状が重い順からFT1、FT2、FT3の3つのクラスに区分されているのですが、試合中は7人中で必ずFT1を1人以上、FT3については1人以内のメンバーで構成しなければなりません。その中でライフキネティックを教えると、やはり重度の選手はなかなか動くことができませんでした。

それでも、“わかんねー”とか言いながら、すごく楽しそうなんです。その姿を見て、この選手たちなら、やり続ければ絶対もっとできることが増えるだろうなって。だから続けてほしいと思いました」(深井氏)

パラアスリートを含め、障がい者は自分の中でどこか行動を制限してしまう。実際に聞こえなかったり、見えないのだから、仕方がない部分もある。サポートする周りも、危険なことをやらせることはしないだろう。

だが、練習や日常生活でやらないことを経験するだけで、多少なりとも脳は必ず刺激を受ける。

それによって昨日より今日、そして明日と、できることが増えていく。

「子どもの時は誰でも無茶したと思うんです。遊びの中で足を擦りむいたり、骨折したりして。でも大人になると、知らず知らずのうちに無茶なんてしなくなる。特に障がい者の方々は、無茶どころか、制限が非常に多いと思います。だからこそ、制限を取り払って挑戦してほしい。ライフキネティックは、そのきっかけとなるトレーニングでもあるんです」と中川氏。




実際にケルン大学では、Dr.マティアス・グリュンケ教授のもと、9~12歳の学習に問題のある児童35人を対象に、ライフキネティックで注意と流動性知能(新しい問題を解決し、新しい状況に適応する能力)が向上するかを2011年に調査。

ライフキネティックグループとスポーツグループに分け、どちらのグループも週3回25分間の追加トレーニングとして、前者はライフキネティックを、後者は動作ゲームのような非固有のスポーツを5週間以上行った。

その結果、ライフキネティックグループはスポーツグループに比べて知能指数が約3倍の12.2%上昇。トレーニング前は平均以下の78だったにも関わらず、5週間後には通常範囲の87になっている。





発達障害の子どもへの教室も開催


実際にドイツのケルン大学などでは、発達障害の子どもたちへのトレーニングで大きな成果をあげている。日本においても、発達障害者に向けてあらゆるサポートを行っている日本発達障害支援協会もライフキネティックを取り入れ、幼児・児童を対象に教室を開いたという。

障がい者はもちろん、健常者やアスリートまで、日常生活を豊かにし、眠れるパフォーマンスを引き出す可能性を秘めるライフキネティック。

認知能力を高めれば健康寿命を伸ばすことも期待できる。アスリートであれば、どんな競技でも世界一を狙える位置に近づけるかもしれない。

このメソッドが日本において当たり前の存在になった時、どんな「進化」がもたらされるのだろうか。








◆鹿島以前はMFだった西大伍。 「中盤でプレーしたい欲は消えない」(Sportiva)



西大伍 Daigo.Nishi


遺伝子~鹿島アントラーズ 絶対勝利の哲学~(38)
西 大伍 前編

 終わってみれば3-0の快勝だった。

 11月24日、ユアテックスタジアム仙台で行われたJリーグ第33節、ベガルタ仙台対鹿島アントラーズの一戦。試合序盤は仙台のアグレッシブさに手を焼いた鹿島だったが、34分に昌子源が先制点を奪い、後半に入ると一気に鹿島が運動量を発揮し、敵陣へと圧力をかけた。そして、後半70分、75分とふたつのゴールが決まった。

「水曜日の夜に、甲府で天皇杯を戦って、中2日で仙台に来ている。それは本当にすごいことだよ」

 試合後、仙台駅へ向かう地下鉄の中で、仙台サポーターが鹿島に称賛をおくっていた。

「中2日で、久しぶりに14時キックオフの試合だったから、苦しい展開になるだろうとは思っていた。そういう試合ではセットプレーでの得点が大事になるとも考えていた」

 セットプレーの流れから先制点を決めた昌子が振り返った。

 仙台戦に途中出場したレアンドロ、そして内田篤人など、けが人も続々と復帰している。外国人枠の関係でチョン・スンヒョンはベンチを外れている。ACL決勝戦前に先発し、連勝に貢献した「控え組」と呼ばれる選手たちの多くが鹿嶋に残り、仙台へは行っていない。

「外国人枠の関係でベンチを外れる選手も出てくる。メンバー外の選手の分も戦わなければいけない。チーム一丸となって戦う姿勢を忘れるな」

 仙台戦を前にした練習で大岩剛監督はそう選手たちに訴えた。

「聖真くんが決めているし、自分も何か残さなくちゃいけない。本当はゴールを決めたかったけど……」

 仙台戦で2点目の安西幸輝のゴールをアシストした鈴木優磨は、自身が負傷離脱していた天皇杯準々決勝ヴァンフォーレ甲府戦で唯一の得点を決めた土居聖真の名前を挙げた。エースと言われる鈴木であっても、競争という危機感を持ち続けている。実はこのアシストの前に鈴木は決定機を外している。しかし、気持ちを切り替え、自身ではなく、チームの結果を優先した。「チーム一丸となって」という監督の想いがピッチで表現されていた。

「外したあとならば、自分で決めたいという気持ちも強かったはず。でも、チームのためのプレー、最善のプレーを選択できたのは、優磨が成長しているということ」昌子の言葉が鈴木への信頼を物語っていた。

 12月1日最終節。対サガン鳥栖戦。

 ハードワークが持ち味の相手との試合は難しいものになるだろう。しかし、息をつく暇はない。札幌で行われるコンサドーレ札幌対サンフレッチェ広島戦の結果次第では2位に入る可能性を残しているが、自分たちが勝たなければ話にならないからだ。そして、この勢いで天皇杯を獲得し、クラブW杯に向かいたい。

 大岩監督は仙台戦当日にはこうも言っている。

「常に前を向いて、上を目指していかなければいけない。停滞は後退と同じだ」

 昨季は終盤に勝てず、優勝を逃した。過去を越えていくことは、悲願のタイトル獲得だけではない。ACL優勝という目標を達成したが、そこで達成感を抱くわけにはいかない。自分たちの進化を示すには、連勝でシーズンを終えることが重要だからだ。

「リーグ終盤に強さを発揮するのが鹿島。去年はそれができなかった。だから、ここから落ちないというのを証明したい。アジアを獲ったことで、変な試合はできないという気持ちがいい方向へ向かっている」昌子が語った。
 取材場所に現れた西大伍はなぜだか、1本歯の下駄をはいていた。

 身体能力アップに効果があると言われている下駄だ。「身体を鍛えるためにですか?」と質問しても意味深に笑っているだけで、理由は答えない。なんとも西大伍らしい登場だった。

 2011年、コンサドーレ札幌から加入した。2010年シーズンはレンタル移籍したアルビレックス新潟でプレー。鹿島には右サイドバックとしての補強だった。しかし、2014年に決めたシュートが年間最優秀ゴールに選ばれるなど、その技術力は高くて柔らかい。「大伍はサイドバックの選手じゃない」と内田篤人が言うほどだ。

 安定感のある守備だけでなく、攻撃に出れば、ファンタジスタと呼ぶにふさわしい雰囲気を醸し出す。今季はここまでリーグ戦、ルヴァンカップ、天皇杯で計5得点。ACLでは決勝トーナメントで2得点をマークしている。

――ACLの決勝セカンドレグは、敵地で異様な雰囲気を感じましたか?

「やっぱり特別な雰囲気ではありましたよね。10万人近い観衆のなかでプレーするわけだから。ああいうのはあまり経験できるものでもないし。プレッシャーを感じることはなかったけれど、いつもとは違う空気感はありましたね。そんななかでも平常心でいようと思っていました」

――平常心というのは、鹿島の選手がよく口にする言葉ですね。年齢や経験を重ねて平常心でいることは難しくなくなった?

「そうですね。たとえ、ミスをしても死ぬわけではないからというか、そういう開き直った気持ちになりますね。たしかに批判されたりすることはあるだろうけれど」

――他人の批判よりも、自分で自分を責めるというか、落ち込んだりすることはあるんじゃないですか?

「まあ、それも時間が解決してくれる部分もあるので」

――とはいえ、大きな試合、タイトルが懸かる試合はいろいろ背負うのではないでしょうか?

「性格というか、人間のタイプだと思うんですが、僕はそういう試合のほうが楽しいなと思えます」

――そういう意味では、ACLのタイトル獲得が決まる試合というのは、スタジアムの雰囲気も含めて楽しかったのでしょうか。

「クラブとして初めてのタイトルというのもありますし、今年は、ACLでもゴールを決められたし、自分としては大事な仕事ができたなという実感もあります」

――どれだけ、仕事ができたかは重要なんですね。

「そうですね。2011年のナビスコカップ(現ルヴァンカップ)で優勝したときは、決勝戦で試合に出られなかったから、本心ではまったく喜べなかった。喜んでいるふりはしていたのかもしれないけど。当時は試合に出ないと意味がないと思ってましたから」





――今は違うのですか?

「今は当時とは多少の違いはあると思います。チームが勝ってくれたら嬉しいという感情もあるし、試合に出る出ないは、僕自身が選べるものじゃないから。自分でどうにかできること以外は、しょうがないことだと割り切って考えられるようにもなりましたね」

――たとえ、決勝戦に出られなくともそこに至るまでの過程で、仕事ができていれば、納得できる部分があるのかもしれませんね。西選手はサイドバックというディフェンダーのポジションですから、仕事をしたというのは、無失点ということになるのでしょうか?

「うーーん。難しいところですね。ACL決勝のアウェーとかは、チーム全体でチームのためにという戦いだったので、正直に言えば、若干物足りないような気持ちもあるんです。やっぱり僕は点を獲りたかったなぁと」

――目立ちたい。

「そうなんですよね(笑)」

――今季は大事なゴールを数々決めていますね。

「最近、応援してくれる人たちが増えてきていると感じるんですが、その人たちの力ですね」

――応援に応えたい。

「応えたいというか、普通にプレーしているつもりなのにゴールが入っちゃうみたいな(笑)。その人たちから運気というか、良い気をもらっているんだと思います、真面目な話。別に何かを変えたとか、そういうことはないし、今季も最初のころは試合に出ていないのに、公式戦7得点だから、まったく違う。まあ、本当は10得点、10アシストくらいはしたかったんですけど(笑)」

――内田篤人選手が復帰して、サイドバックではなく、ミッドフィルダーでの起用が増えるかもしれないという話もありましたが。

「そうですね。僕はそのつもりでした。だから、中盤というか、前線でのプレーを意識しているところはあるかもしれません」

――鹿島へ移籍するまでは登録ポジションはミッドフィルダーでしたが、そもそもサイドバックでプレーするきっかけというのは?

「札幌での最後のシーズンに、サイドバックもやってみるかという感じで、サイドバックでプレーしたことで、中盤と両方できるというところで新潟に移籍したんです。だから、やっぱり気持ち的には自分は中盤の選手というのがありますね。うん。絶対前のほうが楽しいですよ。たくさんボールに触れるし」

――しかし、鹿島ではサイドバックひと筋というイメージも強い。

「そうですね。でも、確かにサイドバックとして鹿島でプレーすることで、日々成長できているという実感は今もあるので、それを否定しているわけではないんです。ただ、ここからさらに前や上へ行きたいと考えているし、そのためにも、中盤でプレーしたいという欲は消えないです」

――鹿島のサイドバックは歴代日本代表を経験している選手ばかり。鹿島へ加入したときはそういうこともモチベーションになったのではないでしょうか?

「僕がサッカーをプレーするうえで大事にしているというか、モチベーションになるのは、自分が成長できるかということなんです。成長するために移籍をしたし、毎日練習をしています。だから、鹿島で経験を積んで、そこからさらにステップアップしたいと考えていました。8シーズン在籍したわけですが、数多くタイトルを手にすることもできました。それは自分のキャリアにとっても大きな影響を与えてくれていると思います。今のところは自分のなかではすべていい方へ行っている。それでも、何が正解かなんてわからない。他のクラブでプレーしている自分と今の自分は比べられないから」

(つづく)


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◆【Jリーグ開幕25周年~Vol.11】あきらめの悪い奴らに祝福を!(ベースボールマガジン)






 Jリーグの開幕25周年を記念して、開幕から取材してきた記者がその歩みを振り返っていくこのコラム。11回目となる今回は、最多タイトルを獲得している鹿島アントラーズがテーマだ。アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)を見事に制して20冠に到達した「常勝軍団」。彼らを支えるジーコイズムとは何なのか。そのしっぽだけでもつかんでみたい。


文◎平澤大輔(元サッカーマガジン編集長) 写真◎J.LEAGUE PHOTOS


リビング・レジェンド

 オブラディ! オブラダ!

 鹿島アントラーズがACLを制して、クラブとして20個めのタイトルを獲得した。本当におめでとうございます。サポーターの皆さんの勝利の歌『オブラディ・オブラダ』を、許されることなら一緒に歌いたい気分だ。

 2018年11月10日。イランはテヘランのアザディスタジアム。そのメインスタンドで、最初に優勝カップを掲げたのは小笠原満男だった。続けて、曽ヶ端準。ともに1979年生まれ、98年に鹿島に加わって数々のタイトルを手にしてきた「リビング・レジェンド」(生ける伝説)である。

 今季、出番を減らしている2人のベテランは、この決勝第2戦でもピッチに立っていない。ベンチには入っていたが、有事に備えながら仲間を鼓舞する役割を全うして終わった。それでもなお、キャプテンマークをつけた昌子源や遠藤康らに促されるようにして小笠原が仲間の中央に引っ張り出され、優勝カップを渡されると、照れくさそうに、でも誇らしげに右手を上げてゴール裏のサポーターに合図をしてから、一つかがみ込んだあとに両手で高々と天に盃を突き上げた。

 その瞬間、見ているこちらの胸にこみ上げてくるものがあって、それがしばらく止まらなかったことを、正直に告白しておく。

 理由は二つある。私が2000年から03年まで、そして05年に鹿島の担当記者であり、ちょうど小笠原や曽ヶ端らの勇躍する姿をつぶさに観察し、誌面で紹介することができた、という個人的な事情が一つ。
 もう一つは、「ジーコイズム」と呼ばれるものの果実が、あの表彰台にたわわに実っていたと感じたからだ。


負けないからつまらない


 鹿島がこの25年間、途切らせることなく次代へと紡ぎ続けてきた「ジーコイズム」とはなんだろう。人によって解釈は異なるかもしれない。ただ間違いなく言えるのは、勝つことである。それも、徹底して勝つことである。

 タイトル歴を見ておこう。Jリーグでは8回、チャンピオンになった。1996、98、00、01、07、08、09、16年だ(ちなみにステージ優勝は6回で、93前期、97前期、98後期、00後期、01後期、16前期)。リーグカップで6回、97、00、02、11、12、15年に頂点に立った。そして天皇杯で凱歌をあげたのは97、00、07、10、16年の5回だ。ここに18年のACLを加えて20冠となるのだが、ほかにもゼロックススーパーカップ7回(97、98、99、02、09、10、17)、A3選手権1回(03)、スルガ銀行チャンピオンシップ2回(12、13)がある。

 中でも00年は思い出深い年だ。ジーコのブラジル代表での僚友であるトニーニョ・セレーゾが監督に就任すると、リーグ、リーグカップ、天皇杯の3大タイトルすべてで優勝したのだ。Jリーグ発足以来、シーズン三冠を達成した初めてのクラブとなった。

 確かに盤石だった。高桑大二朗が守護神としてそびえ、名良橋晃、秋田豊、ファビアーノ、相馬直樹の4バックは高度の機能美を有していた。熊谷浩二と中田浩二のボランチがあふれる運動量と守備の感性で相手の侵入を許さず、その前のエリアでは、円熟のビスマルクと新進気鋭の小笠原満男が持ち前の技術で敵陣の穴を突き刺し続けた。00年のシドニー・オリンピックでも重要な役割を担った柳沢敦と平瀬智行の2トップコンビが前線をかき回した。ベテランのボランチ本田泰人、天才的なドリブルを持つスーパーサブのMF本山雅志、帰ってきた熱きFW鈴木隆行、徐々に出番を増やしてきた曽ヶ端準らの控えメンバーも充実していた。

 まずはリーグカップ(ヤマザキナビスコカップ)。11月4日の決勝では、初タイトルを狙って意気込む川崎フロンターレを中田とビスマルクのゴールでいなして2-0の勝利、この年最初のタイトルを獲得する。

 リーグ戦では8位に終わった失意のファーストステージから逆襲、セカンドステージで15試合を10勝4分け1敗で制した。4点差勝利が1試合、3点差勝利が2試合、2点差勝利が2試合で、残りの5試合、つまり勝利のうち50パーセントがシビアな1点差勝利だったのは鹿島らしい。横浜F・マリノスとのチャンピオンシップでは、第1戦の0-0のあとの第2戦(12月9日)で鈴木、名良橋、中田による3発で3-0の完勝、3度目の日本一の高みに立った。

 締めくくりの天皇杯では、2001年1月1日の決勝で清水エスパルスと対戦。小笠原と鈴木のゴールで2度、リードを奪いながら追いつかれる展開で2-2のまま延長戦に突入したが、小笠原のスーパーボレーシュートによるVゴールで3冠を達成した。

 この頃、編集部ではよく「鹿島は負けないからつまらない」と言いがかり(?)をつけられたものだ。


イタリアとブラジル


 そんな嫉妬ややっかみをも引き出す「ジーコイズム」は、選手の側から見ればどんなものだっただろう。00年当時の誌面や取材ノートを改めて見返すと、ヒントが山のようにあふれ出てきた。

 例えば、無尽蔵に走り続けた中盤のボールハンター、熊谷はこんな風に言い切っている。

「イタリア的ですね。やり過ぎなくらい」

 三冠チームが武器としていた堅守と速攻をそう評した。監督のトニーニョ・セレーゾは現役時代を長くイタリアの名門ローマ、サンプドリアで過ごしている。その影響だろう。

 例えば、左サイドバックとして日本代表でも活躍を続けた名手、相馬はこう言う。

「ブラジル風ですね」

 少ない人数でも楽しみながら相手の逆をとり、あふれる想像力でゴールを仕留めていく。そんな華麗な攻撃陣、小笠原、ビスマルク、平瀬、柳沢らへの賛辞を惜しまない。

 イタリア的でありブラジル風でもあり、日本の選手が戦う。短絡的かもしれないが、その渾然一体から良質の部分が絞り出された濃厚な思想が、「鹿島におけるジーコイズム」なのかもしれない。

 余談だが、サポーターが勝利を祝って歌う『オブラディオブラダ』は、言わずと知れたビートルズの曲。リバプール出身のビートルズが歌った唯一のレゲエ調の曲として知られており、こちらはイギリスと中南米のミックス。こじつけだが、さらに国際色が豊かになる。


壁の端から2番目の頭


 思想がいくら高尚でも、実体が伴わないと信頼が置けない。鹿島の場合、それが「技術」なのだと確信できたエピソードを思い出す。

 プロになったばかりの小笠原、本山、中田たちが全体練習後にフリーキックの練習をしていた。黄金ルーキーと呼ばれた彼らでも、壁を越してボールをゴールに送り込むのは数えるほどだった。

 その様子をしばらく遠くで見守っていたジーコが彼らに近寄ると、一言だけアドバイスを残した。

「壁の端から2人目の頭の上を狙ってみなさい」

 すると、どうだろう。まるで魔法にかかったかのように、次から次へとボールがゴールに吸い込まれていくようになったのだという。

 住友金属で監督も務め、当時は広報だった野見山篤さんから聞いた話なのだが(野見山さんもびっくりしたようで、目を丸くして興奮気味に話してくれた)、その成果は多くの人が目撃している。

 01年のJリーグチャンピオンシップ。ジュビロ磐田と激突したこの頂上決戦で、初戦の2-2のドローを受けて迎えた第2戦は決着がつかず延長戦に入っていた。100分、ゴールやや左で鹿島がフリーキックを得た。蹴るのは小笠原。右足で丁寧に送り出したボールはまさに壁の右から2人目、鈴木秀人の頭の横を抜けてゴール右に飛び込んでいったのだ。このVゴールで鹿島はJリーグ連覇を成し遂げた。

 ジーコは理論より感情の人で、緻密な戦術を積み上げることよりも選手の心を揺さぶるタイプだという見方は強い。でも、このエピソードを思い出すたびに思うのは、ジーコはただ「戦え」と口角泡を飛ばしていたのではなく、「しっかりとした技術を身につけて、その技術を最大限に生かすために頭を使って戦え」と教えていたのだと気づくのだ。

 アザディスタジアムのスタンドで弾ける笑顔を見て、そんなことを思っていた。

 変えてはいけない部分は決して変えない。でも、変えてはいけない部分がどこにあるのかを見極めるのが一番難しい。

 25年が経過してもその点において判断を間違わず、苦境から逃げず、信じて続けてきたという事実が、このACL優勝を、そしてもちろん、鹿島アントラーズというクラブそのものの価値を高めているのだと思う。

 ところで、20冠を手にしたばかりだというのに、このチームはその後のリーグ戦で勝ち続け、天皇杯でも勝ち上がっている。勝てば勝つほど、勝利に貪欲になる。なぜなら、それがジーコイズムだから。

 まったく、あきらめの悪い奴らだ。










◆川崎FがC大阪山村獲り動く 移籍か残留の2択(ニッカン)



山村和也 Kazuya.Yamamura


川崎フロンターレがセレッソ大阪のMF山村和也(29)の獲得に動いていることが1日、分かった。浦和レッズ、ヴィッセル神戸も含め複数クラブの争奪戦でC大阪も慰留に努めている。

複数の関係者によると、この日までに浦和、神戸には断りの連絡を入れ、川崎F移籍か残留かの2択になったという。万能型MF獲得となれば来季、ACLと複数のタイトルを目指す川崎Fにとって大きな補強になりそうだ。




◆川崎FがC大阪山村獲り動く 移籍か残留の2択(ニッカン)





◆大迫、高い打点から同点ヘッドで今季3点目も…バイエルンに逆転負け(ゲキサカ)









[12.1 ブンデスリーガ第13節 ブレーメン1-2バイエルン]

 ブンデスリーガ第13節2日目が1日に開催され、FW大迫勇也が所属するブレーメンはホームでバイエルンと対戦し、1-2で敗れた。大迫は3試合ぶりに先発し、左ウイングの位置でプレー。前半33分に同点ゴールを挙げ、フル出場した。

 先手を取ったのはバイエルンだった。前半20分、DFヨシュア・キミッヒのフィードに反応したMFセルジュ・ニャブリが右足ボレー。GKが至近距離でセーブしたが、こぼれ球を自ら押し込んだ。ニャブリはオフサイドぎりぎりの位置だったが、VAR判定の末にゴールが認められた。

 先制を許したブレーメンだったが、大迫が試合を振り出しに戻した。前半33分、FWマックス・クルーゼが左サイドからクロスを入れると、大迫が高い打点から強烈なヘディングシュート。これがGKマヌエル・ノイアーの体に当たってゴールマウスに吸い込まれ、今季3得点目を記録した。

 1-1で前半を折り返すと、後半6分、MFトーマス・ミュラーがPA内右を縦に仕掛けてクロスを供給。相手がクリアを試みたボールがニャブリに当たってゴールラインを割り、バイエルンが勝ち越しに成功した。

 ブレーメンは後半アディショナルタイムにDFニクラス・モイサンデルが2枚目の警告で退場。そのまま1-2で敗れ、5試合未勝利(1分4敗)。バイエルンはCLグループリーグ突破の勢いに乗り、リーグ戦4試合ぶりの勝利を挙げた。




◆大迫、高い打点から同点ヘッドで今季3点目も…バイエルンに逆転負け(ゲキサカ)





◆カシマスタジアムまで都内から30分で移動可能に!?鹿島がヘリ送迎の“VIPツアー”販売へ(スポニチ)






 鹿島が、来季開幕からヘリコプターによる送迎付きの観戦ツアーチケットを売り出す。J1最終節鳥栖戦が行われた1日に試験飛行を行い、スポンサーのメルカリ社・小泉文明社長を乗せたヘリコプターが東京・新木場の発着場から約25分でカシマスタジアムに到着した。
 クラブの最大のネックが首都圏からの交通アクセス。バスでは東京駅から直通でも1時間半以上かかるが、ヘリコプターなら約30分間で到着できる。ネックを解消し、VIPルームで食事を楽しみながら観戦できるプランを考案した。

 宿泊とゴルフをセットにした商品もあり、価格は1機当たり50万円から150万円(3人乗りと6人乗り)で調整中。試合前に停泊中のヘリコプターを使用し、スタジアム上空を遊覧できる、より安価なプランも検討している。

 搭乗したメルカリ社の小泉社長は「普段なかなか見ない上からの光景を見られるので、かなり満足度が高い」と話した。カシマスタジアムは海に近く、上空からの景観が美しい。「田んぼと川の自然の景色の中に、急に白いUFOみたいなものがボーンと出てくるという印象。それが近づいてくるのは、結構テンションが上がりますね」と笑顔を浮かべた。

 株式会社DHCと事業提携。クラブの担当者は「かけがえのない体験ができて、まさにプライスレス。予約待ちぐらいの状態にしたい」と話す。スタジアム駐車場内に整備したヘリポートの活用方法は様々で、今後はドクターヘリや防災ヘリの発着、試合やイベント時の空撮演出などにも対応していく予定だ。




◆カシマスタジアムまで都内から30分で移動可能に!?鹿島がヘリ送迎の“VIPツアー”販売へ(スポニチ)





◆【鹿島】ヘリで都心からVIPルームサッカー観戦いかが? 宿泊&ゴルフ付きセットプランも(報知)






 鹿島が来季から、ヘリコプターによる送迎付きの豪華な観戦ツアーを販売する。1日の鳥栖戦で試験飛行が行われ、東京・新木場から25分ほどで茨城県鹿嶋市のカシマスタジアムに到着した。

 クラブにとって最大のネックが首都圏からの交通アクセス。これを解消し、VIPルームでゆったりと楽しめる観戦プランを考案した。宿泊とゴルフをセットにした商品もあり、価格は1機当たり50万円から150万円(3人乗りもしくは6人乗り)で調整している。




◆【鹿島】ヘリで都心からVIPルームサッカー観戦いかが? 宿泊&ゴルフ付きセットプランも(報知)





◆「正直、顔がちっちゃくて…」昌子源、トーレスの“強さ”を振り返る(ゲキサカ)






[12.1 J1第34節 鹿島0-0鳥栖 カシマ]

「今までの選手と違うな……って」——。鹿島アントラーズDF昌子源はサガン鳥栖FWフェルナンド・トーレスとのマッチアップの最中に、そのようなことを考えていたという。無得点に抑えてW杯選手としての意地を見せたが、世界的ストライカーとの対決は大きな刺激になったようだ。

「正直に言うと、顔がちっちゃくて、ガッチリしてる感は感じなかった。全盛期のプレーをそんなに知っているというわけじゃないけど、スピードがあるというイメージだったし」。試合前の段階ではF・トーレスの特長をそう分析していたという昌子。だが、その先入観は開始直後に覆された。

「最初のプレーでアプローチに行った時に、強くて、これちょっとヤバイなと思った。あとクサビのボールがずっと見えなかったんですよ」。パスコースにどっしりと構えるF・トーレスを押し返せずにいると、そのままボールへの視野を塞がれ、普段どおりの対応ができないことに気付いた。

 そして試合序盤、縦パスを受けるF・トーレスに身体を寄せた昌子は簡単に反転を許してしまう。「バッて身体をぶつけられて、一瞬でスペースができたんですよ。で、クルって前を向いて、ドリブルを仕掛けてきて。くっついたらこうなるんだなと思った」。

 もっとも、そこで昌子も対策を試みる。「わざとまずはトラップさせて、距離を置いて、そこで前を向いた瞬間に行こうとか、いろんなトライをした」。その後はチーム全体の距離感が良くなったこともあり、序盤の劣勢からは徐々に回復。対応で後れを取るような場面はほどんどなかった。

 一方、徐々にF・トーレスの役目はチャンスメイクに移り、「もっとボックス内の勝負を楽しみたかったかなというのが正直なところ」と本音をのぞかせた昌子。それでも「トーレス選手も歳が…って言われてますし、スピードも全盛期に比べたら落ちているのかもしれないですけど、身体を当ててくるタイミングとかすごいと感じた。本当に楽しかった」と個人的には充実したシーズン最終節となったようだ。

(取材・文 竹内達也)




◆「正直、顔がちっちゃくて…」昌子源、トーレスの“強さ”を振り返る(ゲキサカ)





◆相対して初めてわかる凄み…F・トーレスとのマッチアップに昌子源 「あ、これちょっとヤバいなと」(GOAL)



昌子源 Gen.Shoji


明治安田生命J1リーグ最終節が1日に開催された。鹿島アントラーズはサガン鳥栖と県立カシマサッカースタジアムで対戦し、0-0の引き分けに終わった。試合後、鹿島の日本代表DF昌子源がコメントを残している。

AFCチャンピオンズリーグ出場権を争う鹿島と、残留に向けて気が抜けない鳥栖の対戦。試合は、ゴールレスドローで終了し、両者が最低限の目的を達成した。

試合後、鳥栖戦を振り返った昌子は「難しい試合になりました。最初は鳥栖さんの勢いっていうのもありましたし、自分たちのサッカーが思う通りにいかなかった。途中から、なんとなく鳥栖さんが0-0を狙ってる雰囲気もありました。それでちょっとまた難しい展開になってしまったかな」と、それぞれ大事なものが懸かる中で生み出された独特の緊迫感を口にした。

この試合では、フェルナンド・トーレスと相対した昌子。経験豊富な元スペイン代表FWの印象については、「正直、顔が小さいし、そんなガッチリしている印象はなかったんですが、ファーストプレーで後ろからアプローチに行った時に強くて、『これ、ちょっとヤバいな』と思いましたね。くさびのボールがずっと見えなかった。『あ、これちょっと違うな』という感じを2回目ぐらいのコンタクトで気づきました。そこから自分も、わざとトラップさせたりとか、(間合いなど)工夫を考えました」と語り、競り合って初めてわかる圧力があったと強調した。

そんな中でも、「もちろん全盛期に比べたらスピードとか落ちてるかもしれないですけど、ああいう体を当ててくるタイミングとかは、やっぱりすごかった。本当に楽しかった」と。強敵相手との好勝負を楽しんだ様子だった昌子。「優勝逃したことも、もちろん悔しいですし、今日勝てなかったっていうのが僕の中では一番悔しかった」と語る男は、「次、浦和戦もすぐにホームでの試合が来る。実質次が最後のホーム最終戦。本気で21冠を取ろうとしてるのかっていうところに、自分たちにもう一度問いかけるべき」と5日に同会場で行われる天皇杯準決勝の浦和レッズ戦に向けて気を引き締めていた。




◆相対して初めてわかる凄み…F・トーレスとのマッチアップに昌子源 「あ、これちょっとヤバいなと」(GOAL)


◆鹿島ACL切符もサポからブーイング/鹿-鳥34節(ニッカン)






<明治安田生命J1:鹿島0-0鳥栖>◇最終節◇1日◇カシマ

来期アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)出場をかけた鹿島アントラーズとJ1残留をかけたサガン鳥栖の一戦はスコアレスドローに終わり、鹿島はACL出場権を獲得し、鳥栖はJ1残留を決めた。

序盤は残留のかかる鳥栖が攻勢をかけた。何度か惜しい場面を作ったが、次第に鹿島がペースを握る。DF西、MF遠藤ら右サイドを起点にチャンスメークしたが、FW鈴木が鳥栖DF高橋の徹底マークを受け自由に仕事ができず、決め手に欠いた。

引き分けでも残留が決まる鳥栖は終盤コーナーでボールをキープし時間を使い、そのまま試合終了。残留を決めた鳥栖サポーターが拍手で選手をねぎらった一方、鹿島の選手には、サポーターからブーイングが浴びせられた。




◆鹿島ACL切符もサポからブーイング/鹿-鳥34節(ニッカン)





◆鹿島3位、ACL出場権 最終節ドロー(茨城新聞)






明治安田J1最終節の鹿島は1日、県立カシマサッカースタジアムで鳥栖と0-0で引き分けた。通算成績16勝8分け10敗で勝ち点を56に伸ばし、順位は3位のまま。来季のアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)出場権を得た。 

鹿島はサイド攻撃やセットプレーから相手ゴールに迫るも、人数をかけて守る相手を崩し切れなかった。 次戦の天皇杯準決勝は5日、同会場で浦和と対戦する。試合後のセレモニーで大岩監督は「浦和戦は皆さんと一緒に戦って勝利し、決勝に進んで必ずタイトルを取りたい」とサポーターに向けて誓った。(岡田恭平)

■鹿島・大岩監督 勝利で終わりたかった

今日は勝利で終わりたかった。その一言。前半からの戦い方が自分たちが思ったような戦い方じゃなかった。相手に合わせてしまった。

■鹿島・安西 崩すのが難しかった

鳥栖は全員で守ってくるチームだった。崩すのが非常に難しかった。後ろをコンパクトにしていたのでやりづらかった。

■鹿島・山本 最後まで決められず

鳥栖は点を取られないような戦い方をしてきた。最後のところで決められずに引き分けてしまった。

▽カシマ(観衆31,619人)
鹿島 16勝10敗8分け(56) 0-0 鳥栖 10勝13敗11分け(41)
0-0
0-0




◆鹿島3位、ACL出場権 最終節ドロー(茨城新聞)





◆2018明治安田生命J1リーグ 第34節(オフィシャル)



小笠原満男 Mitsuo.Ogasawara


2018年12月01日(土) 14:03キックオフ 県立カシマサッカースタジアム

【入場者数】31,619人 【天候】晴、弱風、 気温15.9度、 湿度49.0% 【ピッチ】全面良芝、乾燥

【主審】佐藤 隆治 【副審】山内 宏志 【副審】五十嵐 泰之 【第4の審判員】高山 啓義

J1第34節 vs鳥栖

聖地での最終節、失意のスコアレス。鹿島が鳥栖とドロー、リーグ3位でフィニッシュ。

リーグ戦を締めくくるホームゲームは、不甲斐なきドローに終わった。J1第34節、サガン鳥栖戦。1ヶ月ぶりに帰還したカシマスタジアム、3万超の背番号12が駆け付けた最終節で、鹿島は得点を奪うことができなかった。閉塞感の漂う90分を経て、ブーイングが鳴り響く。0-0。今季のJ1は3位でのフィニッシュとなった。

11月10日、テヘランでの死闘を乗り越えてアジアの頂へと上り詰めた鹿島は、つかの間の充電期間を得た。国際Aマッチウィークに伴うインターバルを経て、21日に公式戦再開を迎える。天皇杯準々決勝の甲府戦、敵地でのノックアウトマッチは非常に難しい戦いだった。ACL王者として臨んだ初戦、結果は1-0。そして3日後、単調な攻撃からカウンターを受ける場面も少なくなかったが、昌子や犬飼、クォン スンテを中心とした守備陣がしっかりと耐えしのぎ、土居が鋭いミドルシュートを突き刺して90分で決着をつけた。

甲府から鹿嶋へ戻ったチームは、息つく間もなく次なる戦いへ向かった。3日後、J1第33節の相手は仙台。チケット完売のユアスタで、鹿島は再び苦しい戦いを強いられた。それでも堅守を築き上げ、セットプレーから昌子が先制点。後半に入ると体のキレを取り戻し、前傾する仙台の背後を突いて2つのスコアを重ねた。3-0。試合巧者の風格を纏いながら、アジア制覇後のアウェイ連戦で2連勝を果たしてみせた。2戦連続のクリーンシートを誇った犬飼は「チーム全員がいい連動性を持ってプレーできたと思う」と、充実の表情で頷いていた。

次なる戦いは1週間後、聖地に帰還する90分だ。チームは2日間のオフを確保し、火曜日にトレーニングを再開。甲府戦で長期離脱からの復活を遂げたレアンドロ、そして仙台戦で1ヶ月半ぶりにピッチに立った内田の存在も、切磋琢磨の水準をさらなる高みへと導いていく。中村もトレーニングに合流し、日を追うごとに強く揺るぎないものとなっていく一体感に包まれながら、チームは集中力を研ぎ澄ましていった。

「11人だけでは勝てない。シーズンを通して、所属する選手全員がしっかりと戦う中で、数多くの試合を勝ち続けていく。その重要性を身をもって示すことができている」。青空のクラブハウス、前日練習を終えた大岩監督はチーム全体を見渡しながら信頼を語っていた。10月31日のC大阪戦や11月6日の柏戦では、先発を大幅に入れ替えたうえで力強く勝利を掴んでいる。虎視眈々と牙を研ぎ続けた若武者たちの躍動と奮闘が、チームの底力をさらに高めたことは疑いようのない事実だ。





「“目の前の試合に必ず勝つ”という姿をサポーターの皆さんに見せるという義務、使命が我々にはある」。ホーム最終節、勝利を誓った大岩監督は仙台戦から3名の先発変更を施した。センターバックの一角に古巣との対峙に向かうスンヒョンを復帰させ、ボランチに小笠原、そして2列目に安西を起用。その他、ゴールマウスにはスンテが立ちはだかり、最終ラインはスンヒョンとともに西、昌子、山本が並ぶ。ミドルゾーンで小笠原とコンビを組むのは永木、そして攻撃陣は安西のほか、遠藤とセルジーニョ、鈴木が先発。虎視眈々とゴールを狙う。そしてベンチにはGKの曽ケ端、内田、犬飼、土居、レアンドロ、久保田、安部が座る。

11月3日、ACL決勝以来の帰還となったカシマスタジアム。フットボールのある週末が、久しぶりに帰ってきた――。聖地は突き抜けるような青空に恵まれ、アントラーズレッドが続々と足を運んでいった。ウォーミングアップへと姿を現した選手たちへ、大音量のチームコールが注がれる。四方を舞うタオルマフラーがボルテージを高め、そして14時3分、戦いの火蓋が切って落とされた。



コイントスに勝った鳥栖がエンド変更を選択したため、鹿島は前半、ホーム側サポーターズシートへと攻撃を仕掛けることとなった。甲府戦や仙台戦と同様、立ち上がりは守勢を強いられる展開に。開始5分にはペナルティーエリア手前からのFKを直接狙われたが、スンテが的確な反応で弾き出した。百戦錬磨の守護神はシュートブロックの直後にポストに激突してしまったが、力強く立ち上がる。しっかりとクリーンシートを保ち、我慢の時間をしのぎ切った。















鹿島が主導権を握り始めたのは、20分を経過した後だった。永木と小笠原が鋭いプレスをかけ、昌子とスンヒョンも高い位置まで進出してポストプレーに対応。中盤でセカンドボールを確保できるようになると、ボールポゼッション率を高めて敵陣でのプレータイムを伸ばしていった。24分、左サイドから安西がペナルティーエリア右奥へ供給したクロスに鈴木が走り込んだが、ヘディングは枠に飛ばず。続く25分、遠藤が右サイドのゴールライン際から折り返したクロスは相手GKにキャッチされてしまった。









30分を経過しても、鹿島の攻勢が続いた。西と山本の両サイドバックも高い位置を取れるようになり、安西、遠藤との連係から突破を図る。だが、人数をかけて守備を固める鳥栖の攻略には至らず、決定機を作れないまま時計の針が進んでいった。44分にはペナルティーエリア手前で前を向いた小笠原が右足を一閃。しかし、強烈なミドルシュートは枠を越えてしまった。0-0。スコアレスでハーフタイムを迎えることとなった。



「ボックスの深い位置やサイドを効果的に使っていこう」と指揮官が指示を託し、後半45分が始まった。均衡を破るべく攻勢をかけたい鹿島だったが、前半同様、立ち上がりは鳥栖に押し込まれる時間が続いた。両サイド深くまで進出を許し、セットプレーからゴール前へ迫られる場面も少なくなかった。決定機を作られることはなかったが、中盤から前で起点を作れず、我慢の時間が続く。後半最初のチャンスは、キックオフから15分が経過したプレーだった。60分、右サイドからのクロスに反応したセルジーニョがペナルティーエリア内で軌道上に位置を取ると、刹那の判断でボールを浮かせる。右足で放ったシュートはしかし、相手DFにブロックされてしまった。







大岩監督は65分、1枚目の交代カードに土居を指名。背番号8をピッチに送り出し、攻撃陣の活性化を図る。少しずつボールポゼッション率を高めていった鹿島は70分、安西が敵陣左サイドからクロスを供給。鈴木が待っていたが、相手GKにキャッチされた。





0-0のまま、残り20分を切った。鹿島は突破口を見出そうと腐心したが、決定機を作るに至らない。激しいボディコンタクトが繰り返される中、主審の笛でプレーが止まる場面も多く、攻撃のリズムを構築できなかった。大岩監督は82分にレアンドロを投入し、ゴールへの希望を背番号11に託す。





後半最大の決定機は85分、セルジーニョが左サイドのスペースへ展開したプレーが起点となった。フリーで待っていた山本がゴールライン際からクロスを上げると、ファーサイドで待っていた鈴木がヘディングで狙う。しかし、シュートは枠から逸れていった。





指揮官はアディショナルタイムに安部を投入したが、鳥栖の守備を最後まで打ち破ることはできなかった。0-0。リーグ戦を締めくくるホームゲームは、閉塞感に覆われた90分だった。今季のJ1は3位で終了。来季ACLのプレーオフ出場権を手にし、34試合の幕を閉じた。



ホイッスルの直後には怒号が鳴り響き、失意の後に行われたセレモニーでは拍手が聖地を包んだ。アジア制覇の喜び、2つのタイトルを失った悔しさ、残された大会への決意――。師走はまだ始まったばかり、鹿島のシーズンはこれからも続く。次戦は4日後、12月5日に行われるノックアウトマッチ。浦和との天皇杯準決勝だ。舞台は再び、カシマスタジアム。ファイナル進出を懸けた決戦へ、チーム一丸で準備を進めていく。




アディオス!


【この試合のトピックス】
・今季のJ1は16勝8分10敗、勝ち点56の3位で終了。現時点で、来季のACLプレーオフ出場権を獲得した。
・小笠原と安西がリーグ戦2試合ぶりの先発復帰を果たした。
・レアンドロがリーグ戦で2試合連続の途中出場。カシマでの出場は3月31日の第5節札幌戦以来だった。

監督コメント[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:大岩 剛
・前半は全体のプレスバックが良くできていたので後半もこれを続けていくこと。
・マイボールになったとき、一人一人がしっかりとしたポジションをとり、ボックスの深い位置やサイドを効果的に使っていこう。
・後半も一体感をもって戦い、必ず先に1点を取ろう!


サガン鳥栖:金 明輝
・守備の時、クリアー、パスをもっとはっきりさせること。
・内容は悪くないので続けること。
・受け身にならず、最後まで走り続けること。


[試合後]
鹿島アントラーズ:大岩 剛
今日は勝利で終わりたかった、その一言。鳥栖の状況も把握していたが、前半から思ったような戦い方ではなかった。そのなかで、相手に少し合わせてしまったのかもしれない。そこはすごく反省している。

Q.最終的には3位となり来年のACL出場権も確保したが、今シーズンを総括すると?

A.今後も大事なゲームがあるので、総括という感じではないが、序盤はなかなか勢いに乗れなかったという反省点がある。昨年の悔しい思いを、スタッフ、選手とともに払拭したいという強い気持ちで臨んだが、そこが逆にプレッシャーや迷いにつながってしまった。そのあたりのマネジメントに関しては、自分の力の至らなさだと非常に反省している。しかし、W杯の中断期間をうまく利用できたこともあり、後半戦は勝ち続けることで自信をつけることができた。過密日程のなかでのタフさについては、チーム内で「タフな日程に立ち向かっていこう。自分たちがタフになろう」と話してきた。すべての大会を戦いながら勝ち上がっていくなかで、出場機会の少ない若手も含めて自信をつけていった。チーム力が底上げされ、後半戦はチームが大きくなっていった。当然、リーグ戦3位、ルヴァンカップ準決勝敗退といった結果は、このクラブではあってはならないこと。責任は感じている。まだ天皇杯、クラブW杯という大会が残されているので、しっかり選手と一体となって、タイトルに向かって前に進んでいければと思う。

Q.他会場の情報はどういった形で監督に入っていたのか? 選手には伝えていたか?

A.自分のところにはスタッフを通じて、ハーフタイム以降は逐一入っていた。選手には伝えていない。選手に対して、こちらから何かを伝えるということはなかった。


サガン鳥栖:金 明輝
サポーターがカシマまでたくさん来てくれて、本当に後押ししてくれたことが、この結果につながったと思う。内容に関しては、正直、満足できるものではなかった。狙いを持ってやってきた部分がもう少しあったが、蹴り合いになったというか、堅いゲームになってしまった。しかし、そこは致し方ないところ。やはり、アントラーズの圧力というものを感じながら戦っていたので、最低限、残留というノルマを達成できたことはよかったと思う。


選手コメント[試合後]

【山本 脩斗】
1点を取って、勝って終わりたかった。鳥栖のサッカーは映像で把握していた。前半立ち上がりは相手が前からプレッシャーをかけてきたけど、そこを耐えれば相手の動きも落ちてくると思っていた。サイドを使いながら徐々に押し込むことができていた。後半はその回数が多くなると思っていたけど、最後の局面で攻めきれず、引き分けに終わってしまった。

【安西 幸輝】
何回か崩せた場面もあったけど、点を取れていないので何とも言えない。鳥栖は全員で守ってくるチームで、崩すのは非常に難しかった。後ろをコンパクトにしていて、非常にやりにくかった。今日は攻撃陣が1点でも取れれば勝てた試合だった。

【土居 聖真】
大きな展開がなかったし、前にスピード感をもって攻める回数が少なかった。うちのいい時はサイドチェンジをよくできていると思うけど、今日はそれが少なかったと思う。前に入り過ぎている選手が多いので、1列下がってサイドや中で受ける動きを指示されていた。

【昌子 源】
受けに回り過ぎてしまって、なかなかスイッチを入れることができなかった。難しい試合になった。勝ち点3が欲しいタイミングで、取ることができなかったので悔しい。昨年と同じ。より成長した姿を見せたかった。

【チョン スンヒョン】
(フェルナンド トーレス選手は)ゴール前での駆け引きがうまい、ワールドクラスの選手。フィジカルも強かったし、ゴール前での高さを意識してマークしていた。他の日本人FWとは異なるタイプだという印象を受けた。接戦でDFがゴールを取ることができれば、勝利を掴むことができると思う。


◆2018明治安田生命J1リーグ 第34節(オフィシャル)

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