日刊鹿島アントラーズニュース

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2020年9月1日火曜日

◆なぜ鹿島はアパレルブランド『F.D.』を立ち上げたのか? ロゴに秘められた常勝軍団の“夢”とは(REALSPORTS)






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8月11日、シンプルなブランドロゴを基調とした新しいアパレルブランド『F.D.』が誕生した。このアパレルを立ち上げたのはJリーグ最多のタイトル数を誇る強豪クラブ・鹿島アントラーズである。鹿島はなぜアパレル事業という一見スポーツと結びつかない異業種への進出を決めたのか? その背景には、クラブとしての変わらぬビジョンと、メルカリ体制になったことでの相乗効果が加わった意外な理由が見えてきた。


(インタビュー・構成・写真=宇都宮徹壱)


鹿島の新アパレルブランド『F.D.』とは何か 


鹿島アントラーズの新アパレルブランド『F.D.』がリリースされたのは、8月11日の午前10時であった。さっそく、鹿島の小泉文明社長が『F.D.』のTシャツを着た姿を撮影してツイッターにアップ。すると《僕はこのシンプルな感じ好きです!》とか《鹿島のスローガンや意思がいろんな形になっていくのはとてもうれしい》とか《ベビー・キッズ用もあればうれしいです!》といったファンのコメントが続々と寄せられた。

それにしても、実にユニークな試みである。一言でいえば「まったくアントラーズらしくない」、あるいは「サッカーサッカーしてない」。商品はTシャツ各種の他に、ボタンダウンシャツ、トートバック、そしてシャワーサンダル。ホワイトがベースで、Tシャツにはグレーやブラックもある。モノトーンで世界観が統一されていて、鹿島のクラブカラーである赤は皆無。思い切った判断である。

デザインについても、実に意表を突くものであった。鹿の角をあしらったエンブレムや鋭角なコーポレートロゴは一切使用していない。代わりに前面に押し出したのが、四角い枠に囲われた「F.D.」の文字。そのフォントもまた、フラットなFutura(フーツラ)が使用されている。ちなみに「F.D.」とは鹿島が提唱する「Football Dream」の略。2つのドットはボール、四角い枠はピッチの縦横の比率に合わせてある。フットボールらしさを(かろうじて)表現している要素は、これだけだ。

「(反響については)当初の予想から、大きく上回ることも下回ることもなかったですね。われわれの期待値は高いところにありますが、まずは良いスタートを切れたのではないかと思っています。特に女性からの反響や支持が多かったのはうれしかったですね。鹿島アントラーズの新しいチャレンジに、共感していただいている方がいらっしゃることは、SNSでの反応からも見て取ることができます」

そう語るのは、鹿島のマーケティンググループ コンシューマーチーム・マネージャー、春日洋平氏である。その言葉どおり『F.D.』の反響は上々、トートバッグは早々に売り切れてしまった。果たして鹿島はなぜ、クラブカラーやエンブレムやロゴを排した、新しいアパレルブランドを立ち上げたのか。そして『F.D.』の登場はなぜ、これほどの支持を集めたのか。立ち上げに関わった関係者の言葉から、探ってみることにしたい。


きっかけは社内限定で作ったパーカー


周知のとおり鹿島は昨年7月、日本製鉄からメルカリに株式譲渡。新社長にはメルカリの小泉氏が就任した(同社の会長も兼任)。Jリーグ最多のタイトル数を誇る強豪クラブと、躍進著しいIT企業との邂逅(かいこう)。その興味深い化学変化は、ピッチ外でもさまざまな場面で見られた。コロナ禍による中断期間中、投げ銭(ギフティング)や1億円超のクラウドファンディングなど、さまざまな話題を提供していたのもメルカリ体制後の鹿島である。

そんな彼らの次なる一手は何か? 今後も新たなリリースがあると聞いていたので、楽しみにしていたのだが、新アパレルブランド設立というのは予想外だった。果たして、このアイデアはどこから生まれたのか。そこには、意外な伏線があった。実は中断期間中の3月18日、小泉社長は《アントラーズとメルカリがコラボしたジップアップのパーカー作ってみたよ(^^)》という写真入りのツイートをしている。以下、春日氏の証言。

「メルカリには、成功を目的としたチームボンディング(結束)を高めるために、社内の非売品を作る文化があったんですね。それで小泉から、アントラーズとメルカリが結束するためのチームウェアを作りたいということで、あのパーカーが生まれました。企画そのものは去年からスタートしていたんですけど、コロナ禍の影響で海外から完成品が届くのが遅れて、あのタイミングになってしまいました」

完成したパーカーは、ユニフォームのパンツと同じネイビーブルーが基調。胸の右側にメルカリ、左側にアントラーズのコーポレートロゴ、そして左袖にクラブエンブレムが配されている。そしてフード部分には「Football Dream」の文字。確かにロゴやエンブレム、そしてユニフォームを意識したカラーリングが施されているが、のちの『F.D』を彷彿とさせる要素も少なくない。これが、新しいアパレルブランド設立につながったと春日氏。

「小泉のツイートを見て、多くのファンから『これ売ってください!』という反応がありました。それが一つのきっかけではありましたが、もちろんそれだけで事業の方向性を固めるのは危険です。そこで、5月9日の『鹿トーク!』というオンラインファンイベントを通じて、ファンへのアンケートを実施したんですね。その結果、このような普段づかいができるアパレルにも、大きな需要があるんだという結論を得るに至りました」


クラブカラーとエンブレムを排した理由


ここで重要なキーワードが出てきた。「普段づかい」である。どんなに熱狂的なサポーターであっても、レプリカユニフォームを着て出社することはなかなかない。あるいは、ちょっとお洒落な店で会食する時、クラブエンブレムが大きく配されたバッグを持参するのは、やはり抵抗があるだろう。どんなにそのクラブを愛していても、である。コンシューマーチームのリーダーで、長年にわたりグッズ開発に取り組んできた根本謙司氏は、こう指摘する。

「アントラーズの赤は、特に男性ですと日常生活で身につけるのが難しい色ですよね。その一方で、サッカー関連のグッズというのはどうしても男性が中心で、女性には手に取りづらいという課題もありました。『普段づかい』を意識したグッズが、これまでなかったわけではありません。タオルとか、バッグとか、あるいは食器とか。でも、アパレルにまでは手が回っていなかったのが実際のところでした」

もう一つ、クラブが課題感を抱いていたのが、コアファン以外のタッチポイントの少なさ。クラブグッズのオンライン販売としては、Jリーグ公式オンラインストア(JOS)があるが、今回の『F.D』に関してはBASE(ベイス)というECプラットフォームで展開している。その理由については、春日氏に語ってもらおう。

「JOSでお買い物をしていただく場合、まずJリーグIDに登録する必要があります。日常的にスタジアム観戦するお客様なら問題ありませんが、世の中の皆さんがそうではありませんし、いい商品をローンチしてもJOSが生活圏になければ接点などあり得ません。それともう一つ、JOSはJリーグのプラットフォームですので、われわれが自由にページデザインなどの仕様をカスタマイズすることが難しい。そういった事情もあり、BASEで展開することにしました」

ファンへのリサーチで「普段づかいに需要がある」ことが判明してから、BASEで商品を販売するまで、およそ3カ月。責任企業がメルカリになってから「組織の意思決定が速くなった」という話はあちこちで耳にする。だが今回のプロジェクトについては、新しいアパレルブランドを「なぜ立ち上げるのか」「どう展開していくのか」といったコンセプト作りに1カ月を費やした。ロゴデザインや素材の決定にも、気の遠くなるような試行錯誤を繰り返したという。そして8月11日、満を持してのローンチとなった。


「Football Dream」に込められた思い


鹿島からのプレスリリースによれば、商品のターゲットは「20~40歳の男女」で「サッカーに関係なくファッションに興味がある方」。価格帯は「1430円~6600円(税込み)」となっている。実際、購買する年齢層は「特に30代が多い」そうで、居住地については「茨城県と東京都で半数以上を占めている」とのこと。こうした結果も、ほぼ想定内と見てよいだろう。グッズ開発で「普段づかい」に課題を感じていた根本氏は語る。

「白・黒・グレーというのは、確かに普段づかいがしやすい色ですが、クラブのアパレルとして考えると『なんで(赤じゃないの)?』という疑問も出てくると思います。需要はある一方で、バランスもしっかり考慮しなければならない。それとウチの場合、ナイキさんやニューヨーカーさんがパートナーなのですが、これらのブランドと『F.D.』とではターゲット層や価格帯も異なります。パートナー企業とのコラボアイテムやフットボール軸のクラブアパレルにも同じ熱意で向き合いながら、やはり『F.D.』は普段づかいを意識したアイテムを提供していきたいですね」

発売後、「なぜ赤ではない?」とか「エンブレムを使うべき!」といったコアサポーターからの強い反発は、ほとんど届いていないとのこと。これまでクラブが積み重ねてきたアイデンティティをあえて排するという決断は、幸いある程度のコンセンサスを得られているようだ。ならば『F.D.』というブランド名については、どれだけの購入者に理解されているのだろうか。クラブにとっての「Football Dream」について、春日氏はこのように定義づけている。

「アントラーズができたばかりの頃は『地域と共に同じ夢を見る』というものでした。でも今は『アントラーズがあるライフスタイルをどれだけ広く浸透させられるか』だと思っています。アントラーズ、あるいはフットボールが生活の一部にある状況。それが浸透していけば、チケットもグッズも売れるし、試合を見てもらえる機会も増えます。それぞれ単体で売るだけでは、決して実現できないライフスタイル。それを実現するための表現方法のひとつが『F.D.』であると考えます」

過去のタイトル数に甘んじることなく、どのクラブも思いつかないような発想を軽やかに具現化する。それが、ピッチ内にとどまらない、鹿島アントラーズの「強さ」である。そこに、パーカーやTシャツを社長が自ら着て、その写真をSNSにアップするカジュアルさが加わった。以前のインタビューで「大学時代、裏原宿の気に入った服を買い集めて、ネットで売っていたんです」と語っていた小泉社長。この原体験がメルカリのビジネスに、さらには新アパレルブランド設立につながったと考えれば、実に興味深いストーリーである。

<了>


◆なぜ鹿島はアパレルブランド『F.D.』を立ち上げたのか? ロゴに秘められた常勝軍団の“夢”とは(REALSPORTS)


◆鹿島内定DF常本佳吾、内田篤人ら“2番”の系譜を継ぐか 明治大で輝く「二刀流」の才能(FOOTBALLZONE)






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来季鹿島加入が内定しているDF常本佳吾、主戦場は右SBも3バック中央も兼務


 昨夏の総理大臣杯を皮切りに、関東大学リーグ1部、そしてインカレを制し、“三冠王者”の栄光をつかんだ明治大は、今年も大学サッカー界をリードする存在だ。

 チームを率いて6年目を迎える栗田大輔監督は、「個々の強さの追求はもちろん、アグレッシブで、クリエイティブなサッカーをピッチ全体で表現したい」と、進化と変化の歩みを止めるつもりなど毛頭ない。

 さらなる高みを目指す明治大の戦術的テーマは「流動性」だ。試合の流れやスコア、相手の出方によって4-4-2と3-2-3-2のシステムを使い分け、試合の主導権を握りながら勝ちきることを自らに課している。

 その中心的役割を果たすのが、2021年に鹿島アントラーズ入りが内定しているDFの常本佳吾だ。主戦場は右サイドバック(SB)ながら、3バックにシステム変更した際は最終ラインの中央に入り、要所を締める。いわゆる二刀流。複数のポジションを高次元でこなせる対応力が持ち味の一つでもある。

「(後ろが3枚でも4枚でも)どちらもできるように普段のトレーニングから準備しているので、戸惑うことはない。自分だけではなく、チーム全体としても頭の切り替えはスムーズ」と、状況に応じた可変システムに好感触を得ている。

 現在21歳。将来を嘱望されるSBの魅力は、なんといってもスピードだろう。鋭い読みを生かしたインターセプトや幅広いカバーリング、果敢なオーバーラップなど、攻守にわたってその速さが際立っている。

 持ち前のスピードを最大限に生かしつつ、さらに良質なパフォーマンスへと押し上げているのが、サッカーIQの高さにほかならない。「自分にはゲームを読む力がある」と自負するとおり、「今がチャンス、今がピンチ」という時に一気に加速し、周囲の状況に関与していく姿を何度目にしたことか。

 最後尾で明治大のゴールを守るGK早川友基は、戦術的キーパーソンの常本をこう評する。

「4バックでスタートして、流れが良くない時やリードを守りきりたい時、3バックに変更して落ち着かせるのが僕らのゲームプランの一つ。常本が3バックの真ん中に入ると守備がよりアグレッシブになるし、ボールも動かせるので、攻守両面で引き締まる」


横浜FMのアカデミー出身 明治大では長友、室屋らの系譜を継ぐ


 明治大は、これまでに優秀なSBを数多く輩出してきた。日本代表での輝かしいキャリアを持つ長友佑都しかり、先頃ドイツのハノーファーへ移籍した室屋成しかり、そして今年、FC東京でルーキーシーズンを送る中村帆高しかり、だ。

 諸先輩が身につけた伝統の背番号2を受け継ぐ常本は、ジュニア時代から横浜F・マリノスのアカデミーで育ち、U-17日本代表に名を連ねるなど早くから注目されていた逸材でもある。最終的に横浜FMのトップチーム昇格は叶わなかったものの、トレーニングの強度や密度に関して他校を圧倒すると言われる明治大で鍛えられた。

 プロに至るまでの道のりは少し遠回りだったかもしれない。だが、それは飛躍のための大いなる助走でもあったのだろう。「選手としてだけではなく、人としても成長できた」と、明治大での充実した日々を口にしている。

 抜群のスピードとサッカーIQの高さを兼ね備える常本が、大学生活最後の今季をどのように彩り、プロのスタートラインに立つ日まで、どのような成長曲線を描いていくのか。注目せずにはいられない。

(小室 功 / Isao Komuro)


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◆【J1ベストイレブン】4選手が最高評価「7.5」で並ぶ大混戦…MVPは天才的なシュートを決めたアタッカー|13節(サッカーダイジェスト)






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セレッソ大阪の清武弘嗣が最多4回目の選出


 J1リーグは、8月29日、30日に、開催中止となった湘南対鳥栖を除く第13節の8試合が行なわれた。ここでは、その試合からサッカーダイジェストWeb編集部が選定したベストイレブンを紹介していく。

 今節は4選手が、それぞれ圧巻のパフォーマンスで最高評価「7.5」をマークした。

 途中出場ながら文字通りゲームをひっくり返したのが鹿島アントラーズの土居聖真だ。1点ビハインドの89分に、左サイドからのクロスを天才的なアウトサイドのタッチで流し込み同点とすると、アディショナルタイムには右サイドからのクロスを頭で合わせて逆転に成功。繊細なテクニックと気持ちのこもったプレーの両面を発揮。チームを勝利に導いた土居を今節のMVPとした。

 同じく鹿島からは1ゴール・1アシストを記録した三竿健斗も選出。

 最多4回目の選出となったのは、セレッソ大阪の清武弘嗣。抜群のファーストタッチでボールを受け、巧みな駆け引きで迫りくるDFを剥がし、GKの逆を突く冷静なシュートで先制点を奪うと、後半には長距離を持ち上がり単独突破。最後は味方のサポートにも恵まれ2点目をお膳立てするなど1人だけ異次元のリズムで軽やかにプレーした。

 これまでウイングでの起用が多かった川崎フロンターレの旗手怜央はこの日インサイドハーフで先発。持ち前の運動量と抜群のサッカーセンスを披露し、2ゴールを奪う大活躍。以上の4人が今節の最高評価で、ベストイレブンに選出した。

 さらに5-0と清水に完勝した川崎からは神出鬼没の動きで相手をかく乱した登里享平もセレクト。

 今節も無失点だった堅守の名古屋から2選手をチョイス。終了間際のPKを止め、チームを救った守護神のランゲラック。相手の猛攻を弾き返し続けた中谷進之介をチョイス。

 そのほか、2得点・1アシストと結果を残した横浜のマルコス・ジュニオール。投入直後に2得点に絡んだFC東京のアダイウトン。1ゴール・1アシストをマークした浦和の橋岡大樹と、再三のピンチを闘志溢れるブロックで阻止した槙野智章を選んだ。


【今節のベストイレブン】の採点&寸評

GK
1 ランゲラック(名古屋)7●2回目
試合全体を通してゴールをしっかりと死守。終了間際の相手のPKもファインセーブではじき返し、敵地での勝点獲得の立役者となった。

DF
27 橋岡大樹(浦和)6.5●初選出
絶妙クロスでアシストすれば、ヘディングでゴールも奪う。背後のスペースを相手に突かれるシーンが目立ったものの、数字は残した。

4 中谷進之介(名古屋)6.5●2回目
最後まで正しいポジションを取り続けて相手のクロスを跳ね返した。身体を張ってシュートを跳ね返すなど堅守を構築した。

5 槙野智章(浦和)7●2回目
90分間集中を切らすことなく、相手アタッカーから自由を奪い続けた。67分、71分、79分と闘志溢れるブロックでピンチを阻止し、チームを盛り立てた。押されながらも最少失点に抑えられたのは、この男がいたから。

2 登里享平(川崎)7●3回目
敵陣エリア内に侵入した際にトラップが乱れるシーンはあったものの、神出鬼没の動きで相手をかく乱。声でのサポートも的確で、L・ダミアンのゴールは彼の動きがあってこそ。

MF
20 三竿健斗(鹿島)7.5●初選出
71分、ペナルティエリア手前でクリアボールを拾い、ゴール左に見事なミドルシュートを突き刺す。パスで崩しきれないなか、貴重な同点弾だった。後半アディショナルタイムには、正確なクロスで土居の逆転弾をアシスト。MOMの土居と同等レベルの活躍だったと言える勝利の立役者だ。

30 旗手玲央(川崎)7.5●2回目
大卒アタッカーはウイングでのプレーが多いものの、この日はインサイドハーフで抜群のサッカーセンスを披露。相手の裏に走ってボールを引き出したかと思えば、守備でも奮闘。前節(ACLの関係で先立って行なわれた24節の神戸戦)のリーグ初ゴールの勢いそのままに、2ゴールの大活躍!!

10 清武弘嗣(C大阪)7.5●4回目
ポジションに囚われることなくボールに絡み、1人だけ異次元のリズムで軽やかにプレーしていた。

FW
8 土居聖真(鹿島)7.5●初選出
89分には、左サイドからのクロスを天才的なアウトサイドタッチで合わせて同点弾を決める。そして後半アディショナルタイムには、今度は右サイドからのクロスを頭で合わせて逆転ゴール!!途中出場から、短い出場時間でチームを救う2得点を奪ったため、MOMに選んだ。

15 アダイウトン(FC東京)7●2回目
先発の3トップに負けない武器を証明。投入直後に鋭い抜け出しでPKを誘発。駄目押し点も見事だ。

9 マルコス・ジュニオール(横浜)7●2回目
仲川とのカウンターで同点ゴールを挙げ、32分にはPKで逆転弾。さらに仲川のチーム3点目へつながるヒールパスなど文句なしのMOM。

※選手名の左の数字はクラブでの背番号。右は今節の採点。
採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
●は今シーズンのベストイレブン選出回数。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部



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 鹿島アントラーズの歴史を紐解けば、有望な高卒選手が複数加入した1998年がひとつのターニングポイントとなるだろう。

 小笠原満男(大船渡高)を筆頭に、本山雅志(東福岡高)、中田浩二(帝京高)、中村祥朗(奈良育英高)、山口武士(大津高)と高校サッカー界を沸かせたタレントを5人も獲得。さらにユースからGK曽ヶ端準を昇格させた。このうち、中村と山口をのぞく4人が後に主軸となり、黄金時代を形成することとなる。

 あれから22年の月日が流れ、今年の鹿島には当時を想起させるような状況が生まれている。

 染野唯月(尚志高)、松村優太(静岡学園高)、荒木遼太郎(東福岡高)と超高校級の逸材たちを迎え入れ、ユースからはGK山田大樹を引き上げた。将来を見越した先行投資と思われたが、すでにこの4人はいずれもリーグデビューを果たし、十分な戦力として日増しに存在感を高めている。

 その背景には、新型コロナウイルスの影響による過密日程やレギュレーションの変更で、若手を登用しやすい状況があることは間違いないだろう。一方で内田篤人の引退に象徴されるように、今年の鹿島には大きな変革期が訪れていることも確かだ。

 ザーゴ監督を招聘し、他クラブから主力級を複数獲得。いわゆる生え抜きの選手が少なくなったなかで、自前の選手を育て上げることは重要なテーマのひとつとなっている。

 果たして、4人の新人たちはクラブの目論見どおりに成長を遂げ、新たな時代を築き上げることができるのか。その可能性を探るべく、柏レイソルとの一戦に赴いた。

 柏戦には4人のうち、染野がスタメンに名を連ね、荒木はベンチスタート。松村と山田のメンバー入りはならなかった。

 染野のプレーは高校2年生の時に、全国高校選手権で観て以来。優勝を成し遂げた青森山田高を相手に、ハットトリックを達成したあの試合である。

 それまでわずか1失点だった優勝候補から、2年生ストライカーが3得点もぶち込んだインパクトは強烈だった。結局PK戦の末に涙を飲み、3年生の時の選手権ではケガでメンバー外を余儀なくされたが、今年のルーキーの中では最注目選手のひとりである。

 染野はすでに、第2節の川崎フロンターレ戦でデビューしており、続く北海道コンサドーレ札幌戦では先発出場も果たした。第9節のサガン鳥栖戦、第10節のヴィッセル神戸戦ではアシストも記録している。

 ここまでリーグ戦8試合に出場し、先発出場は2試合。ふたつのアシストを決めた一方、ゴールはまだ奪えていない(ルヴァンカップの清水エスパルス戦でプロ初ゴールを記録)。

 2トップの一角として3度目のスタメン出場を果たした染野は、立ち上がりからポテンシャルの高さを感じさせるプレーを披露した。

 開始5分、後方からのフィードに反応しエリア内に走り込むと、そのままダイレクトボレーでゴールを狙う。これは空振りに終わったが、その鋭い動き出しは本格派ストライカーの匂いを存分に醸していた。

 より光ったのは、力強いポストプレーだ。対峙する柏の古賀太陽のチャージをモノともせずに、確実にボールを収めていく。フィジカル面でも十分にプロレベルに達しており、もろさは微塵も感じられなかった。

 さらに35分には、エリア手前で得たFKのキッカーも務めた。このキックは壁に当たって枠を逸れたが、先制の絶好の機会で重要なプレースキッカーを任されるとは、これ以上ない信頼の表れだろう。

 ハイライトは、41分のプレーだ。

 左サイドでボールを受けると、前方のスペースに走った和泉竜司に縦パスを供給し、和泉がキープする間に自らも中央のスペースに走ると、リターンされたボールを左足で強振。鋭いグラウンダーはわずかに右に逸れたが、味方と連動して決定機を生み出したプレーにはセンスのよさと、貪欲なまでのゴールへの執念が感じられた。

 結局、染野は54分に土居聖真と代わってピッチを後にした。リーグ戦初ゴールはまたしてもお預けとなったが、プレー精度や状況判断の質の高さを見るかぎり、その瞬間は早い段階に訪れることになりそうだ。

 染野の交代と入れ替わるように、ピッチに立ったのは荒木だった。

 荒木はこれまでに9試合に出場。第10節のヴィッセル神戸戦では初ゴールも決めている。直近の2試合ではアシストも記録しており、流れを変えるジョーカーとして存在感を高めている。

 ファン・アラーノに代わって右サイドに入った荒木だったが、この日のプレーは消極的に映った。動き自体にはキレがあったが、仕掛けられる場面でも味方に預けるプレーを選択するなど、ガムシャラさに欠けた。

 相手が退場者を出して数的優位の状況のなか、ボールを大事にする姿勢が強すぎたのかもしれない。あるいは持ち前の視野の広さが、逆にプレーの選択を難しくしてしまったのかもしれない。

 守備の局面では激しく相手にプレスを仕掛けたが、大谷秀和に軽くあしらわれるなど、フィジカル面でのもろさも見られた。とはいえ、均衡を打破するべく土居とともに交代の最初のカードに切られたのは、指揮官の期待の表れだろう。まだあどけなさの残る18歳である。パフォーマンスに波があるのは当然だ。この1試合だけでわかったようことを書くのは、やめておこう。

 この日出番のなかった松村は、リーグ戦2試合に途中出場したのみにとどまっているが、ルヴァンカップではゴールを記録。山田はリーグ戦2試合にフル出場している。いずれの選手も順調なスタートを切ったと言えるだろう。もっとも今季は、他クラブでも高卒1年目の選手が主力となっているケースが少なくないだけに、彼らとしては当然満足していないはずだ。

 大きな期待をかけられながらも伸び悩み、消えていく選手はプロの世界では珍しくない。4人のルーキーズはその重圧をはねのけ、新生アントラーズの象徴となれるだろうか。


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