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2013年11月18日月曜日
◆11/17A代表練習後の選手コメント(ゲキサカ)
http://web.gekisaka.jp/407291_128529_fl
オランダ戦(2-2)から一夜明けた17日、日本代表はベルギーのゲンク市内で練習を行った。MF遠藤保仁、DF長友佑都は足に張りがあるため宿舎で調整。FW香川真司とMF山口螢はトレーナーとともに別メニューで調整した。
以下、練習後の選手コメント
●FW香川真司(マンチェスター・U)
―昨夜は?
「いろいろ試合を振り返った。勝ち切りたかった。前半はベンチだったけど、失点が早い時間帯で、ミスからの失点だった。そして、前半の終盤に決められた。厳しいかなと思う試合展開で1点を返して、後半に行くという強いエネルギーを感じる得点だった。0-2になっても諦めずにやったことが良かった」
―特に2点目はやりたいことができたのでは?
「2点目のシーンも帰ってから見たけど、サイドバックとサイドハーフがうまく連係してやれた。目指している形だった」
―ベルギーの印象は?
「コロンビア戦を見たが、かなりフィジカルの強い選手が多いので、僕たちが苦手意識を持っているタイプだと思う。高い位置からプレスをかけ続けていかないとラインが下がってしまうので、しっかりかけていきたい」
―昨日の後半は人数をかけた攻撃ができていたが?
「後半はみんなが前からプレスをかけていけた。こういう戦いを継続してやっていかなければいけない。日本代表はこういう試合をしたあとに良くないことがあるので、選手が一人ひとり気持ちを入れ直して、やることをしっかりやっていきたい」
―別メニューだったが?
「足の打撲だけなので、そんな大きくないです」
―どんな試合にしたい?
「後半、僕たちがやることをチームとしてハッキリさせたからこそ、内容が良かったのだと思う。それを前後半通して、より高い精度を持ってやるのが理想だけど、90分を通してやるにはまだチームとして完成度は高くない。それを60分でも70分でも、自分たちの時間帯を増やして、トータルとして戦えるようにしないといけない」
―左サイドから中央に寄ってプレーすることが多かったようだが?
「昨日に関しては、相手の中盤で前半は主導権を握られていた。後半は自分たちがうまくコントロールしたいという思いがあった。どんどんボールに絡むことが自分たちには大きいのかなと思った。うまく試合の流れでスペースを見つけていければと思っていた」
―チーム全体の勢いがついてきたのでは?
「こういう戦いを継続する力が僕たちには必要。1試合できたからと言って、次の試合がよくなければ意味がない。W杯も見据えながら、次の試合でまた良い戦いができるように、頭をスイッチして、できることを個人個人がしっかりと整理して試合に入らないと良いゲームはできないと思う」
●FW大迫勇也(鹿島)
―ベルギーの印象は?
「身体能力が高いし、一人ひとりがしっかりしている。この前の試合以上の戦いをしないといけない」
―ベルギーの最終ラインは高そうだが?
「ラインが高くなれば自然と裏が空くし、裏を狙えば足元にも入る。オランダ戦は流動的な攻撃ができていたし、もっとゴール前の質を高めて、コンビネーションを高めていければ」
―オランダ戦は個人的なアピールにもなった?
「チームが勝つためにプレーすることが一番大事。勝つチャンスがあったし、僕自身にもチャンスがあったので」
●FW岡崎慎司(マインツ)
―オランダ戦はチームとして裏を狙う意識があったが?
「クラブで1トップをやっていて、自分が生きるのは裏だし、チームに必要なのも裏。そこは一致する部分があって、セルビア戦、ベラルーシ戦とやって、今まで引いてプレーするところを相手のSBと同じラインに残るようにして、裏を狙うことを常に意識した。SBに自分がいることを意識させられたと思うし、そこでの駆け引きが相手のプレッシャーにもなっていた。自分じゃなかったら違うやり方もあると思うけど、ああいうのが俺も好きだし、うまくいった部分だった」
―チームメイトに要求した?
「結構言いましたね。試合前に(吉田)麻也とか(山口)螢にも言ったし、今まで麻也が困っていたら俺も下がっていたんだけど、試合中にも『俺がSBと並行にいても出してほしい』と。みんなは『並行にいると出していいか迷う』ということだったけど、五分五分のボールならおさめられることもあるし、ヤットさん(遠藤)にも『並行にいたら裏を狙ってほしい』とは話した。そこの勝負をずっとしていた」
●MF本田圭佑(CSKAモスクワ)
「ポイントになるのは中2日ということ。(14日のコロンビア戦から中4日の)ベルギーは僕らより長い。W杯でもこういうことはあるし、そこで僕的にも問題が出てくるかもしれない。そこを試合で臨機応変にやれるか。メンバーが代わって、先発か分からないけど、課題は2失点したこと。大事な試合で先制されているイメージがある。ここを乗り越えないと厳しい。本番で2失点しているようでは追いつけない。昨日はたまたま前半に(1点を返すゴールが)入ったからよかったけど、2失点したら厳しい」
―次はアウェーの雰囲気になるが?
「やっている人間にしか分からない。監督も言っているけど、こういう試合では内容が大事。ただ、その言い方は適切ではないかもしれないし、両方が大事。本番で結果を出すためには貴重な1試合。結局は個が大事」
―個という点ではベルギーはオランダ以上?
「個はありますね。学ぶところはたくさんある。そこでどれだけ通用するかは見ものだと思う。(ベルギーは)つないでくるか分からないし、高さのある選手が前にいて、そこで落としたところから攻撃がスタートするなら、また違った課題が出るかもしれない。日本が前がかりになれば、後ろは同数になるかもしれない。そういうイメージはあるし、後ろの選手は僕らよりイメージしてほしい。前の選手はカウンターに備えるぐらいしかできない。昨日の後半はプレッシャーがかかっていた時間もあったけど、前半はかかっていない時間もあった。セルビア戦、ベラルーシ戦もいい時間はあった。悪い時間、向こうのリズムの時間で失点してしまうところがある。昨日もファン・デル・ファールトが胸トラップした瞬間、やられる雰囲気があった。やられる雰囲気でやられるチームは負けるチーム。そこは慣れ。慣れたくても、例えばJリーグでプレーしている選手もいる。やれることはイメージするしかない。この2試合でどう感じて、どうJリーグで還元していくか。日本人を止めて満足していてはいけない。プラスアルファの何か。課題を持ってステップアップしていく必要がある」
―オランダから2点取ったことは?
「それだけだったら厳しい。オランダはそこまで後ろに迫力のあるDFがいなかった。だから2、3本パスがつながったらチャンスになった。ブラジルのダビド・ルイスやチアゴ・シウバは個で止めてしまう。それまでのいいパスワークを無にするような個。そういう意味でブラジルは戦術があるようで、ない。そこは個人戦術の部分。最後で止めてしまえばいいというところが強豪国にはある。そこをイメージしてつながないといけない。昨日もヤットさん(遠藤)が入って、短いパスと長いパスを使い分けられたけど、そこの精度だと思う」
―ベルギー相手に通用するか?
「やってみないと分からない。こんな感じかなというイメージはつくるけど、コロンビア戦を見たので、うちだったらこんな感じかなというイメージはある。やってみないと分からないけど、勝算はある。相手がどこだろうと勝算はある。どれだけイメージできるか」
―ベルギーはオランダよりFIFAランキングで上だが?
「意味ないですね。ベルギーは評価は高くても、歴史のある国じゃない。オランダとは背負っているものが違う。世界でどう勝っていくかというのは未知の世界。お互い結果を出さないといけない。ベルギーもいい試合をしてもコロンビアに負けた」
―日本も背負っているものが違う?
「日本は背負うも何も、チャレンジャー。(日本を)なめているやつらを一人ひとりぶっつぶすだけ。でも、なめられているまま(W杯に)行くぐらいのほうがいい。変に(香川)真司や(長友)佑都がビッグクラブに行って、いい選手がいるのがバレバレだけど」
―大迫や山口がオランダ戦で結果を残したことは?
「いいですね。能力が高いし、FWのレギュラー争いも激しくなる。中盤も自分のポジションは安泰ではないと思っているし、しっかり結果を出している選手が出るべき。代表というのはそういう存在」
●MF長谷部誠(ニュルンベルク)
―ロッベンのシュートは相手の一番得意な形だったが?
「中に来るというのは分かっていて、試合前にも何度も話していて、分かっていたけど、上をいかれた。間違いなく僕のミス。昨日言ったとおりです」
―山口と初めて45分間やって、印象はどうだった?
「彼は気の利いたプレーができる。組む人によってやり方を変えられる選手。うまくバランスを取ってやれる選手という印象。昨日の試合でやっても、見ていてもそう思った。練習でも非常に高いパフォーマンスでやっている。良い選手だと感じる」
―やりやすかった?
「正直、まだ半分しかやってないから分からないけど、(山口)螢でもハジ(細貝)でもヤットさん(遠藤)でも、お互いの特徴があって、みんながしっかり合わせられるように、自分も合わせるようにしていきたい。組む人によって特徴があるが、自分も合わせられる自信はある」
―ベルギー対コロンビアの試合は見た?
「見ました。ベルギーは中盤の選手が飛び出してきたりというのがある。ただ、どちらかと言うと、チームというより個で戦うチームかなと、コロンビア戦を見ていて感じた。個々の能力はもちろん高いが、チームとして連動しているのは感じなかった。付け入る隙は十分ある。コロンビアはもちろん素晴らしいが、(ベルギーの)1失点目は組織として非常に甘かったと思う。チームとしてという意味では、まとまり感は感じられなかった」
―個で戦う相手に対して、どこを突けばいい?
「コロンビア戦の1失点目は完全に守備のコミュニケーション不足だった。ああいうところを突ければいい。ただ、アザ―ルなど個人の能力は強烈なので、ああいう選手をいかにチームとして押さえられるか」
―チームの雰囲気は変わった?
「もちろんオランダ戦でポジティブなゲームができたことはチームの雰囲気を多少よくしていると思うが、終わってから選手個々で話したけど、やっぱりオランダが明らかに本調子ではなかったと感じている中で、あれぐらいなら勝たなければいけなかった。満足している選手は一人もいない。そういう意味でもポジティブだと思う。例えばファン・ペルシーがいたらどうだったかと、僕らも考える、09年と比べて、自分たちも間違いなくよくはなっていると思うけど、オランダはそのときと比べると4年前の方が強かったかなと思う」
●DF内田篤人(シャルケ)
―ベルギー戦に向けて改善したいところは?
「ベルギーの映像はまだ見てない。自分たちのやることをしっかりやるだけ。向こうはホームなので。頃のビア戦はちょっと見たけど、コロンビアも強いチームだった。相手どうこうより自分たち」
―試合後に選手で話は?
「特にしてない。ミーティングもまだしてないので」
―試合間隔が短いが?
「もう慣れてます」
●DF森重真人(F東京)
―ベルギー戦ではチャンスがあるかもしれないが?
「4バックと3バックとでやることが違ってくる。4バックならいつもどおりやればいいし、3バックなら前回の欧州遠征で途中から出たときに『もっとああしたい、こうしたい』というのがあったので、それにチャレンジしたい。もっと早くサイドにアプローチに行くこと、もっと予測してサイドで対応できればいい対応ができる。トップレベルの選手を相手に怖がらずにやりたい。全力を出して通用すればそれでいいし、通用しなければチームに帰って取り組めばいい。全力を出すことが大事」
―結果に一喜一憂しないことが大事?
「周りは騒がしくなるし、結果が出ていても出ていなくても、足元を見ながらやっていくしかない。それをやっている最中だし、周りの声に左右されずにやりたい」
―オランダ戦で山口がフル出場して結果を出したことはチーム全体にとってプラスになる?
「チームとしてまとまって戦うことが重要だし、サブも含めて全員で戦うことが大事」
―チーム内に競争が生まれる?
「それもあると思うし、それがチーム全体のレベルアップやいい雰囲気につながると思う」
●GK川島永嗣(スタンダール・リエージュ)
―オランダ戦に出なかったこともあり、次は、という思いがある?
「1試合1試合に懸ける思いというのは、僕にとっては変わらないし、昨日の試合もそれは変わらない。次のベルギー戦も変わらない。ただ、チームが本当に強くなっていくためには一人ひとりの選手が経験を積まないといけないし、それがチームの強さにつながっていくと思う。自分はやっぱり出ても出なくてもチームのために120%やるのは変わらない。ピッチに立ったときは自分らしく守ることが一番だと思っている。それは次の試合も同じ。ベルギーでベルギー代表とやるというのは特別だし、このキャンプ自体も自分にとっては特別なものだと思うが、その締めくくりという意味でも良い試合にしたい」
―ベルギーの監督が日本で知っている選手は川島と言っていたが?
「普段ベルギーで自分がやっているので分かっているけど、向こうは個の力の強い攻撃陣がいる。自分たちとしてはやるべきことをやるのが一番だし、GKとしてはゴールを守ることが一番だと思っている。要所で自分がしっかり仕事をしていきたい」
―気持ちは盛り上がっている?
「試合は特別だし、うれしい気持ちはあるけど、冷静な部分は冷静だし、試合に対する気持ちや準備は変わらない。ピッチに立てばやるだけだし、もう4年目なので、今までやってきたことを見せないといけないという気持ちは特別にはない。ただ、日本代表としての自分もいい形で見てもらえたらいいかなと思う」
―ベルギーの攻撃陣を防ぐには?
「自分たちがしっかりオーガナイズしていくことが重要だし、90分通して自分たちがどういう形で、どういうプランで、個で対峙してくる相手に対応するかというのが大切だと思う。あとは1対1のところで絶対に負けないこと。強い選手がいてもカバーの意識を忘れないこと」
―練習でも気合いが入っていたが?
「コンディションはいいですね」
―昨日は大迫、山口も活躍したが?
「素晴らしいと思いますね。代表が強くなっていくうえで、日本でやる試合とアウェーで対戦するのとでは全然違う。経験というのは一人ひとりが持っていなければいけない。日本でやっていればなかなかそういう機会がないが、昨日はそういう選手が出て結果を残したのはチームにとって素晴らしいと思う」
―今日から違うボールになったが?
「ベルギーリーグで使っているのはもっと重い。別のボールだけど、ほとんど同じですね」
(取材・文 西山紘平、矢内由美子)