浦和レッズとの激戦の末にJリーグヤマザキナビスコカップを制した柏レイソルは、これによって来夏に行われるスルガ銀行チャンピオンシップ2014の出場権を獲得。コパ・スダメリカーナ2013の優勝クラブと対戦することになった。南米王者を迎え撃つ同大会に初出場することになる柏だが、主催の日本サッカー協会(JFA)とともに思わぬ課題を抱えていることが明らかになった。
これまでの慣例によると、日本国内で国際試合を開催するためには3万人を収容するスタジアムが必要。JFA関係者によると、「通常のJリーグよりも関係諸室を多く使用することも大きなスタジアムを使う理由の一つ」だという。実際、2008年の第1回大会に出場したガンバ大阪は、ホームスタジアムとする万博陸上競技場の収容人員が3万人に満たず、同じ大阪府の長居スタジアムを“間借り”したこともある。2011年にはジュビロ磐田がヤマハスタジアムではなく、エコパスタジアムを使用した。
では、柏レイソルはどうか。
現在、柏がホームスタジアムとして使用している日立柏サッカー場(日立台)の収容人員は1万5349人で、これまでの慣例には満たない。ただし、柏はAFCチャンピオンズリーグのホームスタジアムとして日立台の使用を希望し、認められた経緯もある(決勝は試合後のセレモニー等のスペースが必要となるため、進出していた場合に認められなかった可能性がある)。柏はACLの日立台開催に関して、「諸室が足りないなら、プレハブを特設してでもやりたい」と話していたという。
これまでなら柏もホームゲームの会場とした実績のある国立競技場が有力な候補地となるが、その国立は来年7月から新スタジアム建設に向けた工事に入る予定。同大会は例年7月4週~8月1週に開催されてきたため、国立も使えない可能性が高い。そういう観点から考えると、来夏の大会は「Jクラブが使用している千葉県内のスタジアム」、「関東地方のJクラブが使用しているスタジアム」が候補に挙げられる。柏がACL同様に日立台の使用を希望する場合も開催が検討されるという。
ポイントは何に重きを置くかだ。日立台や柏の葉では関係諸室が規定に満たず、観客数も慣例からは不足する。だが、他のスタジアムを使用した際にはサポーターの足が遠のく可能性が高い。国立が使えない以上、すべての条件をクリアするスタジアムはないため、「サポーターの足を考えることも必要。諸事情を考慮して、これから検討する」(JFA関係者)とのこと。
コパ・スダメリカーナ2013を制した南米屈指の強豪が来日するスルガ銀行チャンピオンシップ。現在、南米では準々決勝が開催されており、前年度王者のサンパウロFC(ブラジル)、アルゼンチンの強豪リーベルプレートやベレス・サルスフィエルドが勝ち残っている。果たして柏と激突するのはどのクラブなのか、そして来夏に彼らがプレーするスタジアムはどこになるのだろうか。
文●青山知雄(Jリーグサッカーキング編集長)