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2014年1月23日木曜日

◆内田篤人、W杯への決意「本番で倒さないと評価されない」(ゲキサカ)


http://web.gekisaka.jp/412516_131823_fl



 ドイツに渡って4シーズン目を迎えた日本代表DF内田篤人は2013-14シーズンの前半戦もシャルケの中心選手として、さらには日本代表のレギュラーとして過密日程を戦ってきた。10月のセルビア戦、ベラルーシ戦に連敗したあとは批判も浴びた日本代表だが、11月のベルギー遠征ではオランダと2-2で引き分け、ベルギーを3-2で下すなど、FIFAワールドカップ本大会に向けて、確かな手応えもつかんだ。12月にはいよいよワールドカップの組み合わせも決定。半年後の大舞台へ、内田篤人は今、何を思っているのか――。

―10月のベラルーシ戦後に「結果が出れば変わる。そんなに心配していない」と話していましたが、11月のオランダ戦とベルギー戦で、その結果が出たのではないですか?
「チーム状態が悪いときに、それを良くしていくには、結果がポンと出たほうが早いんですよね。もちろん、それまでにもがいたり、考えたりするんですけど、結局は結果が出てしまえば、というところがあります。10月のときは周りからあれだけ『日本代表はダメだ』と言われていたのに、世間はもう『行けるぞ』みたいなところがありますから(笑)。僕らはそんなことは思ってないですし、まだまだだやらなきゃいけないと思っているので、それに流されずにやることが大事かなと思いますね」

―10月は外から見ていてもチーム状態は良くないように思いました。
「やっている僕らも手応えはなかったですからね。やりたいことはみんな分かっているけど、結果が出ない。でも、チームというのはうまくいかないときはそういうものですから。一回勝てないとズルズルいくし、地力があれば、それを止めることもできるんですけど、代表チームの場合、ずっと一緒にいられるわけではないですし、パッと集まってパッと試合をする難しさもあります。ただ、相手に合わせてしまうというのは、日本代表にまだ地力がない証拠かなと思いますね。強いチームに対しては粘り強く戦えるけど、自分たちがボールを保持してリズムをつくれているときに、バイエルンのようなサッカーができないんですよね。相手に合わせず、常に自分たちのサッカーができるようになると、もっとチームとしても落ち着いてくるんじゃないかなと思います」

―11月はこれまで出番の少なかった選手もチャンスをもらって、チームが活性化した部分もありましたか?
「相手が崩れた部分もあったと思いますよ。オランダも後半からメンバーを代えたりしていましたから。親善試合なので仕方がない部分もありますけど、いくら練習試合でオランダやベルギーといい試合をしても、本番で倒さないと評価されないんだなというのは、シャルケに帰ってからも感じますね。彼ら(シャルケのチームメイト)はカメラを向ければ『日本はいいチームだね』と言いますけど、内心では上から見ているというのは感じますし、自分もそう思いますから。ドイツには絶対に勝てないだろうなって。それはやらなくても分かるので」

―以前も「シャルケのチームメイトから『お前らはアジアだからW杯に出られるんだ』と言われた」と話していました。
「それは間違いじゃないですからね」

―でも、それを見返したい。
「もちろん覆したいと思っていますけど、やっぱり差はあると思いますよ」

―それを覆す場がワールドカップになる。
「そうですね。本番だと思いますよ。いくら練習試合で勝っても、彼らは何とも思わないですから」

―11月のベルギー遠征中はミックスゾーンでも選手があまり話さなくなっていましたが、周囲の報道に対して不満のようなものがあったんですか?
「それもあると思いますけど、チームがうまくいっていなかったので、『変なことをしゃべらないほうがいいんじゃないか』って、みんながちょっとビビっていたんだと思いますよ(笑)。遠征も長くて、10月、11月と続いていたので、チームがうまくいかないこともあって、みんなストレスがたまっていたんだと思います」

―内田選手も「質問は2つまでにしてほしい」と言っていました。
「僕はしゃべらないって決めてました。『本田さんに聞いてください』って言おうかなと。本田さんともそういう話になって、『お前、ちゃんと答えてるな』と言われたことがあったので、『本田さんに聞いてくださいって言っていいですか?』と言ったら笑ってました(笑)」

―10月の遠征から右サイドの攻撃参加も回数が増えました。
「セルビア戦の前に監督からは『バランスを取ってくれ』と言われていたんですが、試合が始まったら左サイドがあまりうまくいっていなかったので、ちょっと前に出ただけですよ。バランスを崩して行こうと思えば、ある程度は行けると思っていましたが、それはチームの約束事ではないので」

―ただ、それを監督に『やめろ』とも言われなかった?
「そうですね。怒られたらやめようと思っていましたが、何も言われなかったので。うまくいっていましたし、行っていいのかなと。顔色をうかがいながらでしたけど(笑)」

―監督に言われたことをやるだけではなく、選手の自発性が出てきたとも言える?
「大会が近づくにつれて、『自分たちがやらないといけない』というのがいい方向に行けばいいと思いますけど、チームとしてバラバラになったらよくないので。それもまたバランスかなと思いますね。監督はチームの立ち上げのころから『プレーするのはお前らだから、俺が言っていることで違うなと思ったらいつでも言ってこい』と言っていましたから。それを僕らができていなかっただけで、どちらかと言うと、選手の問題だったのかなと思いますね」

―ワールドカップの組み合わせも決まりました。チームメイトのギリシャ代表DFキリアコス・パパドプロスとは何か話をしましたか?
「『ユニフォームを交換しようぜ』ぐらいですかね。彼は故障明けで、まだ本調子ではないので、『早くコンディションが戻るといいね』という話をしたぐらいです」

―同じグループに入った対戦国の印象はいかがですか?
「コロンビアは一つ抜けている気がしますね。11月のベルギー遠征中にコロンビアもベルギーと対戦していましたが、テレビで見ていて『強いな』って僕らの中でちょっとざわつきましたから(笑)。ギリシャのクラブとはチャンピオンズリーグでも対戦していますが、90分間、絶対に集中を切らさずに戦ってくるし、ちょっと荒いところもありますね。守備が得意なチームかなと思います。FIFAランキングも11位ぐらいですよね?(実際は12位) いいチームだと思いますよ。みんなは『日本、行けるだろ』と言ってますけど、簡単ではないと思いますね」

―ただ、いわゆる『死の組』ではない。
「一緒ですよ。4つの国全部に『決勝トーナメントに行けると思うか?』ってアンケートを取ったら、みんな『行ける』と答えると思いますよ。それぐらい差はないと思いますね。謙虚になったチームが勝つか、ビビらずに行ったほうが勝つか。そこは一つ勝負を分けると思います」

―4年前の南アフリカ大会を考えても、初戦が大事になりそうですね。
「どんな大会でも初戦は大事ですし、ウェイトをだいぶかけてもいいんじゃないかと思いますね。コンフェデレーションズカップが始まる前に、僕は『初戦に負けたら3戦全敗もある』と言っていて、実際にああいうふうになってしまったので。短い期間の大会では、流れや勢いが大事ですからね。あとはラッキーボーイが出てくるかどうかじゃないですか? 一発で途中から流れを変えられる選手というのは大事になってくると思いますね。俺、監督じゃないのに、なんでこんな話をしているんだろう(笑)」

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(取材・文 西山紘平)