http://web.gekisaka.jp/news/detail/?135513-135513-fl
[3.29 J1第5節 横浜FM1-3鹿島 日産]
ベテランの右足がチームを勝利へと導いた。前半に横浜FMに先制を許した鹿島アントラーズは後半9分に同点に追い付くと、さらに攻勢を強めようとMF野沢拓也を同14分にピッチへと送り出す。トニーニョ・セレーゾ監督の期待を背負った32歳は、最高の結果でその期待に応えた。
後半35分、MF柴崎岳が予想外のループパスを横浜FMのDFラインの裏へと通す。しかし、野沢は柴崎がボールを持った瞬間にゴールへ向かって走り出していた。「彼(柴崎)が持っている能力は誰しもが知っているとおりだと思う。普通ならシュートを打つ場面だったと思ったけど、よく見ててくれたなと思います」。柴崎からのパスを右足でダイレクトで合わせ、豪快な同点ゴールを叩き込んだ。「シュートはイメージ通りでしたよ。でもフリーだったので決めるだけでした。僕の前にはGKしかいなかったので」と柴崎のパスがあったからこそのゴールだと強調した。
野沢はここまでの4試合で2試合に出場しているが、わずか19分間の出場にとどまっていた。コンディション調整の難しさもあるのではないかと思われるが、「ベテランなんで」と一笑した。たとえ先発で出場できなくても「(先発で出る)11人がすべてではありません。セレーゾが言うようにベンチの選手も、今日ここに来れなかった選手も全員が力を合わせて勝つのが大事。今は本当にチームが一丸になれている」とチームの結束力の高さを語っている。
出場機会を増やす若手に対しても「良い刺激になります。僕も若いときはいろんな選手を見ていたし、鹿島には良いお手本がたくさんいるので成長してほしい。そうやってチームができると思うし、それが鹿島だと思う」とライバルの成長を歓迎している。「若いっていいな」と冗談めかして話した32歳は、「メディアの皆さんは僕のことをベテランだって騒いでいますが、気持ちはまだまだ若いですよ」と笑った。