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[6.19 ブラジルW杯C組 日本0-0ギリシャ ナタル]
コートジボワール戦に続いて1トップで先発したFW大迫勇也は、チーム全体が初戦の反省を生かした中で、ファーストディフェンダーとして最前線で奔走。前線で起点になる動きも見せ、前半は日本が主導権を握る原動力となった。
けれども0-0の均衡を打ち破ることができなかった。「やろうとしているサッカーは出せたと思うけど、ゴールを取れなくてすごく悔しいし、力不足かなと思う」とうなだれた。
「試合前は初戦のサッカーが僕らのサッカーじゃないと思ったので、まずは前から全員でいくこと。そこから考えようと言っていた」が、相手が10人になってから、逆に難しくなった。守備をますます固めてきたギリシャ陣内でスペースを見つけることは困難だった。
ただ、日本の工夫も足りなかったと感じている。「もっと相手を走らせることができたと思う。まだまだ改善できると思ったけどできなかった」と悔しさをあらわにする。
昨年11月16日のオランダ戦。若く、大柄な守備の選手に対して1ゴール1アシストと互角以上のプレーを見せ、ザッケローニ監督にアピールした。一歩前を行っていたFW柿谷曜一朗との距離を縮めるパフォーマンスだった。
W杯イヤーが明けた1月。鹿島からブンデスリーガ2部の1860ミュンヘンに移籍し、15試合6ゴール3アシスト。活躍が認められ、ブンデスの新シーズンからはケルンへの移籍が決まっている。今大会では合宿に入ってからの練習で好調さをアピールし、先発の座をゲット。堂々の2試合連続先発だった。
もっとも、それだけに責任を感じているのも事実だ。「期待に応えたかった。決めるべきところで決めないとこうなる。後ろの選手は辛抱強く守ってくれたし、チャンスはいっぱいあったので、申し訳ない気持ちでいっぱいです」
救いはコロンビア戦勝利でグループリーグ突破に一縷の望みをかけられることだ。
「望みはある。最高の準備をして最高の結果を得られるように良い準備をしたい」。短い言葉に決意をにじませた。
(取材・文 矢内由美子)