http://mainichi.jp/select/news/20141011k0000m040174000c.html
サッカーJリーグの外国人監督や選手約30人が消費税を納付していなかった実態が10日、明らかになった。チームが税務申告を代行する契約になっていたにもかかわらず忘れていたり、課税対象者である実態を把握していなかったりして無申告に陥ったという。会計検査院は幅広い分野の外国人を調べたが、発覚したのはサッカー関係者だけ。サッカー界の外国人サポート態勢に疑問符が付いた。【戸上文恵、武内亮】
「プロゴルファーはちゃんとしていた。芸能人もそう。なぜか出てくるのはJリーグだけだった」と検査院関係者は明かす。
検査院は1年間に1000万円以上の報酬や契約金を受け取った約280人を調べた。調査対象には芸能人や格闘技選手らも含まれていたが、問題があったのはサッカー関係者だけだった。
無申告者名の全容は判明しないが、関係者の証言で浮かんだのは町田ゼルビアのランコ・ポポビッチ元監督(47)と鹿島アントラーズのダビ選手(30)。
ポポビッチ氏はセルビア出身。2009年7〜12月に当時J1だった大分トリニータ(現J2)、11年は当時JFLだった町田ゼルビア(現J3)、12〜13年はFC東京で監督を務めた。14年はセレッソ大阪の監督に就任したが、同6月成績低迷で解任された。
今回無申告であることを指摘されたのは町田時代。町田によると、契約上税務申告はチーム側が行うことになっていた。しかし「クラブ初の外国籍監督で、初の高額所得者だったため、担当者が手続きを忘れていた。未納分はチームで支払った」(広報担当者)という。
ダビ選手はブラジル出身のフォワード。07〜08年はコンサドーレ札幌、09年は名古屋グランパスに所属した。その後カタールや中国でプレーし再来日。11〜12年はヴァンフォーレ甲府、13年から鹿島アントラーズに所属している。
ダビ選手が問題とされたのは甲府時代。契約上、ダビ選手自らが税務申告すべきだったが怠っていた。ダビ選手は10日、取材に対し「チームに任せていた。自分は専門家ではないので正直よく分からない」と話した。