http://www.sanspo.com/soccer/news/20141015/jpn14101505030006-n1.html
国際親善試合(日本0-4ブラジル、14日、シンガポール)これほど気がめいるサンバは聞いたことがない。FWネイマールがネットを揺らすたび、開閉式ドーム内は陽気なリズムが大音響で流れた。4点目を決められると、アギーレ監督はペットボトルの水を一気に飲み干した。
「前半は戦うことができていた。しかし、2失点目のダメージが大きすぎる」
0-1の後半3分にMF柴崎のパスミスから速攻を浴び、反撃の出はなをくじかれた。2012年の親善試合で0-4、昨年のコンフェデレーションズ杯で0-3と大敗した際も「後半3分」に失点。監督が交代しても試合運びの拙さが変わることはなかった。
北京でアルゼンチンを2-0と撃破した試合から中2日でも、ほぼ同じベスト布陣を組んだブラジル。一方の日本は10日のジャマイカ戦から先発6人を入れ替え、エースのFW本田も先発から外した。FW岡崎を前線に残し、残り10人でゴール前を固めたが、ネイマールの個人技に陣形は崩された。
「両チームの違いは若さ。Jリーグの7人を起用したが、2点目を取られ、初めて強豪と戦った選手が自信を失った」。無謀ともいえる用兵だったが、2試合で23人中19人を起用した指揮官は収穫も口にした。
「選手のキャラクターを見ることができた。(1月の)アジア杯のような重要な大会に挑めるのか。たくさんの結論を出すことができた」
あえて若い選手を谷底に突き落とし、逆境での強さをはかるアギーレ流の選手選考。マーライオンが見守るシンガポールで喫した悲劇。獅子のように谷底から、はい上がる選手を待つ。 (浅井武)