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2015年2月27日金曜日

◆鹿島、浦和、ともにACL初戦で黒星(日本サッカー協会)


http://www.jfa.jp/news/00005440/



アジアの最強クラブを決めるAFCチャンピオンズリーグ2015はグループステージ第1節2日目の2月25日、昨シーズンJ1リーグ2位の浦和レッズと同3位の鹿島アントラーズが登場しましたが、ホームで初戦を迎えたHグループの鹿島は昨年大会覇者のウェスタン・シドニー・ワンダラーズ(オーストラリア)に1-3で敗れ、Gグループでアウェイに乗り込んだ浦和は水原三星ブルーウィングス(韓国)に1-2で逆転負けし、苦しいスタートになりました。

ACL出場通算6回目の鹿島は、序盤からスルーパスやサイド攻撃などで積極的にしかけ、7分にはMF遠藤康選手のFKにMFカイオ選手が合わせますが、相手GKに阻止されます。

その後もスルーパスやサイドからの低いクロスボールなどで相手バックラインの裏のスペースを狙う込みを続け、29分にはFW高崎寛之選手が左からペナルティエリアに攻め込んで右足を振り抜きますが、相手GKディーン・ブザニス選手に止められます。前半終了間際には、DF山本修斗選手がゴール前へ顔を出してゴールを狙いますが、ボールは枠の外へ流れました。



後半早々、ウェスタン・シドニーは今年1月に加入した元川崎フロンターレDF田中裕介選手が右からのシュートで鹿島ゴールを脅かします。

昨年のACL王者はこの日、左サイドから切り込むプレーで何度か鹿島DF陣にプレッシャーをかけていましたが、54分、オーストラリア代表FWトミー・ユリッチ選手が左から切り込んでゴール前へパスを送ります。これがクリアを試みた鹿島DFに当たってゴールへ入り、先制点になりました。

追いかける鹿島は65分にベテランMF本山雅志選手を交代で送り出し、攻撃の活性化を図ります。そして68分、カイオ選手が右サイドからペナルティエリアに攻め込んでゴール前へ折り返しのパスを送ると、MF土居聖真選手が右足のボレーで合わせてゴールネットを揺らし、同点にしました。

さらに鹿島は5分後、高崎選手がスルーパスに反応してシュートを放ちますが、枠を捉えることができません。その後も交代出場のFW赤崎秀平選手らが相手DFの裏を狙って動き、チャンスを探します。



84分にはDF西大伍選手が強烈なミドルを放ちますが、これはGKブザニス選手に阻止され、続くCKにDF昌子源選手が頭で合わせましたが、これもブザニスに押さえられて追加点を奪えません。

現在シーズン中のウェスタン・シドニーは、トニー・ポポヴィッチ監督が昨年のACL準々決勝での言動を受けて2試合ベンチ入り停止中でしたが、今年1月に広島から加入したMF髙萩洋次郎選手が攻撃を牽引し、残り10分でポジションを守備的MFからトップ下へ上げて決定機を生み出します。

86分、髙萩選手は左サイドからドリブルで中へ切り込んでFWマーク・ブリッジ選手にボールを預けると、鹿島DFのマークを受けながらゴール前へ詰め、ブリッジからのパスを右足でゴールに流し込みました。

なお、13年大会決勝の再演となったHグループのもう一つの試合では、同年大会覇者の広州恒大(中国)がFCソウル(韓国)を1-0で退けて、白星スタートを切りました。

さらに後半アディショナルタイムには、鹿島の最終ラインから出たパスを奪ったブリッジが髙萩選手とワン・ツー。ゴール前へ顔を出すと、そのまま右足で追加点を叩き込みました。

一方、2年ぶり出場で2007年大会以来の優勝を目指す浦和は、水原の攻撃に押される展開でしたが、前半終了間際にDF森脇良太選手が左からのクロスに右足を振り抜いて先制します。

しかし後半、反撃に出た水原に56分にDFオ・ボムソク選手のゴールで同点にされると、試合終了間際、浦和DFにマークされながらもファーポストへ詰めたソ・ジョンジン選手が右FKからのクロスに合わせて逆転しました。

Gグループのもう一試合、ブリスベン・ロアー(オーストラリア)対北京国安(中国)戦は、北京が敵地で1-0で勝利しました。

グループステージ第2節は3月3‐4日に行われ、浦和はホームでブリスベン・ロアー(オーストラリア)、鹿島はアウェイでFCソウル(韓国)と対戦。ガンバ大阪も敵地で城南FC(韓国)と戦い、柏レイソルはホームにビン・ズオン(ベトナム)を迎えます。

各グループ上位2チームがノックアウトステージへ進出。決勝は11月7日、21日に開催される予定で、グループステージから準決勝までは東西地域に分かれて行われます。
監督・選手コメント

トニーニョ・セレーゾ監督(鹿島アントラーズ)
60年間サッカー界にいるが、いまだにサッカーには驚かされます。試合内容が良くても3-1で負けることもあるということです。特に前半の出来は、観ていた人々が思っていたよりもよかったのではないでしょうか。ただ、それを後半も続けてできませんでした。そこが課題です。選手たちは魂を込めて自分たちのサッカーを表現してくれました。ホームで有利な試合に勝てなかったことは痛いですが、まだグループステージ突破の可能性は十分あります。下を向く必要はありません。失敗は失敗した本人がよく分かっていると思います。チーム力を一つにして、チーム全体で修正点に取り組んでいくことが大事です。

MF 土居聖真 選手(鹿島アントラーズ)
前半から気持ちを込めてプレーして、ファンもスタッフも出ている選手もベンチの選手もみんなで戦い続けたのは良かったと思います。でも前半だけでなく、90分通してやらないと勝てません。失点してバタついてしまい、点を獲りに行かなくては行けなかったのでバランスが崩れてしまいました。どんな状況でも対応できなくてはなりません。下を向いていても仕方ないので、切り替えて、悪いところを修正して、良いところは続けていきたいです。

イアン・クルーク コーチ(ウェスタン・シドニー・ワンダラーズ)
非常に厳しい試合でした。素晴らしい業績のある鹿島のホームに来てACLタイトル防衛を良い結果で始められるというのは、とても素晴らしいことです。強みをいくつも持つ鹿島に対してボールを保持して試合を支配するのはとても難しいことですが、我々は今日、とにかく自分たちのプレーに集中しようと努めていました。残り10分でMFジェイソン・トリフィロ選手を入れて髙萩選手をトップ下に上げたのも、ポゼッションをもう少し上げようという狙いで、髙萩選手の得点を期待したからですが、髙萩選手はとても良い仕事をしてくれました。我々は今季Aリーグで良い試合をしながらも結果がついてきていませんでしたが、この勝利が選手とチームの自信につながると思います。

MF 髙萩洋次郎 選手(ウェスタン・シドニー・ワンダラーズ)
チームとしてアウェイの試合を勝利できて、大きな勝ち点3だと思います。特にこの大会最初の試合で勝てたことは、すごく次へつながる1勝だと思います。試合残り10分でポジションを1つ上がった時には、Aリーグでいつもやっているポジションですし、特に具体的な指示はありませんでした。FWと中盤の間でしっかり受けて、つなぎ役と決定的な仕事をするのが役目ですが、それをこなせたと思います。