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J1 1st 第2節 vs 湘南
鹿島、ホームで逆転負け。湘南に敗れ、ACLから4連敗。
カシマスタジアムでのリーグ開幕戦でも、結果を残すことはできなかった。鹿島は前半に金崎のゴールで先制したものの、後半に同点に追いつかれ、アディショナルタイムに逆転弾を奪われた。1-2で湘南に敗れ、リーグ開幕2連敗、AFCチャンピオンズリーグを含めると4連敗となった。
鹿島は、AFCチャンピオンズリーグで2連敗を喫し、先週のJ1 1st 第1節の清水戦でも1-3と敗れた。3連敗で迎えたカシマスタジアムでのリーグ初戦、トニーニョ セレーゾ監督はGKに曽ヶ端、ボランチに小笠原、右サイドハーフに遠藤を復帰させ、センターバックの一角には山村を指名した。清水戦から4選手を入れ替え、湘南戦に臨んだ。
穏やかな天気、開幕を迎える高揚感と喜びに満ちたカシマスタジアムで、14時3分にキックオフの笛が吹かれた。サポーターの声援を背に受けた鹿島の選手たちは、立ち上がりからゴールへの意欲を見せる。最初の決定機は8分、右サイドの背後のスペースを突いた西が中央へクロスを送ると、こぼれ球を金崎がキープする。金崎はペナルティーエリア右手前の遠藤へ丁寧なパスを出し、遠藤が得意の左足で狙いすましたミドルシュート。カーブがかかったボールが枠を捉えたが、惜しくも左ポストを直撃した。
直後の9分には、遠藤のスルーパスに反応した高崎がペナルティーエリア右側から右足シュートを放ったが、惜しくも枠の左へ。立て続けに決定機を作ったが、ゴールネットを揺らすことができなかった。
チャンスを生かし切れずに敗れた3試合と似た展開となったが、選手たちが下を向くことはなかった。この日の鹿島は、しっかりと先制点を決めてみせる。13分、カウンターから右サイドを抜け出した高崎が中央へグラウンダーのクロスを送ると、柴崎がスルー。背後へ走り込んでいた金崎がフリーの状態でボールを受けると、ペナルティーエリア内からゴール左隅へ正確なシュートを蹴り込んだ。金崎の加入後初ゴールで、鹿島が今シーズン初めてリードを奪った。
先制に成功して主導権を握る鹿島は、湘南に攻め込まれても冷静に対応し、相手にチャンスを作らせない。試合前、ゴール裏からの大声援に応えていた曽ヶ端も落ち着いたプレーを披露し、後方からチームを引き締めた。20分以降は決定機を作ることはできなかったが、再度のスペースを突いた西が積極的にオーバーラップするなど、湘南陣内に押し込む場面を作った。1点リードを保ったまま、ハーフタイムを迎えた。
後半も落ち着いた入りで時間を進めていた鹿島だが、54分に同点に追いつかれてしまう。ペナルティーエリア内で湘南のクロスに反応し、相手選手と競り合った小笠原がファウルを取られ、PKに。これを決められ、スコアは1-1となった。
同点に追いつかれた鹿島は勝ち越しを目指し、失点直後にカウンターを仕掛ける。敵陣で数的優位を作ってペナルティーエリア内に入ったが、遠藤からのパスを受けた高崎のシュートは相手DFに当たって枠の左へ外れた。59分にも、再びカウンターからペナルティーエリア内に入り、柴崎が右サイドからクロス。土居が飛び込んでヘディングシュートを放ったが、枠の上へ飛んだ。
セレーゾ監督は67分にカイオを投入し、攻撃の圧力を強める。カイオはサイドで起点となり、ボールキープと強引な突破で存在感を見せた。そして、決定機は73分に生まれた。右サイド、遠藤からのクロスにファーサイドのカイオが反応。ヘディングシュートは右ポストに当たり、跳ね返りに詰めていた高崎はシュートを打つことができない。それでも攻撃は続き、こぼれ球を拾ってゴール前へ展開し、カイオからのパスを中央で受けた遠藤が左足を振り抜いたが、今度はクロスバーを直撃。立て続けに2本のシュートを枠に阻まれ、どうしても2点目を奪うことができなかった。
セレーゾ監督は74分に青木を投入し、柴崎や山村のポジションを上げて打開を図る。81分には高崎に代わって本山がピッチへ。しかし、中盤にスペースができてオープンな展開となる中でミスも目立ち、効果的な攻撃を仕掛けられないまま、時計の針は進んだ。
後半アディショナルタイムの表示が出た後、次の1点は湘南のものだった。左サイドからのクロスに反応したアリソンのヘディングシュートがゴールに吸い込まれてしまった。1-2、開幕2連敗。試合後、カシマスタジアムは大きなブーイングに包まれた。次戦は4日後、AFCチャンピオンズリーグ・グループステージ第3節の広州恒大戦だ。中3日でのアウェイゲームを4連敗で迎えることになった。這い上がるしかな
い。
【この試合のトピックス】
・金崎が鹿島加入後初ゴールを挙げた。
・山村が先発メンバーに名を連ね、今季の公式戦初出場を果たした。
・曽ヶ端と小笠原、遠藤が公式戦2試合ぶりに先発出場した。
・青木が途中出場し、今季の公式戦初出場を果たした。
・今季、ユースから昇格した大橋が初めてベンチ入りを果たした。
監督コメント
[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:トニーニョ セレーゾ
・ディフェンス陣はクリアの意識を高く持つこと。中途半端なプレーは禁物だ。
・中盤は運動量を落としてはいけない。残り45分慌てずに自分たちのサッカーをやっていこう。
・お互い声を掛けあい、しっかりサポートすること。
湘南ベルマーレ:チョウ キジェ
・自信を持って戦おう。
。奪ったボールは縦に入れてシンプルにプレーすること。
[試合後]
鹿島アントラーズ:トニーニョ セレーゾ
・サッカーをやるうえで、ゴールが決まる時もあれば決まらない時もある。自分がサッカー人として長くやってきている中で、それをサッカーの一部分として捉えている。敗戦をしたという結果はあるが、ここ数試合やってきている中で、これでもかという数のチャンスを作っていながら、リーグ戦で2点、ACLで1点という状況だ。チャンスの数との比率、決定力を考えると、非常に低い。ただ、練習量や意欲が足りないということではなくて、選手たちは日々の練習の中で改善しようとしている。今はそういう時期としか言えない。この状況を変えるのは得点しかない。それは選手たちもわかっている。
・勝負の世界なので勝ち負けはある。当然、勝ちに行く意識でスタートする。負けることもある。それはやむを得ないことではあるが、最もダメージを受けるのは、得点をできなかった、勝つことができなかったということよりも、連戦の中で連敗をしたこと。精神的にも響くし、感じる疲労度も非常に強くある。フラストレーションなど、悪い部分が溜まっていく。なかなか難しい部分はあるが、ここはスタッフの総力戦。グラウンド外で選手たちに自信を持たせる作業をどれだけできるかというところになってくる。その作業をしていって、プラスに転じる時期が来る。改善方法はそれしかない。
・ACLとリーグ戦を並行して戦っている中で、公式戦4連敗をしている。メディアやチーム内外から「あれが悪い」、「采配が悪い」、「あの選手がミスをした」というようなことを言い始めたら、負の連鎖のまま、もっとひどくなっていくだろう。ここでアントラーズというクラブと他との違いは、そういうことをせずに、チームのために犠牲心を持ってやっていくということ。それを我々全員がやる。メンバーの入れ替えはできないし、所属している全選手とスタッフ、フロントが変えていくしかない。応援をしてもらえれば選手たちには心強いし、そういう一体感がチームを良くしていく。2年前、そして昨年から見れば、そこまで大幅なメンバー変更をしているわけではない。昨年と一昨年の結果は幻ではない。今日、試合に出たメンバーと代わっているところはあるが、ベースはほとんど同じ。彼らが成し遂げた結果によって、今、厳しい大会を2つ並行して戦うことになっているわけだから、自信を失うことはない。やるべきことをやり続けることが大事。グラウンド外の部分では、我々スタッフが選手たちの自信を取り戻させる作業をすればいい。
湘南ベルマーレ:チョウ キジェ
先週からJリーグが開幕して、今日はアウェイで初めての試合だったが、この素晴らしいカシマスタジアムというピッチで、最後までホームのような応援をしてくれたサポーターに感謝したい。一対一の粘り強さとか最後まで頑張るとか、声を出すとか、我々が内なるもので大事にしてきたことと向き合って、ゲームをしていこうと話し合った。今日は前半の入りは全然よくなかったが、90分通して足を止めない、両ゴール前で体を張る。1回で取れなかったら、2回、3回と行く。1人で崩せなかったら、2人、3人と数をかけていくなど、我々が大事にしているようなことを選手たちもしっかりとやってくれたと思う。その結果、何年振りか分からないが、アウェイの地で鹿島さんという強豪相手に勝てたことは、我々としても次に進む材料になる。ただ、ピッチの中でまだまだやってはいけないというか、そのプレーでボールを無くしてしまうとカウンターをくらうという時に簡単にロストしてしまって、相手にボールを渡してしまうようなプレーもあった。
選手コメント
[試合後]
【山村 和也】
今、4試合続けて負けている状況で、DFラインを含めて守備のところで辛抱できていない。攻撃では決めきれていない。そこを修正して、次の試合に臨みたい。最後のところで2点を取られている。前半のうちはうまく対応できたと思うが、少しずつズレが生じて、相手が進入してくるところに対応できなかった。
【高崎 寛之】
追加点を取るチャンスはあったし、勝てる試合を落とした。責任は自分にある。何試合も点を取れていない。勝ちきれていないので、チームとしてもう一度戦わないといけない。もっとゴールにどん欲にならないと点は取れないし、そこが一番悔しい。試合はどんどん来るので、やっていくしかない。
【カイオ】
公式戦が始まって、ACLとリーグ戦、4試合戦って4連敗したわけだから、チームの状況は非常に厳しいと思う。常にしっかり準備をして試合に臨んでいるわけで、やるべきことをやらなくてはいけないのに、やれていないのが現状。結果がついてこないのが、サポーターの人たちに対しても非常に申し訳ない。一緒に結果を勝ち獲りたい。
曽ヶ端選手、柴崎選手のコメントはアントラーズモバイルをご覧ください。