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2015年7月30日木曜日

◆2015明治安田生命J1リーグ 2ndステージ 第5節(オフィシャル)


http://www.so-net.ne.jp/antlers/games/51600

J1 2nd 第5節 vsサガン鳥栖

柴崎が2ゴール!赤崎も決めた!終盤のゴールラッシュで鹿島が鳥栖を粉砕、今季初の連勝!



鹿島が、今季初のリーグ戦2連勝を果たした。石井監督の就任2戦目、J1 2nd 第5節のサガン鳥栖戦に臨むと、87分に柴崎、89分に赤崎、そして後半アディショナルタイムに再び柴崎と、終盤に3ゴールを畳みかけて3-0と快勝した。

鹿島は25日のJ1 2nd 第4節で、FC東京を2-1で破った。約1か月ぶりに復帰した柴崎のミドルシュート、そして昌子のヘディングシュートが、カシマスタジアムに歓喜をもたらした。4日前に就任したばかりの石井監督の初陣で勝ち点3を獲得し、少しばかりの安堵と自信、そして手応えを掴むことができた。



それから中3日で迎える今節に向け、石井監督は引き続き、実戦形式のトレーニングに時間を割き、コンビネーションの成熟に腐心した。様々な組み合わせでの選手起用が競争意識を高め、グラウンドは活気に満ちていた。赤崎が「これを継続しないと」と言えば、土居も「今だけじゃなくて、今後もずっと忘れずにやっていかないといけない」と口を揃える。そして、約2か月ぶりに先発の座を掴んだ曽ヶ端は「ここから先が大事になる」と、静かに決意を語った。



手応えと自信をより強く、大きくするために、重要な一戦。石井監督は、先発メンバーを前節から3人入れ替えた。右サイドハーフに金崎が入り、3試合ぶりに先発復帰。GKに曽ヶ端、最終ラインは右から伊東、ファン ソッコ、昌子、山本が並ぶ。ボランチは柴崎と小笠原のペア、2列目には金崎の他、中央に本山、左に中村が入った。そして前線は、ダヴィが務める。



厳しい暑さに見舞われた、ベストアメニティスタジアム。平日のナイトゲーム、はるばる鳥栖まで駆けつけたサポーターは、人数では鳥栖のスタンドに劣りながらも、熱い思いをピッチへと注いだ。地元九州出身、久々の先発となった本山、そして負傷した去年10月の先発となったダヴィへ、繰り返しチャントが送られた。



19時4分、キックオフを告げるホイッスルが鳴った。鹿島は開始1分、柴崎が思い切りよくロングシュートを放ち、ゴールへの意欲を示す。その後は拮抗した展開となり、立ち上がり10分に決定機が生まれることはなかった。鹿島は両サイドを起点にゴール前への進入を狙ったものの、なかなか突破口とならなかった。



そんな中、最初の決定機は14分に生まれた。自陣右サイドでボールを拾った柴崎が、背後から相手のプレスを受けたが倒れることなく、ドリブルで前方へ持ち出す。次の刹那、狙いすました浮き球のスルーパスを通すと、ダヴィが相手GKと1対1のチャンスを迎えたが、惜しくもシュートは阻まれてしまった。



開始15分以降は、鹿島がボールポゼッション率を高めていった。19分に、昌子のクリアがゴール方向へ飛んで肝を冷やす場面はあったが、鳥栖に決定機を作らせることなく、時計の針を進めていった。



前半ラスト15分は、比較的オープンな展開に。数多くのチャンスを作り出したのは鹿島だった。まずは34分、右サイドで中村が意表を突いたループパスを出し、伊東がオーバーラップ。最終ラインの背後を取り、中央へ折り返すと、ダヴィを経由して金崎がシュートを放ったが、GKにキャッチされてしまった。さらに37分にも、巧みなダブルタッチでペナルティーエリアを縦へ抜け出した中村が、フリーで待っていた本山へ折り返したものの、シュートを打つ前に相手にカットされてしまった。この時間帯、中村と伊東を経由したパス交換からチャンスを作っていた。



終盤には立て続けにCKのチャンスを掴み、山本のヘディングシュートが枠を捉える場面もあったが、ゴールライン上でブロックされた。鹿島は最後の一線を破れず、前半はスコアレスで終了した。



0-0で迎えた後半、鹿島は立ち上がりから攻勢をかける。まずは47分、ダヴィがオーバーヘッドで枠を捉えたが、GKにキャッチされた。その直後には、ダヴィが左サイドからのスルーパスに反応し、飛び出してきたGKと1対1となる場面を迎えたが、これも生かすことができない。



前半同様に立ち上がりをスコアレスで終えると、その後は一進一退の展開となった。石井監督は膠着状態を打破すべく、59分に赤崎、70分にカイオを投入。攻撃陣を入れ替えてゴールを目指した。ダヴィに代わって前線に入った赤崎は、持ち前のフリーランで再三にわたって最終ラインの背後を突き、相手に脅威を与えていく。



すると80分、赤崎が柴崎からの浮き球のパスに反応。GKの前でトラップ、シュートに持ち込んだプレーはオフサイドとなったが、直後にも同じような形でペナルティーエリアへ突進すると、GKとDFが交錯してしまう。鳥栖GK赤星が負傷交代することとなり、スタジアムは騒然とした雰囲気となった。



試合が再開したのは、85分。そしてここから、鹿島のゴールラッシュが始まった。まずは87分、右サイドを金崎が抜け出すと、グラウンダーのクロスはファーサイドへ。ボールを収めたカイオが後方へ戻し、走り込んでいたのは柴崎だった。右足を一閃、強烈なシュートをゴールに突き刺し、ついに均衡を破った。



鹿島は攻撃の手を緩めない。2分後の89分には、ペナルティーエリア右手前から柴崎が縦パスを出すと、山本が咄嗟の判断でスルー。途中出場の遠藤がその背後でボールを受けると、ゴールライン際から右足で中央へグラウンダーのパスを送る。赤崎が押し込んで2点目を奪った。2-0。電光石火の連続ゴールで、鹿島がリードを広げた。





6分と表示された後半アディショナルタイム、ゴールラッシュを締めくくったのは、やはり背番号20だった。ペナルティーエリア左側に入ってDFと競り合い、強靭なボディバランスでマークを外すと、GKをあざ笑うかのようなグラウンダーのシュートをゴール左隅へと届けた。コース取り、タイミング、全てが完璧な一撃で、鹿島が勝利を決定付けた。



ベアスタに刻まれた、3-0のスコア。鹿島がアウェイで快勝し、今季のリーグ戦初の2連勝を果たした。はるばる鳥栖まで駆けつけたサポーターは、歓喜を歌って勝利を祝った。



リーグ戦は、しばしのインターバルを迎える。次戦は2週間後、8月12日のJ1 2nd 第6節、サンフレッチェ広島戦だ。2ndステージ首位を走る相手とのアウェイゲーム、勝ち点差は5。ステージ序盤戦の大一番となる。就任から9日間で2試合を戦い、2連勝を果たした指揮官が、2週間の準備期間でどのようなチームを構築するか。注目だ。



【この試合のトピックス】
・今季のリーグ戦で初の連勝を果たした。
・今季のリーグ戦では、鳥栖に2連勝となった。
・リーグでのアウェイ鳥栖戦は3シーズン連続負けなしで、昨季に続いての勝利を挙げた。
・リーグでの鳥栖との通算戦績が、初めて五分となった(3勝2分3敗)。
・柴崎が、リーグ戦では自身初の1試合2ゴールを記録。2試合連続のゴールで、今季のゴール数を5に伸ばした。
・赤崎が、6月27日のJ1 1st 第17節川崎F戦以来、5試合ぶりのゴールを決めた。今季リーグ戦5ゴール目で、昨季の記録に並んだ。
・ダヴィが、昨年10月18日のJ1第28節柏戦で負傷して以来、649日ぶりに先発出場した。
・本山が、リーグ戦では2013年5月18日のJ1第12節名古屋戦以来、802日ぶりの先発出場を果たした。
・金崎が、7月15日のJ1 2nd 第2節清水戦以来、3試合ぶりに先発出場した。


監督コメント

[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:石井 正忠
・相手の早いカウンターをしっかりケアすること。リスクマネージメントをしながらの攻撃を意識しよう。
・もう少しボールスピードを上げて、相手に負荷をかけながらビルドアップしよう。
・後半45分、集中を切らさず戦うこと。

サガン鳥栖:森下 仁志
・守備は集中力を切らさず粘り強くすること。
・守備の時、ディフェンスラインは下がりすぎないこと。
・攻撃はもっとサイドチェンジを増やすこと。
・シュートで終わること。

[試合後]
鹿島アントラーズ:石井 正忠
前半は良い形で試合を運べなかったが、DFが前線の選手を信頼して、慌てずに対応してくれた。前半は自分たちらしいサッカーを見せることができなかった。後半は、相手を押し込む形を作れて、交代選手によって前線に動きが出てきたので、アグレッシブなサッカーを見せられたと思っている。前半の守備の部分があまり良くなかったのは、ボールを取りに行く形やタイミングを自分がうまく示せなかったことが要因だと思う。そこを反省して、次の試合に進みたい。

サガン鳥栖:森下 仁志
暑い平日のナイトゲームで、たくさんの方に来ていただいて、感謝している。選手は2週間で6試合目ということで、厳しい日程の中、いろいろなアクシデントもあった中でよく戦ってくれたと思う。結果は自分の責任なので、選手には少しでも早く回復してもらって、次へ臨んでもらいたい。


選手コメント

[試合後]

【柴崎 岳】
自信になる勝ち方だと思う。最終的には3ゴールが決まったが、全員が集中して守備をしたことが結果につながったと思う。終盤はスペースが空いてきていたので、クオリティと精度の高さを見せることで、試合を決められると思っていた。この2連勝で満足してはいけない。

【赤崎 秀平】
ハーフタイムに「準備をしておけ」と言われていた。良い感じで試合に入れたと思う。どうしても勝ちたかった。個人的にもなかなかゴールがなかったので、決めることができて良かった。ゴールを決め続けないと試合に出られない。精一杯、やっていきたい。

【小笠原 満男】
もっと楽に勝たなければいけない。まだ2連勝しただけ。これから勝ち続けられるように頑張る。

伊東選手、本山選手のコメントは、アントラーズモバイルをご覧ください。