http://www.hochi.co.jp/soccer/national/20151107-OHT1T50170.html
◆J1第2ステージ第16節 鹿島2―0横浜M(7日・カシマスタジアム)
MFカイオが勝ち点3を呼び込んだ。MF中村の負傷欠場でつかんだスタメンのピッチ。「先発でも途中からでもチームの力になること。それだけを考えていた」。前半10分に左足で、後半19分には右足でネットを揺らした。引き分け以下なら広島優勝の可能性があった試合。意地の2発、意地の勝利だった。
ピッチは「感謝」の気持ちを表す場だ。「プロになって稼いで家族を助けるため」11年にブラジルから千葉国際高に留学。昨季ニューヒーロー賞(新人王)を受賞し、2年目の今季は年俸も1000万円を超えた。それでも車さえ買わず「そんなお金があるなら(留学させてくれた)家族のために使いたい」とクラブ支給の国産車に乗る。
さらに「家族を幸せにしてくれた」という日本への恩返しも考えている。日本国籍取得、日本代表での貢献だ。5年間の継続した居住が必要で、通常の手続きなら取得は最速で2016年。今夏には中東クラブから獲得オファーが届くなど、海外からも注目されるが、カイオは鹿島と日本を優先している。
チームは次節の名古屋戦に勝っても第2Sの逆転優勝は、ほぼ不可能。それでも、カイオは「勝つための準備をチームでしていく」と言い切った。(内田 知宏)