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2016年5月10日火曜日
◆鹿島特別指定の流経大MF小池、ボランチ挑戦で守備を強化しプロデビューを目指す(サッカーキング)
http://www.soccer-king.jp/news/youthstudent/univ/20160509/440322.html
左足のキックが冴え渡った。7日に行われたJR東日本カップ2016第90回関東大学サッカーリーグ戦第6節で順天堂大学と対戦した流通経済大学は、開始4分で喫した2失点が響き、1-4で大敗。しかし、鹿島アントラーズの特別指定選手に登録されているレフティーの小池裕太は、豊富な運動量で攻守に渡って好プレーを連発し、存在感を見せつけた。
アルビレックス新潟U-18出身の小池はもともと左サイドバックを本職とし、昨季はルーキーながら流経大で早々にレギュラーを獲得。スピードを生かした攻撃参加でインパクトを残し、新人賞獲得や全日本大学選抜入りを果たすなど、瞬く間に大学サッカー界で名を馳せた。過去に数十名のJリーガーを輩出してきた名将、中野雄二監督も「左足の精度が高くていろいろなキックを持っているし、状況判断もいい」と太鼓判を押す逸材だ。
しかし、今季途中からは中野監督が「守備の厳しさを身につけること」を課題に挙げ、ボランチでの起用が続いている。初めて挑戦するポジションに、当初は「前を向いてボールを持てない状況が多いので難しい」と苦戦していた。だが、試合を重ねるごとに順応し、順天堂大戦ではピッチの至るところに顔を出して精度の高いボールを供給。後半途中からは左サイドハーフにポジションを移し、惜しくもゴールにはつながらなかったが、正確なクロスで決定機を何度も演出した。「チームは負けてしまったけど、個人的には良いプレーができたと思う。キックが武器なので、どんどんボールを受けて広い方に展開していきたい」と本人も中盤でのプレーに手応えを感じており、「選手としての幅が広がっている。これをサイドバックに戻った時に生かしたい」と今後へのイメージを膨らませている。
2日から5日にかけて鹿島の練習に参加し、「常に100パーセントでやらないと自分の持ち味を出せない」とプロの世界の厳しさを体感した。球際のプレーに関する課題は、プロ選手を相手にすることでより一層明確になった。もちろん、練習参加だけで満足する気はなく、「まだまだ自分に足りないところはあるけど、これからどんどん試合に絡めるようにがんばっていきたい」と意欲は十分。この春から大学2年生に進級したばかりの19歳だが、左サイドバックが手薄な鹿島にとっては貴重な戦力の一人であり、今後のチーム状況によっては出場機会が巡ってくることもあるだろう。引き続き予定が合えば鹿島の練習に参加し、チームの戦術理解を深めながらアピールをしていく。
偶然にも、練習参加中の4日に行われた明治安田生命J1リーグ・ファーストステージ第10節で鹿島と新潟が対戦。小池にとっては“古巣”との対戦に鹿島が2-1で勝利したことについては、「複雑な気持ちはあったけど、今は鹿島の一員なので勝って良かった」と胸中を明かした。新たな道を進む小池は、着々と課題を克服しながらプロの舞台を目指す。
文=平柳麻衣