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2016年6月26日日曜日

◆熊本魂で植田が守った!鹿島、盟主復活7年ぶりJ1タイトル(サンスポ)


http://www.sanspo.com/soccer/news/20160626/jle16062605040005-n1.html

鉄壁の守備陣の一翼を担った植田。熊本地震の地元を励ます奮闘ぶりだった (撮影・蔵賢斗)優勝を決め喜ぶ鹿島・植田=カシマサッカースタジアム(撮影・蔵賢斗)

 明治安田J1第1ステージ最終節(25日、カシマスタジアムほか)鉄壁守備でV!! 首位の鹿島が、U-23(23歳以下)日本代表DF植田直通(21)らの活躍で最下位の福岡を2-0で下し、6連勝で勝ち点39としてステージ優勝を決めた。2001年第2ステージ以来6度目のステージ制覇で、最大5チームで年間優勝を争うチャンピオンシップの出場権を最初に獲得した。初のステージ優勝の可能性があった川崎は大宮を2-0で下したが、勝ち点38で及ばず2位に終わった。第2ステージは7月2日に始まる。

 粋な計らいだった。主将MF小笠原から優勝トロフィーを渡されたDF植田が、高々と夜空に掲げた。

 「(小笠原)満男さんに『熊本の方々もたくさん見ている。お前が掲げろ』と言われた。感謝です」

 普段は寡黙な男が感無量の表情で話した。思いよ、届けとばかり…。

 勝てば100%ステージ優勝が決まる一戦。前半27分に先制すると、同37分に追加点。真っ赤に染まった場内のボルテージは一気に上昇した。守っては日本代表DF昌子を出場停止で欠く中で、植田らが福岡の攻撃を体ではじき返し、破竹の6連勝で締めた。

 心優しき武闘派だ。植田は小学2年からテコンドーを習い、中学時に全国大会にも出場。熊本地震の復興支援試合となったガーナ戦(5月11日)では相手との接触で9針を縫う裂傷を負ったが、「慣れているから」と応急処置を施してプレーを続けた。ゲームも大好きで「龍が如く」がお気に入り。抜群の集中力で最新作「極」もたった3日間で攻略した。

 熊本・宇土市出身。故郷は震災で市役所が半壊するなど大きな被害が出た。4月17日には鹿島での練習後に東日本大震災の被災地、岩手出身のMF小笠原らと肉などの食料品やトイレットペーパーを買い込み被災地に入った。実家は倒壊を免れたものの食器は割れ、家具は破損。変わり果てた故郷に衝撃を受けたが、こみ上げるものを抑え「何も言わずにほかの避難所へと向かいました」(母・俊子さん)。

 昌子との鉄壁コンビはリーグ屈指の守備力を誇る。今季17試合で失点はわずか10。1試合平均0・59失点はリーグ最少だ。このペースを維持すれば、2008年に大分が打ち立てた34試合24失点のリーグ記録更新も可能になる。

 「第2ステージは全勝する」と植田。ステージ制覇はタイトルではない-が鹿島の誇り。復活した盟主が目指すのは、年間Vだけだ。 (一色伸裕)

Jリーグの村井満チェアマン
「鹿島は世代交代をしながら、勝負強さを若手が受け継いでいる。リーグ最少失点のDF植田はあの若さで堂々たる戦いぶり。危なげなかった」

鹿島アントラーズ

 1947年に住友金属工業蹴球同好会として創部。ホームタウンは茨城県鹿嶋市など5市。本拠地はカシマスタジアム(4万728人収容)。元ブラジル代表の名選手ジーコを招いて強化を図り、Jリーグ創設に参加した。J1で7度、ナビスコ杯で6度の優勝はともに最多。天皇杯もプロ化後、最多の4度優勝。アントラーは英語で「シカの枝角」の意。石井正忠監督。井畑滋代表取締役社長。

今季のJ1方式

 見どころを増やし、消化試合を少なくするために昨季に続いて2ステージ制を採用。第2ステージは7月2日から11月3日まで行われる。年間王者はチャンピオンシップ(CS)で決定する。CSは昨季同様に年間勝ち点の上位3チームと各ステージ優勝チームが出場。重複した場合の繰り上げ出場はない。トーナメントで争い、年間勝ち点1位は必ず決勝にシードされる。今季はステージ優勝チームよりも年間勝ち点上位チームが優遇される方式に変更された。