ページ
▼
2016年7月2日土曜日
◆平畠啓史さんが選ぶ、J1 1stステージベストイレブン。優勝の鹿島からは最多4人を選出!【編集部フォーカス】(フットボールチャンネル)
http://www.footballchannel.jp/2016/07/01/post161308/
ウェブ番組『FChan TV』とのコラボ企画。Jリーグサポーターにはおなじみ、平畠啓史さんが、2016Jリーグ ファーストステージのベストイレブンを選出! システムは優勝した鹿島アントラーズの4-4-2を採用。いったい誰が選ばれるのか!(選定:平畠啓史/取材・構成:中山佑輔)
GK:曽ヶ端準(鹿島)
GKはやっぱり曽ヶ端さんかなぁ。(17試合で)失点10なんで、曽ヶ端さんでいいと思うんです。後ろがしっかりしてるところで、昌子選手、植田選手っていう若いセンターバックに安心感を与えてるところもあるだろうし。
若いキーパーだったら、もうちょっと失点があったかもしれない。チョン・ソンリョン選手を入れるっていう考えもあるんでしょうけど、失点の少なさを見たら曽ヶ端さんなのかなぁという気はしますね。
CB:千葉和彦(広島)
色々選んであげたい気持ちもあるけど、センターバック……、ベストイレブンですもんね。広島の千葉選手ですかね。この人の安定感というか、後ろでボールを回すときのあの落着き。スタジアムで見ると、思った以上に存在感があるんですよね。言い方はおかしいですけど、「真ん中でどっしりする」っていうか。
もちろんフィードの正確さとか、前にボールを持ち出すタイミングとか、相手の隙を見つけるところは、非凡な感じがしますね。いわゆる古いCBじゃなくて、現代のCBに必要なものを持ってるなぁという感じがして。僕は結構好きですね。
CB:エドゥアルド(川崎F)
千葉選手の相方……誰にしようかなぁ。川崎フロンターレのエドゥアルド選手にします。今年ここまで1敗で2位に来ている成績のなかで、この人の加入はすごい大きかったなぁっていう。残念ながら肉離れをやっちゃいましたけど。
この人もやっぱり足元の確かさは本当にすごいですし、サイズも186cmあって大きいんです。僕は、フィードの面もあるんですけど、基本的に左利きのCBってすごく大事だと思ってて、その意味でもいいなぁと。フロンターレでCBをやるならパスを出せないと使ってもらえないっていうのはあると思うんで、そういう意味でも効いていたなという気はしますね。もちろん守備もしっかりしてるし。
奈良選手も怪我さえなければ今年のパフォーマンスはすっごい良かったんで、オリンピックも行けただろうし、ベストイレブンにも入れたいくらいです。今年のフロンターレの目の付け所というか、新加入の選手たちはすごい良いかなと思います。
右SB:塩谷司(広島)
僕はそこに塩谷選手を入れたいですね。今までの広島が持っていた守備の堅さみたいなところは、もしかしたら今年は若干失われているかもしれないですけど、やっぱり浦和戦の2ゴールとか、甲府戦のゴールとか、もうハンパないですよね、やっぱり。
攻撃もそうですけど、身体の強さというか、対人の1対1のところで、ゴチャゴチャしたところで取りきったりとか、そういう強さもある。どうしてもゴールを取ったりっていうところが目立つので、そういうところに目がいきがちですけど、守備の部分でもしっかりしてるんで。
僕、塩谷選手が水戸に入ったとき、最初はそのすごさに気付けなかったんですよね。その時には市川大祐選手が水戸で塩谷選手と一緒にやってたんですけど、彼から「塩谷は化け物や」って聞いて。そしたらやっぱり見てるうちにメキメキと伸びてきて。
広島のやり方なんで、今は3バックの右をやってますけど、僕は右SBとして4バックの右とかでやっても、もしかしたらおもしろいかなっていう気はすごいしてます。
オリンピックも選ばれて、どういう使い方されるのかわからないんですけど、楽しみですね。
左SB:山本脩斗(鹿島)
左ねぇ……左、左。そうやなぁ、僕は前から山本脩斗選手がすごい良いと思ってるんですよ。今シーズンはちょっと怪我があって、フルでは出てないですけど、ベースとするところの左サイドの仕事をしっかりするじゃないですか。
で、なおかつ攻撃に出るタイミングも良くて、攻撃に出た時にはしっかり仕事をして終わるみたいな。そういうところの役割で言うと、この人の左サイドって替えがきかない。そんなに派手じゃないですけど、安定感を生み出す人かなぁっていう気はしますね。
右サイドの西選手はがっつり守るっていうよりも攻撃でアクセントをつける感じなので、左サイドはバランスを取らないといけないポジションだと思うんですよね。
そういう意味では目立たないけどすごく重要な役割をしてる気はする。僕個人的には昔から、ジュビロのときとかも、もっと評価されてもええんちゃうかなって勝手に思ってたところはあるんですけど。
ボランチ:小笠原満男(鹿島)
浦和の阿部選手と迷ったんですけど、小笠原選手ですね、やっぱり。一番すごいと思ったのはレッズ戦ですかね。守備のところですっごい仕事してたっていうイメージがあるんですよ。「危ないところでの小笠原」みたいな感じの雰囲気があって。勝負という面で必要なことをする人っていうイメージがありますね。
今までずっと流れてきている鹿島イズムみたいなところの正統な後継者っていう感じもするし。もちろん交代する時間とかは早くなってますけど、やっぱり優勝っていう部分でいうと、この人の存在は大きいかなっていう気はしますよね。
この人、気遣いもすごいんですよ。優勝セレモニーのときも、植田選手にトロフィーを渡してて。なんでなのか聞いたら「熊本の人が見てくれてて、これを見て元気になってくれたらうれしいから」って。
さらに言うと、優勝セレモニーでは結構若手から水かけられたりして、うれしそうな顔してるんですよ。近寄りがたいというか、そういう感じだけじゃなくて、チームとしてコミュニケーションを取ったりとかしてる。
被災地に植田選手と一緒に行ったりとかもしてるし。サポーターからしたら「そんなことしても負けたら意味あらへんがな」ってなるかもしれないけど、そこでしっかり結果も出すし。「背中見てください」っていうの、日本人的かな、好きかなぁって思いますね。
ボランチ:エドゥアルド・ネット(川崎F)
うまいですね。実際見てもやっぱりうまいですね。フロンターレのある種特殊なサッカー、どっちかっていうと細かくつなぐイメージのあるサッカーのなかで、エドゥアルド・ネット選手はちょっと長めのパスも出せるというか。
大島選手が本当に気を利かせて細かくつなぐ部分と、エドゥアルド・ネット選手のもうちょっと足の長い、ロングボールではないけど10m、20mぐらいのパスが結構効いてるかなっていう。真ん中であの人がパス出すと、相手の陣形が崩れたりしますし。
あと守備でもすごいバランスとって、スペース埋めたりっていうのも見ますし。この選手のおかげで憲剛さんがちょっと攻撃的なところにいけたりとか、他の選手にも好影響みたいなんがあるのかなっていう気がします。
右MF:中村憲剛
右には憲剛さんかなと。いや、まぁでもすごいですね、存在感というか。なんか衰えないっていうか、年々凄さが増してる感じがするんですよね。
僕会うたびにいっつも言ってますけど、サポーターを煽るタイミングが絶妙なんですよね。だいたいコーナーを蹴りにいくときとかですけど、サポーターももう一段盛り上がりたいなってタイミングで煽るんですよ。
ただ単にパスつなぐのがうまいとか、シュート打つのがうまいとかじゃなくて、スタジアム全体とか、90分全体を俯瞰で見てるっていうか。その感覚はすごいですね。練習をちゃんと見たことはないけど、キック一つにしても、一回ボールを蹴るっていうのにこだわって蹴ってるんだろうなって想像できる感じがするんですよね。
あとこの人、表情豊かなんですよね。腹立つときは腹立つ顔してるし、嬉しいとき嬉しい顔してるし、喜ぶとき思いっきしはしゃぐし。そこはなんかいいっすねぇ。
これもいっつも言ってますけど、フロンターレはこれからずっと続いていって、いつかは絶対タイトルとると思うんです。でもやっぱ、憲剛さんがいるうちに、やっぱり何かしらのタイトル取ってくれればなぁって思ってます。
左MF:家長昭博
そこに家長選手を入れさせてもらいましょう。もう別格ですね。ボール持ってピッチ上で止まるのって、ほんっとに何をもっても上手い人じゃないとできないんで、すごいなって思いますね。
後ろにディフェンスおるのにボールを「出せ」って要求して、来ても止めて、耐えれるっていう。ピッチに22人おる中でも1人だけ違う空気を作れる選手ってそうはいないと思うんです。
みんな体幹が強いって言うんですけど、身体ムキムキじゃないのにあたられてもびくともしない。全然こたえないっていうか。相手と身体ぶつけることを厭わないのもいいなって思いますね。
僕個人的には家長選手が左に流れて泉澤選手とのコンビネーションで崩すのがすっごい好きなんですよ。家長選手は自在に動いてポジションとかあってないような選手ですけど、それを可能にしうる技術とか、身体の強さとか、けっこう強いシュートも持ってる。
去年よりもチームとして、あまり攻撃に人数や時間がかけられない思うんですけど、その中でも存在感が薄れていないのはすごいなって思います。
FW:金崎夢生
なんかもう前に進むのがわかってても止められないっていうか、そこの獰猛さって今日本でやっぱナンバーワンじゃないですかね。
この人もぶつかることを嫌がらないっていうか。ある種ケンカできるFWじゃないですけど、相手DFにとっては嫌な選手でしょうね。あとやっぱ守備でもサボんないですよね。
あと、鹿島の他のFWに与える影響力があるんかなと思いますね。それこそ鈴木優磨選手であったりとか、土居選手であったりとかに与える影響力。なんか鹿島っていうチームで見ると「異物」みたいに見えるけど、きれいにハマってるってところはすごいなって思う。
僕、金崎選手にはもっと突き抜けてほしいって思ってます。金崎選手に関しては、ある種優等生的なマスコミ対応を求めるマスコミ関係者の人もいますが(笑)、僕は日本でいう優等生的な人にはもう全然なってほしくないなって思ってます(笑)。
FW:ピーター・ウタカ
ウタカ入れなあかんなぁ……ウタカですね。やっぱりうまいですし、実際スタジアムで見ても、前に進んでいく勢いとか、1人だけ違うなっていう。
得点も取りますけど、得点だけじゃなくてアシストもありますし、加入1年目でこれだけフィットして。最初は、トップなのか、シャドーなのかっていうのはありましたけど、トップにスポッとはまって。
逆にあの人があそこにハマってなかったらどうなってたかなって感じもするぐらいですけど。決めきる力はすごくありますけど、そんなにエゴは見えないじゃないですか。いろんな国でプレーしてきた経験でそうなってるんだとは思うんですけど、そういうところは広島に合ってるなと思いますね。
あとは森保さんとか、広島っていうチームの、ある種今までと違うものが入ってきたときの受け入れる許容量っていうんですかね、そういうのはすごいなぁって思いますね。
広島にとっては、ドウグラス選手がいなくなったことが一番の懸案事項っていうところで。ウタカ選手がハマってへんかったら「ドグおらんくなってダメだね」って話になるけど、その話はあんまり出てない。それだけウタカ選手が活躍したってことじゃないですかね。
平畠さんが選んだ11人
これどっちにしても答え出ないですよね(笑)。今回選べなかったけど、他に入れたかった選手も名前挙げさせてもらっていいですか。
たとえば右SBだったら大宮の奥井選手とかは、ちょっとおもしろいかなぁって。アグレッシブですし。あとは左利きのセンターバックとして、FC東京の丸山選手とか結構いいかな。フリーキックも蹴れるし。
あとは遠藤航選手ですね。浦和へのフィットも早くて、守備のポテンシャルを見せてくれたっていうか。「意外とヘディングが強い」ってよく言われますけど、ヘディング、強いんですよ。身長が大きくないんで「意外と」っていう枕詞が付いたりするんですけど(笑)。
フィードも正確ですし、ちょっと長めのボールが後ろから蹴れる。若いですけど精神的に落ち着いていて浮かれたところもあんまり見たことがないし、後ろの選手に必要な素養みたいなものを全部持ってる選手なんかなって。今回は入れられなかったですけど、期待もしてるし、やっぱり入れたかったですね。
(選定:平畠啓史/取材・構成:中山佑輔)