http://www.sanspo.com/soccer/news/20161230/jle16123005030002-n1.html
サッカー天皇杯全日本選手権(29日、ヤンマースタジアム長居ほか)準決勝2試合が行われ、J1王者の鹿島は横浜Mを2-0で退け、6大会ぶりの決勝へ進んだ。体調不良から準々決勝を欠場したMF柴崎岳(24)が先発復帰。全2得点をアシストで演出した。川崎は終盤のDF谷口彰悟(25)の決勝ゴールで大宮を1-0で下して初の決勝進出を果たした。決勝は来年1月1日に大阪・市立吹田スタジアムで開催される。
大阪まで足を運んだ鹿島サポーターに誇らしげに胸を張った。チームの先頭でファンへのあいさつを終えた柴崎に大歓声が降り注いだ。
「決勝に進めたのはよかった。(コンディションに)多少不安はあったけど、悪くはなかった。しっかりできた」
2得点したクラブW杯決勝のレアル・マドリード戦(18日)後、体調を崩し、今大会の準々決勝(24日)はメンバー外。26日に復帰したばかりだが、大黒柱の存在感を見せつけた。
前半41分、右クロスをFW土居聖真(24)の頭に合わせて先制点を演出した。後半28分には同サイドから低く速いクロスをゴール前のFW鈴木優磨(20)へと送り、追加点をおぜん立て。チームの全得点に絡んだ。「(ボールが)長かったかなと思ったけど、(先制点は土居)聖真が(クロスを)よく触ってくれた」。
世界2位のプライドが芽生えている。序盤から相手に押し込まれ、ピンチを招いた。試合を通じて鹿島のシュートが6本(横浜Mは14本)にとどまったことに不満を口にした。
「もっともっと相手を圧倒しなければならない。もう一度あの舞台(クラブW杯)でやりたい」
ヤンマースタジアム長居には欧州クラブのスカウトの姿もあった。現段階で具体的なオファーなどはないが、再び「SHIBASAKI」の名をアピールできたことには違いない。
「19冠目を目指せる決勝まで来た。相手がどこであれ鹿島のサッカーを表現したい」
今季年間王座を手にして18冠を果たした常勝軍団のエースとしての貫禄も漂う。優勝した2010年度以来6大会ぶりの決勝進出。5度目の大会制覇に向けて背番号「10」の言葉には力強い響きがあった。 (一色伸裕)
前半41分に先制ゴールを決めた鹿島・FW土居
「うまくマークを外せて、(柴崎)岳がいいボールをくれた。折り返そうと思ったけどDFが動いたのが見えたので、狙ってシュートした」
後半21分に途中出場し、追加点を挙げた鹿島・FW鈴木
「難しいボールだったけど、しっかりと合わせて決めることができた」
柴崎 岳(しばさき・がく)
1992(平成4)年5月28日生まれ、24歳。青森・野辺地町出身。青森山田高をへて11年に鹿島入り。同年4月の福岡戦でリーグ戦初出場、12年10月のFC東京戦で同初得点。同年2月にA代表に初選出。14年9月のベネズエラ戦で国際Aマッチ初出場&初得点。15年アジア杯メンバー。J1今季31試合3得点、同通算172試合17得点。代表通算13試合3得点。1メートル75、64キロ。