http://www.hochi.co.jp/soccer/national/20161215-OHT1T50027.html
◆クラブW杯 ▽準決勝 鹿島3―0アトレチコ・ナシオナル(14日・吹田スタジアム)
鹿島ゴール前に、伝統の堅守を受け継いだ若きセンターバックが立ちはだかった。前半24分、GK曽ケ端がつり出されてがら空きとなったゴールにシュートが放たれた。頭ではじき返したのはDF昌子だった。「DFのセオリー。普通に当たり前のプレーです。あれも(シュートの)コースが良ければ入れられていたけど、ちょっとずつ流れが僕らに傾いてきたのかな」。コロンビア代表FWボルハら、強力なアタッカー陣に苦戦しながらもゴールを守った。
DFラインの中央で、DF植田とともに体を張り続けた。11日・サンダウンズ戦では前半途中に前歯が折れ、痛みとショックで集中力を欠いた。「あの前半は今季ワースト。迷惑をかけた分、今日は全部守る」と準決勝に臨んだ。痛みで食事も満足にとれず、おかゆと細かく砕いたおかずを胃に流し込み、体力の低下を防いだ。プラスチック製の仮の差し歯を装着。「割れるのは覚悟」で空中戦でもひるまず、完封に貢献した。
高い個人技を誇る南米王者との対戦。しなやかに体を入れ替えてくる南米勢独特のテクニックに前半は手を焼いた。それでも、後半は鹿島OBの元日本代表DF中田、岩政から聞いた「体をつけすぎず、距離を少しとる」というアドバイスを思い出して対応した。ボランチの組み合わせが前の試合と変わっても影響なし。「誰が出ても鹿島。注目されるのはFW陣で僕らは影。チームを支えるために、もっと体を張っていかないと」。鹿島の伝統を受け継いだ背番号3は、レアルとの対戦が予想される決勝を見据えた。