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2017年1月28日土曜日

◆日・タイ修好130周年 2017Jリーグ アジアチャレンジ in タイ インターリーグカップ第2戦(オフィシャル)


2017Jリーグ アジアチャレンジ in タイ インターリーグカップ

前半で4失点。金崎、レアンドロ、レオ シルバのシーズン初ゴールも追いつかず。

22日からタイキャンプに臨んでいる鹿島が、2017シーズン2試合目となる一戦に臨んだ。昨季のタイ・プレミアリーグを2位で終えたバンコク・ユナイテッドと対戦すると、前半だけで4失点を喫する苦しい展開に。42分に金崎、48分にレアンドロが反撃のゴールを決めると、終了間際にはレオ シルバが鮮やかな直接FKを突き刺したものの、3-4で敗れた。

Jリーグ アジアチャレンジinタイ インターリーグカップに出場している鹿島は、24日のスパンブリーFC戦を4-2で制した。思わぬ形で先制を許し、前半をビハインドで終えたものの、鈴木とペドロ ジュニオールが2得点ずつを挙げて逆転勝利を収めた。

指揮官は勝利の翌日、午前練習をオフに変更。心身のリフレッシュを図り、午後練習から再び集中力を高めていった。25日のバンコクは到着後、一番の暑さに見舞われたが、選手たちは熱気に満ちた競り合いを繰り広げた。多数の新戦力が加わった今季、ポジション争いは激しさを増している。来たるべきシーズン開幕へ向けて、すでに競争は始まっている。

タイキャンプ5日目、今遠征を締めくくる一戦。石井監督は「コンディションを上げること、戦術理解度を高めること」とテーマを掲げ、「試合である以上、当然勝ちに行く」と勝利を誓った。先発メンバーは、2日前のスパンブリーFC戦から実に9名が変更。GKの川俣、センターバックの植田以外は入れ替わることとなった。最終ラインは右から、梅鉢と植田、ブエノ、ルーキーの小田。ボランチは小笠原とレオ シルバのペアで、2列目には遠藤と中村が並ぶ。そして前線は、金崎と土居がコンビを組んだ。




青空の中に分厚い雲も見えるラジャマンガラ・スタジアム。16時にキックオフのホイッスルが鳴り響いた。鹿島は開始直後、植田のフィードを受けて抜け出した金崎が突破を図り、相手に倒されてFKを獲得。力強いプレーで、背番号33がいきなり存在感を見せた。5分にも小田のクロスに土居が飛び込むなど、立ち上がりからチャンスを作り出していった。







しかし鹿島は、思わぬ展開を強いられることとなる。9分、スルーパスから最終ラインの背後を取られ、ペナルティーエリア内へドリブルを許す。ブエノがスライディングタックルで突破阻止を試みたものの、判定はPKだった。ドラガン ボスコヴィッチに決められ、鹿島は2試合連続で先制を許した。

ビハインドを負った鹿島は、中盤でのボールキープから左サイドの小田が攻撃参加をする場面を何度か作り出した。ミスをしても積極的な姿勢を失わない18歳のニューカマーは、オーバーラップとクロスで持ち味を発揮しようと奮闘していた。







しかし、次のゴールもバンコク・ユナイテッドのものだった。27分、ボスコヴィッチにミドルシュートを決められ、0-2。さらに35分にはセットプレーからオウンゴールで3失点目を喫し、その2分後にもボスコヴィッチにゴールネットを揺らされた。守備の混乱を突かれ、4点を先行される思いがけない展開となった。





反撃を期す鹿島は42分、金崎が自ら得たPKをゴール左隅へ決め、1点を返してハーフタイムを迎えた。石井監督は後半開始時から、小笠原と遠藤、梅鉢に代えて三竿健斗、レアンドロ、伊東を投入。すると48分、ペナルティーエリア右角で起点となった金崎が後方へ戻し、伊東が上げたクロスをファーサイドのレアンドロが押し込んで2点目を挙げる。レアンドロからの正確なスルーパスが発端となった攻撃で、鹿島が2点差とした。













後半立ち上がりに得点を決めた鹿島は、ボールポゼッション率を高めて相手を押し込んでいく。ただ、自陣に引いてブロックを固めるバンコク・ユナイテッドをなかなか崩すことができない。石井監督は61分、またも3選手を交代。三竿雄斗、鈴木、そしてルーキーの安部をピッチへ送り出した。







スパンブリーFC戦で2得点を挙げている鈴木が前線で身体を張り、ポストプレーで起点となれば、雄斗も72分、ペナルティーエリア右手前からの直接FKを枠に飛ばしてチャンスを作り出した。74分にはレアンドロが意表を突いたループシュートを放ったものの、相手GKに阻まれてしまった。

なかなか3点目を奪えないまま、試合は終盤へ。次第にスペースが増えてオープンな展開となる中、石井監督は84分に金森を投入。金森は3分後、ペナルティーエリア右角でボールを受け、鋭い反転から左足シュートでゴールを脅かしたものの、わずかに枠の左へ逸れた。







2点ビハインドは変わらず、苦しい展開となった。鹿島は90分、レオがペナルティーエリア手前からの直接FKを決めて1点差に迫る。中盤で攻守に渡って存在感を示し続けた新戦力が、鮮やかな一撃で加入後初ゴールを記録した。しかし、反撃はここまで。3-4でバンコク・ユナイテッドに屈し、タイキャンプの2試合は1勝1敗という結果に終わった。







コンディションと戦術理解度の向上を追い求めながら、勝利を目指した90分。敗戦という結果に終わったものの、多くの課題を得たことは次へつながる。タイでの2試合で、当たらに加入したブラジル人トリオが揃ってスコアを刻んだことも明るい材料となるだろう。ルーキーの2人が早くもピッチに立ったことは、大いなる刺激と成長の糧になるはずだ。課題と手応え、悔しさを胸に、選手たちはタイでの日々を終えた。チームは明日、帰国の途に就く。



【この試合のトピックス】
・レオ シルバ、レアンドロが鹿島での初ゴールを記録した。
・ルーキーの小田が初先発、安部が初の途中出場を果たした。


監督コメント

[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:石井 正忠


バンコク・ユナイテッド:マノ・ポルキン


[試合後]
鹿島アントラーズ:石井 正忠
今日でこの大会は終わりになったが、まずは素晴らしい大会に参加できたことを嬉しく思っている。タイリーグの強豪2チームと試合をすることができたことも、今後の力になっていくと思う。試合の内容としては、前半に4失点を喫した中で、どうにか同点に追い付いて逆転しようと思って戦っていたが、それができなくて残念。通常の試合では4失点してしまうと上向きにはいかないものだが、どうにかして追い付こう、逆転しようという力を選手たちが見せてくれたと思う。このような結果になってしまったが、今日の試合で出た課題については、日本に帰ってからトレーニングをしていきたい。また機会があったら、タイの強豪チームにもしっかりと勝てるようにしたい。改めて、素晴らしい環境を作っていただいた方々に感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございました。

Q.タイリーグの2チームと試合をしたが、両チームの印象は?

A.2チームとも攻撃力が非常に高いという印象だった。

Q.タイリーグのチームの特長は何だと思うか?

A.比較的、攻撃に比重を置いていると思う。アグレッシブなチームが多いように思う。昨年10月にも2試合を行ったが、同じような形だった。守備よりも攻撃に重点を置いたチームが多いと思う。

Q.2点目の場面について

A.あのような展開は今までも数多く見せてきたので、今までのコンビネーションが出たと思う。得点に結びついたのは1回だけだったかもしれないが、特に右サイドでは随所に攻撃の形を見せていたと思う。

Q.前半に失点が多かったが?

A.全体的に身体が重いような感じで、プレーの判断やプレースピードが少し遅かったと思う。相手への対応の部分で、相手のプレーに対応をする形でしか守備をすることができなかった。本来は自分たちから相手のプレーを制限してボールを奪う形を作りたいので、まだまだうまくいっていないのではないかと思う。


バンコク・ユナイテッド:マノ・ポルキン



選手コメント

[試合後]

【レオ シルバ】
このチームらしくない失点をしてしまった。後半は切り替えた。これを教訓として、次の試合に向けて改善したい。FKはミートして強く蹴ることができた。壁を越えた瞬間に入ると思った。ただ、得点した喜びよりも試合に勝てなかったことが残念。どんな試合でも勝たなければ意味がない。悔しさしか残っていない。

【レアンドロ】
試合への入り方や細かい部分の修正をして、活かしていかなければいけない教訓になったと思う。どの試合でも勝たなければいけないし、勝たなければ残るものはない。得点を決められたことは嬉しいが、求められた結果を出せなくて残念という気持ちのほうが大きい。

【安部 裕葵】
結果を残したかった。力がないと改めて思った。「思い切って、前を向いて仕掛けてこい」という指示だった。パスを受ける場所に変化をつけようと考えていた。最後のところの質を上げないといけない。

【遠藤 康】
前半で4失点をしてしまうと、どうしても苦しくなってしまう。個人個人、やろうという気持ちは出ていた。暑さは関係なく、それでもやらないといけない。もっと暑い時もある。

【土居 聖真】
前半で4失点はダメだけど、ACLとかでも、1失点してズルズルといってしまう可能性があるので、次に繰り返さないようにしたい。こういう試合が今、出たことを良い方向に捉えたい。共通意識を高めることができれば強いチームになる。

http://www.so-net.ne.jp/antlers/games/51948