[5.4 J1第10節 浦和0-1鹿島 埼玉]
5万7447人の大観衆で埋まった埼玉スタジアムが、またしても悲しみに包まれた。大宮に0-1で敗れた前節の埼玉ダービーに続く連敗。今季公式戦ホーム初黒星となった浦和レッズの選手たちに試合後、ゴール裏のサポーターからはブーイングが浴びせられた。
「サポーターが素晴らしい雰囲気をつくってくれて、それに応えないといけなかった。去年のチャンピオンシップで悔しい思いをして、その時間を今日進めないといけなかった」。DF槙野智章はそう言って唇をかんだ。
埼玉スタジアムでの鹿島戦は昨季のチャンピオンシップ決勝第2戦以来。年間勝ち点1位となり、決勝第1戦も1-0で先勝しながらホームで1-2の逆転負けを喫し、アウェーゴール数の差で年間チャンピオンの座を鹿島に明け渡した。今年2月18日の富士ゼロックススーパー杯でも鹿島に2-3で敗れており、対鹿島戦は公式戦3連敗。最大のライバルにまたしても屈し、槙野は「自分が変わった姿、チームが勝てる姿を見せたかった」とうなだれた。
鹿島戦に限らず、埼玉スタジアムを埋め尽くした大サポーターに勝利を届けられない試合が続いている。5万人以上の観衆が入ったホームゲームは昨年6月11日のJ1鹿島戦(0-2、5万1674人)、7月17日のJ1大宮戦(2-2、5万3951人)、11月3日のJ1横浜FM戦(1-1、5万6841人)、昨年12月3日のチャンピオンシップ決勝第2戦・鹿島戦(1-2、5万9837人)、そしてこの日の鹿島戦(0-1、5万7447人)と、5試合連続で勝利を挙げられずにいる(2分3敗)。
これが“勝負弱い”と言われる浦和の所以なのか……。大一番で詰めかけた大観衆の後押しを力に変えたとき、タイトルへの道も大きく開けてくるはずだ。
(取材・文 西山紘平)