[5.20 J1第12節 浦和3-3清水 埼玉]
ハットトリックも勝利に結びつかなかった。浦和レッズのFW興梠慎三は前半24分に華麗なバイシクルシュートで先制点を決めると、後半12分にもヘディングで追加点。ところが、2-0とリードを広げながら後半19分からの8分間で3失点を喫し、逆転を許した。
「まさかひっくり返されるとは自分でも思っていなかった」。興梠は率直に振り返った。「やっていてもそこまで怖くない感じだったし、後半立ち上がりで2-0になって、このまま浦和のペースで大量得点になるのかなと。そういう気の緩みがいけなかったのかなと思う」。自戒の念も込め、悔やみ切れない展開に唇をかんだ。
それでも今季2度目のハットトリック達成で引き分けに持ち込んだのはエースの意地か。後半29分、MF駒井善成の縦パスを興梠がスルーし、ゴール前に走り込む。MF関根貴大のラストパスを受け、PA内右に切れ込むと、GKとの1対1から冷静に右足で流し込んだ。
リーグ戦初のハットトリックを達成した4月7日の仙台戦(7-0)に続いて今季2度目の1試合3得点。今季12試合で通算11ゴールと自己最速ペースで得点を重ねている。6シーズン連続の2ケタ得点に乗せ、自己最多記録を更新した昨季の14ゴールも射程圏内。しかし、「勝ち点を取りこぼしているので、それが一番悔しい」と、エースに笑顔はなかった。
(取材・文 西山紘平)
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