気が付けば上から数えたほうが早い年齢になった。今回の日本代表DF陣で、30歳のDF槙野智章(浦和)は今年9月に31歳を迎えるDF長友佑都に次ぐ年長者。負傷者が相次ぐ今こそ、チームを引っ張る意識を強めている。
「ケガ人が多いので、一丸となってやらないといけない。長年、引っ張ってきた長谷部さんとかにいつまでも頼っているのも良くない。一人ひとりがキャプテンのつもりで、引っ張るつもりでやらないといけない。今、残された選手が試されていると思う」
今回はセンターバックとして招集された槙野だが、7日のシリア戦(1-1)はDF昌子源に先発の座を譲った。国際Aマッチ2度目の先発となった24歳に対し、「彼はアグレッシブだし、DFとしていい選手。僕も負けてられない」と対抗心を燃やす一方、「この年齢になって、刺激をもらう立場ではいけない。刺激を与える立場にならないといけない」と、プライドものぞかせた。
若手の底上げに危機感もあるが、何よりも自分自身が日本代表で定位置をつかみ切れていない現状からの脱却が槙野に課された使命でもある。DF長友佑都が右内転筋に張りを訴え、この日は別調整。センターバックだけでなく、左サイドバック候補としても名前が挙がる中、「自分が出る準備をちゃんとしないといけない。与えられた時間、与えられたポジションで自分の力を発揮するのがプロ選手であり、代表選手」と表情を引き締めた。
(取材・文 西山紘平)
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