<明治安田生命J1:磐田0-0鹿島>◇最終節◇2日◇ヤマハ
限りなく迫っていた1点は、最後まで遠かった。勝てば無条件で優勝が決まる一戦で勝ちきれなかった。
2位以下と最大8差あった勝ち点が最後に追いつかれ、得失点差で劣った。鹿島アントラーズが最後に優勝を逃した。日本代表DF昌子源はピッチに突っ伏し、同MF三竿健斗は泣き崩れた。
大岩剛監督は「非常に悔しい気持ち、残念な気持ちでいっぱいです。ヤマハスタジアムまで来ていただいたサポーターの皆さんには感謝しています。勝利を届けられなくて非常に責任を感じていますし、この悔しさを…(10秒間言葉に詰まる)次につなげようと、選手には話しました。選手は非常によく頑張ってくれて戦ってくれて…。本当に私の経験不足というか、彼らに勝利を…(11秒間、言葉に詰まる)勝たせてあげることができなかった、僕の経験不足だと痛感しています」と責任を背負った。
2位川崎フロンターレの試合の情報は入れていなかった。自分たちが勝てばいいだけ。そう集中して臨んだジュビロ磐田戦で前半は苦しんだ。日本代表の右サイドバック西大伍が右膝を負傷し、試合開始わずか14分で途中交代を強いられたことも影響した。前半に放ったシュートはわずか1本。終了間際の前半44分に、右CKから日本代表DF植田直通のヘディングシュートがゴールネットを揺らしたかに見えたが、直前の昌子のファウルを取られて無効になった。主審に詰め寄った昌子は「誰のファウルか聞いたら『昌子か植田』と言われた。なんなん、その曖昧さは」と憤った。結果、この試合の大きなポイントとなった。
後半に入ると怒濤(どとう)の攻め。磐田に10本ものシュートを浴びせた。だが、ことごとく磐田GKカミンスキーの正面を突くか、枠を外れた。後半41分には、右クロスにフリーで日本代表DF山本脩斗が頭から飛び込んだが、ゴール上へ。植田も前線に上げて1点を狙ったが、届かなかった。「流れはかなりうちのペースだった。そこを決めきるかの問題だった」と昌子。前節の柏戦も含めて計180分間で1点さえ入れば良かった。その1点が届かなかった。大岩監督は「得点に向かっていける形をたくさんつくり出してあげられなかった」と頭を下げた。
鹿島遠かった1点 試合の流れ変わる“幻V決定弾”