[12.2 J1第34節 磐田0-0鹿島 ヤマハ]
試合終了のホイッスルが吹かれる。鹿島アントラーズが2連覇を逃した瞬間となった。笛の音を聞いたDF昌子源は、目頭を腕で抑えるようにピッチ上で仰向けに倒れた――。
勝てば文句なしの優勝。引き分け以下に終わっても、川崎Fの結果次第で2連覇が決まる状況で最終節を迎えた。しかし、「前半は特に僕らの思いどおりにいかなかった」と序盤の主導権を磐田に握られてしまう。激しいプレッシャーにさらされてボールを前線へと運べずに前半のシュートはわずか1本に終わり、幾度となくゴールを脅かされる場面を磐田に作られた。
しかし、「前半を0-0で終えた時点で感触的には、後半は行けるという思いがあった」という後半途中からは、「すごく強引さが出てきた」と敵陣深くへとボールを運ぶ回数を増やし、前半とは一転、磐田ゴールに迫った。だが、後半だけで放ったシュート10本は、いずれもゴールに結び付くことはなかった。
「後半は流れ的にもウチのペースだったし、あとは決め切るかの問題だったと思う」
勝ち点1の上積みに終わったチームは、大宮を下した川崎Fに勝ち点で並ばれると得失点差で上回られ、最後の最後で2位に転落。「非常に残念。ちょっと、今は何を言っていいか分からない」。2試合連続スコアレスドローでタイトルを逃し、肩を落とした。
(取材・文 折戸岳彦)
「今は何を言っていいか分からない」タイトル逃し号泣の鹿島DF昌子