[9.9 ルヴァン杯準々決勝第2戦 川崎F1-3鹿島 味スタ]
チームメイトも驚きの2得点だった――。
スコアレスで迎えた前半28分、鹿島アントラーズがFKの好機を得る。一度ははね返されたものの、右サイドでMF遠藤康がボールを受けると、ゴール前のDF山本脩斗は感じた。「あの角度で持ったら見てくれている」と。その言葉通り、遠藤の鋭いピンポイントクロスが山本に届けられ、「うまく抜け出せたし、うまく当てられた」とヘディングで巧みに合わせてネットを揺らし、先制点を記録した。
山本の勢いは止まらない。前半37分には右サイドのMF永木亮太が送ったクロスがGK新井章太に弾かれると、ここでファーサイドでフリーになっていた山本が反応。「こぼれてくるかなという感じで、誰もマークについていないと分かっていた。『来い』と思っていたし、当てることだけを考えた」と右足のダイレクトボレーで沈めてリードを2点差に広げた。
本職の守備だけでなく、2点を奪って3-1の勝利に貢献し、チームをベスト4へと導いた。思わぬ“伏兵”の2得点にDF内田篤人は「脩斗さん、誰が2点予想してた?」と苦笑し、報道陣から山本には「2点は初めて?」と質問が飛ぶ。しかし、磐田在籍時の11年9月28日に行われたナビスコ杯2回戦仙台戦で2ゴールを奪っており、「いや、昔ナビスコで中盤やっていたときありますよ」と笑みを見せながら答えつつ、「でもSBでは初めて」とチームに勝利をもたらす複数得点に喜びを表した。
(取材・文 折戸岳彦)
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◆内田もビックリ!? 「誰が予想した?」“伏兵”山本脩斗の2得点(ゲキサカ)