鹿島アントラーズは27日、MF小笠原満男が今季限りで現役を引退すると発表した。
小笠原は1979年生まれの39歳。大船渡高校出身で、1998年に鹿島へ加入した。日本代表でもともにプレーすることとなるGK曽ヶ端準やMF本山雅志(現・ギラヴァンツ北九州)、MF中田浩二(現・鹿島C.R.O/クラブ・リレーションズ・オフィサー)らと同期加入で、2006年途中から1年間に渡ってメッシーナでプレーした期間以外は、鹿島で活躍を続けてきた。
ルーキーイヤーの1998年にJリーグ制覇を経験すると、レギュラーに定着した2000年にはJ1リーグ、ヤマザキナビスコカップ(現・JリーグYBCルヴァンカップ)、天皇杯の国内3冠を達成。史上初の快挙を成し遂げる原動力となった。翌2001年にはJ1連覇、2002年にはナビスコ杯制覇。2007年夏にメッシーナから復帰すると、同年には終盤の9連勝で“奇跡”とも称された大逆転でのJ1優勝を果たし、クラブ通算10冠目を獲得した。2007年は天皇杯も制している。
2007年から2009年まで史上初のJ1リーグ3連覇を成し遂げ、2009年はJ1の最優秀選手賞(MVP)、フットボーラー・オブ・ザ・イヤーを受賞。2010年は天皇杯を制し、2011年と2012年、2015年にはナビスコ杯を制覇した。2016年は明治安田生命J1リーグと天皇杯の2冠を獲得し、今季はAFCチャンピオンズリーグ(ACL)を初めて制している。7度ものJ1制覇をはじめ、獲得した主要クラブタイトルは17を数える。Jリーグベストイレブンには2001年~2005年と2009年、計6回も名を連ねている。
キャリア通算では、明治安田生命J1リーグで525試合出場69得点、JリーグYBCルヴァンカップで63試合出場8得点、天皇杯で59試合出場11得点、Jリーグチャンピオンシップで7試合出場1得点、ACLで44試合出場3得点、アジアクラブ選手権で9試合出場2得点、FIFAクラブワールドカップで4試合出場、アジアカップウィナーズカップで2試合出場1得点、A3マツダチャンピオンズカップで3試合出場1得点、ゼロックススーパーカップで6試合出場、スルガ銀行チャンピオンシップで3試合出場を記録している。クラブでの公式戦通算出場数は725試合、96得点だった。
また日本代表としても活躍し、U-19代表の一員として1999年のワールドユース準優勝に貢献。2002年にA代表デビューを果たし、国際Aマッチ通算55試合に出場(7得点)した。2002年の日韓共催大会、2006年のドイツ大会と、FIFAワールドカップにも2度出場している。
今月22日に行われたFIFAクラブワールドカップ UAE 2018の3位決定戦、リーベル・プレート(アルゼンチン)戦での途中出場が現役最後のプレーとなった小笠原。鹿島をけん引し続けた“闘将”が、選手生活にピリオドを打つこととなった。