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2018年3月11日日曜日

◆【甲府】ジネイ、敵地で先発デビュー「全て出し切る」(報知)






 J2ヴァンフォーレ甲府のブラジル人FWジネイ(34)が、11日のアウェー・町田戦で、先発で甲府デビューすることが10日、濃厚となった。韮崎市内で行われた前日練習でも軽快な動きを披露した背番号9。ここまで1引き分け1敗のリーグ戦で「全てを出し切る」と、全力プレーで初勝利に貢献すると誓った。

 甲府での公式戦初陣を前にジネイは「準備はしている。(出場したら)自分にとって特別な試合。チームを勝ち点3に導きたい」と意欲を示した。1月17日に加入が発表され、同23日からチームに合流。開幕戦(2月25日)のアウェー・大宮戦(1●2)はベンチ外だったが、コンディションも上がり、前節(3日)のホーム・東京V戦(0△0)ではベンチ入りを果たした。そして、いよいよ巡ってきた初出場のチャンスに、気持ちは高ぶっていた。

 チームは7日、ホームでのルヴァン杯で、リーグ戦から大幅にメンバーを入れ替えた中、J1札幌に3―0と完勝した。同じブラジル人のFWジュニオールバホス(24)が2得点と活躍し、定位置争いも激化している。吉田達磨監督(43)は「ジネイに期待するのは得点。結果を残していかないといけないと分かっているはず」と頼もしそうだった。

 リーグ戦でのチーム総得点は、エースのブラジル人FWリンス(30)のPKによる1点のみ。町田戦で最前線に入ることが見込まれるジネイは「ゴールも、守備も、意識している。自分はセンターフォワード。空中戦も武器になる。試合が楽しみ」。昨季J2だった湘南で12得点を挙げた助っ人ストライカーが、新たな得点源となる。(古川 浩司)

 ◆ジネイ(テルマリオ・デ・アラウージョ・サクラメント)1983年11月11日、ブラジル生まれ。34歳。ヴィトーリア(ブラジル)やセルタ、テネリフェ(以上スペイン)などを経て2015年に鹿島へ加入。16年6月に鹿島を退団し、同年8月に練習参加を経て湘南へ加入。今季より甲府へ完全移籍。J1通算20試合4得点、J2通算33試合12得点。186センチ、76キロ。


【甲府】ジネイ、敵地で先発デビュー「全て出し切る」




◆中田浩二「アントラーズの紅白戦は きつかった。試合がラクに感じた」(Sporiva)




遺伝子 ~鹿島アントラーズ 絶対勝利の哲学~(3) 
中田浩二 前編




「プロになったら、競争は当たり前。先発とかベンチとか、そういうことで気持ちが揺れたりはしません。チャンスが来たら、自分のプレーをするだけです」

 3月3日、今季の公式戦初勝利を飾った土居聖真は、淡々とそう語った。このガンバ戦ではアグレッシブな守備と連動する攻撃で、相手陣に攻め入った鹿島の攻撃軸として、存在感を示した土居は1-0の勝利に貢献する。

 また、ボランチを務めた三竿健斗は「前節の清水戦直後から、選手同士で修正点をたくさん話し合った。その成果が出たと思います」とも話していた。

 選手間の濃密なコミュニケーションが試合の質に大きな影響を与えていた。それは試合に出た選手だけではない。

 3月7日のACL第3節シドニーFC戦、敵地のピッチに立ったメンバーは、4日前のガンバ大阪戦から8人も入れ替わっていた。

 相手の攻撃を凌ぎ、好機を待つ……彼らがそんな鹿島らしい戦いを演じる。チャンスを得た若い選手たちは自己アピールよりも、チームとしての戦いを第一に思考していたのだろう。0-2とアウェーながら完勝した鹿島は、無敗でグループリーグ首位を走っている。

 2014年に現役を引退。現在は鹿島アントラーズ事業部に所属し、クラブ・リレーションズ・オフィサー(C.R.O.)を務める中田浩二。フランス・マルセイユ、スイス・バーゼルでプレーした経験を持ち、2002年ワールドカップ日韓大会の代表メンバーでもある。

 1999年にワールドユース(現U-20ワールドカップ)で準優勝を果たし「黄金世代」と呼ばれる1979年生まれだ。小笠原満男、本山雅志(北九州)、曽ヶ端準、山口武士(エンフレンテ熊本スポーツクラブコーチ)、中村祥朗(HOUKOKU FC)とともに高卒ルーキー6人衆のひとりとして、1998年鹿島に加入した。

――現在はスポンサーの方との仕事も多いと思いますが、「鹿島アントラーズ」には強固なブランド力があると感じます。

「Jリーグ初年度のファーストステージで優勝し、ジーコがもたらしたスピリッツを証明できたと思います。当時のスタッフがそれを大切にし、今に至るまで、そのスタンスをずっと変えずに来たことが大きいと思います。

『勝利へのこだわり』を持ち、『強いチーム』として結果を残してきた。鹿嶋という場所柄、勝たなくちゃいけないという現実があった。弱ければ、試合を見に来てくれる人はいないだろうし、選手も集まらない。だから、クラブ全体がトップチームの勝利のために力を尽くしている。サポーターはもちろん、スポンサーの方々もいっしょに戦ってくれている。それを引退後、痛感しています」

――新人選手として感じた鹿島の「勝利へのこだわり」とはどういうものでしたか?

「当時、本田(泰人)さん、秋田(豊)さん、相馬(直樹)さん、名良橋(晃)さんと、日本代表選手がたくさんいるレベルの高い環境だということは自覚していました。

 たとえ練習であっても、ちょっとしたポジショニングが違っていたり、サボるとすぐに怒られる。誰かが手を抜いて、チーム内の共通理解が壊れたら、試合ではそこを突かれてしまう。練習から試合を想定しているので、曖昧な状況を許さないんです。練習中からたくさんの議論があり、選手それぞれが『チームの勝利のためになにをすべきか』を考えていることが伝わってきました」

――選手同士、要求をし合っていると……。

「自分がこういうプレーをしたいからというんじゃなくて、すべてが『チームのため』という前提があった。しかも、誰かが一方的に訴えるだけじゃなく、話し合っているんです。『こういうポジションをとってほしい』『だけど、そこはこうなんじゃないのか?』と、お互いをリスペクトしたうえで、納得するまで話し合う。

 それは練習後にも続きます。10分で終わることもあれば、マッサージを受けながら1時間続くこともある。同じ意識を共有するために、濃いコミュニケーションを日々行なっているので、試合でそれを落とし込める。選手がチームの勝利に真剣に向き合っていると強く感じました」

――そういう輪のなかには、新人だと入りづらいですよね。でも、試合出場することを考えたら、そのコニュニケ―ションに加わらなければならない。

「もちろん、最初はビビッているところもあるから、自分の意見なんて言えなかった。でも、話さないとわからないことを理解してもらうこともできない。そういうとき、奥野(僚右)さんが、『お前はどう思うの?』と声をかけてくれるんです。そうして話し始めても、『お前は1年目なのに、生意気な』というような空気にはならない。みんなが僕の意見を聞いてくれる。

 そして、『お前はそう思ったかもしれないけど、こういうときにはこういうやり方もあるんだ。だから、お前はそうしなくちゃいけないんだ』と話してくれる。僕も『なるほどな』と気づける。そういう教えを重ねて、自然と自分が試合のなかで何をしなくちゃいけないかが明確になってくる」

――当時、柳沢敦(鹿島コーチ)さんが「どんなに幼い子どもであっても、その子の意見に耳を貸さなくちゃいけない」とジョルジーニョに言われたと話していました。そういう空気が鹿島にはずっと漂っているように感じます。ご自身がベテランになったときも、それは大事にされていましたか?

「もちろん。話しづらいだろう若手にもこちらから声をかけるし、彼らの意見も大切にしました。コミュニケーションがなければ、勝利のためにチームがひとつにはなれない。だから、議論を省略することはできないんです」

――中田さんの同期は6人の選手がいて、普通に考えたら、ライバルが多い状況ですよね。しかも強豪クラブだから、競争は激しい。

「よく6人が集まったなと思います。でも、きっと誰もが『自分は試合に出られる』と思っていたはず。鹿島は簡単に試合に出られるような環境ではなかったけれど、そういう競う同期がいたから、奮起し続けられた。

 僕が最初に試合に出た。そうなれば、ほかの選手は『負けたくない』とトレーニングをしただろうし、その後、満男が出れば、僕はやっぱり悔しかった。だからといって、練習で削ってやろうなんて思わない。満男がレギュラー組と話していたら、『どんな話をしたの?』と聞き、逆の立場で聞かれれば、隠すことなくすべてを話す。そんなライバル関係があったからこそ、自分が伸びていると実感できました」

――同期がみんなBチームだったとき、トップチームとの紅白戦で、「いかに勝つかと必死だった」と小笠原選手が話していました。Bチームも「勝つために」という意識だったんですね。

「紅白戦はきつかった。だから、試合に出たとき、ラクだなって思うこともありましたから。ライバルがいて、厳しい競争がある。同期のあいつらがいてくれて本当によかった。だから、やめるときは、ちょっと悔しさがありましたね」

――鹿島でプロとしてスタートし、鹿島で現役を終えた。そんなキャリアを今、どう考えていますか?

「チームメイトもそうですけど、スタジアムに来てくれるサポーターからのプレッシャーもある。それを常に感じながら、サッカーができたことを幸せに思います。プレッシャーがあるから、努力もできた。この環境じゃなければ、甘えが出て、成長できなかったかもしれない。

 日本ではここしか知らないけれど、ここでずっとサッカーができたことは、自分のキャリアのなかで大きな意味があると感じています。鹿島じゃなければ、日本代表にもなれなかっただろうし、これほど長くプレーできなかったんじゃないかと」

――そういう環境を今後も継続していくことが鹿島の未来にとっても大きいですね。

「はい。サポーターもスポンサーも本気で応援してくれる。そういう環境を今まで作り上げて、積み上げてきたのがアントラーズです。クラブの事業部の一員として、今後もそこは求めていかないとダメだと思います」

(つづく)

中田浩二「アントラーズの紅白戦はきつかった。試合がラクに感じた」








◆【鹿島】広島戦前に被災地復興支援募金活動 DF西、中田浩二氏ら参加(報知)





 鹿島は9日、J1第3節広島戦(10日・カシマ)の試合前に、「東日本大震災・熊本地震災害 被災地復興支援 JリーグTEAM AS ONE一斉募金」を実施した。

 DF西大伍、DF町田浩樹ら8選手と中田浩二CROが参加し、サポーターに募金を呼びかけた。

 ◆TEAM AS ONE募金 JリーグとJクラブが一体となって行っている東日本大震災、熊本地震災害復興支援活動「TEAM AS ONE」の取り組みのひとつ。集まった資金は、Jリーグ/Jクラブが実施する東日本大震災および熊本地震災害等の被災地/被災者を対象とした復興支援活動(ふれあい活動、サッカー教室、ホームタウン招待など)の原資となる。


【鹿島】広島戦前に被災地復興支援募金活動 DF西、中田浩二氏ら参加


◆【鹿島】ミスから失点、PK失敗、サイド本職6人目の負傷者…広島に手痛い一敗(報知)




 ◆明治安田生命J1リーグ▽第3節 広島1―0鹿島(10日・カシマスタジアム)

 鹿島が昨年5月以来となるホームでの黒星を喫した。

 後半6分に中途半端なクリアから失点し、同20分にはFW金崎夢生がPKを失敗。さらに公式戦全試合に出場してきたDF安西幸輝が膝の内側側副靱帯(じんたい)を痛めて負傷退場し、病院へ直行した。

 9日にDF西大伍が長期離脱から復帰し全体練習に合流したものの、ACLとの過密日程を戦う中でサイドを本職とする選手の負傷者は安西で6人目(MFレアンドロ、遠藤康、安部裕葵、DF内田篤人、三竿雄斗)と野戦病院状態。大岩剛監督(45)は「とにかくやり続けるしかない」と語り、右サイドバックで途中出場したDF伊東幸敏は「ACLは違う大会で首位にいる。切り替えていきます」と13日のACLシドニーFC戦(カシマ)へ前を向いた。


【鹿島】ミスから失点、PK失敗、サイド本職6人目の負傷者…広島に手痛い一敗


◆鹿島の不敗神話ついに…本拠で初黒星 DF安西負傷で長期離脱か(スポニチ)





 鹿島は大岩監督就任以降、不敗だった本拠で、昨年5月以来、公式戦16試合ぶりに敗れた。

 後半6分、ゴール前でMF三竿健のパスが広島DF和田に渡ってしまい、失点。同20分にFW鈴木が倒されて得たFW金崎のPKはGK林の好セーブに遭った。カシマスタジアムでのJ1リーグ400試合目だったが、今季公式戦初黒星。後半30分すぎにはDF安西が右膝内側側副じん帯を痛め途中交代するアクシデントも。クラブ関係者は「(復帰まで)ちょっと(時間が)かかりそう」と明かした。

◆鹿島・三竿健、痛恨のパスミス「つなげば好機になると思った…」(サンスポ)





 明治安田J1第3節第1日(10日、鹿島0-1広島、カシマ)鹿島は長距離移動を伴うアジア・チャンピオンズリーグの疲労を隠せず、動きも判断も鈍かった。後半6分、自陣ゴール前で失点につながる痛恨のパスミスを犯した三竿健は「つなげば好機になると思ったが、判断ミス」と唇をかんだ。

 昨年5月末に就任した大岩監督にとって、本拠では初黒星となった。それでも「好機はたくさんつくれていた。(日程が)厳しい中で、しっかり選手は取り組んでくれた」と前向きに話した。

鹿島・大岩監督
「選手たちは最後の最後まで得点を狙うためにアグレッシブにやってくれた。すぐ試合がある。しっかり切り替えようと選手に話した」


鹿島・三竿健、痛恨のパスミス「つなげば好機になると思った…」




◆鹿島昌子「申し訳ない」連続完封も530分で止まる(ニッカン)




<明治安田生命J1:鹿島0-1広島>◇第3節◇10日◇カシマ

 鹿島アントラーズはリーグ7試合ぶりに敗れた。昨年5月31日の大岩監督就任以来、ホームでの敗戦は初。連続無失点もチーム記録は4分上回ったが、530分で止まった。

 FW金崎のPK失敗などシュート12本も得点を奪えず。ただ、DF昌子は「今まで何度も助けられて、入らないときだけ、あーだこーだ言うのはナンセンス。後ろがゼロで終えられなかったことが申し訳ない」とかばった。


鹿島昌子「申し訳ない」連続完封も530分で止まる


◆鹿島大岩監督、就任後ホーム初黒星「厳しい日程」(ニッカン)





<明治安田生命J1:鹿島0-1広島>◇第3節◇10日◇カシマ

 鹿島アントラーズがホームで、サンフレッチェ広島に敗れた。

 大岩剛監督が昨年5月31日に就任以来、負けなしだったカシマスタジアムで、リーグ12試合ぶりに黒星を喫した。

 ACLのオーストラリアでの移動から中1日での試合で、大岩監督は「選手は厳しい日程の中でしっかり90分間、戦ってくれたと思う」と悔しさを押し殺して話した。

 主導権を握られた前半を無失点に抑えて、攻撃に出ようとしていた後半立ち上がりだった。MF三竿健斗の縦パスが相手に渡って先制点を許した。「(相手のクロスを)止めたとき、近くしか見えていなかった。(小笠原)満男さんが見えたので、通ればチャンスになると思った。そこは自分の判断ミス」。

 その後は猛攻をしかけ、途中出場のFW鈴木優磨が倒されてPKを獲得したが、FW金崎夢生のシュートは相手GK林卓人に止められた。12本のシュートはゴールネットを揺らせなかった。DF昌子源は「彼ら(攻撃陣)に今まで何度も何度も助けられて、何度も何度も勝利をくれて、勝利に値するゴールを決めてくれて、チームを救ってくれた。入らないときだけ、あーだこーだというのはナンセンス。僕たち後ろがしっかりゼロで終えられなかったことが申し訳ない」とかばった。中2日でACLシドニーFC戦を迎える。「次は大会が違う。切り替えて頑張ります」と話した。


鹿島大岩監督、就任後ホーム初黒星「厳しい日程」




◆「これまで何度も助けられてきた」鹿島DF昌子、PK失敗のエースかばう(ゲキサカ)




[3.10 J1第3節 鹿島0-1広島 カシマ]

 今季初失点が初黒星につながった。ACLを含めて公式戦3試合連続無失点中だった鹿島アントラーズだが、後半6分にMF三竿健斗のパスミスから先制点を献上。「先制されると、相手もラインを下げて守備を固めてくる。先に失点して難しくなった」(三竿健)と、公式戦4試合ぶりの失点が重くのしかかった。

 後半18分には途中出場のFW鈴木優磨がPKを獲得。絶好の同点機だったが、FW金崎夢生のキックはGK林卓人のビッグセーブに阻まれた。他にもチャンスはあったが、決め切れず、0-1の零封負け。この日がリーグ戦初失点だった一方、攻撃陣は開幕3試合でわずか1得点にとどまっている。

 それでもDF昌子源は「(金崎)夢生やペドロ(・ジュニオール)が入れていたらとかは思わない。これまで何度も彼らに助けられてきた」と力説。2月21日のACL水原三星戦(2-1)、同25日のJ1清水戦(0-0)でGKクォン・スンテが2戦連続PKストップを見せたことを挙げ、「スンテがPKを止めたように相手も止めてくる」と冷静に話した。

「点が入らないときだけ、ああだこうだ言うのはナンセンス。後ろが(失点)ゼロで抑えられなかったことが申し訳ない」と、攻撃陣を責めることなく、ミス絡みの失点を反省。中2日でACLシドニーFC戦(カシマ)を控える過密日程の中、「次は大会が違うので、切り替えて頑張ります」と自分に言い聞かせるように話した。

(取材・文 西山紘平)


「これまで何度も助けられてきた」鹿島DF昌子、PK失敗のエースかばう



◆広島、完封勝利で開幕3連勝! 和田が移籍後初ゴール…鹿島はPK決めきれず(サッカーキング)





2018.03.10 15:00
県立カシマサッカースタジアム
鹿島アントラーズ 0 終了 1 サンフレッチェ広島

 明治安田生命J1リーグ第3節が10日に行われ、鹿島アントラーズとサンフレッチェ広島が対戦した。

 ホームの鹿島は、前節のガンバ大阪戦からメンバーを1人変更。中村充孝がリーグ戦初スタメンとなった。開幕から連勝中の広島は、前節と同じスタメンで挑んだ。

 試合は3分、ペドロ・ジュニオールが広島DFのミスからキーパーと1対1になるものの決めることができない。さらに積極的にいく鹿島は6分には安西がドリブルで仕掛けると、ラストパスに反応したペドロが再びシュートを放つも林卓人がキャッチする。

 徐々に広島もペースをつかむと12分、柏が左サイドから切り込んでゴールを狙うものの、クォン・スンテに阻まれる。さらに15分には、パトリックが右サイドから仕掛けると川辺がワンタッチで抜け出して、素早いクロスを送るも合わせることができない

 22分には鹿島の土居聖真がペナルティーエリア外からミドルシュートも林がセーブすると、広島は32分にパトリックが落としてティーラシンがシュート。こぼれ球を川辺が狙うもクォン・スンテがセーブと、前半から互いに一進一退の攻防が続く。

 スコアが動いたのは51分。三竿健斗のクリアミスを奪った和田拓也が移籍後初ゴールを決めて広島が先制する。

 追い付きたい鹿島は63分、途中出場の鈴木優磨が仕掛けてPKのチャンスを得る。しかし金崎夢生の蹴ったボールは、林にストップされてネットを揺らすことができず。84分にはCKから鈴木がヘディングシュートで得点を狙うものの林にキャッチされてしまう。

 試合はこのまま終了。広島はこれでリーグ戦開幕3連勝となった。次節、鹿島はアウェイでサガン鳥栖と対戦。広島はホームでジュビロ磐田と対戦する。

【スコア】
鹿島アントラーズ 0-1 サンフレッチェ広島

0-1 51分 和田拓也(サンフレッチェ広島)


広島、完封勝利で開幕3連勝! 和田が移籍後初ゴール…鹿島はPK決めきれず




◆2018明治安田生命J1リーグ 第3節(オフィシャル)



明治安田J1 第3節

鹿島、今季初黒星。ホームで広島に完封負け。

16日間での5連戦、第3章。過密日程に臨んでいる鹿島だが、連勝街道を突き進むことはできなかった。J1第3節、サンフレッチェ広島をカシマスタジアムに迎え撃つと、後半立ち上がりにミスから失点。必死に反撃を試みたものの、PK失敗もあってゴールネットを揺らすことはできなかった。0-1。今季初黒星を喫した。

3日前、鹿島はオーストラリアで気迫に満ちた戦いを見せた。シドニーFC戦、2-0。3月3日のG大阪戦から8選手もの先発メンバー変更を断行し、出場機会に飢えた面々がピッチに並び立った。指揮官の期待を背負った選手たちは、己の存在をアピールすべく球際で激しく戦い続け、かけがえのない価値を持つ3ポイントを掴み取った。永木がミドルゾーンに君臨してハードタックルを連発すれば、今季初出場の伊東が果敢なオーバーラップを繰り返す。鈴木と金森の若き2トップは絶え間ないハイプレスで献身の意味を体現し、ホームチームに脅威を与えていた。

値千金の先制ゴールを決めた土居は言う。「チームの士気は高かった。出場した選手は今までの悔しさを止めることなく、それが最初からアクセルを踏む方向に出ていたと思う」。2月14日の公式戦初戦から約1ヶ月、プレータイムを刻めずに不本意な思いと向き合い続けたメンバーが、定位置奪取への闘志をシドニーの地で焼き焦がした。誰もが自信を胸に宿し、手応えを掴んだ90分。そしてそれは、今後の切磋琢磨がさらに高い水準で繰り広げられることを意味する。

激闘の翌朝、チームはオーストラリアを発った。鹿嶋へ帰還したのは8日の夜。事実上、次なる戦いへ充てられる準備期間は1日だけだった。試合前日の金曜日、待っていたのは激しい雨風。クラブハウスでのトレーニング実施が不可能となり、カシマスタジアムにて非公開練習を行うこととなった。急遽の変更となったが、選手たちに動揺はない。シドニーの地で今季初先発を果たした中村は「良い流れを止めないように、やるべきことをやる」と、チームと勝利のために献身することを誓った。



「5連戦であることを加味して、相手の分析もしながら」メンバー選考を行うと語っていた指揮官が指名した先発11人は、シドニーFC戦から7名の変更が施された。クォン スンテがゴールマウスに立ちはだかり、最終ラインには安西と昌子が復帰。ボランチはG大阪戦と同じペア、三竿健斗と小笠原が並ぶ。そして前線はシドニー遠征に帯同しなかった2人、金崎とペドロ ジュニオールがコンビを組んだ。万全のコンディションでピッチに立つ2トップが、虎視眈々とゴールを狙う。その他、最終ラインはフル稼働を続ける植田と山本、2列目にはシドニーFC戦に続いて土居と中村が並んだ。そしてベンチにはGKの曽ケ端、犬飼、伊東、レオ シルバ、永木、鈴木、金森が座る。

前日は荒れ模様だった鹿嶋の空は、フットボールのある週末に合わせたかのように青く穏やかに広がっていた。アントラーズレッドの背番号12がカシマスタジアムへ続々と足を運んでいく。選手たちを鼓舞する歌声が、常緑のピッチへ降り注がれた。総力戦で、連勝街道を突き進む――。決意に満ちたチームコールが響き渡り、選手たちは体に熱を送っていった。そして15時3分、戦いの火蓋が切って落とされた。





鹿島は開始3分、いきなり決定機を迎える。敵陣中央へ山本が送った浮き球がバウンドし、相手DFのクリアミスを拾ったペドロがペナルティーエリア中央から右足で狙う。至近距離からの一撃はしかし、相手GKに阻まれてしまった。こぼれ球に詰めた中村のシュートもブロックされ、ゴールネットを揺らすことはできなかった。

開始早々にゴールの予感を漂わせた鹿島。続く7分には安西が中盤右サイドからワンツーで縦へ突破し、中央へカットインしてからスルーパスを繰り出す。最終ラインの背後へ抜け出したのはペドロだった。ペナルティーエリア右奥に入って角度のないところから右足で狙ったものの、またも相手GKに阻まれた。

10分足らずで作り出した2つのチャンスが結実することはなかった。だが、鹿島はアントラーズレッドの情熱を背に受け、積極的にゴールを目指していった。とりわけ、右サイドバックを務める安西が果敢な攻撃参加を連発。スピードに乗った突破はもちろん、的確なタイミングでスペースを突く動き出しで、チームの推進力となっていた。すでに不可欠な存在となっている背番号32は「落ち着いてやることと仕掛けるプレーをもっと出さないといけない」という言葉通りのプレーで輝きを放った。







15分経過後は激しいボディコンタクトの応酬となり、攻守の切り替えが速い緊迫した展開となった。公式戦3連勝と勢いに乗る広島は球際での競り合いとセカンドボールへの反応で圧力を高めてきたが、鹿島もしっかりと応戦。植田がエアバトルで気迫を見せれば、昌子も粘り強いマッチアップで突破を阻んでいた。両サイド深くまで進出されてクロスを上げられる場面は増えたものの、スンテが安定感抜群のセービングを繰り返して攻撃を無力化した。









鹿島は22分、土居がペナルティーエリア手前から右足を一閃。強烈なミドルシュートを枠に飛ばしたが、相手GKに横っ飛びで阻まれてしまう。以後は決定機を作るに至らず、広島に押し込まれる場面も増えていった。33分にはペナルティーエリア右角から強烈なシュートを枠に飛ばされたが、スンテが渾身のセーブ。前方へ弾いたボールにすかさず反応してこぼれ球へのプッシュを許さず、ピンチを脱してみせた。0-0。スコアレスでハーフタイムを迎えた。



シュートを5本ずつ放った45分を経て、勝負は後半へ。先手を取りたい鹿島だが、思いがけないミスから失点してしまった。51分、ゴールライン際でボールを奪った健斗が縦パスを出すと、ペナルティーエリア内で和田にカットされ、そのまま右足シュートを決められた。0-1。鹿島はビハインドを負った。

反撃を期す指揮官は58分、ペドロに代えて鈴木を投入。今季の公式戦全6得点中5つに絡んでいる背番号9にゴールへの希望を託した。果たして5分後、鈴木が意地のプレーで突破口を見出してみせる。敵陣ゴールライン際から強引にカットインすると、こぼれ球を拾って突破。相手DFのファウルを誘ってPKを獲得した。

キッカーは金崎。アントラーズレッドのスタンドが沸騰するはずだった。しかし、エースがゴール左へ蹴り込んだシュートは相手GKに阻まれてしまう。PK失敗。同点の絶好機を活かせず、鹿島はなおも1点を追うこととなった。



大岩監督は66分に伊東を投入し、安西を2列目に上げて打開を図る。だが、悪夢は続く。10分後、安西が相手との交錯で負傷。輝きを放っていた背番号32が突如としてピッチからの離脱を余儀なくされた。3枚目の交代カードとしてレオの投入を準備していた中でのアクシデントを受け、指揮官は金森をピッチへ送り出す。鹿島は必死の反撃を仕掛け、90分には小笠原のクロスから鈴木がヘディングシュートを放ったが、無情にも左ポストに弾かれた。0-1。ホームでのリーグ戦黒星は昨年5月19日以来。屈辱が聖地を覆った。











休む間もなく戦いは続く。次戦は3日後、AFCチャンピオンズリーグ・グループステージ第4節のシドニーFC戦だ。敵地での激闘から1週間後のリターンマッチ、すでに来日して準備を進めている強敵との対峙が待っている。ラウンド16進出へ前進するために、非常に重要なホームゲームだ。チームは明日の午前練習から再び歩みを進める。ブーイングで選手を迎え、引き揚げる背中にチームコールを降り注いだ背番号12からのメッセージを胸に、底力を見せて這い上がらなければならない。



【この試合のトピックス】
・J1での広島戦で敗れたのは2013年の最終節以来、9試合ぶり。
・J1のホームゲームで敗れたのは昨年5月19日の第12節川崎F戦以来12試合ぶり。
・伊東と金森が途中出場。今季のJ1で初めてピッチに立った。

【動画】DAZNハイライト



監督コメント

[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:大岩 剛
・上手くいかなくてもイライラせず、シンプルにボールを動かしていくこと。
・リスクを負うところ、リスクマネジメントするところをしっかり意識しよう。
・後半45分、もっとギアを上げていこう!


サンフレッチェ広島:城福 浩
・前半はよく戦った。守備はいまのまま続けていこう。
・攻撃はもう少し自分たちの時間を作っていくこと。
・ここからが勝負だぞ!全員で勝ち点3を奪いにいこう。


[試合後]
鹿島アントラーズ:大岩 剛
選手たちは90分間、最後の最後までアグレッシブに戦ってくれた。ホームのゲームだったので残念な結果だが、すぐ次の試合があるので、「切り替える」ということを選手たちに伝えた。

Q. 安西選手のケガの具合と、シドニー戦に向けた意気込み。

A. 安西のケガはしっかり検査をしなくてはわからない状態。シドニー戦は無理をさせない意向。アウェイのシドニー戦ではすごくいい試合をした。その勢いをもう一度、しっかり相手にぶつけたい。

Q. 過密日程による疲労は?

A. 数人の選手は続けて試合に出たので、少なからず影響はあったと思う。シドニーに遠征しなかった選手はフレッシュな状態で入れたと思う。広島の勢いがあった分、前半は押し込まれる展開になった。後半はギアを上げていこうと話した。チャンスもたくさん作れていた。最後のところでなかなか点が入らなかったが、厳しいなかで選手はしっかり取り組んでくれたので、そこは評価したい。

Q. 明日で東日本大震災から7年となる。募金活動などの取り組みについてコメントを。

A. 2011年3月11日という日は東日本大震災と呼ばれているが、ここ鹿嶋も被災地となった。茨城県全域が被災地であったと認識している。選手たちもいろいろな活動をしているが、風化させないことが一番だと思う。クラブが取り組んでいる募金活動を含めて、震災を風化させない活動は今後も続けていきたい。監督としても、チームとしても、全面的に協力していきたい。



サンフレッチェ広島:城福 浩
今日も遠くから多くのサポーターが来てくれて、ベンチから見ても感動的だった。彼らと喜び合えて本当によかった。我々も過密日程だったが、アントラーズは移動も含めて相当厳しいなかで、やはり強かった。我々は、今やれる守備をしっかりやって、我慢して、カウンターでチャンスも作った。今やれることはすべて出してくれたと思う。PKも含めて、多少の運はあったかもしれないが、それを呼び寄せたのは、体を寄せたり、カバーしたり、最後のところで足を出したりというプレーだったのではないか。ここで満足せず、次の試合でも生かしていきたいと思う。


選手コメント

[試合後]

【三竿 健斗】
失点の場面は自分の判断ミス。フリーの満男さんにパスを通せばチャンスを作れると思ったけど、近くしか見えていなかった。今日のことを絶対に次につなげていかないといけない。

【山本 脩斗】
前半は内容が良くない中で無失点で抑えることができて、後半からギアを上げていこうという話をしていた。最後のところで決め切れなかった。試合が続くので、切り替えていくしかない。

【土居 聖真】
個人的にはやりにくさはなかった。マークをうまく剥がせた場面もあったし、サイドを変えた時にはチャンスができていた。普段は出ないミスがあった。自滅してしまった。

【伊東 幸敏】
個人的にはいい形で試合に入ることができたけど、中の選手に合わせることができなかった。去年から変わっていない自分に腹が立つ。もっとバリエーションを増やさないといけない。


2018明治安田生命J1リーグ 第3節