2019年02月19日(火) 19:00キックオフ 県立カシマサッカースタジアム
【入場者数】5,477人 【天候】雨、弱風、 気温10.5度、 湿度80.0% 【ピッチ】 全面良芝、水含み
【主審】モハンメド・アブドゥラ・モハメド(UAE) 【副審】モハメド・アルハンマディ(UAE) 【副審】ハサン・アルマフリ(UAE) 【第4の審判員】オマル・アルアリ(UAE)
ACLプレーオフ vsニューカッスル・ジェッツ
4ゴールを奪って快勝!ACLグループステージ進出!!
またあの舞台に戻れる。アントラーズはACLプレーオフでオーストラリアのニューカッスル・ジェッツと対戦、18分に伊藤が移籍後初ゴールを決め、一度は同点に追いつかれるも、32分には山本が勝ち越し点が決めた。そして後半にはセルジーニョが2ゴールを奪って、快勝。ACLグループステージ進出が決定した。
再びあの歓喜を再び味わうために。今年もまた、激闘の日々が始まる。守るべき伝統を継承しながらも、「かわる」ことを恐れず、目標の全冠制覇へ。AFCチャンピオンズリーグ2019・プレーオフラウンド、ニューカッスル・ジェッツとの決戦が、新シーズンの幕開けだ。
指揮官が指名した先発メンバー11人は、GKにクォン スンテ、最終ラインは右から安西、スンヒョン、町田、山本。ボランチはレオ シルバと永木亮太がコンビを組んだ。右サイドに土居、左サイドに安部、フォワードにはセルジーニョと新加入の伊藤が入った。またベンチには、曽ケ端、内田、犬飼、中村、遠藤、名古、山口が座る。
新たなシーズンを迎えた高揚感、そしてアジア王者としての誇りを胸に、サポーターが続々と雨の降るカシマスタジアムへ足を運んだ。ボルテージが最高潮に高まる中、19時ジャストに2019シーズンの幕を開けるホイッスルが鳴り響いた。
開始1分でセルジーニョがファーストシュートを放つなど、試合立ち上がりからアントラーズが主導権を握る展開となる。両サイドからのクロスを中心にシンプルな攻撃で相手ゴールへと迫った。
16分には、右サイドを攻めあがったセルジーニョが中央へクロス。ファーサイドに流れた安部がボレーシュートを放った。惜しくもGKのパンチングに阻まれたが、得点の可能性を感じさせる攻撃をみせた。
すると、18分にアントラーズが決定機をものにする。ペナルティエリア付近の混戦からセルジーニョがシュートを放つ。このシュートはGKに弾かれるも、こぼれ球に素早く反応した伊藤が押し込み、ゴールネットを揺らした。これが伊藤の移籍後初ゴール。貴重な先制点を奪取した。
このままリードを保ちたいアントラーズだったが、不運な形で失点を許してしまう。24分、ペナルティエリア手前から放たれたロナルドのシュートは、スンヒョンに当たってコースが変わり、アントラーズのゴールネットに吸い込まれた。
同点に追いつかれたアントラーズだったが、すぐに反撃を開始。両サイドバックが高い位置を保ち、幅を広く使いながらサイド攻撃を仕掛ける。相手のクリアボールも、永木とレオ シルバが抜群のポジショニングで回収。連続攻撃に繋げていった。
相手を圧倒していたアントラーズは32分に均衡を破る。右サイドを駆け上がった安西がファーサイドへクロス。高い位置取りを保っていた左サイドバックの山本が走り込み、ヘディングシュートを放つ。これがゴールネットを揺らし、リードを奪うことに成功した。
前半は2-1でアントラーズリードのまま終了。同点に追いつかれたものの、攻撃的な姿勢を崩さず、リードを奪ってハーフタイムを迎えた。
両チームともハーフタイムでの選手交代はなし。後半に入っても、アントラーズがボールを支配しながら、相手陣内で時間を進めていく。
追加点を奪って試合を楽に進めたいアントラーズは、67分にチャンスを掴む。レオシルバがドリブルでペナルティエリア内へ侵入。決定的な場面をつくると、相手DFがたまらず足をかけ、レオ シルバが倒された。ペナルティキックの判定が下され、キッカーはセルジーニョ。シュートは確実にゴールネットを揺らし、アントラーズが2点リードに広げた。
72分、このままリードを保ちたい大岩監督は、最初のカードを切った。移籍後初ゴールを決めた伊藤がカシマに詰めかけたサポーターに拍手を受けながらベンチへ下がる。交代でピッチへ入った遠藤が左サイド、土居がフォワードへポジションを移動した。
この交代で、より連動したプレッシングをかけられるようになったアントラーズは、相手にボールを渡しながらも、守備組織を崩さずに、危なげない戦いぶりで時計の針を進めていく。
さらに、大岩監督は逃げ切り体制を整える。80分、左サイドで存在感を発揮していた安部に代わり、山口がピッチへ送る。87分には土居に代わり、犬飼が途中出場。ジェッツの試合終盤のパワープレー対策で3バックに変更し、守備を固めた。
すると、後半アディショナルタイムに試合を決定づける得点がうまれる。途中出場の山口が左サイドを突破すると、中央へクロスをあげる。このクロスをセルジーニョが、冷静にゴールへ流し込み、ダメ押しの4得点目を奪った。
このまま4-1で試合終了。2年連続のアジア王者に向けて、まずはスタートラインとなるACLグループステージ進出が決定した。
次戦は中三日で迎えるJ1開幕戦。国内タイトル奪還に向け、昇格組の大分トリニータと対戦する。今日の勢いそのままにJリーグでも幸先良いスタートを切りたい。
【この試合のトピックス】
・クラブ史上初のACLプレーオフ出場。勝利でACLグループステージ進出を決定。
・伊藤翔が移籍後初ゴールを記録。
・町田浩樹がACL初出場を記録。
監督コメント
[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:大岩 剛
ニューカッスル・ジェッツ:アーネスト メリック
[試合後]
鹿島アントラーズ:大岩 剛
初戦の難しさ、試合のレギュレーションの難しさがあった中で、選手たちは非常によくプレーしてくれた。上手くいかなかった部分もあったが、連係の部分や守備の部分でそれを上回るプレーをしてくれたことは、非常に評価している。しかし今日はACLの出場権を得ただけなので、Jリーグ開幕に向け、しっかりと切り替えて準備をしていきたい。
Q.鹿島らしくない失点シーンだったが、どのように分析しているか?
A.ボールに対してのアプローチの拙さ、セカンドボールへの予測の拙さ、そこのミスが失点に絡んでしまっている。失点のシーンはピッチの状況、相手の勢いによって、受けに回ってしまった。
Q.安部選手や安西選手がアグレッシブにプレーしていたが、その点はどのように評価しているか?
A.その点は非常に評価している。サポータの皆さんの前で、アグレッシブさを見せていくというところは普段から言っている。2人だけではなく、全員が積極性を出していた。しかし初戦ということでかたさもあり、もっとチームでやれることがあったのではないかと思う。なので、Jリーグ開幕に向けてギアを上げていきたい。
Q.犬飼選手を投入してフォーメーションを変えたが、その意図は何だったのか?
A.ポジションと配置を変えて、選手の反応を確認した。相手のセットプレーやパワープレーの分析をして、その分析通りの形で選手たちにはプレーをしてもらった。その形はこれからのシーズンを通して、起こりえるシステムだと思っている。なので、今回はコーチ陣と話をしてシステム変更を行った。
ニューカッスル・ジェッツ:アーネスト メリック
鹿島にPKが与えられるまではいい試合をしていたが、その後はPKで失点したということもあり、非常に悔しい試合となった。非常に暑いオーストラリアとは違い、涼しい気候の中での試合だったが、今日は私たちにプラスとはならなかった。鹿島は連覇するチャンスが与えられたので、エールを送りたい。
選手コメント
[試合後]
【山口 一真】
最近調子が良く、試合に出る機会があれば何かできると思っていて、うまくそれが結果に表れた。前線の選手は、結果しかないと思っている。いかにいいプレーをしても、結果がついてこないことには意味がないと思っている。なので、今日は結果を残すことができたので良かった。
【伊藤 翔】
うまくいった部分もあるし、うまくいかなかった部分もあったが、試合を重ねていけば良くなっていくと思う。
【山本 脩斗】
ゴールはどの試合でも、タイミングを見てチャンスがあればいつも狙っている。今日のゴールは右サイドからいいボールが来て、飛び込むだけだった。
【町田 浩樹】
前半は体の強い相手に対して、難しい部分はあった。しかし、前半の終盤や後半はしっかり対応できた。
【クォン スンテ】
初戦はいつも難しいゲームになる。難しい試合になればなるほど、キーパーが後ろでどしっと構えていれば、若手もいいパフォーマンスが出せると思ったので、そこは意識していた。失点した後は安定感を持って試合を進められた。
【安西 幸輝】
伊藤選手がクロスを要求する場面が多く、試合の立ち上がりからクロスを上げる意識はあった。その意識が結果的に山本選手のゴールにつながった。
【安部 裕葵】
スカウティングもして、試合前に相手選手のサイズ感もしっかり確認できていたので、相手がどのようなサッカーをしてきても対応できたと思う。今日の試合では、自分のプレースピードやコンディションを確認できた。
【セルジーニョ】
今日はACLの出場権を獲得するというのが最大の条件だった。それをピッチの中で表現できたのは良かった。去年からACLの試合では、得点を決め続けることができている。その流れを、リーグ戦でも続けていきたい。