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2019年5月6日月曜日

◆珍しい3ピリオド制の少年サッカー Vチームの指揮官が「チーム力が上がる」と語る理由(THE ANSWER)


優勝したセンアーノ神戸ジュニア【写真:平野貴也】


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センアーノ神戸が関西対決を制して初優勝

「JA全農杯チビリンピック2019全国小学生選抜サッカー大会」は5日に最終日を迎え、決勝戦はセンアーノ神戸ジュニア(関西・兵庫)が、PK戦の末にディアブロッサ高田FCU-12(関西・奈良)との関西勢対決を制して初優勝を飾った。

 同大会は、全国9ブロックの予選を勝ち上がった16チームが出場。全日本U-12サッカー選手権大会(旧大会名:全日本少年サッカー大会)と同じ8人制だが、前・後半ではなく、12分3ピリオド制(試合時間36分)で行われるのが特徴だ。第1ピリオドと第2ピリオドでは、全選手が交代しなければならない。決勝戦は、ピリオド毎にペースが変わった。第1ピリオドは、ディアブロッサ高田FCのペースだった。前線の増田斗輝君(6年生)のシュートの跳ね返りに反応した片山稜翼君(6年生)のミドルシュートで先制した。

 しかし、第2ピリオドは、主力を多く配したセンアーノ神戸がペースをばん回。勢いをつけて臨んだ第3ピリオドは一進一退となったが、センアーノ神戸の深江翔太君(6年生)が右足で強烈なミドルシュートを放ち、相手GKの手を弾いてゴール。試合終了間際で追いついた。起死回生の同点弾を決めた深江君は、長友佑都(ガラタサライ)に憧れるDF。「とにかく1点を取らなければと思って、強い気持ちでシュートを打った。日産スタジアムのピッチで、練習してきた成果を出せて良かった。負けている状況で、自分がゴールを決めて、チームに貢献できたのが嬉しい」と手ごたえを語った。

 延長戦は、両チームとも得点が生まれず、勝敗はPK戦にもつれ込んだ。ディアブロッサ高田FCは、1人目がGKに止められ、2人目はクロスバーに嫌われて続けて失敗。センアーノ神戸は、2人連続で成功し、PK戦2-0で決着がついた。GK亀田大河君(6年生)は「PKは、とにかく前向きな気持ちで臨んで、狙い通りに止められて良かった。選手の総入れ替えがあって、みんなで協力して試合をできる大会。みんなで楽しめた」と笑顔を見せた。父の転勤により英国に引っ越したクリストファーズ玲生ウィリアム君(6年生)も一時帰国して臨んだ大会で、見事に日本一に輝いた。

国内では珍しい3ピリオド制、指揮官が強調するメリット

3ピリオド制の大会は、国内では珍しい。試合の流れが途切れる部分や、選手の起用方法が難しいという一面があるが、メリットも大きい。優勝したセンアーノ神戸ジュニアの大木宏之監督は「内容的には相手が上だったが、選手がたくましくなり、最後まで諦めずにやってくれた。3ピリオド制は(出場選手が16人以上になるので)チームの全員でやろうという雰囲気になるので、チーム力が上がる」と手ごたえを語った。

 準優勝のディアブロッサ高田FCU-12の川上弘仁監督は、2005年の第3回大会を高田FCで優勝した経験を持っており「以前は、第2ピリオドになると(主力が抜けて)ガクンと力の落ちるチームが多かったけど、今はどのチームもうまく配分している印象」と以前との変化を語った。

 2003年に始まった大会は、17回目を迎えた。3月に初めて日本代表に選出された安西幸輝(鹿島)と畠中槙之輔(横浜FM)は、2007年に優勝した東京Vジュニアでプレーしていた選手だ。彼らのように、この大会からも多くの選手が飛躍することが期待される。

(平野 貴也 / Takaya Hirano)




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