組織で生き残る選手消える選手 (祥伝社新書) [ 吉田康弘 ]
U-20世代から選出。ただ選ばれる、いい経験を積む――だけではなく。
6月にブラジルで開催されるコパ・アメリカ(南米選手権)に招待国として参加する日本代表( SAMURAI BLUE )の23人が5月24日に発表された。そのなかで、U-20世代からフィールドプレーヤーとして、MF久保建英(FC東京)、安部裕葵(鹿島アントラーズ)が抜擢された(GK大迫敬介も19歳)。
ふたりはそれぞれクラブを通じて次のように決意を示した。
久保建英
2001年6月4日生まれ/173センチ・67キロ
「選出していただき嬉しく思います。南米の強豪国と戦える大会ですし、レベルの高い選手が真剣勝負をする大会ということで怖さもありますが、楽しむことができたらいいなと思います。いい経験ということだけで終わらせず、しっかりと結果を求めて戦いたいと思います」
安部裕葵
1999年1月28日生まれ/171センチ・65キロ
「プロ3年目でこのような機会をいただき、とても感謝しています。ロシア・ワールドカップ(W杯)でサポートメンバーに入り、A代表に入りたいと強く感じました。日本のトップ選手たちが集まる環境でプレーできることはとても嬉しいですが、選ばれるだけで終わりにしたくないと思っています。自分をサポートしてくれる全ての方々への感謝を、A代表でのプレーで示していきたいです」
ふたりの決意。そこに共通のキーワードがある。
「いい経験で終わらせない「選ばれるだけで終わりにしたくない」――。しっかり結果で応えたいという強い思いだ。
このコパ・アメリカには、キリンチャレンジカップに臨む「主力組」は参戦しない。とはいえ、主力勢もアジアカップ以降、決していいパフォーマンスを見せているとは言えない。
コパ・アメリカの日本代表は、決して”ベストメンバー”ではないかもしれない。しかし、もしかすると、この大会が、東京五輪、さらにその後に向けて、分岐点になるかもしれない。
二人は昨年のU-19アジア選手権で、チームメイトとしてプレーしている。安部は久保について「レベルが高いので、一緒にプレーしているだけでとても楽しい」と語るが、今度はフル代表で共鳴しあえるか。
99年以来の参加となる日本は、グループステージでチリ、ウルグアイ、エクアドルと対戦する。東京五輪代表監督を兼任する森保監督は「私たちは東京五輪で金メダル獲得を目標としている。そのためには、A代表で活躍できるぐらいの力を持った選手が東京五輪に出て戦えなければ、その目標達成は難しいと思っています。厳しい戦いの中で成長し、これからのワールドカップ予選、東京五輪での日本の成果につなげたい」と抱負を語る。
さまざまな条件付きのもとで選ばれた23人だ。また、東京五輪世代のなかでは”年下”になるが、このヤンチャな二人が攻撃をけん引する。それぐらいの存在になっていけるか。その布石を打つ「結果」をブラジルで残したい。
▽日本代表
コパ・アメリカ
▽スタッフ
監 督 森保 一
コーチ 横内昭展
コーチ 齊藤 俊秀
コーチ 和田 一郎
GKコーチ 下田 崇
フィジカルコーチ 松本良一
▽メンバー
GK
川島永嗣 (RCストラスブール/フランス)
小島亨介(大分トリニータ)※
大迫敬介(サンフレッチェ広島)
DF
植田直通(セルクル・ブルージュKSV/ベルギー)
板倉 滉(FCフローニンゲン/オランダ)※
岩田智輝(大分トリニータ)※
立田 悠(清水エスパルス)※
原 輝綺(サガン鳥栖)※
杉岡大暉(湘南ベルマーレ)※
菅 大輝(北海道コンサドーレ札幌)※
冨安健洋(シントトロイデンVV/ベルギー)
MF
柴崎 岳(ヘタフェCF/スペイン)
中島翔哉 (アルドゥハイルSC/カタール)
中山雄太(PECズヴォレ/オランダ)
三好康児(横浜F・マリノス)※
伊藤達哉(ハンブルガーSV/ドイツ)
松本泰志(サンフレッチェ広島)※
渡辺皓太(東京ヴェルディ)※
安部裕葵(鹿島アントラーズ)※
久保建英 (FC東京)
FW
岡崎慎司 (レスター・シティー/イングランド)
前田大然(松本山雅FC)※
上田綺世(法政大)※
※は日本代表初選出