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2019年7月4日木曜日

◆天皇杯 JFA 第99回全日本サッカー選手権大会 2回戦(オフィシャル)






E7北陸新幹線/トレインボトルウォーター


2019年07月03日(水) 19:03キックオフ 県立カシマサッカースタジアム

【入場者数】2,742人 【天候】曇一時雨、無風、 気温22.5度、 湿度90.0% 【ピッチ】全面良芝、乾燥

【主審】木村 博之 【副審】熊谷 幸剛 【副審】佐藤 貴之 【第4の審判員】柳沢 健一

天皇杯 2回戦

前半早々に奪った怒涛の3ゴールで勝利。3回戦進出が決定

天皇杯2回戦で石川県代表の北陸大学と対戦したアントラーズは、まずは前半4分にセルジーニョが幸先よく先制点を奪うと、10分には山口が追加点を奪取。さらに14分には、金森がゴールを決めて、リードを3点に広げた。その後、なかなか追加点を奪えず、後半71分には一瞬の隙を突かれて失点したが、3-1で勝利。天皇杯3回戦進出を決めた。


日曜日、明治安田J1第17節広島戦。前半を1-1で折り返したアントラーズは、後半74分に小池のシュートが町田に当たってゴールが決まり、勝ち越しに成功。このままリードを保ち、試合は終盤へ差し掛かる。しかし、後半アディショナルタイム4分に痛恨の同点弾を献上してしまった。

「本当に勝たなければいけない試合だったし、負けに等しい引き分けだと思う。2失点目まで持っていかれる過程でも問題があるし、そのあとの対応にも問題があった。二度とこのようなことがないようにしていきたい」

久々にセンターバックで先発出場した町田は、悔しさを滲ませていた。だが、落ち込む時間は残されていない。ここから中2日で試合が続く。

試合翌日の午後からチームは練習を再開した。広島戦で先発出場した選手の大半は、リカバリーメニューを行ったが、町田、小池、山口の若手3選手は、すぐに天皇杯2回戦の北陸大学戦に向けて準備を進めた。広島戦で悔しさを味わった選手、そして、これまでのリーグ戦、ACLで出場機会が限られていた選手たちにとって、自らの存在をアピールする絶好のチャンスとなる。この一戦にかけるモチベーションは高い。



迎えた試合当日。キックオフ1時間前に注目の先発メンバーが発表された。GKは明治安田J1第7節FC東京戦以来の出場となる曽ケ端、最終ラインは、右から小田、関川、町田、小池が入る。ボランチは平戸と名古のコンビ、サイドハーフは左に山口、右は日本代表の一員として参戦したコパ・アメリカからの復帰戦となる安部が名を連ねた。前線は金森とセルジーニョが2トップを組む。ベンチには、沖、山本、犬飼、永木、土居、三竿、伊藤が座った。フィールドプレイヤーは全員25歳以下というフレッシュな布陣で北陸大学戦に臨む。



19時03分、キックオフのホイッスルが鳴った。





試合開始と同時にアントラーズが攻勢に出る。すると、前半4分に早くもスコアが動いた。名古がドリブルで左サイド深くまで進入してクロスを入れると、セルジーニョがファーサイドでうまく合わせてシュート。ゴールネットを揺らした。1-0。幸先よくアントラーズが先制に成功する。





アントラーズは攻撃の手を緩めない。10分、ゴール前でこぼれ球を拾ったセルジーニョがゴール前で溜めをつくり、ペナルティエリア内左でフリーになった山口へパス。ボールを受けた山口は強烈なシュートを放ち、これがゴールネットに突き刺さった。2-0。アントラーズが追加点を奪った。











その後もアントラーズは怒涛の攻撃を仕掛ける。14分、左サイド深くまで進入した小池が中央へクロスを上げると、ファーサイドでセルジーニョがヘディングシュートを放つ。一度は相手GKのセーブに阻まれたが、こぼれ球に反応した金森が押し込み、再びゴールネットを揺らした。



序盤に3点のリードを奪ったアントラーズは、サイドチェンジを織り交ぜ、ピッチ幅を広く使いながら厚みのある攻撃で北陸大学を攻め立てた。守備面でも、この日キャプテンマークを巻いた町田浩樹が最終ラインを引き締め、相手に起点をつくらせなかった。











34分には再びアントラーズにチャンスが訪れる。平戸からの見事な縦パスを受けた金森がカットインからゴール外側から巻くようなシュートを放つも、これは惜しくもポストに嫌われる。こぼれ球を拾ったセルジーニョのシュートも再びポストに当たり、得点には至らなかった。







このまま前半は3-0で終了。出場機会に飢えていた若手選手が躍動し、充実の内容と結果で45分を終えた。



ハーフタイムにアントラーズは1人目の選手交代を行った。セルジーニョに代えて伊藤翔を投入。さらなる追加点を狙う。

しかし、後半に入ると、アントラーズはボールを北陸大学に支配され、押し込まれる展開となる。試合の主導権は、時計の針が進むごとに北陸大学へと移っていった。



















劣勢の状況を打開すべく、62分にアントラーズは2人目の選手交代を行う。小池に代えて山本をピッチへと送った。



しかし、試合の流れは変わらない。すると71分、アントラーズは一瞬の隙を突かれる。右サイド深くまで突破されると、マイナスのクロスを送られ、シュートを打たれてしまう。これは、町田がブロックしたが、こぼれ球を高橋大樹に決められ、失点を許してしまった。



失点直後、アントラーズは3人目の選手交代を行う。安部に代わって永木を投入。永木はボランチに入り、名古が右サイドハーフへポジションを移した。







2点差に迫られたあとも、なかなか主導権を奪い返せないアントラーズ。決定的なピンチこそつくらせなかったが、相手のゴールを脅かす場面もつくれない、もどかしい試合展開が続いた。





そして、このまま試合終了を告げるホイッスルが鳴った。スコアは3-1。勝利こそ収めたが、後半に多くの課題がみつかった試合となった。これまで出場機会が限られていた若手選手たちにとって、貴重な経験となっただろう。





ここからチームは、再び中2日で明治安田J1第18節磐田戦に臨む。過密日程のなかだが、国内タイトル奪還に向けて、絶対に勝たなければいけない一戦だ。限られた準備期間で、最善の準備を進めていく。

【この試合のトピックス】
・曽ケ端が天皇杯最多出場記録を更新
・山口が今季公式戦初ゴール
・セルジーニョ、山口が天皇杯初ゴール
・関川、小池、名古が天皇杯初出場

監督コメント[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:大岩 剛
・ボールを支配し続け、空いたスペースを突こう。
・後半もリスクを恐れず、チャレンジしつづけよう。
・最後まで相手に流れを渡さないこと。絶対に油断するな!


北陸大学:西川 周吾
・個人の対応、1対1での勝負に簡単に負けないこと。
・相手の攻撃に対した守備の区別をはっきりし、前向きで守備をすること。
・ボールを保持している時のサイドバックとインサイドハーフのポジショニングの質を高めよう。


[試合後]
鹿島アントラーズ:大岩 剛
試合後、選手たちに厳しいことを言った。観に来てくれたサポーターの皆さんに申し訳ない気持ちだ。情けない試合だった。北陸大学の姿勢は、我々に足りないものだった。選手には、ACLやJリーグというレベルの高いところで戦っていくということを再確認した。本当に申し訳ない気持ち。次のJリーグではしっかりした姿勢を見せたい。

Q. 安部選手がコパ・アメリカから帰国して先発したが、連係など評価は?

A. 時差ボケであったり、コンディションの不良を差し引いても、チームとして目指しているところ、彼自身が目標としているところを考えたときに、非常に物足りなさが残った。彼自身も当然、そう考えていると思う。コンディションなど、なかなか整っていない状況だったかもしれないが、今後は厳しさを持った姿勢が求められる。そういうところをしっかり認識して、チームに還元してほしい。

Q. キャプテンマークを町田選手が巻いた理由は?

A. 期待とチームのなかでの立ち位置を考えた。今日は曽ケ端もいたが、今後、町田自身がどういう立場でアントラーズにかかわっていくのか、そういう自覚を促す狙いもあった。今日のメンバーでいえば、キャプテンマークを巻くという責任を持つことができる選手だと判断して託した。



北陸大学:西川 周吾
いい意味で、いろいろなチャレンジができた試合だった。思い切ってぶつかろうという気持ちが裏目に出てしまい、立ち上がりがあまりよくなかった。徐々に選手が落ち着きを取り戻し、15分を過ぎてからは、ある程度我々のやりたいことができたゲームだった。


選手コメント[試合後]

【平戸 太貴】
前半は自分としても、チームとしてもうまく試合に入ることができた。いいゲーム運びができて、3点を取るまではよかった。相手の2トップが自分たちのCBに対してプレッシャーをかけてきた時に、ボランチのところでもう少しうまく引き出してあげることができれば、ビルドアップもできて、攻撃でも距離感よく攻めていくことができたと反省している。

【金森 健志】
後半は全体的に球際へ行けていなかった。自分たちのミスから流れを悪くしてしまっていた。もっと相手を圧倒して勝たなければいけなかった。そこは反省していかなければいけない。

【町田 浩樹】
競り合いの部分で勝つというところや起点を作らせないようにしていくところは、常に意識してやっていた。そこの部分は、よくできていたと思う。自分たちがうまくいかなくなった時に、どのようにやり方を変えていくかの工夫がまだまだ足りなかった。

【小池 裕太】
守備の部分を意識して試合に入った。攻撃のところでは、大学生相手ではあったが、クロスやドリブル突破など、起点になることができていたのでよかった。もう少し点を取れるシーンもあったので、しっかり点を取って勝たなければいけない試合だった。

【小田 逸稀】
早い時間に点が取れて、3点を取った段階で満足してしまった。そこから甘さが出て、自分たちの状況を苦しくしてしまった。後半は不甲斐ない流れになってしまったなかで、個々で悪い流れを変えようという気持ちが足りなかったと思う。

【関川 郁万】
今日の結果は不甲斐ない。内容を見ても、後半は0-1で負けている。その意味でもまだまだ甘い。今日は僕も含めて若い選手が多く出ているなかで、チームのために試合をすることができなかった。今後につなげていきたい。


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◆天皇杯 JFA 第99回全日本サッカー選手権大会 2回戦(オフィシャル)