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2019年8月3日土曜日

◆現役大学生プロ、上田綺世がJ1デビューの6分間で示した大器の片鱗。大岩監督も期待を寄せる(サッカーダイジェスト)



上田綺世 Ayase.Ueda


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「ピッチに立っちゃえば吹っ切れました」


[J1リーグ16節]浦和1-1鹿島/7月31日/埼玉スタジアム2002


 法政大に在学しながら鹿島アントラーズへの加入が正式に発表された上田綺世にとって、浦和レッズ戦は特別な一戦になったはずだ(2021年のプロ入りが内定していたが、1年半前倒しで法政大サッカー部を退部し、加入が決定)。浦和戦はまだプロ契約前のため、特別指定選手としての出場となったが、れっきとしたJ1デビュー戦だ。大きな一歩を踏み出したのは間違いない。

 ベンチスタートとなった上田は、戦況を見守りながらウォーミングアップに励んでいた。“その瞬間”が訪れたのは、後半アディショナルタイムに差し掛かろうという85分過ぎだった。大岩剛監督から交代を告げられた時、上田は嬉しさと同時に、興奮を感じずにはいられなかったという。

「緊張も多少はありましたけど、どちらかというと興奮に近かった。でもピッチに立っちゃえば吹っ切れました」

 堂々した様子で89分からピッチに立った上田は、いきなり日本代表DF槙野智章との競り合いを制すと、その後も果敢に仕掛けてゴールを目指した。ラストプレーではテンポの良いポストプレーで遠藤康の絶好のシュートチャンスも演出している。プレー時間はアディショナルタイムも含めて約6分ほどだったが、そんな短時間で垣間見せたのが積極性だった。

「大学に比べたらもちろんスタジアムも違うし、観客の数も違う」という、これまでとはまったく異なる雰囲気に怖気づくことなくアグレッシブに仕掛ける姿勢や、「点を決めて勝たせたかったし、悔しい」と口惜しがる強気なメンタルには、十分に大器の片鱗を感じさせた。

 大学ナンバーワンストライカーとも謳われていた上田のポテンシャルは、大岩剛監督も認めるところで、小さくない期待を寄せている。それは次のコメントからもうかがえるだろう。

「彼のボックス内での得点力、あとは相手との駆け引きというところに期待して送り出しました。彼が今後我々鹿島アントラーズの一員としてやっていくということが正式に決まりましたので、当然選手のひとりとして、最後の仕留めるところを期待して出しました。何回かシュートチャンスはありましたけども、今後彼ももっともっと成長していくでしょうし、そういうところが少し見えたので、次の試合でもしっかりとプレーしてもらえればいいかなと。自信を持って(ピッチに)送り出したいと思います」

 それも単なるJ1デビュー戦ではない。大勢の観客がスタンドから声援を送るスタジアムやメディアが多く詰めかける試合で、上田が少なからず感じたのは、これからプロとして活躍していくための指針だった。

「今後こういった出場時間、こういった雰囲気でも活躍していかなきゃいけないという基準になったゲームでした」

 20歳の若きストライカーは、どんなプロキャリアを歩んでいくのか。今後の成長と飛躍に期待したい。

取材・文●多田哲平(サッカーダイジェスト編集部)


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◆現役大学生プロ、上田綺世がJ1デビューの6分間で示した大器の片鱗。大岩監督も期待を寄せる(サッカーダイジェスト)