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2019年8月15日木曜日

◆天皇杯 JFA 第99回全日本サッカー選手権大会 3回戦(オフィシャル)






フットボールサミット 第16回 それでも「内田篤人」が愛される理由 / フットボ...


2019年08月14日(水) 19:00キックオフ 栃木県グリーンスタジアム
【入場者数】10,169人 【天候】曇り、無風、 気温26.6度、 湿度90.0% 【ピッチ】良芝、水含み
【主審】山岡 良介 【副審】山際 将史 【副審】佐藤 貴之 【第4の審判員】田中 玲匡


天皇杯 3回戦

有馬のプロ入り初ゴールを含む4得点快勝!天皇杯ラウンド16進出決定!

アントラーズは天皇杯3回戦で栃木SCと対戦した。前半37分に小田のゴールで先制に成功すると、前半アディショナルタイムには伊藤翔が見事なダイレクトボレーを決めて、追加点を奪う。56分にはレアンドロがPKを決めて、リードを3点に広げ、88分には有馬がドリブルで相手守備陣を翻弄し、プロ入り初ゴールを奪った。スコアは4-0。天皇杯ラウンド16進出を決めた。

4日前の明治安田J1第22節横浜FM戦。試合開始直後にセルジーニョがゴールを決めて、幸先よく先制したアントラーズだったが、68分に仲川に決められて、同点に追いつかれてしまう。それでも、試合終了間際の87分に、上田がプロ初ゴールを決めて、アントラーズが勝ち越しに成功。これが決勝点となり、2-1で勝利を収めた。
激闘から一夜明け、試合翌日の午後からチームは休む間もなく練習を再開した。横浜FM戦に出場したメンバーはリカバリーメニューをこなし、出場しなかったメンバーは天皇杯に向けて準備を進めた。



水曜日には天皇杯3回戦、土曜日には明治安田J1第23節大分戦が控えている。過酷な猛暑が続くなかでの連戦だ。チームの総力を結集し、一丸となって乗り切らなくてはいけない。



迎えた試合当日。指揮官は横浜FM戦から伊藤翔を除く先発メンバー10名を変更する大胆なローテーション起用を行った。GKは4試合ぶりの公式戦出場となる曽ケ端。右サイドバックは今季初の公式戦出場となる伊東幸敏。センターバックはチョンスンヒョンと町田がコンビを組む。左サイドバックは、同ポジションで今季初出場となる小田が入った。ボランチは、4月20日の明治安田J1第8節・仙台戦以来となる永木とレオシルバのコンビ。サイドハーフは、右にレアンドロが入り、左は山口。前線は遠藤と伊藤翔が務めた。ベンチには、クォンスンテ、内田、関川、セルジーニョ、名古、小泉、有馬が座る。これまで出場機会に恵まれなかった選手や怪我からの復帰組が多くメンバー入りを果たした。



19時00分、キックオフのホイッスルが鳴り響いた。

立ち上がりは、両チームともに動きの少ない展開となった。アントラーズは、後方から丁寧にボールを繋いでいくが、なかなか栃木の守備ブロックを崩せない。一方、栃木は極力リスクを回避し、最終ラインの裏へシンプルにロングボールを送ってきたが、精度を欠いたパスが多く、アントラーズの脅威にはならなかった。

















試合が動いたのは、前半37分。左サイドから小田がアーリークロスを入れると、ゴール方向に飛び、GKの頭上を越してサイドネットへ吸い込まれた。決して流れは良くない時間帯だったが、アントラーズが先制することに成功した。











このまま1-0でハーフタイムへ突入するかと思われた前半アディショナルタイム、再びスコアが動いた。ピッチ中央で永木がレアンドロとのワンツーで抜け出してパス。斜め左前にいた小田は、ダイレクトで相手DFの裏へ浮き球のラストパスを送る。すると、このボールを伊藤翔が技ありのダイレクトボレー。見事にゴールネットへ突き刺し、アントラーズがリードを2点に広げた。





得点直後に前半終了のホイッスル。試合序盤こそ蒸し暑い天気と不規則にボールが転がるピッチに苦しめられたが、2-0と確実にリードを奪って前半を終えた。

後半に入ると、アントラーズは完全に主導権を掌握する。ピッチを広く使ってボールをキープし、栃木を押し込んでいった。





54分、アントラーズは左からのコーナーキックを得る。キッカーの遠藤が蹴ったボールは、相手DFに跳ね返されたものの、こぼれ球に反応したチョンスンヒョンが、クリアをしようとした相手DFにペナルティエリア内で倒されて、PKの判定が下された。

56分、このPKをレアンドロがゴール左へと蹴りこんで、ゴールネットを揺らした。3-0。アントラーズが決定的な3ゴール目を奪った。




リードを広げたアントラーズは、63分に一人目の選手交代を行う。伊藤との交代で有馬を投入。有馬はプロ初の公式戦出場となった。





70分には、二人目の選手交代。レオシルバをベンチに下げて、名古をピッチへ送った。



すると72分、交代で入った有馬にチャンスが訪れる。遠藤からのパスを受けたレアンドロが、ペナルティエリア手前までドリブルでボールを運ぶと、相手DFの裏へ抜けた有馬へラストパスを送る。有馬は左足アウトサイドでシュートを放ったが、これは相手GKのセーブに阻まれた。





85分、アントラーズは最後の選手交代を行う。伊東幸敏との交代で内田を投入。内田は3月30日の明治安田J1第5節・磐田戦以来の公式戦出場となった。





88分、再び有馬にチャンスが訪れた。内田、遠藤、レアンドロとパスを繋ぎ、右サイドに流れた有馬へボールが渡る。パスを受けた有馬は、タッチライン際からドリブルを開始すると、相手DFをスルスルと交わしてカットイン。ペナルティエリア手前中央からグラウンダーのシュートを放つと、相手GKの手をすり抜けてゴールネットへ突き刺さった。4-0。プロ入り後、初の公式戦出場となった有馬が、デビュー戦でプロ入り初ゴールを奪った。











このまま4-0で試合終了のホイッスルが鳴った。リーグ戦では出場機会を得られていなかった若手選手たちが躍動。負傷から復帰した選手たちも好パフォーマンスを披露した。さらに競争力を増した状態で、天皇杯ラウンド16へ駒を進めることが出来た。





次なる戦いは、中2日で明治安田J1第23節大分戦。厳しい連戦が続くが、これからも高い競争力を維持しながら、最善の準備を進めていく。



【この試合のトピックス】
・天皇杯ラウンド16進出決定
・曽ケ端が天皇杯最多出場記録を64試合に更新
・小田が今季初ゴール
・有馬が公式戦初出場・初ゴール
・伊東幸敏が今季公式戦初出場
・内田が3月30日の明治安田J1第5節・磐田戦以来の公式戦出場
・レオシルバが7月13日の明治安田J1第19節・仙台戦以来の公式戦出場



監督コメント

[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:大岩 剛


栃木SC:田坂 和昭


[試合後]
鹿島アントラーズ:大岩 剛
天皇杯という非常に難しいゲームをしっかり勝ち切ることが出来た。選手たちもしっかり戦ってくれた。そして、栃木まで駆けつけてくれた多くのサポーターの皆さんの声援が非常に力になった。これらすべてを含めて、チームとしてともに戦った結果が勝利につながって、非常に嬉しく思う。次は、Jリーグの試合。しっかり勝つために準備をしていこうと選手たちに話した。

Q.復帰戦となった伊東選手の評価は?

A.彼の意気込みは、自分自身も理解していた。自信をもって送り出した。非常にアグレッシブで、彼の良さが出た試合だった。このコンディションとパフォーマンスを続けていくことが重要になってくる。

Q.デビュー戦でゴールを決めた有馬選手のプレーの評価は?

A.今日のプレーというよりも、彼の練習への取り組み方や日頃のトレーニングへの意識の高さが、そのご褒美として、あのような形で得点することが出来たと思う。まだまだ、チームメイトに求められるものが多くある。取り組みを今後も続けてくれることを願っている。もっとレベルアップをして、チームの戦力になってくれることができれば、非常に嬉しく思う。

Q.リーグ戦とは違うメンバーで戦ったが、今日出場したメンバーへの評価は?

A.今日は、経験のある選手が数多くいた。連係の部分では少し苦労したが、後半に入ってからは、スムーズにいくようになった。チームとして、スムーズに動くことが出来たという部分は、非常に評価できる。我々は、たくさんのコンペティションを戦っていかなければいけない。それぞれのコンディションや、チームとしてのやるべきことを含めて、質やレベルを上げていくことが、今後、必要になってくる。今日の選手たちのパフォーマンスは非常に満足しているし、評価している。

栃木SC:田坂 和昭
結果は悔しいが、まったく出来なかったのかと言えばそうではない。我々のミスで、失点してしまった。今日のメンバーは戦っていたし、アントラーズ相手に出来ることと出来ないこともはっきりした。その中でも、前向きに90分間戦った選手は評価できると思う。今日、出場したメンバーで、今後のリーグ戦に可能性を感じた選手が何人かいた。そういうところは、いい兆しだと思う。今、我々のチームに求められるのは、一体感を持って戦うということ。そういう意味でも、収穫のある試合だった。


選手コメント

[試合後]

【有馬 幸太郎】
試合に出場した時には絶対に点を取ってやると思って、ずっと練習を積み重ねてきた。アップの時から、イメージして準備をしていた。それが良い結果につながったと思う。1本目のチャンスを決めきることが出来なかったので、次のチャンスに決めることが出来て良かった。

【小田 逸稀】
立ち上がりからボランチとサイドバックに激しくプレスをかけられ、最初は苦しんだ。ただ、後半は修正して落ち着いてプレーすることが出来たと思う。

【町田 浩樹】
天皇杯は、難しさが絶対ある。立ち上がりは苦しんだが、しっかりと修正して試合を進めていくことが出来た。相手を引かせて、相手陣内でボールを保持することが出来て、チャンスも作ることが出来た。そこに至るまで、ビルドアップの部分で難しいところはあったが、押し込むことが出来たので良かったと思う。

【永木 亮太】
立ち上がりは押される時間が多かった。相手の勢いがあった中で、それを耐えることが出来たことが大きかった。立ち上がりからあそこまで勢いを持ってきていたので、バテてくるのは分かっていた。前半の途中から前線で収まるようになってからは、自分たちのリズムで試合を進めていくことが出来た。いいタイミングで点も取れたし、全体的にミスも少なく出来たことは良かったと思う。

【内田 篤人】
自分たちのホームではないけど、ホームのようなサポーターの多さで応援をしてもらっていた。簡単な試合ではなかったが、雰囲気作りからしてくれたことは大きかったと思う。自分が出たときは、点差もあったので、上手くパスを散らしていきながら、相手をいなしていきながらとやっていた。

【伊東 幸敏】
普段試合に出れていない選手などが出ていた中、誰が出てもアントラーズであるという証明は出来た試合だったと思う。アントラーズは結果がすべて。結果だけ見れば、悪くない数字。もちろん、内容ももっと突き詰めていかなければいけない。最低限のノルマは、達成出来たと思う。




◆天皇杯 JFA 第99回全日本サッカー選手権大会 3回戦(オフィシャル)