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2020年2月2日日曜日

◆2020Jリーグプレシーズンマッチ(オフィシャル)






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いばらきサッカーフェスティバル2020、アウェイのケーズデンキスタジアム水戸で水戸ホーリーホックと対戦した。前半から積極的に攻撃を仕掛けたアントラーズは、38分に荒木のゴールで先制する。だが、その後は攻勢を強めるも、なかなか追加点は奪えない。それでも、アントラーズは最後まで水戸に得点を許さず、このまま1-0のスコアで通算15回目のいばらきサッカーフェスティバルで勝利した。

2020シーズンは非常に厳しい幕開けとなった。1月28日のACLプレーオフ、アントラーズは前半から試合の主導権を握り、ボールを動かしながら幾度となく決定機をつくる。だが、なかなかチャンスを決めきれない。すると、後半に不運な形で失点を喫する。相手のミドルシュートが味方に当たり、コースが変わってゴールネットに吸い込まれてしまった。この得点が決勝点となり、0-1のスコアで敗戦。アジア王座奪還の目標は、わずか1試合で潰えてしまった。

決して簡単には気持ちを切り替えることが出来ない敗戦だ。雨のなかで声援を送り続けたサポーターはもちろん、選手たちも敗戦のショックを受けている様子だった。

だが、立ち止まっている時間はない。4日後には毎年恒例のいばらきサッカーフェスティバルが控えている。新監督のもと、新たなフットボールに挑戦する今シーズン、どんな困難が待ち受けようと、歩みを止めずに成長を続けなければいけない。試合翌日もチームは休むことなく、トレーニングを続けた。

そして、迎えた2月1日。アウェイのケーズデンキスタジアム水戸へ2年ぶりに乗り込み、いばらきサッカーフェスティバルを戦う。





試合前に先発メンバー11人が発表された。ゴールマウスは曽ケ端が守る。最終ラインは、右から内田、関川、町田、山本が入った。ボランチは小泉と永木がコンビを組む。右のサイドハーフには、ルーキーの荒木、左には和泉が入った。前線は、白崎と伊藤が務める。ベンチには、沖、杉岡、佐々木、レオ、アラーノ、土居、松村が座った。



14時キックオフのホイッスルが吹かれた。

アントラーズが試合開始から主導権を握ってボールを動かす。CBの関川と町田が、高精度のサイドチェンジや縦パスを打ち込んだことで、攻撃はスムーズに展開された。相手陣内では、右サイドハーフの荒木が存在感をみせる。切れ味鋭いドリブルや周囲とのパス交換でチャンスを演出し、得点の匂いを感じさせるプレーを連発した。







自陣でのボールロストでピンチを招く場面はあったものの、攻撃から守備への切り替えは迅速に行われた。アントラーズのペースで試合が進む。







水戸にボールを握られる時間帯もあったが、中盤ではボランチの小泉が、当たりの強さと鋭い出足でボールを刈り、最終ラインでは関川が見事なインターセプトで攻撃の起点となるなど、守備陣も積極的なプレーをみせていく。







スコアが動いたのは前半38分だった。白崎からのスルーパスを引き出した荒木が、相手選手に寄せられながらもドリブルでゴールに近づき、左足を振り抜く。力強いシュートは、ゴールネットに突き刺さった。











このまま1-0とアントラーズがリードしてハーフタイムを迎えた。







後半開始からアントラーズはGKを交代する。曽ケ端に代えて沖をピッチへ送った。





後半立ち上がり、先制点を決めた荒木が起点となりチャンスが生まれる。48分、荒木が右サイドのスペースにボールを流し、パスを受けた伊藤が右サイドからグラウンダーのクロスを入れる。これを白崎がシュートしたが、惜しくも相手選手にブロックされた。







63分から4人の選手を同時交代する。和泉、白崎、荒木、永木がベンチに下がり、アラーノ、土居、松村、レオがピッチに入った。67分には内田との交代で杉岡が投入された。これでGKが沖、最終ラインは右から山本、関川、町田、杉岡、ボランチは小泉とレオ、サイドハーフが右に松村、左にアラーノ、前線が土居と伊藤という布陣になった。





時間の経過とともに、水戸に攻撃を仕掛けられる回数が増えた。78分には左サイドから裏に抜け出され、決定機をつくられてしまう。逆サイドから絞った杉岡の決死のディフェンスで得点は許さなかったが、危うい場面だった。







ピンチの後にはチャンスが訪れる。87分、ペナルティエリア内右から松村がシュートするも、相手GKにパンチングされる。そのこぼれたボールを今度は伊藤がボレーシュートで狙う。しかし、再び相手GK本間の好セーブに阻まれて、追加点を奪うことはできなかった。







試合終了間際には何度かピンチが訪れた。それでも、沖の好セーブにも助けられて無失点に凌ぎ、このまま1-0でアントラーズが勝利した。

攻守両面で積極的にプレーしたことで、課題と収獲が多く見つかる試合となった。今後も限られた期間ではあるが、国内タイトル奪還に向けて、最善の準備を進めていく。

【この試合のトピックス】
・いばらきサッカーフェスティバルの通算成績をアントラーズの14勝1分とした

入場者数 9,378人 天候 晴、弱風 気温 17.3℃ / 湿度 42.0% ピッチ 全面良芝
主審 山岡 良介 副審 竹田 明弘 藤澤 達也 第4の審判員 川俣 秀


監督コメント

ハーフタイム

鹿島アントラーズ:ザーゴ
・守備の時、中央のケアをしていくこと。
・全体的にコンパクトな距離感を保ち、切り替えの意識を切らさないこと。
・攻撃の時は、縦にボールを入れ、積極性を忘れないこと。

水戸ホーリーホック:秋葉 忠宏
・恐れずにアグレッシブに戦おう!
・かんたんなミスをなくそう。
・やってきたことにトライしよう!

試合後

鹿島アントラーズ:ザーゴ
前半は完璧に近い試合内容だった。フィジカル的にいい状態の時はよさが多く出せていたと思う。練習からかなり負荷をかけているので、後半は足が止まってしまい、チグハグした部分が多少あった。ただ、全体的に選手たちが練習でやってきていることを表現しようとしてくれている。自分自身としては、非常に満足のいく試合内容だった。

Q. 評価している部分と課題は?

A.唯一満足いっていない部分は、準備期間の短さである。コンディション面で差がある中での融合を考えながら、現在、チーム作りをしている。コンディションがあまりよくない中なので、後半に足が止まってしまったり、反応が遅くなってしまっている選手もいた。それはやむを得ない部分だと思っている。選手たちが練習でやってきていることを自然にできるようになるまでは時間がかかる。現状、やろうという意識を持ってプレーしてくれている。これからしっかり準備をしていきたい。次の試合に向けて、全体的な質をもっと高めていきたい。

Q.決勝ゴールを決めた荒木選手の評価は?

A.荒木だけではなく、松村も有能な選手である。今日の試合は、荒木と松村が目立った存在だった。彼らは練習の時から、細かく要求することに対してしっかりと実行してくれている。これからしっかりと彼らを育てていき、戦力として試合に出場させることができるようにしていきたい。

水戸ホーリーホック:秋葉 忠宏
まずはこれだけ多くのサポーターの方が、スタジアムに来てくれたということがすごく嬉しい。ただ、サポーターの期待に応えられなかったことが残念。特に前半は臆病になり、相手の勢いにのまれて、自分たちのサッカーができなかった。ひとつだけよかった点は、これがリーグ開幕戦ではなく、プレシーズンマッチだということ。これからリーグ開幕戦に活かしていくことが大事になる。

選手コメント

試合前

【小泉 慶】
3つのタイトルを獲るためには、プレシーズンマッチも重要になる。昨年試合に出ていない選手が起用されるチャンスの場でもあるので、そういった選手が活躍して、チームの底上げや活性化させる試合にしたい。

【町田 浩樹】
ポゼッションで相手を剥がすことは大切だが、ラインが高ければ裏を狙ったり、臨機応変に相手をみながらサッカーすることが大事になる。チームの完成度を高めていかないといけないので、内容だけでなく、結果も求めてプレーしていきたい。

【永木亮太】
自分自身、まだ90分のゲームができていないので、コンディションの確認や新しい戦術や新加入選手のことなど、試合の中で確認していきたい。相手のことよりも、まずは自分たちのことに意識を向けてやっていく。勝利を目指すのはもちろんだが、まずは自分たちのやるべきことに意識を向けてやっていきたい。

【白崎 凌兵】
チームとしてやるべきことは、チャレンジすること。試合が少ない分、失敗も増えるだろうけど、消極的ではなく、積極的にやることが大事になってくる。勝ちにこだわる姿勢は、どの試合でも同じだが、消極的になるよりは、ミスが多くなっても積極的にチャレンジして、できることとできないことを確認していきたい。

【山本 脩斗】
チームとしてやろうとしていること、監督が求めることを、実践していきたい。練習時間が短いなかで、まだまだな部分もあるが、チームとしても個人としてもやるべきことを表現したい。

試合後

【永木 亮太】
自分自身、今シーズン初めての試合だったが、コンディションの確認や監督の求めているサッカーを意識しながらプレーすることができた。ただ、まだ100%ではないので、ここからコンディションも上げていかなければいけない。次に向けて、もっと突き詰めていきたい。

【小泉 慶】
ポジショニングやトラップの位置、スペースを見つける部分、プレスをかけるタイミングなどは、もう少しレベルアップしていかなければいけない。ボランチというポジションは重要なポジションだと思うので、もっと責任感を持ってプレーしていかないといけないし、もっと積極的にプレーしていかなければいけないと思う。。

【山本 脩斗】
久しぶりの試合だったので、90分間、怪我なくやれたことは大きな収獲になった。チームとしては、チャレンジする段階だと思うので、監督のやろうとしているサッカーをトライすることができてよかったと思う。

【和泉 竜司】
結果として、勝てたことはよかった。練習でやってきたことを出せた部分もあった。あとはクオリティの部分だったりはもっと改善できると思う。プレシーズンマッチだが、全員で勝って終われたのはよかった。

【沖 悠哉】
このチャンスを活かさないといけないと思って試合に臨んだ。最低限のプレーはできたと思う。前にスペースが空いていたり、相手が前からプレスをかけてきたときに、上手く相手を剥がせるところがあった。正確にパスを繋げた部分はよかったと思う。

【白崎 凌兵】
試合の終盤は疲労もあり、押し込まれる場面もあったが、試合を通して主導権を握ることができたと思う。監督から求められていることに、まだまだ、たどり着くことはできていない。ただ、求められていることをやろうとする姿勢は出すことができた。ここからもっとよくなっていくと思う。

【荒木 遼太郎】
スタメンで試合に出るからにはやってやろうという気持ちで試合に臨んだ。シラ君が前を向いたタイミングでアイコンタクトができ、いいところにパスを出してくれた。あとは、キーパーと1対1の場面だったので、冷静に決めるだけだった。試合中は、縦関係を組んだ篤人さんに守備の部分などで迷惑をかけてしまったが、自分のゴールで勝利へと導くことができたので、そこはよかったと感じている。




◆2020Jリーグプレシーズンマッチ(オフィシャル)