鹿島アントラーズ×TEN STRIKE SPIRIT OF ZICO 柄 レーヨ...
練習のなかで最もゴールを決めるのは、いつの練習でも伊藤翔だ。見ているものの目を奪う豪快な一撃では上田綺世やエヴェラウドに、その席を譲るものの、簡単なゴールを簡単に決める回数では群を抜く。また、適確にゴールの隅を射貫くミドルシュートの精度でも、伊藤にかなう選手は少ないだろう。
ここ2試合で先発し、横浜FM戦では2得点した上田綺世が負傷によって戦線を離脱。反転シュートを放った際、ブロックしようとした相手選手のスパイクが当たってしまい、右足関節挫創で全治1ヶ月の裂傷を負った。FC東京戦から欠場することとなり、伊藤にかかる期待は大きい。
「もちろん綺世の怪我は非常に残念ですし、流れに乗ってこのままいけるんじゃないかというときの負傷だったので、本人も悔しいでしょうけど、その悔しい気持ちを汲んでやっていかないといけない」
ただ、上田はチームメイトでもあるが、同じポジションのライバルでもある。センターFWは1人しか出られないため、上田の欠場は伊藤にとってはチャンス。「自分も結果を残さないといけない」と表情を引き締めた。
とはいえ、自分のことだけ考えていればいい状況でもない。勝てないチームを好転させるため、いままでの経験をもとに冷静にチーム全体を見つめている。
「こうなったらこの一連のプレーが成功という風に、全員が共通理解できればいい。そこの着地点が各自でフワフワしてるとやっぱりうまくいかない。もう少し型に当てはめてもいいし、選手同士の話し合いも必要かもしれない」
24日で32歳となった。曽ヶ端準やクォン スンテ、レオ シルバらに次ぐベテランとしてやるべきことはわかっている。ピッチの上には、虎視眈々とゴールをうかがう伊藤の姿があるはずだ。
文:田中滋(鹿島担当)
明治安田生命J1リーグ 第7節
7月26日(日)18:30KO カシマ
鹿島アントラーズ vs FC東京
◆【鹿島 vs FC東京】得点力不足だからこそ見せてもらいたい伊藤翔の決定力(J's GOAL)