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2021年2月28日日曜日

◆鹿島アントラーズ、ブラジル人DF獲得狙うも争奪戦へ。今月末に契約満了でフリーに(FOOTBALL TRIBE)








 明治安田生命J1リーグの鹿島アントラーズはブラジル人DFガブリエル・ディアスの獲得にむけて複数クラブとの争奪戦を繰り広げているかもしれない。27日、ブラジルメディア『MERCADO DO FUTEBOL』が伝えている。

 ガブリエル・ディアスは2014年にパルメイラスでプロキャリアをスタートさせると、5度にわたりブラジル国内クラブへのレンタル移籍を繰り返す。同選手は2018年にフリーでインテルナシオナルSCへ加わるものの公式戦わずか5試合の先発出場に終わり、翌2019年にフォルタレーザECへ加入。移籍1年目は25試合で先発メンバーに名を連ねると、2020シーズンも主に右サイドバックとして公式戦40試合でピッチに立つなど出場機会に恵まれていた。

 ガブリエル・ディアスの去就を巡っては、かねてから日本行きの噂が飛び交っていたが、今月にブラジル国内の複数メディアは鹿島アントラーズが獲得を狙っていると報道していた。しかし、同選手にはセアラーSC、クイアバEC、ボタフォゴなどブラジル国内の複数クラブが強い関心を寄せている模様。具体的な動きについては報じられていないが、争奪戦に発展するという見方が広まっているようだ。

 なお、フォルタレーザECは今月27日にガブリエル・ディアスが契約満了に伴い退団することを公式発表している。アントニオ・カルロス・ザーゴ監督のもとで今季タイトル獲得が求められる鹿島アントラーズとしては、守備陣の選手層に厚みを持たせる意味でも新たなブラジル人選手を迎え入れることを望んでいるはずだ。




◆鹿島アントラーズ、ブラジル人DF獲得狙うも争奪戦へ。今月末に契約満了でフリーに(FOOTBALL TRIBE)




◆仙台赤崎が値千金の同点弾「全員の気持ちが乗って」(ニッカン)









<明治安田生命J1:広島1-1仙台>◇第1節◇27日◇Eスタ

手倉森ベガルタが執念の開幕ドロー決着を見せた。2011年の東日本大震災から10年を迎える今季。広島との開幕戦は前半から数的不利の劣勢。ロスタイム直前の後半45分、その3分前から途中出場のFW赤崎秀平(29)が同点ゴールを決め、1-1で勝ち点1をつかみ、開幕戦7年連続無敗(4勝3分け)を継続した。仙台に8季ぶりに復帰し、11年4位、12年2位に導いた手倉森誠監督(53)が、13年12月22日の天皇杯東京戦以来2624日ぶりにタクトを振った。

   ◇   ◇   ◇

FW赤崎が値千金の同点弾で仙台を窮地から救った。後半42分にピッチに入ると、3分で結果を残した。MF関口が左サイドから中央に切れ込み、シュートを放つと相手DFに当たり、赤崎の前へこぼれてきた。最後は落ち着いて右足で蹴り込み「相手の視野からうまく消せたので、こぼれてきてくれたらいいなというところで、いいポジションをキープでき、自分の気持ちとチーム全員の気持ちが乗っかってうまく入ってくれた」。昨季はけがで1得点と苦しんだが、幸先のいいスタートを切った。

ゴールネットを揺らすと、広島まで駆けつけたサポーターが待つゴール裏へ勢いよく駆けだした。仲間たちも続いて大きな輪をつくり祝福。その輪には最後尾のGKスウォビィクも加わった。殊勲のストライカーは「必ず結果を出すという強い気持ちで入った。監督からも強い信頼を感じているので、そこが素晴らしい形で出た」と胸を張った。

守護神も勝ち点獲得の立役者になった。スウォビィクは自軍の3倍となる18本ものシュートを浴びながらも、体を張った好セーブを連発して1失点。相手に流れを渡さなかった。「チームとして早い時間に退場者を出して、10人の時間が長かったが、各選手が個性を出し、最低でも勝ち点1を持ち帰るにふさわしい戦いだった」と振り返った。


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◆仙台赤崎が値千金の同点弾「全員の気持ちが乗って」(ニッカン)





◆J1鹿島が選手サイン入りボール贈る ホーム5市の全小中学校に(茨城新聞)






子どもたちにクラブへの愛着を持ってもらおうと、サッカーJ1鹿島アントラーズは、ホームタウン5市(鹿嶋、潮来、神栖、行方、鉾田)の全小中学校に、選手のサイン入りサッカーボールを1球ずつ贈る。今季のリーグ開幕戦を前にした26日、神栖市波崎の市立波崎小学校(中薗正秀校長、児童258人)にマスコットの「しかお」らが訪れ、贈呈式を行った。

しかおは、体育館に集まった6年生49人の歓迎を受けて登場。児童代表の菅井美海さん(12)に、選手会長のDF広瀬陸斗選手(25)のサイン入りボールを手渡した。鹿島の試合を観戦したことがないという菅井さんは「興味が湧いたので、お父さんに頼んで見に行きたい」と笑顔で話した。

鹿島は昨季、新型コロナウイルスの影響で、選手による小学校訪問などのホームタウン活動が制限された。ボールの贈呈は、地域や子どもたちとのつながりを保ちたいとの考えから、選手会が提案した。地域連携チームの吉田誠一マネージャーは「小学生が無料で試合を観戦できるキッズパスという仕組みがあるので、活用してスタジアムに来てください」と呼び掛けた。


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◆J1鹿島が選手サイン入りボール贈る ホーム5市の全小中学校に(茨城新聞)





◆鹿島ザーゴ監督が逆転負けに苦言連発「不注意の結果」「いただけない」(ゲキサカ)






[2.27 J1第1節 鹿島1-3清水 カシマ]

 鹿島アントラーズは終盤の3失点が響き、3シーズン連続での開幕黒星に終わった。就任2年目のザーゴ監督は試合後のオンライン会見で「相手が何かをしたということではなく、自分たちの不注意の結果」と厳しく振り返った。

 鹿島はこの日、先発とベンチに登録された計18人全員が既存メンバー。クラブ史上初の開幕4連敗という屈辱を経験しながらも5位で終えた昨季からの積み重ねも見せたいところだったが、後半30分にセットプレーから奪ったMF荒木遼太郎の先制ゴールを守り切れず、ホームで迎えた開幕戦で勝ち点を落とした。

 ザーゴ監督は「前半からほぼ片方のチーム(鹿島)がプレーしているという状況があって、チャンスを多く作りながら得点を取れた。しかし、そこから急激に集中力が欠けてしまい、失点を重ねたというところ。ホームで、それもこの大事な年に、第一印象でそういうパフォーマンスを見せてしまったのは優勝するためにはいただけない」と次々に厳しい言葉を口にした。

 途中出場から先制点を決めた荒木も「13番は偉大なる先輩がつけてきた番号なので、それに恥じないプレーをして、自分らしさを出していこうという中で得点できたことは大きかった」と新背番号での初ゴールには喜びを語ったが、「ホームで絶対に負けられない戦いだったのに3失点して負けたのはチームとして課題が残る」と指摘。「勝ちにこだわるなら失点をゼロでいかないといけない。球際を集中力上げて引き締めてやるべきだった」と反省を語った。

 もっとも「集中力が欠けてはいけない。単にそこを改善しないといけない」と力強く語ったザーゴ監督を筆頭に、選手たちからも切り替えを誓う言葉が聞かれた。FW上田綺世は「開幕だからまだ大丈夫という考え方を持っているチームじゃないので、この負けはすごく痛い。去年その痛みはすごく身に染みているので、この負けを受け止めて、こういう失敗をしないように優勝するという目標を見失わないようにしながら、ルヴァンもJリーグも1試合1試合戦っていきたい」と意気込みを語った。




◆鹿島・上田「1点取ってからアクションを起こすべきだった」(サンスポ)






 明治安田J1第1節は各地で第2日の試合が行われ、鹿島はホームで清水に1-3で敗れた。

 後半30分、途中出場のMF荒木遼太郎(19)の得点で先制した鹿島だったが、直後の同33分にFWチアゴ・サンタナ(28)に同点ゴールを奪われると、38分、43分と追加点を許し、試合を終えた。

 試合後のオンライン会見で、ザーゴ監督(51)は「得点まではよかったが、そこから集中力を欠いた。自分たちの不注意の結果」と不満を口にした。FW上田綺世(22)は「1点取ったあとの余裕ができたところを突かれた。1点取ってからアクションを起こすべきだった」と反省すると、「優勝するために目標を見失わずに、切り替えて一試合一試合戦いたい」と語った。




◆鹿島・上田「1点取ってからアクションを起こすべきだった」(サンスポ)





◆逆転負け鹿島ザーゴ監督おかんむり「いただけない」(ニッカン)






<明治安田生命J1:鹿島1-3清水>◇第1節◇27日◇カシマ

鹿島アントラーズは清水エスパルスに逆転負けを喫し、クラブ創設30周年の記念年の開幕戦を白星で飾ることができなかった。後半30分、コーナーキックの流れから途中出場の高卒2年目のMF荒木遼太郎(19)の左足シュートで先制。だが、後半33分、38分、43分と10分間に3失点し敗れた。

試合後、ザーゴ監督は「前半から自分たちの得点までは非常に良かった。そこから急激に集中力、注意力が欠けて失点を重ねた。やはり、ホームでこういう大事な年でこのようなパフォーマンスは、優勝するためにはいただけない」とおかんむり。「相手が何かをしたわけでなく完全に不注意」と続け、クロスで相手をフリーにして失点する場面が続いたことに「同じ形で失点するのはいただけない。得点をして、試合が終わったみたいになったのは分からないですけど、サッカーは最後まで勝負がある。このような集中力は良くない」と「集中力」という言葉を何度も使い、反省を促した。3月3日にはすぐにルヴァン杯第1節がホームで控える。「注意力は欠けてはいけない。単純にそこを改善しなくてはいけない。切り替えてやっていけたら」と前を向いた。




◆逆転負け鹿島ザーゴ監督おかんむり「いただけない」(ニッカン)





◆J1鹿島 今季リーグ初戦、逆転負け 清水に1ー3(茨城新聞)






明治安田J1第1節第2日の鹿島は27日、カシマスタジアムに清水を迎え開幕戦に挑んだが、1-3で逆転負けした。これで開幕戦は3年連続黒星となり、2017年以降未勝利。 

国内3冠奪還を目指す鹿島は後半31分、エベラウドのヘディングシュートのこぼれ球を荒木が押し込んで先制した。しかし、その後、立て続けに3点を失い、開幕戦を飾れなかった。

今季のJ1は例年よりも2チーム多い20チームで争われ、4チームがJ2に降格する。ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)が初導入され、新型コロナウイルスの影響で、スタジアムの収容制限や応援制限も設けられている。

▽カシマ(観衆9,312人)
鹿島 1敗(0) 1-3 清水 1勝(3)
0-0
1-3




◆J1鹿島 今季リーグ初戦、逆転負け 清水に1ー3(茨城新聞)





2021年2月27日土曜日

◆識者5人が「J1全順位」をガッツリ予想。川崎を上回る優勝候補が出た(Sportiva)






2月26日に開幕するJリーグ。スポルティーバでは、今年のサッカー観戦が面白くなる、熱くなる記事を、随時配信。さまざまな視点からJリーグの魅力を猛烈アピール!

今回は、毎年恒例の識者5人による今季の「J1全順位」予想。Jリーグに精通する面々がV候補に選んだのはどのチームか、さらには4チームが降格する残留争いをどう見ているのか、必見である――。


強力2トップ擁する鹿島が王者・川崎を倒す!?
ダークホースはロティーナ監督率いる清水

小宮良之氏(スポーツライター)

1位 鹿島アントラーズ
2位 川崎フロンターレ
3位 名古屋グランパス
4位 FC東京
5位 横浜F・マリノス
6位 ガンバ大阪
7位 清水エスパルス
8位 サンフレッチェ広島
9位 浦和レッズ
10位 柏レイソル
11位 セレッソ大阪
12位 北海道コンサドーレ札幌
13位 ヴィッセル神戸
14位 大分トリニータ
15位 横浜FC
16位 サガン鳥栖
17位 アビスパ福岡
18位 ベガルタ仙台
19位 湘南ベルマーレ
20位 徳島ヴォルティス

 王者・川崎フロンターレをどこが倒すか?

 それは、ひとつの焦点になるだろう。

 昨シーズンの川崎は、ライバルを振り切る強さがあった。ゴールへ迫るボールプレーの質が際立って高く、"日本人MVP"とも言える三笘薫の存在は象徴的だったのではないか。中村憲剛の現役引退発表もあり、川崎一色のシーズンだった。そして、今シーズンもその強さは変わらない。

 対抗馬は、鹿島アントラーズ、名古屋グランパス、FC東京、横浜F・マリノスの4チームになるか。

 鹿島は、その筆頭格だろう。安定したマネジメントで、スカウティングのよさが光り、各ポジションに人材がそろった。アントニオ・カルロス・ザーゴ監督体制2年目、王道を行く予感がある。

 その裏づけに、昨シーズン後半の巻き返しは瞠目(どうもく)に値した。エヴェラウド、上田綺世の2トップの実力はリーグナンバー1。不安要素はコロナ禍で新たに獲得したブラジル人選手たちの合流が遅れていることだが、仮に補強なしでも分厚いチーム力だ。

 名古屋は、イタリア人マッシモ・フィッカデンティ監督が戦い方を確立。GKランゲラックを中心にした守備陣は難攻不落の感があり、FWマテウスはカウンター一発で相手を仕留められる。基本戦術は変えず、前線にFW齋藤学、FW柿谷曜一朗を獲得し、単純に得点力を高めた格好だ。

 FC東京、横浜FMは一長一短か。前者は守備戦術を極め、ブラジル人助っ人も計算が立つが、MF橋本拳人の穴は埋まっていない。横浜FMは3バック、4バックの両刀になりそうだが、超がつくほどの攻撃戦術がハマるかどうかは、DFチアゴ・マルチンスの働き次第か。

 伏兵は、ミゲル・アンヘル・ロティーナ監督が指揮を執ることになった清水エスパルス。スペインの名将は、組織的な守備と効果的なセットプレーを植えつける手腕に優れる。上位をうかがう可能性もある。

 4チームが降格となる残留争いは、熾烈になるだろう。10チーム程度が団子状態で、どう転んでもおかしくない。

 例えば、アビスパ福岡はFWブルーノ・メンデスなど外国人が稼働した場合、残留の道は開ける。一方で、横浜FCはMF松尾佑介の活躍次第で3つは順位が変わり、サガン鳥栖はどう転んでもおかしくないし、大分トリニータは大きく様変わりして未知数だ。

 最後に注目選手には、ヴィッセル神戸のMFアンドレス・イニエスタの名前を挙げたい。彼は別格。故障離脱の機会が多くなりそうだが、出場した試合に巡り会ったら、それは幸せと言える。

 DF中野伸哉(鳥栖)、MF中村仁郎(ガンバ大阪)、MF西川潤(セレッソ大阪)、DF中村拓海(FC東京)など、新鋭選手の台頭も期待したい。


戦力ダウンの今季、川崎の独走は考えにくい
ACL不出場のFC東京と鹿島に巻き返しのチャンス

浅田真樹氏(スポーツライター)

1位 鹿島アントラーズ
2位 FC東京
3位 川崎フロンターレ
4位 横浜F・マリノス
5位 名古屋グランパス
6位 ガンバ大阪
7位 サンフレッチェ広島
8位 清水エスパルス
9位 ヴィッセル神戸
10位 柏レイソル
11位 セレッソ大阪
12位 浦和レッズ
13位 北海道コンサドーレ札幌
14位 大分トリニータ
15位 アビスパ福岡
16位 横浜FC
17位 サガン鳥栖
18位 徳島ヴォルティス
19位 ベガルタ仙台
20位 湘南ベルマーレ

 今季J1の順位予想をするにあたって、まずは川崎フロンターレの評価から始めたい。要するに、今季の川崎もぶっちぎりで独走するのかどうか、である。

 単純に川崎の戦力評価だけで言えば、昨季より落ちていると見ていいだろう。中村憲剛の引退に加え、アンカーとして堅実なプレーを見せていた守田英正が海外移籍。さらには齋藤学も名古屋グランパスへ移籍と、主力級が相次いでチームを離れた一方で、補強はジョアン・シミッチ以外、実績に乏しい選手が中心となった。

 にもかかわらず、今季はJ1と並行して、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)もこなさなければならないのである。かかる負荷は昨季の比ではない。

 実際、昨季のACL出場組にしても、横浜F・マリノスは9位、FC東京は6位、ヴィッセル神戸は14位と、総崩れに終わっている。いかに川崎といえども昨季のような独走は考えにくく、下手をすれば、ACL出場圏外(5位以下)に沈んでも不思議はない。

 同様にACLに出場するガンバ大阪、名古屋、セレッソ大阪もまた、厳しいシーズンを強いられることになるだろう。昨季以上の順位、すなわち、川崎を上回って優勝するのは難しそうだ。

 裏を返せば、ACLに出場しないクラブは巻き返しのチャンス。なかでも有力な優勝候補は、鹿島アントラーズとFC東京である。

 鹿島は昨季、尻上がりに調子を上げ、チームとしての戦いもまとまってきた。戦力的にもタイトル奪還に十分な駒が揃っている。

 また、鹿島とは対照的に、FC東京は昨季終盤に失速したが、ACLとの兼ね合いで超過密日程になったことの影響が大きかった。若手の成長で選手層は厚みを増しており、本来の力が発揮できれば頂点に立ってもおかしくない。

 その他、川崎、横浜FM、名古屋、G大阪、サンフレッチェ広島まで、上位に予想した7クラブに優勝の可能性があると見ている。

 一方、J2降格につながる下位予想は上位以上に難しい。一応、1位から20位までの予想順位をつけたが、ほとんどのクラブに「一歩間違えれば」の危険性がはらんでいると言ってもいい。

 なかでも厳しい戦いになりそうなのは、湘南ベルマーレ、ベガルタ仙台、サガン鳥栖、横浜FCに、昇格組の徳島ヴォルティス、アビスパ福岡を加えた6クラブだろうか。特に湘南、仙台は昨季順位がワースト1、2だったにもかかわらず、それほど補強が進まず、反転攻勢の材料に乏しい。

 また、昇格組では昨季からの堅実な戦いが継続できる福岡よりも、リスクを負ったスタイルを志向しながらも、監督交代となった徳島のほうに不安要素が大きい。

 とはいえ、今季は下位4クラブが自動降格となるだけに、正直、どこが落ちてもさほどの驚きはない。本当にサプライズと言えるのは、川崎が降格したときくらいだろう。


スタイル確立。右肩上がりの鹿島が王座奪還か
ジュニオール・サントス次第で広島優勝の目も

原山裕平氏(サッカーライター)

1位 鹿島アントラーズ
2位 川崎フロンターレ
3位 サンフレッチェ広島
4位 清水エスパルス
5位 FC東京
6位 ガンバ大阪
7位 名古屋グランパス
8位 横浜F・マリノス
9位 セレッソ大阪
10位 ヴィッセル神戸
11位 北海道コンサドーレ札幌
12位 柏レイソル
13位 浦和レッズ
14位 横浜FC
15位 ベガルタ仙台
16位 アビスパ福岡
17位 サガン鳥栖
18位 大分トリニータ
19位 湘南ベルマーレ
20位 徳島ヴォルティス

 2チーム増えただけで、10倍くらい難しくなった気がする......。ただでさえ当たらないのに、さらに当たる気がおきません。でも、新シーズンを前に、これをやらないとどうも落ち着かない。お正月にお雑煮を食べるような感覚で、今年も予想させていただきます。

 優勝は鹿島アントラーズ。そろそろ優勝のターンだなと。鹿島の歴史的に、そういう流れになっている気がする。

 昨季、新体制になって右肩上がりでよくなっていき、今季はさらにスタイルが確立されていくでしょう。FWエヴェラウドとMFファン・アラーノという外国人もいい。何よりFW上田綺世がひとり立ちしたのが大きい。新しい助っ人もフィットすれば、王座奪還も見えてくる。

 川崎フロンターレも優勝候補だが、ゼロックス・スーパーカップを見た感じでは、昨季と同等の強さは感じられなかった。もちろん、まだ調整段階のところもあっただろうけど、去年と比べると勝ち切れない試合も出てきそうな。

(対戦チームの)対策も強まり、AFCチャンピオンズリーグもある。中村憲剛がいなくなったことも、意外と影響がありそうな予感......。

 サンフレッチェ広島はジュニオール・サントス次第。実は去年見た外国人FWのなかで二番目に強烈だったのが、このジュニオール・サントスだった(一番はオルンガ)。

 機動力があり、強さもある。インテンシティの高い試合でも、ボールを失わない技術もあった。チームへの機能性という意味では、オルンガ以上かもしれない。彼がケガなくシーズンを通してプレーできれば、優勝もあり得るかもしれない。

 補強に成功した清水エスパルスにも注目だ。タレント力のアップはもちろん、ミゲル・アンヘル・ロティーナ監督の招聘が大きい。

 東京ヴェルディでは2年連続で昇格プレーオフに出場し、セレッソ大阪でも2年連続で上位争いをした。優勝は難しいかもしれないけど、どこへいっても一定の成果を生み出す指揮官なので、清水でも上位に食い込めるチームを作り出すはずだ。

 同じく大型補強を実現した名古屋グランパスは、やっぱり得点力が不安。純粋なストライカーがいないので、優勝とまではいかなそう。

 FC東京とガンバ大阪は似た印象を持つ。整備された守備組織と強烈な前線を備えるけれど、やや創造性に欠けるので、対策されると取りこぼしも増えてきそう。

 新体制の浦和レッズは、今季は基盤作りの1年に。うまくハマれば大勝する試合もある一方で、スタイルにこだわりすぎてミスから失点を重ねる場面も目に浮かぶ。オルンガが抜けた柏レイソルの苦戦は、さもありなんだ。

 今年は4チームが落ちる残留争いも大注目。大分トリニータは主力の流出が痛手で、サガン鳥栖と湘南ベルマーレはここ数年何とか耐えてきたけれど、そろそろ耐久性が限界を迎えそう。

 徳島ヴォルティスは前任者の功績があまりにも大きい。新監督の手腕が未知数な現時点では、下に置くほかない。


成熟度、安定性でリードするFC東京が本命
2年目ザーゴ監督率いる鹿島も有力なV候補

中山 淳氏(サッカージャーナリスト)

1位 FC東京
2位 鹿島アントラーズ
3位 川崎フロンターレ
4位 名古屋グランパス
5位 清水エスパルス
6位 ガンバ大阪
7位 サンフレッチェ広島
8位 柏レイソル
9位 横浜F・マリノス
10位 ヴィッセル神戸
11位 セレッソ大阪
12位 北海道コンサドーレ札幌
13位 横浜FC
14位 浦和レッズ
15位 大分トリニータ
16位 ベガルタ仙台
17位 サガン鳥栖
18位 アビスパ福岡
19位 湘南ベルマーレ
20位 徳島ヴォルティス

 昨季は圧倒的な強さで独走優勝を果たした川崎フロンターレだが、その力に疑いの余地はないものの、連覇に立ちはだかるハードルは意外と高そうだ。

 今季はAFCチャンピオンズリーグ(ACL)に出場するうえ、リーグ戦の日程も昨季ほど過密ではないため、対戦相手がじっくり対策を練って王者に挑んでくるはず。そのなかで、昨季のように順調に勝ち点を重ねるのは至難の業と言えるだろう。

 それに対して、ACLに参戦した昨季は超過密日程に悩まされ、橋本拳人と室屋成の海外移籍により、軌道修正が困難な状況に陥ったFC東京は、リーグ戦に集中できる強みがある。しかも、ルヴァンカップで長谷川健太監督体制下における初タイトルを獲得し、チームとしての自信もつけた。

 青木拓矢以外に計算のできる新戦力はいないが、これまで継続してきたメンバー編成で戦える今季は、成熟度、安定性という部分でライバルをリードする。

 2年目のアントニオ・カルロス・ザーゴ監督率いる鹿島アントラーズも有力候補のひとつだ。昨季は新しい戦術の浸透に時間を要して序盤戦で躓いてしまったが、中盤戦以降は勝ち点を積み重ねられるチームに進化した。

 その立役者となったFWエヴェラウドも残留し、中盤には2人のブラジル人新戦力も加わり、各ポジションで競争が激化。守備面に不安があるものの、選手層に厚みを増した今季は、優勝争いに加わることは間違いないだろう。

 一方、4チームが自動降格する残留争いで最も厳しい状況に立たされるのが、ダニエル・ポヤトス新監督がプレシーズンに参加できなかった徳島ヴォルティスだ。今後チームに合流できたとしても、戦術の浸透には時間がかかり、昇格チームとしては厳しいと言わざるを得ない。

 その他では、昇格組のアビスパ福岡、昨季最下位に終わった湘南ベルマーレ、戦力ダウンのサガン鳥栖、ベガルタ仙台、大分トリニータといったところが危険水域。

 その中では、6年目の片野坂知宏監督がブレないサッカーを続ける大分と、手倉森誠監督が復帰して震災から10年を迎える仙台が、やや優位と予想する。


現状維持も王者・川崎の優位は動かない
Bクラス以下は皆、降格の可能性を秘める大激戦

杉山茂樹氏(スポーツライター)

1位 川崎フロンターレ
2位 鹿島アントラーズ
3位 横浜F・マリノス
4位 名古屋グランパス
5位 ガンバ大阪
6位 FC東京
7位 セレッソ大阪
8位 サンフレッチェ広島
9位 浦和レッズ
10位 清水エスパルス
11位 ベガルタ仙台
12位 大分トリニータ
13位 サガン鳥栖
14位 ヴィッセル神戸
15位 北海道コンサドーレ札幌
16位 横浜FC
17位 柏レイソル
18位 徳島ヴォルティス
19位 アビスパ福岡
20位 湘南ベルマーレ

 昨季覇者の川崎フロンターレは、補強を積極的に行なったわけではない。さらなるチャレンジより、現状維持を優先した格好だ。2位との勝ち点差は昨季(18点差)より詰まるだろうが、逆転は難しいと見る。他チームと基本的な部分で、大きな差が存在する。

 鬼木達監督は昨季、ただ勝とうとしたわけではない。交代枠(5人)をほぼフルに使いながら、勝利を追求した。その結果、誰が出場しても戦力は落ちない状態にある。"経験"という名の貯金は今、どのチームにも勝る。

 追走する一番手は、昨季スタートを大失敗して5位に甘んじた鹿島アントラーズ。このチームも層が厚い。FWエヴェラウドというJリーグ屈指の本格派ストライカーもいる。絶対的な存在ではないが、大崩れしない。高位安定型というチームカラーは健在と見る。

 12位(2018年)→優勝(2019年)→9位(2020年)と、過去3シーズン、上がったり下がったりをしている横浜F・マリノス。アンジェ・ポステコグルー監督の4シーズン目は、昨季(9位)より上昇するだろう。成績のみならず、攻撃的サッカー度でも川崎に先を越された屈辱を、どこまで晴らすことができるか。

 名古屋グランパス、ガンバ大阪、FC東京、セレッソ大阪までがAクラス候補。サンフレッチェ広島以下がBクラス候補になる。

 Cクラスは存在しない。4チームが降格する今季、Bクラスはその可能性を秘めたチームの集団という意味になる。多くのチームが降格の危機にさらされている。

 浦和レッズ、ヴィッセル神戸といった"金満クラブ"も例外ではない。大きなクラブほど慌てる。大きく足を踏み外してしまう可能性も......。

 降格候補に変わりはないが、昨季より状況がいいように見えるのは、ミゲル・アンヘル・ロティーナを新監督に迎える清水エスパルス。大量失点する癖が解消されれば、自ずと順位は上がるだろう。

 しかし、攻撃的サッカーを標榜したピーター・クラモフスキーからロティーナへの交代は、哲学的に筋が通らない。長い目で見ると危うい選択に見える。

 オルンガがチームを去った柏レイソル、昨季後半に負けが込んだ横浜FC、常にギリギリの戦いを強いられている湘南ベルマーレは、徳島ヴォルティス、アビスパ福岡という昇格組ともども苦しい展開を強いられそうだ。




◆識者5人が「J1全順位」をガッツリ予想。川崎を上回る優勝候補が出た(Sportiva)





◆元日本代表3人が徹底予想<J1リーグ優勝はどこ?> 本命は川崎だが、対抗は「鹿島、名古屋、そして…」(Number)






昨季よりも2チーム増えて、20チームで行われるJ1。史上最速優勝を果たした川崎フロンターレを止めるチームは現れるのか? 福田正博さん、岩本輝雄さん、岩政大樹さん、元日本代表の3人の識者に“優勝予想チーム”を聞いた。


福田正博「川崎・鬼木監督と日本代表・森保監督の共通点」


■福田正博(元日本代表FW)

 優勝予想
 ◎ 川崎フロンターレ
 〇 名古屋グランパス
 〇 鹿島アントラーズ


 優勝争いの中心は昨季、圧倒的な強さでリーグと天皇杯の2冠を達成した川崎になるだろう。長くチームを引っ張ってきた中村憲剛が引退し、中盤のアンカー守田英正が移籍(→サンタ・クララ/ポルトガル)したとはいえ、川崎の優位は動かない気がする。

 昨季終盤の守田の働きは、確かに素晴らしかった。だが、たとえば序盤(2節から11節にかけて)10連勝したときには途中出場(7試合)も多く、あくまで中盤の構成要員の1人に過ぎなかった。新加入のジョアン・シミッチ(←名古屋)がどれくらいフィットするかは不透明だとしても東京五輪世代の田中碧の成長は著しく、昨季は故障がちだった大島僚太が年間を通してプレーできるようなら、脇坂泰斗ら中盤のタレントは十分。守田の抜けた穴はそれほど感じないのではないか。

 ひとつの見どころは、今季の川崎はACLに参加するだけに鬼木監督のマネジメントといえるかもしれない。リーグ連覇のあと、1年おいて優勝という流れは日本代表現監督を務める森保一監督の広島時代と一緒。森保監督はその後、タイトル争いに加われずに解任されることになったが、鬼木監督にとっても長期政権の難しさが出てきても不思議ではない。もちろん、リーグだけでなくカップ戦のタイトルを取っているという点で、当時の広島と現在の川崎の状況はまったく同じとは言い切れない部分もあるが……。


名古屋は柿谷がハマれば面白い


 川崎の対抗馬には名古屋と鹿島を挙げたい。イタリア人のマッシモ・フィッカデンティ監督のもと、昨季リーグ最少失点ながら3位に終わった名古屋。今季のテーマは、いかに得点を挙げるかということだと思う。その点で、C大阪から新加入の柿谷曜一朗の出来がカギになりそう。私がキャンプを現地取材したところ、すごくいい動きをしていた。柿谷自身、強く誘われての移籍だったということで、新たなモチベーションでシーズンに臨むはず。名古屋はスムーズな補強で戦力を充実させたが、(ケガで金崎夢生が長期離脱しており)“9番タイプ”の選手が手薄なだけに、そこに柿谷がハマると面白そうだ。

 2列目のサイドにもマテウス、前田直輝、新加入の齋藤学(←川崎)ら実力者が揃うが、個人的には相馬勇紀に注目している。相馬自身「ことしは勝負の年」とし、食事を見直し体も絞ったと聞いているし、今季は相当やるような気がする。

 一方、鹿島は大きな補強はなかった。ただ、ブラジル人FWエヴェラウドが残留したのは何より。昨季の得点王はオルンガ(当時柏)に譲ったが、点を取るだけじゃなく体が強くポストプレーができ、ヘディングも上手い。そのうえでハードワークも厭わないなど、他の外国人と比較してもその能力は圧倒的と言ってもいい。

 エヴェラウドのほか、ファン・アラーノ、レオ・シルバも残留した。新加入のディエゴ・ピトゥカ、アルトゥール・カイキの合流は新型コロナの影響で遅れているようだが、元ブラジル代表のザーゴ監督ならブラジル人選手の扱いも問題ない。新加入のブラジル人選手が馴染めばさらなるプラスアルファになるかもしれない


岩本輝雄「なぜ横浜F・マリノスが優勝本命か」


■岩本輝雄(元日本代表MF)

 優勝予想
 ◎ 横浜F・マリノス
 〇 川崎フロンターレ
 〇 サンフレッチェ広島

 王者・川崎が強いのは間違いない。ただ、優勝候補の本命には期待を込めて横浜FMを挙げたい。

 昨季はコロナ禍での過密スケジュールに加え、ACLにも参加したことで連戦のなか苦しい戦いが続いたが、ことしはリーグ戦に集中できるのはメリット。一昨年の優勝時に見せた縦に速い攻撃サッカーは魅力的だったし、強烈なインパクトがあった。ことしはポステコグルー監督になって4年目のシーズン、エリキらが抜けて外国人選手の入れ替えはあったものの、戦うベースはできている。

 いまのサッカーは時間をかけて得点を取るのが難しいといわれているなか、横浜FMの縦への攻撃の意識はJリーグでも屈指。個人的には走れて上手い、中盤の和田拓也が今季は重宝されるのではないかと思っている。昨季は故障もあって守備の要チアゴ・マルチンスがパフォーマンスを落としていたのが気になったが、彼の調子が戻ってくれば十分に優勝をねらえるはず。


川崎の不安材料は? 広島は補強&若手に注目


 昨季、それまでの4-2-3-1から4-3-3にシステムを変えた川崎は、より攻撃に人数をかけられるようになっただけでなく、前線の三笘薫のところでポイントを作れるようになったのが大きい。2月の沖縄キャンプでは、札幌との練習試合(45分×4分)で14点を挙げているなど、ことしも川崎の攻撃力は健在だ。

 一方で、昨季その札幌が川崎の連勝を12で止めた際は、前線から積極的にマンツーマン気味でプレスにいったことが功を奏したわけで、対戦相手は引いて守るのではなく勇気を持って前から守備にいくことでチャンスが生まれると思う。

 川崎で気になるのは、中村憲剛が引退したことでチームがバタついたときに落ち着かせることのできる選手がいるかどうかということ。好調時にはそんな心配は不要だが、チームの歯車が狂ったときには彼のようなリーダーがいるといないとでは大きな違いになる場合がある。憲剛は若手にとってもいい手本になれる選手だったし、三笘や旗手怜央ら若手が台頭したとはいえ、個人的にはもう1年くらいやってもよかったのではないかと思っている。

 昨季はリーグ3位タイの失点の少なさながら、思ったように得点が奪えず8位に終わった広島も、今季は横浜FMからFWジュニオール・サントスを補強するなどしており面白そうだ。J・サントスは昨季22試合13点と結果を出したが、点を取るだけでなくスピードがあり相手の裏も狙える選手。広島には、青山敏弘や川辺駿らいいパサーがおり、その能力をさらに発揮する可能性も。他のクラブと比較しても広島ほど、連動した守備をやるチームはないし、前線にも森島司、浅野雄也らイキのいい若手が出てきているなど、チームのバランスは悪くない。

 徳島からリカルド・ロドリゲス監督を引き抜いた浦和も期待できそうな気配はあったが、シーズン開幕を前に昨季チーム得点王のレオナルドが中国の山東へ、DF橋岡大樹がベルギーのシント・トロイデンへそれぞれ移籍してしまったのは痛手。ロドリゲス監督の手腕は高く評価するが、その効果が出るには少し時間がかかるだろう。


岩政大樹「川崎独走の展開にはならないだろう」


■岩政大樹(元日本代表DF)

 優勝予想
 ◎ 川崎フロンターレ
 〇 鹿島アントラーズ
 〇 名古屋グランパス
 △ ガンバ大阪

 勝ち点はいったんゼロになるが、昨季圧倒的な強さを見せた川崎の力がなくなるわけではないので、今季もタイトルレースの本命は川崎になるだろう。

 昨季は降格がなく、下位クラブも上位クラブに対して真っ向勝負するような展開もみられ、終盤に交代枠が5人に増えたことをうまく利用するなどして、川崎が勢いづいた部分もあった。ただ、今季はJ2への降格枠が4つに増えたことで下位クラブは上位クラブに対して、勝ち点1でもOKと割り切った戦い方を選択する場面も十分考えられる。川崎の優位は変わらないとはいえ、昨季のように大型連勝が2度も続いた独走の展開にはならないと思う。


鹿島の2トップはJ最強と言ってもいい


 対抗馬には、昨年からの自信と継続性を踏まえて、鹿島と名古屋を挙げたい。

 鹿島はエヴェラウドが残留したことは戦力的にはもちろん、チームの士気を高める意味でも大きい。エヴェラウドはトップだけでなく、左サイドでもプレーできるし、昨季成長した上田綺世との2トップは破壊力という点でJリーグ最強と言ってもいい。

 ザーゴ監督になって、強引に若手を起用するようなところも見られたが、彼らは元々力のある選手たちで、そうした世代交代は鹿島がこれまでもやってきたことである。

 3連覇を達成した09年以来、“勝ち点での年間優勝がない”というのは懸念材料である。ただ、鹿島はことし創設30周年を迎え、クラブもそれを謳っていることからも力を入れてくるだろうし、ここ数年遠ざかっていた覇権を川崎から奪い返したいとの思いは強いはずだ

 名古屋は、(柿谷曜一朗や齋藤学ら)力がありながら近年はその能力を発揮できていなかった選手たちをこぞって取った印象があるが、彼らがどう復活するかというのは単純に楽しみ。また、地味ながら守備能力の高い木本恭生(←C大阪)、両サイドバックをこなす森下龍矢(←鳥栖)ら的確な補強を行い、起用できる駒が増えたのは強み。フィッカデンティ監督の戦術はそれほど複雑ではないし、新加入選手にとっても相性は悪くないように思う。とくに2列目は、齋藤、マテウス、相馬勇紀、前田直輝、阿部浩之と個性の違う選手が揃い、疲労度をみながらローテーションで使えるのはメリットになるはず。

 読めないのはG大阪。昨季はリーグと天皇杯をいずれも2位で終えたものの、戦い方としては相手を凌駕するような試合はほとんどなく、チーム全体で統一された献身性に東口順昭やパトリックたちの個性を組み込むことで手堅く勝ち点を拾っていた印象である。今季はそこに攻撃力をプラスしたいのだと思うが、選手を獲得したからといって単純な足し算にならないのがサッカーの面白いところ。新加入のレアンドロ・ペレイラは昨季広島で15点を挙げているなど能力は高いが、いい意味でも悪い意味でも王様タイプの選手。すでに宇佐美貴史という“王様”がいるなか、宮本恒靖監督がチームをどうマネジメントしていくのかは注目といえるだろう。

 また、昨季は古傷の故障もあった昌子源が100%の状態で1シーズンやれるかどうかも気になる。もし昌子がベストの状態なら日本でもトップレベルのDFだけに、優勝をねらううえで大きな要素になると思う。



◆元日本代表3人が徹底予想<J1リーグ優勝はどこ?> 本命は川崎だが、対抗は「鹿島、名古屋、そして…」(Number)





◆【中田浩二氏・J1展望】20チーム制&東京五輪で過密日程で変わる戦術 ACLない鹿島など余裕あり(スポニチ)






明治安田生命Jリーグ 26日開幕


 川崎F、鹿島、G大阪、名古屋が優勝争いの軸になりそうだが、ACLの日程が大きく影響すると思う。例年通りのホーム&アウェーでは移動や過密日程の負担が大きい。集中開催かどうかで変わってくる。川崎Fは富士ゼロックス・スーパー杯でG大阪に劇的な勝ち方をしたが、中村と守田が抜けたぐらいで、昨年のサッカーをベースに得点力はある。守備が安定すれば今年も相当やるはずだ。G大阪はGK東口、DF三浦を軸に守備が堅く、攻撃の新外国人がフィットすれば面白い。昨年は若手を起用し得点力不足に泣いたが、補強で解消された。

 鹿島はACLがない分、余裕がある。昨季、序盤は悪かったが、終盤はチームとして成熟し、それが今季も継続されている。失点も多いが、攻撃はエヴェラウド、上田がいるので守備の安定が鍵だろう。名古屋も柿谷、斎藤、長沢と積極的な補強で選手層が厚くなり、上位に入る力はある。課題があるとすれば、FWがやや手薄というところだ。さらに清水も守備を整備できるロティーナ監督の手腕に注目。補強もしているので上位の可能性もある。

 今年は20チームになり試合数が多い。東京五輪もあって過密日程になる。J1は4チームが自動降格するので下位チームの戦い方が変わる。昨年のように攻めるより、守備的に戦って勝ち点1を狙うチームが出てくる。上位のチームも足をすくわれないように、慎重な戦い方が必要になる。選手交代のタイミングも遅めになり、このあたりも注目だ。(元日本代表DF)

【中田浩二氏の予想】
◎鹿 島
〇川崎F
▲G大阪
☆横 浜
△清 水

【注目選手】
FW上田綺世(鹿島)




◆【中田浩二氏・J1展望】20チーム制&東京五輪で過密日程で変わる戦術 ACLない鹿島など余裕あり(スポニチ)





◆鹿島「31選手の最新市場価格ランク」 2トップが“1億超”、新エースFW上田は“倍増”(FOOTBALLZONE)







中堅クラスの市場価格は下落も、若手の多くは価値を高める


 2021シーズンのJ1リーグがいよいよ26日に開幕する。今オフの移籍市場では各クラブが多くの選手を入れ替えたが、結果としてどのくらいの戦力を有しているのか。その一つの目安となるのが、市場価格の合計額だ。

 ドイツの移籍情報専門サイト「transfermarkt」では、世界中のサッカー選手の市場価格を随時更新しているが、この市場価格は選手たちの“推定移籍金”に近い意味を持っている。この市場価格を比較・分析しながら、今季開幕時のJ1リーグ各クラブがどれだけの戦力を抱えているかを考察していこう(※登録選手リストはクラブ公式サイトを参照)。

■鹿島アントラーズ(昨季5位/18勝5分11敗)
選手市場価格総額:25億507.5万円
チーム内最高額選手:ディエゴ・ピトゥカ(3億480万円)

 昨年のストーブリーグで鹿島は国内のライバルクラブから多くの主力選手たちを補強。新外国籍選手や新卒ルーキーを合わせて11選手を加えたが、クラブワースト記録となる開幕4連敗を喫するなど、序盤戦で大きく躓いた。

 新戦力がフィットすると徐々に結果も出始め、最終的にはリーグ戦5位で終えた。AFCチャンピオンズリーグ(ACL)の出場権を逃した今季、クラブは複数のバックアップメンバーを放出。有力な外国籍選手と将来性のある若手を獲得した。

 新シーズンに向けたメンバーに目を向けると、中堅クラスの市場価格はほとんど落ちた一方で、昨年比で約2倍の1億160万円(昨年6000万円)まで上げたエース候補のFW上田綺世を筆頭に、若手は価値を高めている選手が多い。

 その上田と1年目からリーグ2位となる18ゴールを決めたFWエヴェラウド(1億9050万円)の「1億超え2トップ」が、今季もFWの軸となる。一方で、市場価格7620万円のFW伊藤翔を横浜FCへ完全移籍させたことで選手層には不安が残る。


新ブラジル人助っ人の2選手はどちらも“億超え”


 新ブラジル人助っ人の2選手はどちらも“億超え”で、ブラジルの名門サントスFCから新加入したMFディエゴ・ピトゥカはクラブ最高値の3億480万円、サウジアラビアのアル・シャバブFCから加わったMFアルトゥール・カイキは1億2700万円となっている。昨年に続く2億超えのMF三竿健斗(2億320万円)、土居聖真(1億9050万円)など、日本人選手にも“億超え”は多く、中盤だけで7選手を数える豪華さだ。

 最終ラインでは、DF山本脩斗、DF伊東幸敏、DF奈良竜樹という実力者たちが新天地を求め、DF常本佳吾、DF林尚輝の大卒ルーキー2人が新加入。昨季のレギュラー組は残っているため、余程のアクシデントがない限り大崩れはしないだろう。

 GKでは、韓国代表GKクォン・スンテ(5080万円)からポジションを奪い、昨季リーグ戦24試合に出場したGK沖悠哉が昨年の7倍となる4445万円まで評価を高めた。この他に、山田大樹(1270万円)、早川友基(評価なし)の若手も控えており、昨年よりも選手層に厚みが出た印象だ。

 昨シーズンに築いた戦いをベースに、タイトルを狙う鹿島。新戦力の補強を最小限に留めたなか、その戦いぶりに注目が集まるのはもちろん、各選手の市場価格がどのように変化を遂げていくかも見ものだ。


順位選手名Pos.市場価格(1ユーロ =127円)
1ディエゴ・ピトゥカ🆕MF3億480万円240万€
2三竿健斗MF2億320万円160万€
3土居聖真MF1億9050万円150万€
3エヴェラウドFW1億9050万円150万€
5犬飼智也DF1億5240万円120万€
6永木亮太MF1億2700万円100万€
6アルトゥール・カイキ🆕MF1億2700万円100万€
8レオ・シルバMF1億1430万円90万€
9永戸勝也DF1億160万円80万€
9上田綺世FW1億160万円80万€
9白崎凌兵MF1億160万円80万€
12杉岡大暉DF9525万円75万€
12和泉竜司MF9525万円75万€
14遠藤 康MF8890万円70万€
14町田浩樹DF8890万円70万€
16ファン・アラーノMF7620万円60万€
17小泉 慶MF5715万円45万€
18クォン・スンテGK5080万円40万€
18広瀬陸斗DF5080万円40万€
20沖 悠哉GK4445万円35万€
21関川郁万DF3810万円30万€
22荒木遼太郎MF3175万円25万€
23松村優太MF2540万円20万€
24染野唯月FW1905万円15万€
25山田大樹GK1270万円10万€
26常本佳吾🆕DF952.5万円7.5万€
27舩橋 佑🆕MF635万円5万€
28小川優介🆕MF
28須藤直輝🆕MF
28林 尚輝🆕DF
28早川友基🆕GK


(Football ZONE web編集部)




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