鹿島が14日、ザーゴ監督を解任し、相馬直樹コーチの監督昇格を発表した。今季はここまで2勝2分け4敗で暫定15位と低迷している。この日、オンラインで取材に応じた強化責任者の鈴木満フットボールダイレクターは、解任に至った3つの要因を明かした。
■開幕の清水戦でザーゴ戦術の崩壊
1点リードしたが、その後10分間で3失点し、逆転負け。試合運びのつたなさが浮き彫りになった試合だ。原因はピッチ内の問題か、それとも監督の指示不足なのか。意見が分かれるところだが、鈴木氏は、このショッキングな敗戦でチームの自信と方向性を見失ったと分析した。
鈴木氏「開幕戦の清水戦でそれなりに試合をコントロールしているなかで、1点を取った。その後、しっかり守り切らなきゃいけなかったが、3点を取られた。(勝ちきれなかったことでチームの)ベースが崩れて、その後も尾を引いた。ベースを崩壊させた要因になった」
「気の毒だったのはコロナの影響等で外国人が合流できなかったこと。来られた外国人も2週間の(自主)隔離で出足がそろわなかった。開幕戦での敗戦からチームがちょっと自信をなくしたというか、やることが徹底できなくなった。なかなか立て直せなかったというところが一番大きかった」
■選手評価のズレと迷い
ザーゴ監督は昨季からGK沖、MF荒木ら多くの若手を積極的に起用した。コロナ禍による過密日程を乗り切るための策でもあり、クラブからのリクエストでもあった。具体名は出さなかったが、鈴木氏は選手の評価について、監督とクラブ側で違いが生じてきたことを指摘した。
「チームを見ていて、違うアプローチをしてあげれば、もう少し活性化するだろうなと感じるところはあった。正常な競争というか、もう一度(当該選手の力を)出せるようにしていければ変わるという考えもあって(解任の)結論に至った。」
「(監督と)会話をしながら、(チームの)作り上げていきたい方向性ではやれていた。だが、多少僕ら(クラブ)が考えている選手の評価、サッカーのやり方とか(にズレが生じていた)。試合によっては臨機応変に、流れによって、サッカーのやり方を変えることは少し必要かなと感じていた。監督とのブレ、ズレは多少あったかなと思います」
「誰がベース(ファーストチョイス)になって、誰がそこに挑戦していくのか。ポジションに対する競争ということにはならなかった。選手への評価の迷いが監督にも出てきたのも感じました」
■修正、改善への光が消えた札幌戦
7日の柏戦では2―1で勝利し、連敗を脱出したものの、先制直後に一時は同点に追いつかれた。開幕戦からの修正が見られなかった。また、13日の札幌戦では2点を先行しながら追いつかれた。粘り強く勝ち切る鹿島伝統の強さは見られなかった。コロナ禍で合流が遅れている新助っ人ピトゥカ、カイキを待ち、改善に期待するという選択肢は、この札幌戦で消滅し、解任を決断した。
「最近の試合内容ですよね。この試合を続けてきて。修正できる思いがしなかったというところです」
◆【鹿島】ザーゴ監督を解任した3つの理由「崩壊」「ズレ」「修正不能」 強化責任者が明かす(報知)