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2021年7月6日火曜日

◆内田篤人がネイマール相手に奮闘。日本代表はブラジルに真っ向勝負を挑んで散った(Sportiva)






 日本サッカーにとって、ブラジルほど特別な国はない。「ブラジル人によって、日本サッカーの歴史が開帳した」――そんな表現は大げさだろうか。

 Jリーグ誕生後、ブラジル人選手は日本に大量にやって来た。ジーコは鹿島アントラーズの礎を築いたし、ドゥンガはジュビロ磐田に勝者のメンタリティを植えつけた。30年近いJリーグの歴史で、エメルソン、ウェズレイ、アラウージョ、ワシントン、ジュニーニョ、ポンテ、マルキーニョス、レアンドロ・ドミンゲス、ジョー、マルコス・ジュニオールなどが得点王やMVPに輝いている。

「マリーシア」(ずる賢さ)

 そんな用語を持ち込んだのも、ブラジルのサッカーだった。ヒールリフトやラボーナなど、ボールを使って細かい技術を習得する志向も、彼らがもたらしたものだろう。

 日本サッカーにとって、ブラジルはずっと師匠のような存在だった。

 2013年6月、ブラジリア。コンフェデレーションズカップで、日本は開催国のブラジルに対し、四つに組む大胆な布陣で臨んだ。先発の9人が欧州組で、「波乱も起こせるのでは」という楽観論さえ出ていた。

 しかし、ネイマールなどスター選手を擁したブラジルは、日本にサッカーの深淵を見せたのである。

 開始3分、左サイドでマルセロが日本のずれを見つけ、フリーでボールを受け、斜めにクロスを入れる。ゴール正面にいたフレッジも、マークを外した状況で胸を使って落とす。これをDFラインとMFラインの間に陣取って自由を得ていたネイマールが右足ボレーで振り抜いた。

 一瞬とは言え、日本は三つの場面で相手をフリーにし、失点を食らった。マリーシアに敗れたのか、ブラジル人選手たちのマークの外し方は抜かりがなかった。

「試合開始早々の失点で、状況を難しくしてしまった。相手に余裕を持たせてしまって......。ブラジルはピッチコンディションの悪さにも適応していたし、すべての部分で差がありました」(長谷部誠)

 その後、日本は果敢に反撃へ出ている。

 右サイドの内田篤人がすばらしい準備動作と読みで、ネイマールを完璧に封じた。その奮闘は賞賛されて然るべきだろう。当時、内田は間違いなく世界最高のサイドバックのひとりだった。

「ネイマールに対しては、『飛び込まない、逆を取った後がうまいので、先を読む』を意識していました。ボランチとセンターバックとの連係は自分の中の判断で、1回やればイメージはできるので、ほんとギリギリのところで(抑えていました)」(内田)
 
 攻撃では、本田圭佑が半年後にミランの10番として迎えられる実力を見せていた。得意のFKを蹴って、敵GKを慌てさせる。自らボールを奪い、展開させ、走り込んでシュートを合わせ、無理な体勢から利き足ではない右足でシュートを放った。

 健闘。そんな言葉が与えられてしかるべきだろう。

 だが、ブラジルはリードしてから、意図的にペースを落としていた。強者の余裕だろう。相手を引き込みながら消耗させ、カウンターを狙い、「勝負どころ」を虎視眈々と狙っていたにすぎなかった。

「前半は精神的に劣勢でしたが、『最低1-0でも(いい)』というのはあって、後半、絶対にやれるチャンスがあると狙っていました。それなのに、相手にやられてしまった」(香川真司)

 後半3分だった。右サイドのダニエウ・アウベスが狙いすましたクロスを送る。ゴール前を斜めに横切り、それをパウリーニョ・サントスが受ける。彼もエリア内でフリーになっていて、力強く右足を振り切った。

「ワールドカップ優勝なんて、笑われるレベルだった」

 長友佑都は後にそう明かしているが、日本はデリケートな時間帯でプレーをマネジメントできていない。まるで、師匠のしごきを受けているようだった。そして試合終了間際、前がかりになって隙を見せ、ダメ押しとなる3点目をジョーに放り込まれた。

 ブラジルサッカーの本質は、陽気さや明るさ、それが導き出す自由闊達さでしばしば語られる。確かに、「ジョゴ・ボニート」(美しいプレー)と言われる自由奔放な即興的プレーは、彼らのアイデンティと言えるだろう。ロナウジーニョやネイマールはその筆頭格だ。

 しかし、ブラジル人選手の真価は、人並み以上に優れたサッカーに対する適応力にある。流れを読む目、と言ってもいいかもしれない。決まった型がないことで、なんにでも成り代われるのだ。

 そのメンタリティの奥には、サッカーへの覚悟が透けて映る。

「自分は何が何でもチャンピオンになりたいんだよ」

 かつてインタビューした川崎フロンターレのブラジル人ジュニーニョは笑顔を浮かべながら、そう真剣に語っていた。

「僕はジュニーニョという名前を、イメージを、このチームに残したい。『自分がたしかに川崎にいた!』という証なのかな。それで、またブラジル人選手がこのチームに来られるように。そして次に来たブラジル人が、『ジュニーニョというブラジル人が川崎にいたんだ』とリスペクトされる選手になれたら、最高だよね」

 ブラジルの選手は、海を越えて降り立った町で、自分の居場所を作る。彼らが悲壮感を漂わせることはないが、不退転の決意で取り組んでいる。その結果、サッカー発展途上国のリーグで英雄になるだけでなく、強豪国のリーグでも貴重な戦力となって、やがて代表選手にまでなっているのだ。

 日本サッカーがまだ足りないもの。それは、ブラジルを写し鏡にすることで見えてくるかもしれない。

<柔軟な順応性と確固たる信念。相反した二つを、適切に使える〝撓(たわ)むようなしたたかさ">

 懐の深いブラジルのサッカーと比較すると、日本サッカーはまだ単調なのだろう。その一本気なところ、律儀さが功を奏すこともある。しかし、それに甘んじてはならない。

 過去12戦、日本代表はブラジル代表に2分け10敗。まだ一度も勝っていない。
(つづく)

    
◆内田篤人がネイマール相手に奮闘。日本代表はブラジルに真っ向勝負を挑んで散った(Sportiva)





◆鹿島DF林、五輪代表不在の穴埋める!天皇杯・栃木戦へ「自分らしさを出していきたい」(スポニチ)






 J1鹿島のDF林尚輝(23)が五輪代表不在の穴を埋める。チームは5日、7日の天皇杯3回戦J2栃木戦に向けて鹿嶋市内で調整。最終ラインの柱を担う東京五輪代表DF町田浩樹(23)は代表活動で不在となるだけに、大卒ルーキーは「自分の長所はクレーバーなところだと思っている。自分らしさを出していきたい」と力を込めた。

 先月2日のルヴァン杯清水戦でプロ入り初ゴール。同23日の大分戦では、リーグ戦初先発を果たした。「鹿島に来て初めてプロの基準に触れた時に『このままではダメだな』とすごく感じた。正直、すべて足りない。すべての部分でレベルアップしないと、試合に出ることができないと感じさせられた」と振り返るが、与えられた出場機会で地道に信頼を積み上げてきた。

 「入団した時よりも、成長しているのは感じている。ただ、それが鹿島アントラーズのセンターバックとして、必要な力に達しているかと言われると、まだ自分の中で満足しているものはない」と林は言う。生きの良いルーキーが、主力の定位置を脅かす。


◆鹿島DF林、五輪代表不在の穴埋める!天皇杯・栃木戦へ「自分らしさを出していきたい」(スポニチ)




    

◆鹿島が24歳FWサウロ・ミネイロを獲得!?セアラーの2020年チーム得点王(サカノワ)






トップカテゴリーで2年間公式戦17ゴール。現地メディアが報じる。


 鹿島アントラーズが前線を補強か!? ブラジルメディア『フチボル・セアレンセ』は7月5日、「日本のクラブがストライカー、サウロ・ミネイロの獲得に向けて正式オファーを出すようだ」と題したレポートを掲載した。現地記者がブラジル1部(セリエA)セアラーSCに所属するFWサウロ・ミネイロ(Saulo Mineiro)に対し、鹿島アントラーズが獲得オファーを出す準備をしていると報じている。

 サウロ・ミネイロは1997年6月17日生まれ、ブラジル出身の24歳。地元である3部チームのウベルランディアMGで進化を遂げ、同じくセリエCのヴォルタ・レドンダFCなどでの活躍が認められて、202年、近年好調を維持するセアラーに加わった。

 セアラーでの2年間の通算成績は、ブラジル1部リーグ26試合・6得点・1アシスト、公式戦通算54試合・17得点・1アシストを記録。2021シーズンのリーグ戦は9試合・2得点・1アシスト。

 ポジションはセンターフォワード。右ウイングでも多くプレーしていて、左ウイングもオプションで対応可。

 記事によると、現地ジャーナリストは「日本の鹿島アントラーズからアプローチを受けているようだ」と、具体的に“鹿島”の名前を挙げている。近日中にも、正式オファーが届くことを確認したということだが……。

 セアラーはこのストライカーを2020年、ヴォルタ・レドンダから30万レアル(約650万円)で獲得している。ブラジル1部での18試合・4ゴールはチーム最多得点だった。

 ただしセアラーのクラブ会長は、まだクラブからなんの連絡も受けていないということだ。

 とはいえ他にも補強の動きがあるだけに、クラブとしては資金を確保したい意向。

 一方、鹿島はこのほどブエノのアトレチコ・ミネイロからの復帰も決定した。もしもこの噂が本当であれば、来季以降をも見据えた動きということだろうか。

 ブラジル1部歴戦のチームのレギュラークラスのストライカーとなれば期待も膨らむ。サウロ・ミネイロを巡る続報を待ちたい。


[文:サカノワ編集グループ]