30年目のJ1が開幕した。Jリーグ公認データ「J STATS」を活用し開幕節を分析すると、見えてきたのは鹿島のボランチ、チームのかじ取り役を担うブラジル人MFディエゴ・ピトゥカ(29)の攻守における存在感だった。(記録課)
【アタッキングサード(AT)へのパスがMF最多の37本】
昨季はブラジルの名門サントスから加入も、新型コロナウイルスの影響でチームへ合流したのはシーズン開幕後の4月。それでも8月以降は最終節まで14試合連続でスタメン入りし活躍した。
初のJ1開幕戦に挑んだ19日のG大阪戦では、序盤から積極的にボールに絡み、ボランチの位置から何度も決定機を演出。前半20分には自陣センターサークル内でボールを受けると、左足で相手DFの裏へ鋭いロングスルーパス。抜け出した上田の先制ゴールをアシストし、後半21分にも相手DFの間を通す絶妙なパスをMF荒木に出して、上田の2点目につなげた。
視野の広さを生かしたスルーパスは今節の全選手の中で2番目に多い7本、パス84本は全MF2位。そのうち、アタッキングサード(AT=ピッチを3分割した最も敵陣側)へのパスはMF最多の37本とボランチながら攻撃につながるボールを供給している。足元の技術も高く、果敢にゴールにも迫る。前半42分には自らドリブルで運び強烈なミドルシュート。惜しくも枠を外れたが、加入後自身最多となる6本のシュートを放った。
広範囲に動き、持ち味の守備でも存在感を発揮。タックル奪取3回はチーム最多で3回全て成功。空中戦5勝は全選手5位タイでMF最多と、高さでも強さを見せた。
鹿島に5年在籍した守備的MFのレオ・シルバは名古屋へ移籍。前任者に比べ攻撃的な数値が目立つレフティーは、6年ぶりのJ制覇のためにも欠かせないピースとなっている。
「データ提供:データスタジアム」
◆【J1開幕節データ】鹿島2年目ボランチ ピトゥカが叩き出した数値が示す攻撃力(スポニチ)