[8.14 J1第25節 鹿島2-0 福岡 カシマ]
鹿島アントラーズDFキム・ミンテが魂のパフォーマンスを見せ、パワフルな攻撃を仕掛けてきたアビスパ福岡を相手にクリーンシート(無失点)を演じた。試合後には「自分のためもあったけど、大樹さんのため。第一歩が大事なのでスタートを切れてよかった」と述べ、岩政大樹新監督のもとで生まれ変わろうとしているチームへの手応えを語った。
岩政監督が代行指揮を務めていたシーズン序盤こそ主力を担ったものの、レネ・ヴァイラー前監督の来日後は序列が下がる経験をしていた鹿島加入初年度のキム・ミンテ。6月26日の名古屋戦からはようやく前監督の信頼を勝ち取り、先発出場の機会を得ていたが、その間の戦績は1勝4分1敗と振るわなかった。
キム・ミンテが出場機会を獲得し始めた時期はFW上田綺世の海外移籍と重なっており、結果が出ない責任が明確にあったわけではない。それでも大きな重圧が襲いかかっていたようだ。
「C大阪戦でもパフォーマンスは悪くないと思っていたけどオウンゴールがあったり、神戸戦でも悪くないと思っていたけど退場したり、前節もいいパフォーマンスだったけど失点に絡んだり、勝利ができていないという中、“お荷物”というか『俺が出たらなんか勝てないな』というのがあった」
そうした中、クラブはヴァイラー前監督に代わって岩政監督が指揮を執ることを決断。これがキム・ミンテにとっても転機となった。とりわけ最終ラインからのビルドアップは大きく改善されたと捉えているという。
「自分たちがボールを持ちながら、リズムが生まれたし、前まではちょっと怖がっているポジション取りが多かったけど、しっかり受けることによって繋いでいけて、それが一つ二つあったことでみんな自信を持って、顔を出せるようになった。それからはボールを持つだけで守備をする時間が減っていくので、そこが岩政さんになってよくなった部分じゃないかと思う」
岩政監督がコーチ時代から「大樹さんの理論が面白いなと思っていたし、それをしっかりやれば楽しくやれると思っていた」というキム・ミンテ。試合後には「大樹さんを信じてみんながプレーしたので、その結果が表れてよかった」と喜びを爆発させていた。
(取材・文 竹内達也)
◆自信を失いかけていた鹿島DFキム・ミンテ「“お荷物”というか…」岩政新体制で蘇りクリーンシート牽引!!(ゲキサカ)