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2022年10月12日水曜日

◆【Jトピ~データで読み解く】鹿島・樋口に川崎F・脇坂…ピンポイントで味方に合わせるCK職人(スポニチ)






 サッカーで常に左右の決まった地点から蹴られるコーナーキック(CK)は、セットプレーの中でもキッカーの技術やチームの戦術が特に数値に表われやすい。ここでは、今季J1のCK職人たちの成績をまとめた。(記録課)

 今季J1全選手の中で、最多のCKを記録しているのは鹿島のMF樋口雄太。出場31試合で計111本、1試合平均で約3・6本を蹴っている。そのうちクロスが107本、それ以外のショートコーナーなどのパスは4本だけ。樋口の右足から繰り出されるクロスの精度に、チームが絶大な信頼を置いていることが分かる。

 直近の8日磐田戦でも、樋口はチームのCK全8本を任された。そのうち4本が試合終盤で、後半38分からは3本を立て続けにMFカイキとFWエヴェラウドの両外国人選手の頭に合わせ、うち2本がヘディングシュートとなった。得点にこそ結びつかなかったものの、CKによるラストパス2本は今節の全選手唯一。樋口は今季ラストパス合計18本でもトップに立つ。

 CK88本で3位の川崎FのMF脇坂泰斗は、CKによる最多アシスト5をマークしている。8日の清水戦では1点を追う後半31分、脇坂の右足から放たれた右CKは大きな弧を描いてやや後方にいたDF山村の頭に吸い付くように曲がり、値千金の同点ゴール。優勝に望みを残す逆転勝利につなげた。残り4本の得点も全てヘディングで家長、車屋、谷口、シミッチと別の選手。特定のターゲットに頼らず、どこからでも得点を奪える川崎Fの大きな武器となっている。

 樋口と並びCKで3アシストの札幌DF福森晃斗は、味方が触った確率を示すCKクロス成功率がトップの44・8%。彼らCK職人の技術も、Jリーグの見どころの一つといえる。(データ提供・データスタジアム)