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2022年5月23日月曜日

◆【J1採点&寸評】浦和1-1鹿島|攻守の両局面で奮闘した明本や常本を高評価。ショルツやピトゥカら助っ人の躍動も(サッカーダイジェスト)






鹿島――指揮官の采配には疑問符がついた


[J1第14節]浦和1-1鹿島/5月21日/埼玉スタジアム2002

【鹿島|採点】
スタメン)
GK
クォン・スンテ 6
DF
常本佳吾 6.5
関川郁万 5.5
三竿健斗 6
安西幸輝 5.5
MF
樋口雄太 6
ディエゴ・ピトゥカ 6.5(82分OUT)
和泉竜司 6(87分OUT)
アルトゥール・カイキ 6.5(80分OUT)
FW
上田綺世 6
鈴木優磨 6

途中出場)
MF
土居聖真  ―(80分IN)
MF
中村亮太朗 ―(82分IN)
DF
キム・ミンテ ―(87分IN)

監督)
レネ・ヴァイラー 5.5


【鹿島|寸評】
 立ち上がり早々に先制しながら、前半終了間際のPKで振り出しに。チャンスの数では浦和を上回ったが、今ひとつ決め手を欠き、後半のアディショナルタイムに猛攻にさらされたこともあって、どうも後味がスッキリしないまま終了の笛を聞いた。

 先制点の呼び水となったのは、パンチの効いた上田のミドル弾。相手GKが弾いたところをA・カイキが逃さなかった。トップ下に入ったD・ピトゥカがエレガントに舞えば、右SBの常本が攻守に躍動。猛然とボールを奪いに行き、一転チャンスに広げた鈴木の守備も光った。PKの原因は関川のハンド。クロス阻止に行った際に“当たってしまった”だけに責められない。だが、ボックス内という点を考慮し、対応すべきだったか。後半途中から全体的に足が止まっていたので、もっと早めに交代カードを切り、修正を図る必要があったのでは? ヴァイラー監督の采配に疑問符がついた。

※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定したこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。




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◆鈴木&上田を擁する鹿島に“第三の男”が出現! 直近5試合で4発、A・カイキが明かす好調の要因は?(サッカーダイジェスト)






浦和戦で2試合連続ゴール!

[J1第14節]浦和1-1鹿島/5月21日/埼玉スタジアム2002

 Jリーグ屈指の強烈2トップ、鈴木優磨と上田綺世を擁する鹿島に“第三の男”が現れた。

 7節の福岡戦からスタメンに定着し、直近のリーグ戦5試合で4ゴールと気を吐くアルトゥール・カイキだ。昨季、鹿島に加入した29歳のサイドアタッカーで、シュートスキルの多彩さが目を引く。

 14節の浦和戦では立ち上がりの6分に、上田のシュートをGKが弾いたはね返りをそのままボレーでゴールに叩き込み、先制弾。チームメイトの祝福を受けながら歓喜のステップを踏んだ。

「練習のときから(上田)綺世がシュートを打つと何かが起こると話しているので、(ゴール前で上田がボールを持った瞬間)それを信じて詰めていったら、自分のところにボールがこぼれてきた。ボックス内でのシュートは自分の得意とする形でもある」と、難なく仕留めた。

 公表されている身長は174センチ。大柄なほうではないが、ジャンプ一番、打点の高いヘディングシュートに定評がある。前節の札幌戦(〇4-1)では頭で得点を決めており、2試合連続ゴール中。好調の要因を、こう自己分析する。

「試合に継続して出られているので、まず試合勘を掴んでいるというのが大きい。チームも好調だし、自分自身のコンディションも良く、結果が出れば、自信もわいてくる。いい流れのなかで、プレーできているからね。これを続けていくことが大事だと思う」

 今季から指揮を執るレネ・ヴァイラー監督が志向する縦に速いサッカーに「自分のプレースタイルがマッチしていること」も要因のひとつに挙げた。

「逆サイドからのクロスに対して、ボックス内に侵入して、積極的にゴールを狙うように言われている。そこは自分がずっと心がけて取り組んできたことなので、まったく違和感がない。ボランチが攻め上がったら、カバーすることも求められているけれど、チーム全体が共通意識を持って戦っているし、(監督の目指すスタイルが)すごくはまっているなと感じる」


“自然体”を心掛ける陽気なブラジリアン





 2010年にプロキャリアをスタートさせたカイキは、母国ブラジル国内だけではなく、エジプトやサウジアラビアでのプレー経験もあり、選手としてうまくいくときも、うまくいかないときもたくさん味わってきた。社交的で、楽天家を自認するフットボーラーのモットーは「ケセラセラ(スペイン語でなるようになるさ!)」のようだ。

「自分がいい状態にあるなと思っていても、なかなかチャンスが巡ってこないこともあり得る世界。そこで、諦めてしまうか、諦めてしまわないか。それによって自分のサッカー人生が変わってくる。

 何かとプレッシャーのかかる仕事だけど、まあ、好きなサッカーをやっているわけだし、少しでも楽しめるようにしたい(笑)。生真面目にやりすぎても気持ちが疲れてしまうからね。自然体でいることが一番じゃないかな」

 サンバをこよなく愛する陽気なブラジリアン。頭髪と同じくらいボリューム感のあるあごひげがチャームポイントだろう。

 ピッチを離れれば、いつもふざけてばかりいるらしく、「覚えた日本語は?」と尋ねたら、「ここで言えるわけがない!」と当意即妙。笑いを誘った。

 6年ぶりのJ1の覇権奪還へ、“第三の男”に名乗りを上げたカイキが鹿島を押し上げていく。

取材・文●小室功(オフィス・プリマベーラ)




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◆鹿島アントラーズ、浦和レッズ戦最強“3トップ”が躍動でチャンス量産! 連続好機でヴァイラー監督が交代枠余らせる判断も「連続ドロー」に引き込まれる(サッカー批評)






■5月21日/明治安田生命J1第14節  浦和レッズー鹿島アントラーズ(埼玉)

 悔しい引き分けだった。3万7000人の観衆が集まった埼玉スタジアムでの一戦。因縁の相手である浦和レッズと対戦した鹿島アントラーズは、好機を作り続けながら引き分けに終わった。

 開始早々の得点だった。試合開始前まで雨が降って濡れたピッチは、鹿島の攻撃を後押しするための“装置”にも感じられた。レネ・ヴァイラー監督は、前節・コンサドーレ札幌戦のスターティングメンバーをそのまま配置。4得点を奪った流れをぶつけようとし、実際、6分にアルトゥール・カイキがスコアを動かした。

 この得点は、FW鈴木優磨の鋭いサイドチェンジが始まりだ。左サイドにいた40番が放ったライナー性のボールは、右サイドにいた和泉竜司の胸にピタリ。11番の攻撃的MFはペナルティエリア付近にいた上田綺世にボールを渡すと、この日本代表FWは相手守備時をいなして鋭いシュート。西川周作がなんとか弾くが、そこに詰めていたのがアルトゥール・カイキ。こぼれてきたボールをダイレクトで押し込み、浦和レッズの大観衆の前でゴールネットを揺らしてみせた。

 左サイドにいた鈴木は、この試合を通じて縦横無尽に動いていた。FW登録ではあるが、チームの動きを見ながらサイドに流れたり、あるいは下がったりと、チームの潤滑油となっていた。ライナー性のサイドチェンジも、そのほうがチャンスにつながるという判断だ。上田との2トップは、形にとらわれない最強コンビだ。


■2枚の交代枠を残した指揮官の考え


 実際に得点を決めたカイキは、3人目のストライカーとでも言うべきスコアラーになっている。4月13日のルヴァン杯・C大阪戦で得点を決めて以降、これで8試合6得点。リーグ戦に絞っても、直近4試合で3得点と乗りに乗っている。最強2トップに目を向けていると、3人目が出てくる厄介さで、“最強3トップ”と言うにふさわしい補完関係だ。

 ただ、それ以上の得点は奪えなかった。チャンスは作り続けたが、決めることはできなかった。逆に、ヴァイラー監督は「良い流れで良い感覚が持てていたので、交代枠が5枚ある中で3枚しか変えませんでした」と交代枠を使い切らない判断をした。試合終盤に足が止まった時間があったとはいえ、それ以前の流れを見れば、そのコメントも納得できる展開だった。しかし、浦和レッズの7試合連ドローに引き込まれるように、スコアを動かすことはできなかった。

 同日に試合があった川崎フロンターレが引き分けたため、勝てば再び首位を掴むことができたが、次節以降に持ち越しとなった。最強3トップの躍動で、鹿島は栄冠への道のりを歩む。




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