ページ

2022年8月1日月曜日

◆鹿島アントラーズMFファン・アラーノがガンバ大阪に完全移籍! 「日本が大好きになった」(GOAL)






【Jリーグ(J1)ニュース&移籍情報】ガンバ大阪への完全移籍が決まったMFファン・アラーノは2022シーズン、鹿島アントラーズで明治安田生命J1リーグ12試合に出場していた。


ガンバ大阪は7月31日、ブラジル人MFファン・アラーノが鹿島アントラーズから完全移籍加入することを発表した。

ファン・アラーノはインテルナシオナル、コリチーバと母国クラブでのプレーを経て、2020年より鹿島に完全移籍加入。2022シーズンは明治安田生命J1リーグ12試合、JリーグYBCルヴァンカップ4試合に出場していた。

G大阪で背番号47を着用することが決定しているファン・アラーノは、クラブ公式サイトを通じて「ガンバ大阪というビッグクラブに加入できることを、嬉しく思います。モチベーションは高いですし、チームを手助けするためにプレーするつもりです。残りのシーズン、クラブの目標が達成できるよう全力で戦います! 」と意気込んだ。

一方で、鹿島に向けては「新しいチャレンジをしたいと思い、ガンバ大阪への移籍を決めました」と説明。これまでの応援への感謝を伝えた。

「選手、スタッフ、鹿島アントラーズに関わるすべての方々に対し、感謝の気持ちでいっぱいです。ずっと応援し続けてくれたファン・サポーターの皆さんと、一緒に戦えたことを誇りに思います。アントラーズの選手としてプレーできたことは本当に幸せで、このクラブ、そして日本という国が大好きになりました。加入してからの2年半、応援ありがとうございました! 」





◆鹿島アントラーズMFファン・アラーノがガンバ大阪に完全移籍! 「日本が大好きになった」(GOAL)


◆崖っぷちでも、首の皮一枚でも。鹿島の辞書に「あきらめる」はない。伝統的マインドで彼我の差を埋められるか(サッカーダイジェスト)






「ファンやサポーターから温かい声をかけてもらった」


[J1第23節]横浜 2-0 鹿島/7月30日/日産スタジアム

 勝点差を縮める好機のはずだった。だが、その目的は果たせなかった。それどころか、さらに水をあけられてしまい、試合後、鹿島の選手たちの表情は一様に厳しいものだった。

 7月30日、首位・横浜との直接対決に臨んだ。俗に“勝点6”のゲームと言われるとおり、勝つか、負けるか、それによって優勝への可能性が大きく揺れ動く正念場でもあった。

 両者の勝点差は「5」。追いかける2位の鹿島は必勝を期したが、受け入れがたい現実が待っていた。結果は0-2。勝点差は「8」に広がった。レネ・ヴァイラー監督は「ロッカールームでも選手たちに伝えたが、現状では相手のほうが強かった」と、完敗を認めざるを得なかった。

 結果はもとより、ショックの色を隠せない鹿島の足取りを重くしたのはその内容だろう。なかでも両者のシュート数が浮き彫りにする事実は見過ごせない。横浜の17本に対して、鹿島のそれは2本。立ち上がりこそ、チャンスを作ったものの、時間の経過とともに後手に回されるケースが増え、後半のシュート数は何とゼロに終わった。

 彼我の差は何だったのか。キャプテンの土居聖真が言葉を絞り出した。

「(横浜は)ボールを動かせるし、湧き出てくるような攻撃を90分間を通してやれていた。(そういう攻撃に対しても)よく守ることができていた部分もあるけれど、前から行くのか、ちょっと引いてから行くのか、あいまいになってしまった」

 さらに「一言では言い切れない」とも付け加え、目ざしている戦術の浸透度やゲームの運び方、戦力の底上げなど、逆転優勝のために修正すべき課題の多さをうかがわせた。

 だが、白旗を上げたわけではない。

「試合後、スタンドのファンやサポーターから温かい声をかけてもらった。(残り11試合で、首位との勝点差8という現実は)確かに厳しいけれど、何とか結果で応えていきたいと思っている」

 覇権奪回に向けての決意は、守備の要として奮闘する三竿健斗もブレていない。

「どんな状況に置かれても下を向かずに戦っていこうと、日ごろからみんなで話し合っている。負けてしまった試合のなかでも(次につながるような)希望を探しながら前に進んでいきたい。そういう部分を自分が姿勢を示すことで、ほかの選手にも伝えていけたらと思っている」

 鹿島の辞書に「あきらめる」という言葉は、やはりない。たとえ、崖っぷちを歩かされようと、首の皮一枚であろうと。

 脳裏に浮かぶのは2007年のJリーグだ。残り10試合で、首位・浦和との勝点差10をひっくり返した成功体験が鹿島にはある。いかにか細くとも優勝への希望が残る限り、自分たちの力を信じて、歯を食いしばって戦っていく。それが鹿島の揺るぎない伝統的マインドでもあるだろう。

取材・文●小室功(オフィス・プリマベーラ)





◆崖っぷちでも、首の皮一枚でも。鹿島の辞書に「あきらめる」はない。伝統的マインドで彼我の差を埋められるか(サッカーダイジェスト)





◆鹿島アントラーズが能動的に戦えない理由。攻勢のカギは指揮官がどこに着地点を見つかれれるか(Sportiva)






 7月30日、横浜。J1リーグ第23節、2位の鹿島アントラーズは、首位を走る横浜F・マリノスの本拠地に意気揚々と乗り込んだが、2-0と返り討ちに遭っている。

「完敗」

 それが鹿島陣営から出てきた試合の総括だった。じわじわと局面の戦いで敗れ、流れをつかめず。勝ち点差は8ポイントとなり、意気消沈するのも無理はない。

 鹿島の反転攻勢はもうないのか?

 鹿島が有力チームである事実は変わらない。E-1選手権の日本代表にはひとりも選ばれなかったが、それはどこか不当にも映った。鈴木優磨、樋口雄太、安西幸輝、三竿健斗などは実力者と言えるし、ディエゴ・ピトゥカらブラジル人選手たちも手練ればかりだ。

 しかしながら、レネ・ヴァイラー監督のチームデザインがはっきりと見えない。コロナ禍で来日が遅れ、プレシーズンからチームを作っているわけではないので、情状酌量の余地はあるにせよ、バックラインから単純にボールを蹴り込み、セカンドボールを拾って......という個人の力量やひらめきへの依存度が高すぎる。悪く言えば、場当たり的なのだ。

<ボールをつないで運ぶ>

 その一点だけを見ても、組織としての練度は「代表7人」の横浜FMと比べると劣っていた。

「時間が経つにつれて、マリノスのリズムになっていきました。前半の前半のチャンスを決めていたら、展開は変わっていたかもしれませんが。マリノスはボールを動かせるし、湧き出てくるような攻撃ができるので......」(鹿島・土居聖真)

 鹿島はいくつかパンチを繰り出したが、クリーンヒットはしなかった。序盤、鈴木が前線左サイドでボールを収め、右に展開した後、クロスを再びファーサイドで受け、落としたボールを......というシーンは際どかったが、GKを脅かすことまではできていない。球際でガチンコ勝負したが、カウンターを仕掛けようにも再びボールを失い、次第に個々が劣勢に立たされた。

 前半37分に先制点を奪われた場面では、GKクォン・スンテのキックが直接、相手MFに渡ってしまう。これをダイレクトでつなげられて、ブラジル人コンビのワンツーにディフェンスがつききれず、折り返しをゴールに放り込まれている。GKだけでなく、他の選手もポジションを取れておらず、必然の失点だった。


歴然としていた「つなぐ力」の差


「厳しいシナリオの試合になったと言える。結局は自分たちのミスで失点を招いた。そして後半、早い時間帯に2点目を失い、難しい状況になってしまった。そこで相手は有力な選手を投入し......」(ヴァイラー監督)

 後半6分には、相手のセットプレーを一度は頭で跳ね返したものの、味方のボールを受けた樋口が、エリア内で痛恨のコントロールミス。そのまま回収され、岩田智輝にミドルシュートを蹴り込まれた。

 墓穴を掘ったに近い失点と言えるだろう。

 選手の士気が低かったわけではない。その証拠に、猛暑の中で走行距離やスプリント数は拮抗していた。ただ、パスの本数は200本以上、横浜FMよりも少なかった。それだけでなく、成功率も約60%で、17%以上も低かった。ボールを持ち運ぼうとする攻防において、その差は歴然だった。

「90分間でボールを保持する回数を増やせるように、もっと突き詰める必要がある」(鹿島・樋口)

 鹿島はもう少し、能動的に戦える時間を増やさないと厳しいだろう。そのためのトレーニングが急務となる。個人のフィーリングでボールをつないでいるところが多く、組織性が低いため、時間を追うごとにズレが出てくる。横浜FMのような相手と戦うと、攻撃だけでなく守備の乱れも顕著になるのだ。

 もちろん、主体的に戦おうとすれば、自ずとリスクを背負うことになる。

 その点でも、鹿島は問題を抱えている。攻撃を重視するにはハイラインを敷く必要があるが、バックラインはややスピードに欠ける。そのためブロックを作って戦う試合が多かったのだろう。横浜FM戦では、前がかりで戦おうとしたが、案の定、カウンターで裏返しにされた時、いくつも危機が生まれた。先制点のシーンは象徴的だ。

 やはり、ヴァイラー監督がどこに着地点を見つけられるかがカギになる。

 ブラジル人選手の力をうまく引き出せておらず、稼働率の悪さは明白だ。日本人選手のパフォーマンスレベルも、やや低下している。現状はちぐはぐさが目立つ。

 上田綺世がいた時は前線に力点を作れていたが、上田のベルギー移籍後はそれもなくなり、各選手の距離感が悪くなった。それがパスミスにも表れ、その混乱で前線と後衛の意思疎通がなくなり、混迷を増しているのだ。

 反転攻勢のキーマンとしてひとりを挙げるなら、鈴木優磨だろう。

 鈴木はJリーグでは最も総合力の高いFWと言える。ポストワークでボールを収められるし、高さもあってターゲットになれる。サイドに流れてポイントも作れる。アシストの数も多く、ゴールゲッターとしての感覚もありあまるほどだ。

 バックラインの弱点を隠すには、やや低い位置で守らざるを得ないだろう。そこで、今よりはポゼッション率を高め、長いボールも用いる判断も向上させる。そして攻撃で鈴木を有効に用い、粘り強く戦うことだろうか。

「リーグ戦はまだ終わっていない。最後に頂点に立てるように......」(鹿島・広瀬陸斗)

 8月、鹿島はホームの2連戦に再起を懸ける。




◆鹿島アントラーズが能動的に戦えない理由。攻勢のカギは指揮官がどこに着地点を見つかれれるか(Sportiva)





◆【番記者の視点】首位攻防で完敗の鹿島 三竿健斗の「信じる」の裏側にあるもの(報知)






◆明治安田生命J1リーグ ▽第23節 横浜FM 2―0 鹿島(30日・日産スタジアム)

 鹿島は、横浜FMとの首位攻防戦で完敗した。先制点は、最後までキックの感覚が合わなかったというGKクォン・スンテのゴールキックを拾われてのカウンター。横浜FMの助っ人コンビにクロス、シュートともに股を抜かれた。そして、後半立ち上がりの2失点目は、セットプレーの流れからミドルシュートを被弾した。横浜FMの次々と人が湧き出るような動き、つながるパスには、鹿島との意図の差が見られた。放ったシュートは鹿島の2本に対し、横浜FMは17本。「完敗」。取材対応した三竿健斗、土居聖真、広瀬陸斗の3人はそろって口にした。

 E―1東アジア選手権による約2週間の中断期間。フロントはレネ・バイラー監督と多くの面談を持った。ベルギーに移籍した上田綺世の穴、懸念であるセンターバックの補強策はもちろん、戦い方やチームの積み上げ方についても意見交換したという。起用法など監督の「聖域」を守る姿勢が強かった指揮官は、後半勝負を意識した横浜FM戦の戦い方にコーチングスタッフからの意見、アイデアを従来より多く取り入れたと、クラブ関係者から聞いた。

 中断期間には、新型コロナウイルス感染症に多くの選手が感染。トレーニング器具を自宅まで運び入れ、コンディションを落とさない措置が取られたが、準備にも、試合にも影響があったと見る方が自然だろう。クラブの成り立ち上、だから負けて良いということにはならないが、これが事実であれば、監督の大きな変化として記す必要がある。ブラジル人や日本人と比較し、欧州人監督は聖域へのこだわりが強いと言われるが、監督就任1年目は特に多くのサポートが必要だ。

 首位・横浜FMとの勝ち点差が8に開いた試合後、三竿は言った。「僕は現実が厳しくても前向いてやるしかないし、その姿勢をチームに伝えたいという思いがある。周りがそれをできていなくても、自分が前向いてやる。最後の最後まで、リーグ戦もそうですけど、信じてやるしかない」。この「信じて」には、そうした変化が内包されていてもおかしくない。(鹿島担当・内田知宏)





◆【番記者の視点】首位攻防で完敗の鹿島 三竿健斗の「信じる」の裏側にあるもの(報知)