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2023年3月19日日曜日

◆【採点寸評|鹿島】死力を尽くし、内容は悪くなかった。序盤の好機逸が大きな代償に[J1第5節 横浜2-1鹿島](サッカーダイジェスト)



鹿島アントラーズ採点寸評


土居が今季初先発


 3月18日にJ1リーグ第5節が行なわれ、横浜F・マリノスと鹿島アントラーズが日産スタジアムで対戦。ホームの前者が2-1で勝利を収めた。

 五分五分に終わった前半を経て、56分に横浜が均衡を破る。左サイドからエウベルが中央へパスを送り込むと、後方から走り込んできた松原健が右足を一閃。低弾道の強烈なシュートをゴール左に突き刺した。

 勢いに乗った昨シーズン王者は直後の62分、喜田拓也のクロスが常本佳吾のオウンゴールを誘い、追加点を奪った。

 追いかける鹿島は、68分に途中出場の松村優太のクロスからエースの鈴木優磨が1点を返すも、反撃はそこまで。横浜が接戦をモノにし、Jリーグ元年から続く伝統の一戦、The CLASSICを制した。

▼鹿島のチーム採点「6」
 死力を尽くした。内容は悪くなかった。サッカーの試合に判定というポイント制度があったら、鹿島に分があったかもしれない。だが、結果が伴わなかった。

「川崎とともに現在のJリーグをリードするクラブ」と、岩政大樹監督が敬意を表すディフェンディングチャンピオンの横浜との対決。自分たちの現在地を知るうえで、重要な一戦だった。

 急速に評価を高める若きボランチの佐野海舟が出場停止のため(前節、警告2枚による退場)、代わって誰が起用されるか、また、どんな配置で戦うか、大いに注目された。

 システムはアンカーの佐野に代わり、インサイドハーフのディエゴ・ピトゥカが下がり、土居聖真が今季初先発。見方によっては4-1-4-1にもとれる布陣だった。

 立ち上がりから鹿島が攻勢に出た。だが、開始16分間で3回のチャンスを作りながら、モノにできず。ここで決めていれば……それが大きな代償となってしまった。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部




GK:早川友基|採点6/相手をほめるべき鮮やかなミドル弾とオウンゴールの2失点は責められない。降り続く雨をものともせず、全体的に安定感のあるパフォーマンスだった。

DF:常本佳吾(87分OUT)|採点5.5/立ち上がり5分、自身のボール奪取から攻撃に転じ、パスを展開後、自らシュートに持ち込むも打ち損じた。痛恨の“自責点”に表情を曇らせた。

DF:植田直通|採点6/雨中の戦いだけに想定外のハプニングを回避すべく、安全第一に徹した。冷静なクロス対応で、ボールをゴール前から遠ざけた。

DF:昌子源|採点6.5/きわどいシュートに的確に反応し、ボールをかきだした。最終ラインに「昌子がいること」の意味を示すビッグプレーだった。

DF:安西幸輝|採点6/細かいタッチのドリブルを仕掛け、イエローカードにつながるファウルを誘発。果敢な攻撃参加で相手の脅威となった。

MF:樋口雄太(64分OUT)|採点6/所狭しと奔走し、攻守に奮闘。約60メートルの超ロングシュートを放ち、相手GKを慌てさせた。

MF:土居聖真(58分OUT)|採点6/16分、巧妙な動きからフリーとなり、藤井のクロスを呼び込んだ。ゴールの枠を捉えられず、天を仰いだ。

MF:ディエゴ・ピトゥカ|採点5/そこかしこで負けず嫌いのスイッチが入っていたが、最後の最後に冷静さを欠いた。わずか1分間で警告2枚を受けての退場はいただけない。

FW:藤井智也(58分OUT)|採点5.5/開始早々、自慢のスピードから決定機を作った。だが、時間の経過とともに存在が薄れてしまった。

FW:知念慶(64分OUT)|採点6/14分、オフサイドラインを気にしつつ、安西からのインスイングのクロスにピタリと頭で合わせたが、惜しくもGK正面をついた。

FW:鈴木優磨|採点6.5/1点差に詰め寄るゴールをゲット。アディショナルタイムを含め、残り30分足らず、俄然チームを活気づかせた。

MF:荒木遼太郎(58分IN)|採点6/とっさの判断ながら、右足アウトでのアクロバティックなトラップからシュートに持ち込もうとするなど、狭いエリアでひと味違うプレーを見せた。

MF:松村優太(58分IN)|採点6.5/攻めては、ドリブルの仕掛けから鈴木のゴールを絶妙アシスト。守っては、逆襲に際して、持ち前の俊足で相手の独走をノーファウルで阻止した。

MF:アルトゥール・カイキ(64分IN)|採点6/攻撃を活性化すべく、あの手この手を駆使していたが、平均点以上の変化をもたらすことはできなかった。

MF:中村亮太朗(64分IN)|採点6.5/鋭く、強めのパスを味方の足もとにズバズバ通しつつ、球際では身体を張った。気持ちが伝わってくるプレーぶりだった。

FW:染野唯月(87分IN)|採点なし/右SBの常本に代わり、ピッチに登場。FWの枚数を増やし、“あと1点”を追いかけた。

監督:岩政大樹|採点6/交代出場の選手たちが絡み合い、1点をもぎ取ったことを収穫に挙げたが、最終的に勝ちきれず、ほぞをかむ。