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2024年6月9日日曜日

◆鹿島「吉と出た」監督人事と右SB「新発見」、G大阪「上昇」の鍵を握る宇佐美、神戸「本当にすごい」大迫、優勝に「一番近い」チーム【J1「まさかの前半戦」と「マジかの後半戦」大激論】(3)(サッカー批評)






 2024年のJ1リーグが、折り返し地点にたどり着こうとしている。20チームで臨んだ前半戦は、良い意味でも悪い意味でもサプライズがあった。また、後半戦の展望につながる新たな材料も見つかった。前半戦をいかに消化し、後半戦に昇華させていくのか、ベテランのサッカージャーナリスト、大住良之と後藤健生が徹底的に語り合った。


■鹿島「2位」要因は知念慶コンバート


――鹿島アントラーズは、監督交代が吉と出たとみていいですか。

後藤「ランコ・ポポヴィッチ監督でどうなるかなと、みなが思っていたけれど、意外と当たったなという感じ。あの人は自分の色を押しつけるんじゃなくて、既存の選手の能力をうまく引き出すよね。さらに、新しい選手の特長もうまく引き出して、全員で一生懸命やる。それがうまくいった」

大住「新人の右サイドバック、濃野公人のような大発見もあったし」

後藤「まさにサプライズだったね」

大住「知念慶をボランチにコンバートしたことも、今のチームの成績に結びつく、すごく大きな要因だった」

後藤「仲間隼人も柏レイソル時代は、それなりに良い選手だなと思っていたら、今では左サイドで存分に能力を発揮している。名古新太郎もすっかり復活したし、全員が自分の得意なプレーをすることで、チームもうまく回っている感じ。そこにアレクサンダル・チャヴリッチというサイドでも使えるCFタイプを連れてきて、非常に短期間で良いチームをつくったよね。植田直通と関川郁万のCBコンビは、そりゃあ強いしね」


■選手層も厚い鹿島が「優勝」に一番近い


大住「樋口雄太や松村優太とか、起用すれば計算できる選手が多いんだよね。選手層も厚い」

後藤「鈴木優磨の名前も出さないといけない。鈴木とチャヴリッチが前にいたら、相手の守備は引きつけられちゃうよね。サイドにスペースを空けちゃいけないと思っていても、真ん中にあの2人がいたら、対応しに行くしかないもんね」

大住「今年はだいぶ選手を外に出したし、それほど補強をしなかったうえに、新監督への疑問もあったので期待値はあまり高くなかった。でも、始まってみたら非常にうまくやっているな、という感じがする。

後藤「プレシーズンマッチのいばらきサッカーフェスティバルを見て、攻撃のスピードアップができていて悪くないなと思ったけれど、思っていた以上にうまくいったね」

大住「さらにACLという罰ゲームがない。そういったさまざまなことを考え合わせると、鹿島が優勝に一番近い位置にいるかな、という気がする」




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